有価証券報告書-第65期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/27 14:37
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【項目】
114項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の財政状態の概況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、765億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ31億1百万円減少いたし
ました。これは主に商品及び製品が61億83百万円、未収入金が5億55百万円、投資有価証券が3億36百万円増加し
たものの、現金及び預金が88億37百万円、受取手形及び売掛金が17億62百万円減少したこと等によるものでありま
す。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、231億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億80百万円減少いた
しました。これは主に未払法人税等が5億65百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が11億98百万円減少した
こと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、533億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億20百万円減少い
たしました。これは主に利益剰余金が13億80百万円、その他有価証券評価差額金が2億32百万円増加したものの、自己株式が34億15百万円増加したこと、為替換算調整勘定が3億94百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は69.0%(前連結会計年度末は69.0%)となりました。
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資や大型M&A案件にばらつきが見られたものの、雇用情勢改善の持続や、企業収益も堅調に推移するなど、全体的に緩やかな成長基調となりました。
世界経済をみると、米国においては、保護主義的な通商政策による貿易摩擦のマイナス影響懸念は存在するものの、堅調な海外需要を背景に輸出が持ち直し、企業収益の改善から設備投資も回復傾向となりました。中国では、世界経済の回復を背景に輸出が拡大し、欧州では、雇用環境の改善から個人消費の緩やかな回復が持続するなど、総じて安定的に推移いたしました。
このような経済状況のもと、当社グループ(当社及び連結子会社)は、娯楽機器関連・産業機器関連・民生機器関連が好調に推移し、OA機器関連も堅調に推移いたしました。通信機器関連につきましては、国内市場では低調でしたが、海外市場で好調に推移いたしました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、連結売上高 1,279億26百万円(前期比13.8%増)、営業利益 34億35百万円(前期比60.9%増)、経常利益 35億92百万円(前期比67.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益 22億76百万円(前期比79.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
電子部品事業
電子部品事業におきましては、売上高は1,016億55百万円(前期比5.2%増)となりました。
1) 集積回路
国内、海外ともに娯楽機器関連・産業機器関連・OA機器関連が好調に推移いたしました。
以上の結果、集積回路の売上高は483億42百万円(前期比1.2%増)となりました。
2) 半導体素子
国内において、娯楽機器関連が好調に推移し、産業機器関連も堅調に推移いたしました。
海外においては、通信機器関連が低調に推移いたしました。
以上の結果、半導体素子の売上高は143億62百万円(前期比3.4%減)となりました。
3) 回路部品
国内において、産業機器関連が好調に推移いたしました。
海外においては、通信機器関連が好調に推移し、自動車電装機器関連も堅調に推移いたしました。
以上の結果、回路部品の売上高は193億38百万円(前期比31.3%増)となりました。
4) LCD等
国内、海外ともに娯楽機器関連が好調に推移いたしました。
以上の結果、LCD等の売上高は36億70百万円(前期比35.1%増)となりました。
5) その他電子部品
国内において、通信機器関連が低調に推移いたしました。
以上の結果、その他電子部品の売上高は159億41百万円(前期比3.4%減)となりました。
アッセンブリ事業
アッセンブリ製品
国内、海外ともに娯楽機器関連・産業機器関連が好調に推移いたしました。
以上の結果、アッセンブリ製品の売上高は199億38百万円(前期比71.3%増)となりました。
その他の事業(電子機器及びマイクロコンピュータのソフトウェア受託開発)
国内において、一時的な電子喫煙器具輸入ビジネスが貢献いたしました。
以上の結果、電子機器及びマイクロコンピュータのソフトウェア受託開発の売上高は63億33百万円(前期比49.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が34億25
百万円(前期比86.6%増)となり、売上債権の減少、定期預金の払戻による収入等があったものの、たな卸資産の増加、仕入債務の減少、法人税等の支払、有形固定資産の取得、自己株式の取得、配当金の支払等があったことにより、前連結会計年度末に比べ67億16百万円減少し、当連結会計年度末においては164億93百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、38億99百万円(前期13億54百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が34億25百万円、売上債権の減少15億94百万円による収入等があったものの、娯楽機器関連及びBCM等の在庫の増加のため、たな卸資産の増加64億72百万円、仕入債務の減少12億47百万円、法人税等の支払による6億96百万円の支出等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、18億81百万円(前期11億92百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による1億1百万円の支出等があったものの、海外子会社が、日本への配当金支払いのため取崩を行ったことによる定期預金の払戻による20億18百万円の収入等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、46億13百万円(前期比191.0%増)となりました。これは主に、株主還元のため、自己株式の取得34億15百万円(平成29年8月から東証での市場買付けを平成30年3月31日までの期間で34億14百万円)を行い、また、配当金の支払8億96百万円の支出等があったことによるものであります。
③ 仕入、受注及び販売の実績
a. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
電子部品事業(百万円)95,459108.8
アッセンブリ事業(百万円)18,628200.0
その他の事業(百万円)5,471151.0
合計(百万円)119,559118.8

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは商社機能として、受注、販売活動を行っており、サプライチェーンの重要な役割として商品供給の納期確保のため、顧客の所要などに基づく手配も行っております。なお、受注から売上計上までの期間は短く完了しており、当連結会計年度における商品受注状況は以下のとおりとなります。
受注高(連結消去後) 126,780百万円
受注残高 17,768百万円
※受注高、受注残高には消費税は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
電子部品事業(百万円)101,655105.2
アッセンブリ事業(百万円)19,938171.3
その他の事業(百万円)6,333149.8
合計(百万円)127,926113.8

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度等は、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が、
100分の10未満のため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、当面は、日本基準で連結財務諸表を作成する方針であります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は前述の通りでありまして、売上が産業機器関連と娯楽機器関連を中心に伸張し、売上総利益率も8.7%から8.9%と0.2ポイントアップしました。これに比し販管費は実額で増加したものの対売上比では6.8%から6.2%にダウンしました。結果営業利益は額で13憶伸張し、率でも1.9%から2.7%へ大きな伸びを果たしました。これは当社の営業努力によるものの他為替の影響もあり利益率の改善に少し前進をしたところです。しかしながら量の拡大と利益率の向上は相反する事象もあり取引先や仕入先の個々のコンディションに左右されることも多く、今後はより多くの新規先や新規案件を幅広く向上させることが必要と考えられます。
また財政状態としては総資産に占める固定資産比率は7.6%から8.3%に上昇したとはいえ、まだ低水準を保っております。これは商社特有のコンパクトな経営に徹した結果でありますが、反面流動資産比率が高くキャッシュ水準と自己資本比率の高水準化をもたらしている原因ともいえます。これらの事象を鑑み当社は前期にまとまった自社株買いを実施しROEの向上に努めました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては前述の記載の通り纏まった自社株買いとメーカー生産終了に伴うEOL在庫やサプライチェーン継続のためのBCM在庫に適切に対応したことにより88億の現預金減となりました。現状の資本とキャッシュを考慮するといまだ余裕が無いとはいえませんが、現状の業界動向の中で今後の成長性とサステナビリティを両立させるためには必要な資本と考えております。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては商社として必要な適切な資本コストとROEと考えております。当社は別途発表した中期計画のなかでROEの現状目標数値5%を設定いたしました。前述の商社の置かれた状況を考慮すれば売上総利益率の大幅な伸張は望めませんができることを着実に実行し目標を達成できるよう努力してまいります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
(電子部品事業)
売上高は、娯楽機器関連・産業機器関連・OA機器関連が好調に推移したこと等により、前期比5.2%増の1,016億55百万円になりました。
セグメント利益も、娯楽機器関連・産業機器関連・OA機器関連が好調に推移したこと等により、前期比18.8%増の47億97百万円になりました。
セグメント資産は、電子部品事業のたな卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ17億70百万円増加し、396億55百万円になりました。
次期以降につきましては、娯楽機器関連が遊戯参加人口の減少に伴う市場の縮小傾向により、多くを見込めない状況にありますが、産業分野、医療・介護分野において、IoTソリューションの拡販活動をさらに実施してまいります。
(アッセンブリ事業)
売上高は、娯楽機器関連・産業機器関連が好調に推移したことにより、前期比71.3%増の199億38百万円になりました。
セグメント利益も、娯楽機器関連・産業機器関連が好調に推移したことにより、3億55百万円(前連結会計年度は1億96百万円の損失)になりました。
セグメント資産は、アッセンブリ事業のたな卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ24億50百万円増加し、100億30百万円になりました。
次期以降につきましては、娯楽機器関連が遊戯参加人口の減少に伴う市場の縮小傾向により、多くを見込めない状況にありますが、産業分野、医療分野、車載分野のマーケット拡販活動を強化して成長を目指して行きます。
(その他の事業)
売上高は、一時的な電子喫煙器具輸入ビジネスが貢献したことにより、前期比49.8%増の63億33百万円になりました。
セグメント利益は、一時的な電子喫煙器具輸入ビジネスが貢献したものの、売上原価や販売費及び一般管理費の増加により、前期比2.1%増の2億55百万円になりました。
セグメント資産は、その他の事業の売上債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ6億67百万円増加し、24億47百万円になりました。