訂正有価証券報告書-第68期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の財政状態の概況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、734億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億96百万円増加いたしま
した。これは主に現金及び預金が63億4百万円、無形固定資産が1億2百万円減少したものの、受取手形及び売掛金
が34億34百万円、商品及び製品が19億48百万円、未収入金が14億35百万円、投資有価証券が9億64百万円増加したこ
と等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、231億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億1百万円増加いたし
ました。これは主に支払手形及び買掛金が1億59百万円、電子記録債務が2億76百万円減少したものの、未払金が
12億22百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、503億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億95百万円増加いた
しました。これは主に資本剰余金が1億89百万円、利益剰余金が13億84百万円減少したものの、自己株式が18億23百
万円減少したこと、その他有価証券評価差額金が5億44百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は67.7%(前連結会計年度末は68.0%)となりました。
当期の経営成績の概況
当社グループの当連結会計年度の業績は、連結売上高1,028億98百万円(前期比1.3%増)、営業利益15億43百万円(前期比4.2%減)、経常利益15億61百万円(前期比11.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益12億55百万円 (前期比1.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
電子部品事業
電子部品事業におきましては、売上高は881億6百万円(前期比6.9%増)となりました。
1)集積回路
国内においては、自動車電装機器関連が低調に推移いたしましたが、OA機器関連、産業機器関連が堅調に推移いたしました。
海外においては、自動車電装機器関連、産業機器関連が堅調に推移いたしました。
以上の結果、集積回路の売上高は452億92百万円(前期比16.2%増)となりました。
2)半導体素子
国内においては、産業機器関連が堅調に推移いたしました。
海外においては、自動車電装機器関連、産業機器関連が堅調に推移いたしました。
以上の結果、半導体素子の売上高は124億65百万円(前期比15.1%増)となりました。
3)回路部品
国内においては、自動車電装機器関連が低調に推移いたしました。
海外においては、産業機器関連、自動車電装機器関連は堅調に推移いたしましたが、娯楽機器関連、OA機器
関連が低調に推移いたしました。
以上の結果、回路部品の売上高は144億33百万円(前期比4.3%減)となりました。
4)LCD等
国内においては、娯楽機器関連が低調に推移いたしました。
海外においては、産業機器関連、OA機器関連が低調に推移いたしました。
以上の結果、LCD等の売上高は18億51百万円(前期比47.0%減)となりました。
5)その他電子部品
国内においては、産業機器関連が堅調に推移いたしました。
海外においては、自動車電装機器関連が低調に推移いたしました。
以上の結果、その他電子部品の売上高は140億63百万円(前期比0.03%減)となりました。
アッセンブリ事業
国内・海外ともに、娯楽機器関連、産業機器関連が低調に推移いたしました。
以上の結果、アッセンブリ製品の売上高は112億22百万円(前期比25.5%減)となりました。
その他の事業(電子機器およびマイクロコンピュータのソフトウェア受託開発)
国内において、娯楽機器関連、OA機器関連向けの電子機器販売が低調に推移し、ソフトウェア受託開発も
自動車電装機器関連向けが低調に推移いたしました。
以上の結果、電子機器およびマイクロコンピュータのソフトウェア受託開発の売上高は35億69百万円(前期比
13.2%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が16億26
百万円(前期比13.2%減)となり、売上債権の増加、たな卸資産の増加、仕入債務の減少、法人税等の支払、配当
金の支払等による支出があったことにより、前連結会計年度末に比べ63億27百万円減少し、当連結会計年度末にお
いては175億96百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、45億27百万円(前期は66億43百万円の獲得)となりました。これは主に税金等
調整前当期純利益が16億26百万円、その他の資産・負債の増減額14億21百万円の収入等があったものの、売上債権
の増加33億50百万円、たな卸資産の増加19億0百万円、仕入債務の減少5億22百万円、法人税等の支払6億36百万
円による支出等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、7億14百万円(前期は45百万円の獲得)となりました。これは主に投資有価証
券の取得2億9百万円、有形固定資産の取得1億50百万円、無形固定資産の取得2億33百万円の支出等があったこ
とによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、12億32百万円(前期比54.0%減)となりました。これは主に短期借入金の返済に
よる支出1億円、配当金の支払10億61百万円の支出等があったことによるものであります。
③ 仕入、受注及び販売の実績
a. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
電子部品事業(百万円) | 81,647 | 12.0 |
アッセンブリ事業(百万円) | 9,848 | △23.6 |
その他の事業(百万円) | 2,472 | △21.5 |
合計(百万円) | 93,968 | 5.7 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは商社機能として、受注、販売活動を行っており、サプライチェーンの重要な役割として商品供給の納期確保のため、顧客の所要などに基づく手配も行っております。なお、受注から売上計上までの期間は短く完了しており、当連結会計年度における商品受注状況は以下のとおりとなります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
電子部品事業 | 120,952 | 133.4 | 36,407 | 219.5 |
アッセンブリ事業 | 11,847 | 77.87 | 2,103 | 114.2 |
その他の事業 | 3,132 | 95.0 | 431 | 84.22 |
合計 | 135,932 | 124.5 | 38,943 | 205.6 |
(注)1.受注高および受注残高は、連結消去後の金額となります。
2.受注高および受注残高には、消費税は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
電子部品事業(百万円) | 88,106 | 6.9 |
アッセンブリ事業(百万円) | 11,222 | △25.5 |
その他の事業(百万円) | 3,569 | △13.2 |
合計(百万円) | 102,898 | 1.3 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度等は、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が、
100分の10未満のため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の業績は、連結売上高1,028億98百万円(前期比1.3%増)、営業利益15億43百万
円(前期比4.2%減)、経常利益15億61百万円(前期比11.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益12億55百万円
(前期比1.5%増)となりました。
売上に関しては、娯楽機器関連・自動車電装機器関連が減少で推移しましたが、産業機器関連・OA機器関連が
増加し前期比1.3%増となりました。販管費は出張費の抑制等により前期比で3億49百万円減と抑えたものの、売上
原価の増加を吸収するまでには至らず、売上総利益、営業利益、経常利益は各段階で前期比微減、当期純利益は横
ばいとなりました。
また財務状態としては総資産に占める固定資産比率は、未だ低水準を保っております。これは商社特有のコン
パクトな経営に徹した結果であります。今後も継続的な成長を目指すべく、収益拡大に加え、収益体質・財務体質
の一層の強化に取り組んでまいります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
(電子部品事業)
売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の市況への影響から娯楽機器関連・自動車電装機器関連が低調に推移いたしましたが、産業機器関連・OA機器関連関連が堅調に推移したこと等により、前期比6.9%増の881億6百万円になりました。
セグメント利益は、上記に記載いたしました通り、利益率の低いOA機器関連への売上が伸長し前期比3.3%減の30億59百万円になりました。
セグメント資産は、電子部品事業の売上債権やたな卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ76億98百万円増加し、379億43百万円になりました。
次期以降につきましては、娯楽機器関連が遊技参加人口の減少に伴う市場の縮小傾向により、多くは見込めない状況にありますが、産業分野、医療・介護分野において、感染症対策ソリューションおよびIoTソリューションの拡販活動をさらに実施してまいります。
(アッセンブリ事業)
売上高は、国内・海外ともに娯楽機器関連が、新型コロナウイルス感染症拡大による影響および業界における環境への取組みにより、リユース及びリサイクルの定着化が加速したことで、低調に推移し、前期比25.5%減の112億22百万円になりました。
セグメント利益は、前期比107.0%増の2億53百万円になりました。
セグメント資産は、アッセンブリ事業の売上債権や原材料の減少等により、前連結会計年度末に比べ17億39百万円減少し、60億93百万円になりました。
次期以降につきましては、娯楽機器関連が遊技参加人口の減少に伴う市場の縮小傾向により、多くを見込めない状況にありますが、産業分野、医療分野、車載分野のマーケット拡販活動を強化して成長を目指して行きます。
(その他の事業)
売上高は、国内の自動車電装顧客向けソフトウェア受託開発が低調に推移したことにより前期比13.2%減の35億69百万円になりました。
セグメント利益も、同理由により前期比20.4%減の2億69百万円になりました。
セグメント資産は、その他の事業の売上債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ13百万円増加し、17億17百万円になりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性につきましては、当連結会計年度は、売上債権の増加、未収入金の増加、たな卸資産の増加による支出等により、現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ63億27百万円減少し、175億96百万円となりました。
現状の資本とキャッシュを考慮すると余裕が無いとはいえませんが、業界動向の中で今後の成長性とサステナビリティを両立させかつ株主還元を念頭において機動的な資本政策を展開してまいります。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項については、状況を踏まえ、合理的と判断される仮定に基づき、会計上の見積りを行っております。連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大ならびに半導体製品の需給逼迫の影響は、不確実性が大きく、将来の事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報に基づき作成しております。
(たな卸資産)
当社グループはたな卸資産について、保有の理由や回転率に基づく一定の滞留期間によりたな卸資産を区分し、販売見込あるいは廃棄実績により評価減を行っておりますが、顧客の生産計画の変更など、見積りの前提に変更が生じ、連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは繰延税金資産について、将来の事業計画に基づいた課税所得に基づき回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに基づくため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少が生じた場合は、繰延税金資産が取崩され、税金費用が計上される可能性があります。