有価証券報告書-第203期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当行グループ(当行、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(業績等の概要)
・業績
当連結会計年度の当行及び連結子会社10社の連結ベースでの業績は、次のとおりとなりました。
損益状況につきましては、経常収益は、2021年10月1日からの株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い通年ベースでの計上となったことにより貸出金利息や役務取引等収益が増加したことや、株式等売却益が増加したことなどから、前年度比91億6百万円増加して、548億97百万円となりました。また、経常費用は、株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い通年ベースでの計上となったことにより営業経費が増加したことや、国債等債券売却損が増加したことなどから、前年度比75億62百万円増加して541億8百万円となりました。
この結果、経常利益は、前年度比15億43百万円増加して7億88百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い、前年度に負ののれん発生益を46億58百万円計上した反動から、前年度比26億36百万円減少して、18億3百万円となりました。
なお、当行グループは、総合金融サービス業の単一セグメントであるため、セグメントの業績は記載しておりません。
・キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により2,587億64百万円減少し、投資活動により1,689億6百万円増加し、財務活動により25億33百万円減少し、この結果、現金及び現金同等物は923億91百万円の減少となり、期末残高は1兆1,068億19百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動においては、貸出金の増加や借用金の減少による支出の増加を主因に、2,587億64百万円の支出となりました。また、前年度比では、借用金が純増から純減に転じたことや預金の増加幅が縮小したことなどから、4,453億2百万円の支出の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動においては、有価証券の売却及び償還による収入が有価証券の取得による支出を上回ったことを主因に、1,689億6百万円の収入となりました。また、前年度比では、前年度の株式会社福邦銀行の連結子会社化による現金の増加の反動があったものの、有価証券の売却及び償還による収入の増加や有価証券の取得による支出の減少により、577億6百万円の収入の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動においては、配当金の支払や自己株式の取得及び子会社株式の追加取得により、25億33百万円の支出となりました。また、前年度比では、子会社株式の追加取得による支出が増加したことを主因に、7億69百万円の支出の増加となりました。
① 国内業務・国際業務部門別収支
資金運用収支は、資金運用収益が302億54百万円、資金調達費用が11億21百万円で291億32百万円の利益となりました。役務取引等収支は、役務取引等収益が90億79百万円、役務取引等費用が33億46百万円で57億32百万円の利益となりました。その他業務収支は、その他業務収益が91億39百万円、その他業務費用が187億78百万円で96億38百万円の損失となりました。
(注) 1 国内業務部門は当行及び国内に本店を有する連結子会社(以下、「国内連結子会社」という。)の円建取引、国際業務部門は当行及び銀行業務を営む連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。
3 資金運用収益及び資金調達費用の相殺消去額は、当行の国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
② 国内業務・国際業務部門別役務取引の状況
役務取引等収益は90億79百万円となり、役務取引等費用は33億46百万円となりました。
(注) 国内業務部門は当行及び国内連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行及び銀行業務を営む連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
③ 国内業務・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1 国内業務部門は当行及び国内連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行及び銀行業務を営む連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3 定期性預金=定期預金+定期積金
④ 国内業務・国際業務部門別貸出金残高の状況
a 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注) 国内業務部門は当行及び国内連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
b 外国政府等向け債権残高(国別)
該当ありません。
⑤ 国内業務・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1 国内業務部門は当行及び国内連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行及び銀行業務を営む連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年(2006年)金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。また、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては、基礎的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年(1998年)法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年(1948年)法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
(生産、受注及び販売の状況)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たっては、連結財務諸表に含まれる金額が、将来事象の結果に依存するために確定できない場合又は既に発生している事象に関する情報を適時に入手できないために確定できない場合等に、会計上の見積り及び仮定設定を行わなければなりません。当行グループは、過去の実績や状況を分析し合理的であると考えられる様々な要因を考慮して見積りや判断を行い、その結果が、連結財務諸表における資産・負債及び収益・費用の計上金額の基礎となります。当行グループは、連結財務諸表に含まれる会計上の見積り及び判断の適切性、必要性に対して、継続して評価を行っておりますが、実際の結果は、見積りに特有の不確実性があるために、これら見積り時の計上金額と異なる結果となる可能性があります。
当行グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a 貸倒引当金
当行グループは、適切な償却・引当を実施するための準備作業として、自己査定を実施しております。自己査定とは、金融機関が信用リスクを管理するための手段であり、当行グループが保有する全資産の実態を、自己責任原則のもと自ら査定し、回収の危険性又は毀損の危険性の度合いに従って分類区分するプロセスであります。当行グループは、この自己査定の結果に基づき、期末現在の債権を、正常先債権、要注意先債権、破綻懸念先債権、実質破綻先債権及び破綻先債権の5つに区分し、それぞれの区分に応じて、貸倒等の実態を踏まえ債権の将来の予想損失額等を適時かつ適切に見積ることにより、信用リスクの程度に応じた貸倒引当金を計上しております。
また、エネルギー価格等の高騰や円安による物価上昇の継続に伴う急激な経済環境の悪化等による信用リスクの高まりに対応するために、当行及び銀行業務を営む連結子会社においては、要管理先以外の要注意先債権のうち、急激な経済環境の悪化等の影響が大きいと想定している債務者に対する債権については、当該債権に要管理先債権相当の予想損失額を見込んで計上しております。
なお、貸出先等の財政状態が当初予想した範囲以上に悪化し、その支払能力が低下した場合には、貸倒引当金の積増しが必要となる可能性があります。
b 繰延税金資産
当行グループは、将来の合理的な期間内の課税所得に関する見通しをはじめとする様々な予測・前提に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有していると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の計上に関する判断は、毎決算期末時点において実施しておりますが、実際の課税所得の推移等により、前連結会計年度に計上した繰延税金資産の一部、又は全額の回収ができないと判断した場合には、当行グループの繰延税金資産を取り崩し、同額を費用として計上することとなります。また、将来の課税所得は十分見込めるとしても、期末時点において、将来の一定の事実の発生が見込めないこと又は当行グループによる将来の一定の行為の実施についての意思決定又は実施計画等が存在しないことにより、将来の税金負担額の軽減の要件を充足することが見込めない場合には、同様に当行グループの繰延税金資産を取り崩し、同額を費用として計上することとなります。
c 投資の減損
当行グループは、金融機関として一定の運用収益を確保していくため、有価証券を保有しております。これらの有価証券には市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券と市場価格のない株式が含まれます。当行グループでは、市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券の時価が取得原価に比べて著しく下落しており、時価が取得原価まで回復する見込みがないものと判断したものについては、当該時価をもって連結貸借対照表価額とするとともに、評価差額を当該連結会計年度の損失として費用処理しております。また、市場価格のない株式において、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額を行い、同様に評価差額を当該連結会計年度の損失として費用処理しております。
将来の市況悪化や投資先の業績不振等により、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が発生した場合には、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。
d 退職給付に係る負債
当行グループは、従業員の退職給付に備えるため、連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき、退職給付に係る負債を計上しております。退職給付費用及び退職給付債務は、割引率、予定昇給率、退職率及び死亡率等の数理計算において用いる前提条件に基づいて算出されております。
実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は数理計算上の差異あるいは過去勤務費用として累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
e 固定資産の減損会計
当行グループは、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産の帳簿価額を、回収可能価額まで減額する会計処理を適用しております。
同会計処理の適用に当たっては、営業活動から生ずる損益の継続的低下や地価の著しい下落等によって減損の兆候が見られる場合に減損の有無を検討しております。減損の検討には将来キャッシュ・フローの見積額を用いており、減損の認識が必要と判断された場合には、帳簿価額が回収可能価額を上回る金額を減損しております。なお、回収可能価額は将来キャッシュ・フローの見積額の現在価値、又は正味売却価額のいずれか高い金額によって決定しております。
将来の営業活動から生ずる損益の悪化、使用範囲又は方法についての変更、経営環境の著しい悪化、市場価格の著しい下落等により減損の認識が必要となった場合、また、見積りの前提条件の変更等により将来キャッシュ・フローの見積額が減少することとなった場合には、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
(注) 偶発損失引当金繰入額等には、信用保証協会責任共有制度負担金を含んでおります。
a 連結業務粗利益(資金運用収支+役務取引等収支+その他業務収支)
・資金運用収支
資金運用収益は、2021年10月1日からの株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い通年ベースの収益が連結財務諸表に計上となったことにより、貸出金利息収入が増加したことなどから、前年度比32億28百万円増加しました。資金調達費用は、外貨の調達コストの上昇により前年度比10億38百万円増加しました。資金運用収支は前年度比21億89百万円増加して291億32百万円の収益となりました。
法人のお客さまに対しては、コンサルティング分野への戦略的な人財配置を積極的に進め、お客さまの課題解決に向けた取り組みの一環として、資金支援を継続して取り組みました。今後も引き続き適切かつ積極的な資金支援を強化し、お客さまの課題解決及び成長支援を行っていくことで、当行グループの収益確保につなげてまいります。有価証券運用につきましては、償還や売却に伴い債券や投資信託の運用残高が減少したものの、株式会社福邦銀行の連結子会社化の影響により、有価証券利息配当金は前期比3.8%の増加となりました。今後も日米欧の金融政策の動向等、金融市場環境を注視しつつ、効率的な有価証券運用に努め収益を確保してまいります。
・役務取引等収支
役務取引等収支は、資金運用収支同様、株式会社福邦銀行の連結子会社化の影響や、生命保険代理店手数料の増加により前年度比3億23百万円増加して57億32百万円の収益となりました。
役務取引等収支の増加は、グループ会社を含めたコンサルティング分野への戦略的な人財配置及びグループ一体となりコンサルティング業務の強化に取り組んだ結果です。今後も法人のお客さまにはグループ一体となったコンサルティングサービスの提供を、個人のお客さまには、野村證券株式会社との包括的業務提携による金融商品仲介業務の開始に伴い、より質の高い資産形成サービスの提供を行い、手数料収入の確保につなげてまいります。
・その他業務収支
債券関係損益は国債等債券の売買損益の悪化により、その他業務収支は前年度比63億35百万円減少して96億38百万円の損失となりました。
以上の結果、連結業務粗利益は、前年度比38億22百万円減少して252億27百万円となりました。
b 営業経費
株式会社福邦銀行の営業経費が通年分計上されるようになったことにより、前年度比18億69百万円増加して276億60百万円となりました。
c 貸倒償却引当費用
貸倒償却引当費用は、前年度に行った予防的引当の反動により、一般貸倒引当金繰入額が減少したことなどから前年度比19億45百万円減少して21億66百万円となりました。
d 株式等関係損益
株式等関係損益は、株式等売却益が増加したことなどから、前年度比53億7百万円増加して49億49百万円の利益となりました。
e 経常利益又は経常損失
以上の結果、経常損益は、前年度比15億43百万円増加して7億88百万円の利益となりました。
f 特別損益
前年度の株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い発生した負ののれん発生益が剥落したことにより、前年度比40億48百万円減少して1億96百万円の損失となりました。
g 法人税等調整額
繰延税金資産の増加額が縮小したことにより、法人税等調整額は前年度比5億3百万円増加し△3億72百万円となりました。
h 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度比26億36百万円減少して18億3百万円となりました。
③ 当連結会計年度の財政状態の分析
a 預金・譲渡性預金
譲渡性預金を含めた預金等は、個人預金が順調に推移したことから、前連結会計年度末比503億円増加して当連結会計年度末残高は3兆3,700億円となりました。
また、預り資産に関しては、公共債は前連結会計年度末比3億円増加し、投資信託は前連結会計年度末比27億円減少し、個人年金保険等は前連結会計年度末比5億円減少しました。
(預金の残高(末残))
(預り資産の残高(末残))
b 貸出金
貸出金は、消費者ローンを含む中小企業等向け貸出が順調に推移したことから、前連結会計年度末比763億円増加して当連結会計年度末残高は2兆2,144億円となりました。
(貸出金の残高(末残))
c 有価証券
有価証券は、市場動向を注視しつつ運用管理に努めた結果、前連結会計年度末比1,778億円減少して当連結会計年度末残高は5,704億円となりました。
(有価証券の残高(末残))
d 不良債権額
当行グループの金融再生法開示債権の合計は、前連結会計年度末比14億67百万円減少して360億37百万円となりました。総与信残高に占める割合は、前連結会計年度末比0.12ポイント減少して1.58%となりました。
(リスク管理債権の状況)
e 繰延税金資産
繰延税金資産については、貸倒引当金に係るものが大部分を占めております。当連結会計年度においては、その他有価証券評価差額金にかかる繰延税金負債が減少したことから、繰延税金資産と繰延税金負債の差額は47億33百万円増加して、純額で62億円の繰延税金資産となりました。
(繰延税金資産及び繰延税金負債の合計額)
④ 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の増加や借用金の減少による支出の増加を主因に、2,587億64百万円の支出となりました。また、前年度比では、借用金が純増から純減に転じたことや預金の増加幅が縮小したことなどから、4,453億2百万円の支出の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却及び償還による収入が有価証券の取得による支出を上回ったことを主因に、1,689億6百万円の収入となりました。また、前年度比においては、前年度の株式会社福邦銀行の連結子会社化による現金の増加の反動があったものの、有価証券の売却及び償還による収入の増加や有価証券の取得による支出の減少により、577億6百万円の収入の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払や自己株式の取得及び子会社株式の追加取得により、25億33百万円の支出となりました。また、前年度比では、子会社株式の追加取得による支出が増加したことを主因に、7億69百万円の支出の増加となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前年度比923億91百万円減少して1兆1,068億19百万円となりました。
当行グループの収益の根源となる貸出金や有価証券の運用資金については、大部分をお客さまからの預金にて調達しており、必要に応じて日銀借入金や金融市場から資金調達を行っております。
なお、当面の設備投資、成長分野への投資並びに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
(連結キャッシュ・フローの状況)
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の(経営方針)をご参照ください。
当連結会計年度における当行グループ(当行、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(業績等の概要)
・業績
当連結会計年度の当行及び連結子会社10社の連結ベースでの業績は、次のとおりとなりました。
損益状況につきましては、経常収益は、2021年10月1日からの株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い通年ベースでの計上となったことにより貸出金利息や役務取引等収益が増加したことや、株式等売却益が増加したことなどから、前年度比91億6百万円増加して、548億97百万円となりました。また、経常費用は、株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い通年ベースでの計上となったことにより営業経費が増加したことや、国債等債券売却損が増加したことなどから、前年度比75億62百万円増加して541億8百万円となりました。
この結果、経常利益は、前年度比15億43百万円増加して7億88百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い、前年度に負ののれん発生益を46億58百万円計上した反動から、前年度比26億36百万円減少して、18億3百万円となりました。
なお、当行グループは、総合金融サービス業の単一セグメントであるため、セグメントの業績は記載しておりません。
・キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により2,587億64百万円減少し、投資活動により1,689億6百万円増加し、財務活動により25億33百万円減少し、この結果、現金及び現金同等物は923億91百万円の減少となり、期末残高は1兆1,068億19百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動においては、貸出金の増加や借用金の減少による支出の増加を主因に、2,587億64百万円の支出となりました。また、前年度比では、借用金が純増から純減に転じたことや預金の増加幅が縮小したことなどから、4,453億2百万円の支出の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動においては、有価証券の売却及び償還による収入が有価証券の取得による支出を上回ったことを主因に、1,689億6百万円の収入となりました。また、前年度比では、前年度の株式会社福邦銀行の連結子会社化による現金の増加の反動があったものの、有価証券の売却及び償還による収入の増加や有価証券の取得による支出の減少により、577億6百万円の収入の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動においては、配当金の支払や自己株式の取得及び子会社株式の追加取得により、25億33百万円の支出となりました。また、前年度比では、子会社株式の追加取得による支出が増加したことを主因に、7億69百万円の支出の増加となりました。
① 国内業務・国際業務部門別収支
資金運用収支は、資金運用収益が302億54百万円、資金調達費用が11億21百万円で291億32百万円の利益となりました。役務取引等収支は、役務取引等収益が90億79百万円、役務取引等費用が33億46百万円で57億32百万円の利益となりました。その他業務収支は、その他業務収益が91億39百万円、その他業務費用が187億78百万円で96億38百万円の損失となりました。
| 種類 | 期別 | 国内業務部門 | 国際業務部門 | 相殺消去額(△) | 合計 |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 資金運用収支 | 前連結会計年度 | 24,848 | 2,094 | - | 26,943 |
| 当連結会計年度 | 28,109 | 1,023 | - | 29,132 | |
| うち資金運用収益 | 前連結会計年度 | 24,992 | 2,040 | △7 | 27,026 |
| 当連結会計年度 | 28,251 | 2,003 | - | 30,254 | |
| うち資金調達費用 | 前連結会計年度 | 144 | △53 | △7 | 82 |
| 当連結会計年度 | 141 | 980 | - | 1,121 | |
| 役務取引等収支 | 前連結会計年度 | 5,403 | 5 | - | 5,409 |
| 当連結会計年度 | 5,692 | 40 | - | 5,732 | |
| うち役務取引等収益 | 前連結会計年度 | 8,137 | 74 | - | 8,212 |
| 当連結会計年度 | 8,997 | 81 | - | 9,079 | |
| うち役務取引等費用 | 前連結会計年度 | 2,733 | 68 | - | 2,802 |
| 当連結会計年度 | 3,305 | 41 | - | 3,346 | |
| その他業務収支 | 前連結会計年度 | △1,924 | △1,378 | - | △3,303 |
| 当連結会計年度 | △7,397 | △2,241 | - | △9,638 | |
| うちその他業務収益 | 前連結会計年度 | 7,888 | 842 | - | 8,730 |
| 当連結会計年度 | 8,700 | 439 | - | 9,139 | |
| うちその他業務費用 | 前連結会計年度 | 9,812 | 2,221 | - | 12,033 |
| 当連結会計年度 | 16,097 | 2,680 | - | 18,778 |
(注) 1 国内業務部門は当行及び国内に本店を有する連結子会社(以下、「国内連結子会社」という。)の円建取引、国際業務部門は当行及び銀行業務を営む連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。
3 資金運用収益及び資金調達費用の相殺消去額は、当行の国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
② 国内業務・国際業務部門別役務取引の状況
役務取引等収益は90億79百万円となり、役務取引等費用は33億46百万円となりました。
| 種類 | 期別 | 国内業務部門 | 国際業務部門 | 合計 |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 役務取引等収益 | 前連結会計年度 | 8,137 | 74 | 8,212 |
| 当連結会計年度 | 8,997 | 81 | 9,079 | |
| うち預金・貸出業務 | 前連結会計年度 | 2,964 | 0 | 2,964 |
| 当連結会計年度 | 3,329 | - | 3,329 | |
| うち為替業務 | 前連結会計年度 | 2,106 | 70 | 2,176 |
| 当連結会計年度 | 2,097 | 77 | 2,174 | |
| うち証券関連業務 | 前連結会計年度 | 722 | - | 722 |
| 当連結会計年度 | 715 | - | 715 | |
| うち代理業務 | 前連結会計年度 | 225 | - | 225 |
| 当連結会計年度 | 234 | - | 234 | |
| うち保証業務 | 前連結会計年度 | 420 | 3 | 423 |
| 当連結会計年度 | 395 | 4 | 399 | |
| うち保険販売業務 | 前連結会計年度 | 312 | - | 312 |
| 当連結会計年度 | 490 | - | 490 | |
| 役務取引等費用 | 前連結会計年度 | 2,733 | 68 | 2,802 |
| 当連結会計年度 | 3,305 | 41 | 3,346 | |
| うち為替業務 | 前連結会計年度 | 431 | 5 | 436 |
| 当連結会計年度 | 364 | 6 | 370 |
(注) 国内業務部門は当行及び国内連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行及び銀行業務を営む連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
③ 国内業務・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
| 種類 | 期別 | 国内業務部門 | 国際業務部門 | 合計 |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 預金合計 | 前連結会計年度 | 3,226,501 | 22,096 | 3,248,598 |
| 当連結会計年度 | 3,270,153 | 20,412 | 3,290,566 | |
| うち流動性預金 | 前連結会計年度 | 2,091,682 | - | 2,091,682 |
| 当連結会計年度 | 2,168,568 | - | 2,168,568 | |
| うち定期性預金 | 前連結会計年度 | 1,070,560 | - | 1,070,560 |
| 当連結会計年度 | 1,039,977 | - | 1,039,977 | |
| うちその他 | 前連結会計年度 | 64,258 | 22,096 | 86,355 |
| 当連結会計年度 | 61,608 | 20,412 | 82,020 | |
| 譲渡性預金 | 前連結会計年度 | 71,139 | - | 71,139 |
| 当連結会計年度 | 79,489 | - | 79,489 | |
| 総合計 | 前連結会計年度 | 3,297,641 | 22,096 | 3,319,738 |
| 当連結会計年度 | 3,349,643 | 20,412 | 3,370,055 |
(注) 1 国内業務部門は当行及び国内連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行及び銀行業務を営む連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3 定期性預金=定期預金+定期積金
④ 国内業務・国際業務部門別貸出金残高の状況
a 業種別貸出状況(末残・構成比)
| 業種別 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 国内業務部門 | 2,127,550 | 100.00 | 2,205,949 | 100.00 |
| 製造業 | 219,767 | 10.33 | 214,850 | 9.74 |
| 農業、林業 | 1,791 | 0.08 | 1,391 | 0.06 |
| 漁業 | 208 | 0.01 | 181 | 0.01 |
| 鉱業、採石業、砂利採取業 | 1,618 | 0.08 | 524 | 0.02 |
| 建設業 | 83,468 | 3.92 | 86,287 | 3.91 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 43,298 | 2.04 | 54,849 | 2.49 |
| 情報通信業 | 10,036 | 0.47 | 10,053 | 0.46 |
| 運輸業、郵便業 | 46,689 | 2.19 | 42,785 | 1.94 |
| 卸売業、小売業 | 195,011 | 9.17 | 201,170 | 9.12 |
| 金融業、保険業 | 145,828 | 6.85 | 163,076 | 7.39 |
| 不動産業、物品賃貸業 | 252,235 | 11.86 | 285,919 | 12.96 |
| 各種サービス業 | 153,113 | 7.20 | 164,311 | 7.45 |
| 地方公共団体 | 279,986 | 13.16 | 272,667 | 12.36 |
| その他 | 694,494 | 32.64 | 707,881 | 32.09 |
| 国際業務部門 | 10,561 | 100.00 | 8,537 | 100.00 |
| 政府等 | - | - | - | - |
| 金融機関 | - | - | - | - |
| その他 | 10,561 | 100.00 | 8,537 | 100.00 |
| 合計 | 2,138,111 | ――― | 2,214,487 | ――― |
(注) 国内業務部門は当行及び国内連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
b 外国政府等向け債権残高(国別)
該当ありません。
⑤ 国内業務・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
| 種類 | 期別 | 国内業務部門 | 国際業務部門 | 合計 |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 国債 | 前連結会計年度 | 108,973 | - | 108,973 |
| 当連結会計年度 | 35,900 | - | 35,900 | |
| 地方債 | 前連結会計年度 | 101,502 | - | 101,502 |
| 当連結会計年度 | 97,151 | - | 97,151 | |
| 短期社債 | 前連結会計年度 | - | - | - |
| 当連結会計年度 | - | - | - | |
| 社債 | 前連結会計年度 | 200,004 | - | 200,004 |
| 当連結会計年度 | 175,946 | - | 175,946 | |
| 株式 | 前連結会計年度 | 40,376 | - | 40,376 |
| 当連結会計年度 | 40,514 | - | 40,514 | |
| その他の証券 | 前連結会計年度 | 175,218 | 122,229 | 297,448 |
| 当連結会計年度 | 157,835 | 63,130 | 220,965 | |
| 合計 | 前連結会計年度 | 626,075 | 122,229 | 748,305 |
| 当連結会計年度 | 507,348 | 63,130 | 570,478 |
(注) 1 国内業務部門は当行及び国内連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行及び銀行業務を営む連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年(2006年)金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。また、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては、基礎的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
| 2022年3月31日 | 2023年3月31日 | |
| 1 連結自己資本比率(2/3) | 7.93 | 7.59 |
| 2 連結における自己資本の額 | 1,308 | 1,287 |
| 3 リスク・アセットの額 | 16,481 | 16,947 |
| 4 連結総所要自己資本額 | 659 | 677 |
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
| 2022年3月31日 | 2023年3月31日 | |
| 1 自己資本比率(2/3) | 7.90 | 7.67 |
| 2 単体における自己資本の額 | 1,108 | 1,112 |
| 3 リスク・アセットの額 | 14,012 | 14,506 |
| 4 単体総所要自己資本額 | 560 | 580 |
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年(1998年)法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年(1948年)法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
| 債権の区分 | 2022年3月31日 | 2023年3月31日 |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |
| 破産更生債権及びこれらに準ずる債権 | 2,938 | 3,373 |
| 危険債権 | 20,367 | 18,655 |
| 要管理債権 | 544 | 398 |
| 正常債権 | 1,815,132 | 1,872,810 |
(生産、受注及び販売の状況)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たっては、連結財務諸表に含まれる金額が、将来事象の結果に依存するために確定できない場合又は既に発生している事象に関する情報を適時に入手できないために確定できない場合等に、会計上の見積り及び仮定設定を行わなければなりません。当行グループは、過去の実績や状況を分析し合理的であると考えられる様々な要因を考慮して見積りや判断を行い、その結果が、連結財務諸表における資産・負債及び収益・費用の計上金額の基礎となります。当行グループは、連結財務諸表に含まれる会計上の見積り及び判断の適切性、必要性に対して、継続して評価を行っておりますが、実際の結果は、見積りに特有の不確実性があるために、これら見積り時の計上金額と異なる結果となる可能性があります。
当行グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a 貸倒引当金
当行グループは、適切な償却・引当を実施するための準備作業として、自己査定を実施しております。自己査定とは、金融機関が信用リスクを管理するための手段であり、当行グループが保有する全資産の実態を、自己責任原則のもと自ら査定し、回収の危険性又は毀損の危険性の度合いに従って分類区分するプロセスであります。当行グループは、この自己査定の結果に基づき、期末現在の債権を、正常先債権、要注意先債権、破綻懸念先債権、実質破綻先債権及び破綻先債権の5つに区分し、それぞれの区分に応じて、貸倒等の実態を踏まえ債権の将来の予想損失額等を適時かつ適切に見積ることにより、信用リスクの程度に応じた貸倒引当金を計上しております。
また、エネルギー価格等の高騰や円安による物価上昇の継続に伴う急激な経済環境の悪化等による信用リスクの高まりに対応するために、当行及び銀行業務を営む連結子会社においては、要管理先以外の要注意先債権のうち、急激な経済環境の悪化等の影響が大きいと想定している債務者に対する債権については、当該債権に要管理先債権相当の予想損失額を見込んで計上しております。
なお、貸出先等の財政状態が当初予想した範囲以上に悪化し、その支払能力が低下した場合には、貸倒引当金の積増しが必要となる可能性があります。
b 繰延税金資産
当行グループは、将来の合理的な期間内の課税所得に関する見通しをはじめとする様々な予測・前提に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有していると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の計上に関する判断は、毎決算期末時点において実施しておりますが、実際の課税所得の推移等により、前連結会計年度に計上した繰延税金資産の一部、又は全額の回収ができないと判断した場合には、当行グループの繰延税金資産を取り崩し、同額を費用として計上することとなります。また、将来の課税所得は十分見込めるとしても、期末時点において、将来の一定の事実の発生が見込めないこと又は当行グループによる将来の一定の行為の実施についての意思決定又は実施計画等が存在しないことにより、将来の税金負担額の軽減の要件を充足することが見込めない場合には、同様に当行グループの繰延税金資産を取り崩し、同額を費用として計上することとなります。
c 投資の減損
当行グループは、金融機関として一定の運用収益を確保していくため、有価証券を保有しております。これらの有価証券には市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券と市場価格のない株式が含まれます。当行グループでは、市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券の時価が取得原価に比べて著しく下落しており、時価が取得原価まで回復する見込みがないものと判断したものについては、当該時価をもって連結貸借対照表価額とするとともに、評価差額を当該連結会計年度の損失として費用処理しております。また、市場価格のない株式において、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額を行い、同様に評価差額を当該連結会計年度の損失として費用処理しております。
将来の市況悪化や投資先の業績不振等により、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が発生した場合には、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。
d 退職給付に係る負債
当行グループは、従業員の退職給付に備えるため、連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき、退職給付に係る負債を計上しております。退職給付費用及び退職給付債務は、割引率、予定昇給率、退職率及び死亡率等の数理計算において用いる前提条件に基づいて算出されております。
実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は数理計算上の差異あるいは過去勤務費用として累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
e 固定資産の減損会計
当行グループは、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産の帳簿価額を、回収可能価額まで減額する会計処理を適用しております。
同会計処理の適用に当たっては、営業活動から生ずる損益の継続的低下や地価の著しい下落等によって減損の兆候が見られる場合に減損の有無を検討しております。減損の検討には将来キャッシュ・フローの見積額を用いており、減損の認識が必要と判断された場合には、帳簿価額が回収可能価額を上回る金額を減損しております。なお、回収可能価額は将来キャッシュ・フローの見積額の現在価値、又は正味売却価額のいずれか高い金額によって決定しております。
将来の営業活動から生ずる損益の悪化、使用範囲又は方法についての変更、経営環境の著しい悪化、市場価格の著しい下落等により減損の認識が必要となった場合、また、見積りの前提条件の変更等により将来キャッシュ・フローの見積額が減少することとなった場合には、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
| 前連結会計年度 (百万円)(A) | 当連結会計年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | ||
| 資金運用収支 | A | 26,943 | 29,132 | 2,189 |
| 資金運用収益 | 27,026 | 30,254 | 3,228 | |
| 資金調達費用 (金銭の信託運用見合費用控除後) | 82 | 1,121 | 1,038 | |
| 役務取引等収支 | B | 5,409 | 5,732 | 323 |
| 役務取引等収益 | 8,212 | 9,079 | 867 | |
| 役務取引等費用 | 2,802 | 3,346 | 543 | |
| その他業務収支 | C | △3,303 | △9,638 | △6,335 |
| その他業務収益 | 8,730 | 9,139 | 409 | |
| その他業務費用 | 12,033 | 18,778 | 6,744 | |
| 連結業務粗利益(=A+B+C) | D | 29,049 | 25,227 | △3,822 |
| 営業経費 | E | 25,791 | 27,660 | 1,869 |
| 人件費 | 12,800 | 14,096 | 1,295 | |
| 物件費 | 11,457 | 12,019 | 562 | |
| 税金 | 1,533 | 1,544 | 10 | |
| 貸倒償却引当費用 | F | 4,111 | 2,166 | △1,945 |
| 貸出金償却 | 1,236 | 568 | △667 | |
| 個別貸倒引当金繰入額 | △232 | 1,145 | 1,378 | |
| その他の債権売却損等 | 1 | 44 | 43 | |
| 偶発損失引当金繰入額等(注) | 95 | 96 | 1 | |
| 一般貸倒引当金繰入額 | 3,011 | 311 | △2,700 | |
| 株式等関係損益 | G | △358 | 4,949 | 5,307 |
| 償却債権取立益 | H | 256 | 278 | 22 |
| その他損益 | I | 201 | 160 | △40 |
| 経常利益又は経常損失(△) (=D-E-F+G+H+I) | J | △754 | 788 | 1,543 |
| 特別損益 | K | 3,852 | △196 | △4,048 |
| 特別利益 | 4,723 | 44 | △4,678 | |
| 特別損失 | 871 | 241 | △629 | |
| 税金等調整前当期純利益(=J+K) | L | 3,097 | 591 | △2,505 |
| 法人税、住民税及び事業税 | M | 672 | 392 | △279 |
| 法人税等調整額 | N | △875 | △372 | 503 |
| 法人税等合計(=M+N) | O | △203 | 20 | 223 |
| 当期純利益(=L-O) | P | 3,300 | 571 | △2,728 |
| 非支配株主に帰属する当期純損失(△) | Q | △1,140 | △1,231 | △91 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(=P-Q) | 4,440 | 1,803 | △2,636 |
(注) 偶発損失引当金繰入額等には、信用保証協会責任共有制度負担金を含んでおります。
a 連結業務粗利益(資金運用収支+役務取引等収支+その他業務収支)
・資金運用収支
資金運用収益は、2021年10月1日からの株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い通年ベースの収益が連結財務諸表に計上となったことにより、貸出金利息収入が増加したことなどから、前年度比32億28百万円増加しました。資金調達費用は、外貨の調達コストの上昇により前年度比10億38百万円増加しました。資金運用収支は前年度比21億89百万円増加して291億32百万円の収益となりました。
法人のお客さまに対しては、コンサルティング分野への戦略的な人財配置を積極的に進め、お客さまの課題解決に向けた取り組みの一環として、資金支援を継続して取り組みました。今後も引き続き適切かつ積極的な資金支援を強化し、お客さまの課題解決及び成長支援を行っていくことで、当行グループの収益確保につなげてまいります。有価証券運用につきましては、償還や売却に伴い債券や投資信託の運用残高が減少したものの、株式会社福邦銀行の連結子会社化の影響により、有価証券利息配当金は前期比3.8%の増加となりました。今後も日米欧の金融政策の動向等、金融市場環境を注視しつつ、効率的な有価証券運用に努め収益を確保してまいります。
・役務取引等収支
役務取引等収支は、資金運用収支同様、株式会社福邦銀行の連結子会社化の影響や、生命保険代理店手数料の増加により前年度比3億23百万円増加して57億32百万円の収益となりました。
役務取引等収支の増加は、グループ会社を含めたコンサルティング分野への戦略的な人財配置及びグループ一体となりコンサルティング業務の強化に取り組んだ結果です。今後も法人のお客さまにはグループ一体となったコンサルティングサービスの提供を、個人のお客さまには、野村證券株式会社との包括的業務提携による金融商品仲介業務の開始に伴い、より質の高い資産形成サービスの提供を行い、手数料収入の確保につなげてまいります。
・その他業務収支
債券関係損益は国債等債券の売買損益の悪化により、その他業務収支は前年度比63億35百万円減少して96億38百万円の損失となりました。
以上の結果、連結業務粗利益は、前年度比38億22百万円減少して252億27百万円となりました。
b 営業経費
株式会社福邦銀行の営業経費が通年分計上されるようになったことにより、前年度比18億69百万円増加して276億60百万円となりました。
c 貸倒償却引当費用
貸倒償却引当費用は、前年度に行った予防的引当の反動により、一般貸倒引当金繰入額が減少したことなどから前年度比19億45百万円減少して21億66百万円となりました。
d 株式等関係損益
株式等関係損益は、株式等売却益が増加したことなどから、前年度比53億7百万円増加して49億49百万円の利益となりました。
e 経常利益又は経常損失
以上の結果、経常損益は、前年度比15億43百万円増加して7億88百万円の利益となりました。
f 特別損益
前年度の株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い発生した負ののれん発生益が剥落したことにより、前年度比40億48百万円減少して1億96百万円の損失となりました。
g 法人税等調整額
繰延税金資産の増加額が縮小したことにより、法人税等調整額は前年度比5億3百万円増加し△3億72百万円となりました。
h 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度比26億36百万円減少して18億3百万円となりました。
③ 当連結会計年度の財政状態の分析
| 前連結会計年度 (億円)(A) | 当連結会計年度 (億円)(B) | 増減(億円) (B)-(A) | |
| 預金等 | 33,197 | 33,700 | 503 |
| うち預金 | 32,485 | 32,905 | 419 |
| うち譲渡性預金 | 711 | 794 | 83 |
| 貸出金 | 21,381 | 22,144 | 763 |
| 有価証券 | 7,483 | 5,704 | △1,778 |
| 総資産 | 41,913 | 40,017 | △1,895 |
| 純資産 | 1,406 | 1,287 | △119 |
a 預金・譲渡性預金
譲渡性預金を含めた預金等は、個人預金が順調に推移したことから、前連結会計年度末比503億円増加して当連結会計年度末残高は3兆3,700億円となりました。
また、預り資産に関しては、公共債は前連結会計年度末比3億円増加し、投資信託は前連結会計年度末比27億円減少し、個人年金保険等は前連結会計年度末比5億円減少しました。
(預金の残高(末残))
| 種類 | 前連結会計年度 (億円)(A) | 当連結会計年度 (億円)(B) | 増減(億円) (B)-(A) |
| 預金残高(末残) | 32,485 | 32,905 | 419 |
| うち個人預金 | 21,651 | 22,074 | 423 |
| うち法人預金 | 10,834 | 10,830 | △3 |
| 譲渡性預金残高(末残) | 711 | 794 | 83 |
| 総合計 | 33,197 | 33,700 | 503 |
(預り資産の残高(末残))
| 種類 | 前連結会計年度 (億円)(A) | 当連結会計年度 (億円)(B) | 増減(億円) (B)-(A) |
| 公共債 | 305 | 309 | 3 |
| 投資信託 | 753 | 725 | △27 |
| 個人年金保険等 | 928 | 922 | △5 |
b 貸出金
貸出金は、消費者ローンを含む中小企業等向け貸出が順調に推移したことから、前連結会計年度末比763億円増加して当連結会計年度末残高は2兆2,144億円となりました。
(貸出金の残高(末残))
| 前連結会計年度 (億円)(A) | 当連結会計年度 (億円)(B) | 増減(億円) (B)-(A) | |
| 貸出金残高(末残) | 21,381 | 22,144 | 763 |
| うち中小企業等向け残高 | 14,414 | 15,155 | 741 |
| うち消費者ローン残高 | 6,852 | 6,988 | 136 |
| うち住宅ローン残高 | 6,435 | 6,568 | 133 |
| うちその他ローン残高 | 417 | 420 | 2 |
c 有価証券
有価証券は、市場動向を注視しつつ運用管理に努めた結果、前連結会計年度末比1,778億円減少して当連結会計年度末残高は5,704億円となりました。
(有価証券の残高(末残))
| 種類 | 前連結会計年度 (億円)(A) | 当連結会計年度 (億円)(B) | 増減(億円) (B)-(A) |
| 国債 | 1,089 | 359 | △730 |
| 地方債 | 1,015 | 971 | △43 |
| 短期社債 | - | - | - |
| 社債 | 2,000 | 1,759 | △240 |
| 株式 | 403 | 405 | 1 |
| その他の証券 | 2,974 | 2,209 | △764 |
| 合計 | 7,483 | 5,704 | △1,778 |
d 不良債権額
当行グループの金融再生法開示債権の合計は、前連結会計年度末比14億67百万円減少して360億37百万円となりました。総与信残高に占める割合は、前連結会計年度末比0.12ポイント減少して1.58%となりました。
(リスク管理債権の状況)
| 前連結会計年度 (百万円)(A) | 当連結会計年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | ||
| 破産更生債権及びこれらに準ずる債権額 | 5,254 | 5,600 | 345 | |
| 危険債権額 | 29,463 | 27,533 | △1,929 | |
| 三月以上延滞債権額 | 216 | 78 | △137 | |
| 貸出条件緩和債権額 | 2,570 | 2,824 | 254 | |
| リスク管理債権合計 | ① | 37,504 | 36,037 | △1,467 |
| 総与信残高(末残) | ② | 2,187,302 | 2,268,580 | 81,278 |
| 金融再生法開示債権比率 =①/②×100(%) | 1.71 | 1.58 | △0.12 | |
e 繰延税金資産
繰延税金資産については、貸倒引当金に係るものが大部分を占めております。当連結会計年度においては、その他有価証券評価差額金にかかる繰延税金負債が減少したことから、繰延税金資産と繰延税金負債の差額は47億33百万円増加して、純額で62億円の繰延税金資産となりました。
(繰延税金資産及び繰延税金負債の合計額)
| 前連結会計年度 (百万円)(A) | 当連結会計年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | ||
| 繰延税金資産合計 | ① | 7,122 | 7,337 | 214 |
| 繰延税金資産小計 | 15,833 | 15,648 | △184 | |
| うち貸倒引当金 | 8,092 | 7,773 | △318 | |
| 評価性引当額 | △8,710 | △8,311 | 399 | |
| 繰延税金負債合計 | ② | 5,655 | 1,136 | △4,519 |
| 繰延税金資産の純額 繰延税金負債の純額(△) | ①-② | 1,466 | 6,200 | 4,733 |
④ 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の増加や借用金の減少による支出の増加を主因に、2,587億64百万円の支出となりました。また、前年度比では、借用金が純増から純減に転じたことや預金の増加幅が縮小したことなどから、4,453億2百万円の支出の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却及び償還による収入が有価証券の取得による支出を上回ったことを主因に、1,689億6百万円の収入となりました。また、前年度比においては、前年度の株式会社福邦銀行の連結子会社化による現金の増加の反動があったものの、有価証券の売却及び償還による収入の増加や有価証券の取得による支出の減少により、577億6百万円の収入の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払や自己株式の取得及び子会社株式の追加取得により、25億33百万円の支出となりました。また、前年度比では、子会社株式の追加取得による支出が増加したことを主因に、7億69百万円の支出の増加となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前年度比923億91百万円減少して1兆1,068億19百万円となりました。
当行グループの収益の根源となる貸出金や有価証券の運用資金については、大部分をお客さまからの預金にて調達しており、必要に応じて日銀借入金や金融市場から資金調達を行っております。
なお、当面の設備投資、成長分野への投資並びに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
(連結キャッシュ・フローの状況)
| 前連結会計年度 (百万円)(A) | 当連結会計年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 186,537 | △258,764 | △445,302 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | 111,200 | 168,906 | 57,706 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △1,764 | △2,533 | △769 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △9 | - | 9 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 295,963 | △92,391 | △388,355 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 903,247 | 1,199,210 | 295,963 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 1,199,210 | 1,106,819 | △92,391 |
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の(経営方針)をご参照ください。