四半期報告書-第111期第1四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/08/12 9:38
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【項目】
34項目
(1) 経営成績の概況
(金融経済環境)
当第1四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年6月30日)における当社を取り巻く経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外で個人消費や設備投資などの経済活動が急速に落ち込み、一部地域では新規感染者数が再び増加基調に転じるなど、極めて不透明な状況が続いております。
株式市場についてみますと、期初18,065円で始まった日経平均株価は、新型コロナウイルスの感染者数増加を背景とするグローバルな景気および企業業績の悪化懸念から、4月2日には当期間の最安値となる17,818円まで下落しました。その後はFRBによる緊急資金供給策などが買い材料となり4月末には20,000円台を回復し、さらに欧米各国による経済活動再開への動きなどから、6月8日には当期間の最高値となる23,178円まで上昇しました。しかしながら、米国における感染第2波への懸念が高まると上昇は一服し、6月末は22,288円で取引を終えました。
この期間における東京市場等(東証、名証およびPTS)の制度信用取引買い残高をみますと、4月上旬に当期間のボトムとなる1兆3,600億円台まで減少しましたが、その後は株価の回復とともに増加基調で推移し、6月末には当期間のピークとなる1兆6,700億円台となりました。一方、期初に5,400億円台であった同売り残高も株価の回復とともに新規売りが増加し、6月末は当期間のピークとなる7,400億円台となりました。
(2021年3月期第1四半期決算)
このような環境の下、当第1四半期連結累計期間の連結営業収益は、有価証券貸付業務における買現先利息および有価証券貸付料などが増収となったことから、7,937百万円(前年同期比4.3%増)となりました。一方、同営業費用は有価証券貸付業務における売現先利息および有価証券借入料などが増加したことから4,512百万円(同9.6%増)となり、一般管理費は1,818百万円(同6.9%減)となりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の連結営業利益は1,606百万円(同4.3%増)、同経常利益は1,759百万円(同1.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,315百万円(同3.9%増)といずれも増益を確保しました。
次に当第1四半期連結累計期間における各セグメントの営業概況は以下のとおりです。
○証券金融業
貸借取引業務における営業収益は2,650百万円(前年同期比2.8%減)となりました。貸借取引貸付金が期中平均で1,990億円と前年同期比27億円減少し、貸付金利息が減収となったほか、貸借取引貸付有価証券は期中平均で2,952億円と前年同期比373億円の減少となり、貸株料が減収となったことに加え、貸株超過銘柄にかかる品貸料も減収となりました。
セキュリティ・ファイナンス業務における営業収益は3,481百万円(同80.6%増)となりました。このうち、金融商品取引業者向けの資金の貸付については外貨建ての現金担保付株券等貸借取引の増加などにより221百万円(同50.6%増)となりました。また、フェイル回避目的の借株需要などが増加した一般貸株部門(295百万円、同38.0%増)、現先取引および現金担保付債券貸借取引(債券レポ取引)の残高が伸長した債券営業部門(2,836百万円、同98.9%増)についても好調を維持しました。一方、一般信用ファイナンス(15百万円、同4.2%減)および個人・一般事業法人向け(112百万円、同9.8%減)は貸付残高の減少により減収となりました。
その他の収益は1,005百万円(同34.5%減)となりました。前年同期に計上した外貨取引にかかる期末日時点での為替差益が剥落しました。
○信託銀行業
信託銀行業務における営業収益は573百万円(同52.0%減)となりました。信託報酬は堅調に推移したものの、保有国債等の売却益等が大きく減少しました。
○不動産賃貸業
不動産賃貸業務における営業収益は227百万円(同0.8%増)となりました。
(2) 財政状態に関する分析
(資産、負債および純資産の状況)
当第1四半期連結会計期間末(2020年6月30日)の資産合計額は、9兆7,323億円(前連結会計年度末比821億円減)、負債合計額は9兆6,064億円(同813億円減)、純資産合計額は1,259億円(同7億円減)といずれも減少しました。
この主な要因は以下のとおりです。
○資産
現金および預金…日銀当座預金への預け金の減少等に伴い、前連結会計年度末に比べて821億円減少しました。
営業貸付金…金融商品取引業者向け貸付や、日証金信託銀行株式会社における貸付金が増加し、前連結会計年度末に比べて2,385億円増加しました。
買現先勘定…現先取引残高の減少に伴い、前連結会計年度末に比べて1,910億円減少しました。
○負債
コールマネーおよびコマーシャル・ペーパー…機動的な資金調達を行った結果、前連結会計年度末に比べてそれぞれ1,959億円、720億円の減少となりました。
売現先勘定…現先取引残高の減少に伴い、前連結会計年度末に比べて1,216億円減少しました。
貸付有価証券代り金…現金担保付債券貸借取引(債券レポ取引)および一般貸株取引にかかる受入担保金の増加に伴い、前連結会計年度末に比べて707億円増加しました。
信託勘定借…日証金信託銀行株式会社の信託勘定における待機資金の増加に伴い、前連結会計年度末に比べて2,604億円増加しました。
○純資産
株主資本…剰余金の配当(10億円)による減少があったものの、四半期純利益(13億円)の計上により、前連結会計年度末に比べて3億円増加しました。
その他の包括利益累計額…保有する有価証券等の価格変動に伴い繰延ヘッジ損益が悪化したほか、その他有価証券評価差額金も減少したことから、前連結会計年度末に比べて10億円減少しました。
(3) 当社グループ業務別営業収益の状況
前年同期間
(自 2019年4月1日
至 2019年6月30日)
当第1四半期連結累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年6月30日)
前連結会計年度(通期)
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
証券金融業6,19181.37,13789.925,36987.2
貸借取引業務2,72735.82,65033.412,51743.0
貸借取引貸付金利息3234.33224.11,4204.9
借入有価証券代り金利息2853.72793.51,1784.0
有価証券貸付料(品貸料)1,71922.61,64920.88,25528.4
有価証券貸付料(貸株料)3474.63123.91,4074.8
セキュリティ・ファイナンス業務1,92725.33,48143.88,83530.4
一般信用ファイナンス160.2150.2800.3
金融商品取引業者向け1471.92212.87372.5
個人・一般事業法人向け1241.61121.44941.7
一般貸株2142.82953.71,0153.5
債券営業1,42618.82,83635.76,50722.4
その他1,53520.21,00512.74,01613.8
信託銀行業1,19415.75737.22,8329.8
貸付金利息110.2130.2500.2
信託報酬1922.52322.97842.7
その他99013.03264.11,9976.9
不動産賃貸業2253.02272.98993.0
合計7,612100.07,937100.029,101100.0

(4) 当社グループ業務別取引残高の状況(平均残高)
前年同期間
(自 2019年4月1日
至 2019年6月30日)
当第1四半期連結累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年6月30日)
前連結会計年度(通期)
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
(億円)(億円)(億円)
貸借取引貸付金2,0181,9902,199
貸借取引貸付有価証券3,3252,9523,339
セキュリティ・ファイナンス37,61967,31246,090
一般信用ファイナンス9075104
金融商品取引業者向け3,1832,8873,090
個人・一般事業法人向け142126139
一般貸株687640608
債券営業
(債券レポ・現先取引など)
33,51663,58342,148
信託銀行貸付金4,6484,7314,738

(5) 貸借取引金利・貸株料の推移
年月日(約定日)貸借取引融資金利貸株等代り金金利貸株料
2001年5月1日0.60%0.00%
2002年5月7日0.60%0.00%0.40%
2006年7月27日0.74%(+0.14%)0.00%0.40%
2006年9月22日0.86%(+0.12%)0.00%0.40%
2007年3月15日1.02%(+0.16%)0.00%0.40%
2007年4月5日1.11%(+0.09%)0.00%0.40%
2009年1月29日0.97%(△0.14%)0.00%0.40%
2010年11月22日0.77%(△0.20%)0.00%0.40%
2014年8月6日0.64%(△0.13%)0.00%0.40%
2016年3月9日0.60%(△0.04%)0.00%0.40%
2020年6月30日現在0.60%0.00%0.40%

(6) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(7) 対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、対処すべき課題について重要な変更はありません。
(8) 研究開発活動
該当事項はありません。