四半期報告書-第111期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
(1) 経営成績の概況
(金融経済環境)
当第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)における金融経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響による個人消費や企業活動の停滞により、厳しい状況が続きました。経済活動の再開により一部で持ち直しの動きが見られるものの、足元の感染再拡大による内外の経済活動への影響については引き続き注視していく必要があります。
一方、金融市場では、株価が堅調に推移しました。期初18,065円で始まった日経平均株価は、新型コロナウイルスの感染拡大を背景とするグローバルな景気および企業業績の悪化懸念から、4月2日には当期間の最安値となる17,818円まで下落しましたが、FRBによる緊急資金供給策や欧米各国による経済活動再開への動きなどを好感して反発し、6月上旬に23,000円台まで上昇してからは10月まで22,000円台から23,000円台で推移しました。11月に入ると、米大統領選の結果や新型コロナウイルス感染症のワクチン開発の動きなどが株価上昇に拍車をかけ、12月29日には当期間の最高値となる27,568円まで上昇し、12月末は27,444円で取引を終えました。
この期間における東京市場等(東証、名証およびPTS)の制度信用取引買い残高をみますと、4月上旬に当期間のボトムとなる1兆3,600億円台まで減少しましたが、その後は株価の回復とともに増加基調で推移し、10月半ばには当期間のピークとなる1兆9,300億円台となり、12月末は1兆7,500億円台となりました。一方、期初に5,400億円台であった同売り残高も株価の回復とともに新規売りが増加し、6月末には当期間のピークとなる7,400億円台となりましたが、その後は株価調整局面での買い戻しなどもあり、12月末は6,000億円台となりました。
(2021年3月期第3四半期決算)
このような環境の下、当第3四半期連結累計期間の連結営業収益は、有価証券貸付業務における買現先利息および借入有価証券代り金利息などが増収となったことから、23,175百万円(前年同期比3.9%増)となりました。一方、同営業費用は有価証券貸付業務における売現先利息および有価証券借入料などが増加したことから13,309百万円(同5.3%増)となり、一般管理費は5,779百万円(同6.0%減)となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の連結営業利益は4,086百万円(同16.3%増)、同経常利益は4,488百万円(同10.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,257百万円(同8.0%増)といずれも増益を確保しました。
次に、当第3四半期連結累計期間における各セグメントの営業概況は以下のとおりです。
〇証券金融業
貸借取引業務における営業収益は8,716百万円(前年同期比11.4%減)となりました。貸借取引貸付金が期中平均で2,141億円と前年同期比37億円増加し、貸付金利息が増収となったものの、貸借取引貸付有価証券は期中平均で3,154億円と前年同期比402億円の減少となり、貸株料が減収となったことに加え、貸株超過銘柄にかかる品貸料も減収となりました。
セキュリティ・ファイナンス業務における営業収益は9,287百万円(同53.1%増)となりました。債券営業部門は日銀による金融緩和強化などを背景とするマーケットの活況が続くなか、取引先ニーズへの積極対応が奏功して、現先取引および現金担保付債券貸借取引(債券レポ取引)の残高が過去最高水準まで伸長した結果、7,554百万円(同70.6%増)と増収となりました。また、金融商品取引業者向けの資金の貸付については外貨建ての現金担保付株券等貸借取引(株レポ取引)および一部業者向けの貸付金の増加などにより597百万円(同26.2%増)と増収となりました。一方、一般貸株部門については取引は堅調であったものの730百万円(同0.5%減)と前年同期比ではわずかに減収となりました。また、一般信用ファイナンス(53百万円、同11.2%減)および個人・一般事業法人向け(351百万円、同5.5%減)は貸付残高の減少により減収となりました。
その他の収益は2,675百万円(同22.4%減)となりました。国債売却益および外貨取引にかかる期末日時点での為替差益が減少しました。
〇信託銀行業
信託銀行業務における営業収益は1,814百万円(同20.3%減)となりました。管理型信託サービスの強化により信託報酬が増収、また貸付金利息も増収となりましたが、保有国債等の売却益等は大きく減少しました。
〇不動産賃貸業
不動産賃貸業務における営業収益は681百万円(同1.3%増)となりました。
(2) 財政状態に関する分析
(資産、負債および純資産の状況)
当第3四半期連結会計期間末(2020年12月31日)の資産合計額は10兆1,605億円(前連結会計年度末比3,460億円増)、負債合計額は10兆298億円(同3,420億円増)、純資産合計額は1,307億円(同40億円増)といずれも増加しました。
この主な要因は以下のとおりです。
○資産
現金及び預金…日証金信託銀行株式会社の信託勘定における待機資金の増加等に伴い、前連結会計年度末に比べて799億円増加しました。
営業貸付金…貸借取引および金融商品取引業者向けの貸付金、日証金信託銀行株式会社における貸付金が増加し、前連結会計年度末に比べて1,388億円増加しました。
買現先勘定および借入有価証券代り金…現金担保付債券貸借取引(債券レポ取引)方式での国債借入が多かったことから、前連結会計年度末に比べてそれぞれ2,608億円の減少、3,716億円増加となりました。
○負債
コールマネーおよびコマーシャル・ペーパー…機動的な資金調達を行った結果、前連結会計年度末に比べてそれぞれ1,914億円の減少、1,150億円の増加となりました。
売現先勘定および貸付有価証券代り金…現先取引方式での国債貸付が多かったことから、前連結会計年度末に比べてそれぞれ6,085億円の増加、5,755億円の減少となりました。
信託勘定借…日証金信託銀行株式会社の信託勘定における待機資金の増加に伴い、前連結会計年度末に比べて3,521億円増加しました。
○純資産
資本剰余金…自己株式の消却および処分により、前連結会計年度末に比べて24億円減少しました。なお、純資産の控除項目である自己株式についても同額減少しているため、純資産合計には影響はございません。
利益剰余金…剰余金の配当(20億円)による減少があったものの、四半期純利益(32億円)の計上により、前連結会計年度末に比べて12億円増加しました。
その他の包括利益累計額…保有する有価証券等の価格変動に伴い繰延ヘッジ損益が悪化した一方、その他有価証券評価差額金が増加した結果、前連結会計年度末に比べて27億円増加しました。
(3) 当社グループ業務別営業収益の状況
(4) 当社グループ貸付金の状況(平均残高)
(5) 貸借取引金利・貸株料の推移
(6) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(7) 対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、対処すべき課題について重要な変更はありません。
(8) 研究開発活動
該当事項はありません。
(金融経済環境)
当第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)における金融経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響による個人消費や企業活動の停滞により、厳しい状況が続きました。経済活動の再開により一部で持ち直しの動きが見られるものの、足元の感染再拡大による内外の経済活動への影響については引き続き注視していく必要があります。
一方、金融市場では、株価が堅調に推移しました。期初18,065円で始まった日経平均株価は、新型コロナウイルスの感染拡大を背景とするグローバルな景気および企業業績の悪化懸念から、4月2日には当期間の最安値となる17,818円まで下落しましたが、FRBによる緊急資金供給策や欧米各国による経済活動再開への動きなどを好感して反発し、6月上旬に23,000円台まで上昇してからは10月まで22,000円台から23,000円台で推移しました。11月に入ると、米大統領選の結果や新型コロナウイルス感染症のワクチン開発の動きなどが株価上昇に拍車をかけ、12月29日には当期間の最高値となる27,568円まで上昇し、12月末は27,444円で取引を終えました。
この期間における東京市場等(東証、名証およびPTS)の制度信用取引買い残高をみますと、4月上旬に当期間のボトムとなる1兆3,600億円台まで減少しましたが、その後は株価の回復とともに増加基調で推移し、10月半ばには当期間のピークとなる1兆9,300億円台となり、12月末は1兆7,500億円台となりました。一方、期初に5,400億円台であった同売り残高も株価の回復とともに新規売りが増加し、6月末には当期間のピークとなる7,400億円台となりましたが、その後は株価調整局面での買い戻しなどもあり、12月末は6,000億円台となりました。
(2021年3月期第3四半期決算)
このような環境の下、当第3四半期連結累計期間の連結営業収益は、有価証券貸付業務における買現先利息および借入有価証券代り金利息などが増収となったことから、23,175百万円(前年同期比3.9%増)となりました。一方、同営業費用は有価証券貸付業務における売現先利息および有価証券借入料などが増加したことから13,309百万円(同5.3%増)となり、一般管理費は5,779百万円(同6.0%減)となりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の連結営業利益は4,086百万円(同16.3%増)、同経常利益は4,488百万円(同10.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,257百万円(同8.0%増)といずれも増益を確保しました。
次に、当第3四半期連結累計期間における各セグメントの営業概況は以下のとおりです。
〇証券金融業
貸借取引業務における営業収益は8,716百万円(前年同期比11.4%減)となりました。貸借取引貸付金が期中平均で2,141億円と前年同期比37億円増加し、貸付金利息が増収となったものの、貸借取引貸付有価証券は期中平均で3,154億円と前年同期比402億円の減少となり、貸株料が減収となったことに加え、貸株超過銘柄にかかる品貸料も減収となりました。
セキュリティ・ファイナンス業務における営業収益は9,287百万円(同53.1%増)となりました。債券営業部門は日銀による金融緩和強化などを背景とするマーケットの活況が続くなか、取引先ニーズへの積極対応が奏功して、現先取引および現金担保付債券貸借取引(債券レポ取引)の残高が過去最高水準まで伸長した結果、7,554百万円(同70.6%増)と増収となりました。また、金融商品取引業者向けの資金の貸付については外貨建ての現金担保付株券等貸借取引(株レポ取引)および一部業者向けの貸付金の増加などにより597百万円(同26.2%増)と増収となりました。一方、一般貸株部門については取引は堅調であったものの730百万円(同0.5%減)と前年同期比ではわずかに減収となりました。また、一般信用ファイナンス(53百万円、同11.2%減)および個人・一般事業法人向け(351百万円、同5.5%減)は貸付残高の減少により減収となりました。
その他の収益は2,675百万円(同22.4%減)となりました。国債売却益および外貨取引にかかる期末日時点での為替差益が減少しました。
〇信託銀行業
信託銀行業務における営業収益は1,814百万円(同20.3%減)となりました。管理型信託サービスの強化により信託報酬が増収、また貸付金利息も増収となりましたが、保有国債等の売却益等は大きく減少しました。
〇不動産賃貸業
不動産賃貸業務における営業収益は681百万円(同1.3%増)となりました。
(2) 財政状態に関する分析
(資産、負債および純資産の状況)
当第3四半期連結会計期間末(2020年12月31日)の資産合計額は10兆1,605億円(前連結会計年度末比3,460億円増)、負債合計額は10兆298億円(同3,420億円増)、純資産合計額は1,307億円(同40億円増)といずれも増加しました。
この主な要因は以下のとおりです。
○資産
現金及び預金…日証金信託銀行株式会社の信託勘定における待機資金の増加等に伴い、前連結会計年度末に比べて799億円増加しました。
営業貸付金…貸借取引および金融商品取引業者向けの貸付金、日証金信託銀行株式会社における貸付金が増加し、前連結会計年度末に比べて1,388億円増加しました。
買現先勘定および借入有価証券代り金…現金担保付債券貸借取引(債券レポ取引)方式での国債借入が多かったことから、前連結会計年度末に比べてそれぞれ2,608億円の減少、3,716億円増加となりました。
○負債
コールマネーおよびコマーシャル・ペーパー…機動的な資金調達を行った結果、前連結会計年度末に比べてそれぞれ1,914億円の減少、1,150億円の増加となりました。
売現先勘定および貸付有価証券代り金…現先取引方式での国債貸付が多かったことから、前連結会計年度末に比べてそれぞれ6,085億円の増加、5,755億円の減少となりました。
信託勘定借…日証金信託銀行株式会社の信託勘定における待機資金の増加に伴い、前連結会計年度末に比べて3,521億円増加しました。
○純資産
資本剰余金…自己株式の消却および処分により、前連結会計年度末に比べて24億円減少しました。なお、純資産の控除項目である自己株式についても同額減少しているため、純資産合計には影響はございません。
利益剰余金…剰余金の配当(20億円)による減少があったものの、四半期純利益(32億円)の計上により、前連結会計年度末に比べて12億円増加しました。
その他の包括利益累計額…保有する有価証券等の価格変動に伴い繰延ヘッジ損益が悪化した一方、その他有価証券評価差額金が増加した結果、前連結会計年度末に比べて27億円増加しました。
(3) 当社グループ業務別営業収益の状況
前第3四半期連結累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年12月31日) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年12月31日) | 前連結会計年度(通期) (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||||||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |||
証券金融業 | 19,357 | 86.8 | 20,678 | 89.2 | 25,369 | 87.2 | ||
貸借取引業務 | 9,843 | 44.1 | 8,716 | 37.6 | 12,517 | 43.0 | ||
貸借取引貸付金利息 | 1,022 | 4.6 | 1,047 | 4.5 | 1,420 | 4.9 | ||
借入有価証券代り金利息 | 969 | 4.3 | 888 | 3.8 | 1,178 | 4.0 | ||
有価証券貸付料(品貸料) | 6,551 | 29.4 | 5,564 | 24.0 | 8,255 | 28.4 | ||
有価証券貸付料(貸株料) | 1,123 | 5.0 | 1,009 | 4.4 | 1,407 | 4.8 | ||
セキュリティ・ファイナンス業務 | 6,066 | 27.2 | 9,287 | 40.1 | 8,835 | 30.4 | ||
一般信用ファイナンス | 59 | 0.3 | 53 | 0.2 | 80 | 0.3 | ||
金融商品取引業者向け | 473 | 2.1 | 597 | 2.6 | 737 | 2.5 | ||
個人・一般事業法人向け | 371 | 1.7 | 351 | 1.5 | 494 | 1.7 | ||
一般貸株 | 734 | 3.3 | 730 | 3.2 | 1,015 | 3.5 | ||
債券営業 | 4,426 | 19.8 | 7,554 | 32.6 | 6,507 | 22.4 | ||
その他 | 3,447 | 15.5 | 2,675 | 11.5 | 4,016 | 13.8 | ||
信託銀行業 | 2,277 | 10.2 | 1,814 | 7.9 | 2,832 | 9.8 | ||
貸付金利息 | 35 | 0.2 | 59 | 0.3 | 50 | 0.2 | ||
信託報酬 | 578 | 2.6 | 738 | 3.2 | 784 | 2.7 | ||
その他 | 1,663 | 7.4 | 1,016 | 4.4 | 1,997 | 6.9 | ||
不動産賃貸業 | 673 | 3.0 | 681 | 2.9 | 899 | 3.0 | ||
合計 | 22,307 | 100.0 | 23,175 | 100.0 | 29,101 | 100.0 |
(4) 当社グループ貸付金の状況(平均残高)
前第3四半期連結累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年12月31日) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年12月31日) | 前連結会計年度(通期) (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
(億円) | (億円) | (億円) | ||
貸借取引貸付金 | 2,104 | 2,141 | 2,199 | |
貸借取引貸付有価証券 | 3,556 | 3,154 | 3,339 | |
セキュリティ・ファイナンス | 42,143 | 68,736 | 46,090 | |
一般信用ファイナンス | 105 | 88 | 104 | |
金融商品取引業者向け | 3,265 | 3,036 | 3,090 | |
個人・一般事業法人向け | 139 | 130 | 139 | |
一般貸株 | 633 | 553 | 608 | |
債券営業 (債券レポ・現先取引など) | 38,000 | 64,927 | 42,148 | |
信託銀行貸付金 | 4,813 | 5,557 | 4,738 |
(5) 貸借取引金利・貸株料の推移
年月日(約定日) | 貸借取引融資金利 | 貸株等代り金金利 | 貸株料 |
2001年5月1日 | 0.60% | 0.00% | ― |
2002年5月7日 | 0.60% | 0.00% | 0.40% |
2006年7月27日 | 0.74%(+0.14%) | 0.00% | 0.40% |
2006年9月22日 | 0.86%(+0.12%) | 0.00% | 0.40% |
2007年3月15日 | 1.02%(+0.16%) | 0.00% | 0.40% |
2007年4月5日 | 1.11%(+0.09%) | 0.00% | 0.40% |
2009年1月29日 | 0.97%(△0.14%) | 0.00% | 0.40% |
2010年11月22日 | 0.77%(△0.20%) | 0.00% | 0.40% |
2014年8月6日 | 0.64%(△0.13%) | 0.00% | 0.40% |
2016年3月9日 | 0.60%(△0.04%) | 0.00% | 0.40% |
2020年12月31日現在 | 0.60% | 0.00% | 0.40% |
(6) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(7) 対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、対処すべき課題について重要な変更はありません。
(8) 研究開発活動
該当事項はありません。