四半期報告書-第113期第3四半期(2022/10/01-2022/12/31)

【提出】
2023/02/10 9:34
【資料】
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【項目】
39項目
(1) 経営成績の概況
(金融経済環境)
当第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)の経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響による停滞からの持ち直しの動きが続いているものの、ウクライナ情勢や物価高騰、各国の金融引き締め政策の影響による景気下振れリスクなど先行きの不透明な状況が続いております。
株式市場についてみますと、期初27,665円で始まった日経平均株価は、5月12日に当期間の最安値となる25,748円まで下落したのち、円安進行を背景とする輸出企業の業績好調などが買い材料となり、8月17日に当期間の最高値となる29,222円まで上昇したものの、米国の急速な金融引き締めに対する警戒感から売りが優勢となり、下落基調で推移しました。10月以降、米国の金利上昇が一服し、インフレ懸念が後退したことから一時上昇基調となったものの、国内金融政策の修正や中国におけるコロナウイルス感染拡大懸念から再び下落、12月末は26,094円で取引を終えました。
この期間における東京市場等(東証、名証およびPTS)の制度信用取引買い残高をみますと、4月は2兆400億円台で始まり、8月の株価上昇局面で当期間のボトムとなる1兆8,300億円台まで減少しましたが、その後は株価の反落とともに買いが入り、12月の株価下落局面では当期間のピークとなる2兆2,400億円台まで増加し、12月末は2兆1,800億円台となりました。一方、期初に5,300億円台であった同売り残高は、8月の株価上昇局面で当期間のピークとなる6,800億円台まで増加したものの、その後は買い戻しが入り、12月末は4,400億円台となりました。
(2023年3月期第3四半期決算)
このような環境の下、債券の現先取引・債券レポ取引および株券レポ取引が引き続き好調に推移したことによりセキュリティ・ファイナンス業務が増収となり、保有有価証券の入替に伴い営業費用が増加したものの、当第3四半期連結累計期間の連結営業利益は6,704百万円(前年同期比33.3%増)、連結経常利益は7,584百万円(同34.8%増)といずれも増益となりました。また、退職金制度変更に伴う退職給付債務の減少を特別利益に計上したことから親会社株主に帰属する四半期純利益は5,911百万円(同46.6%増)と増益となりました。
連結営業収益は、セキュリティ・ファイナンス業務の増収と保有有価証券の一部売却による有価証券売却益により31,638百万円(前年同期比41.5%増)と増収となりました。
当第3四半期連結累計期間における各セグメントの営業概況は以下のとおりです。
〇証券金融業
証券金融業務における営業収益は28,855百万円(前年同期比46.7%増)となりました。
業務別の営業収益をみますと、貸借取引業務における営業収益は5,271百万円(同18.9%増)となりました。貸借取引貸付金が期中平均で2,526億円と前年同期比380億円減少したことにより貸借取引貸付金利息が減収となった一方、貸借取引貸付有価証券が期中平均で1,852億円と前年同期比16億円増加したことにより貸株料および貸株超過銘柄にかかる品貸料が増収となりました。
セキュリティ・ファイナンス業務における営業収益は15,729百万円(同38.7%増)となりました。
このうち、債券営業(13,518百万円、同42.5%増)は日本銀行による国債買入の拡大や政策変更期待を背景に国債需給が逼迫したことから、現先取引および現金担保付債券貸借取引(債券レポ取引)が引き続き堅調に推移しました。金融商品取引業者向けの資金貸付(1,126百万円、同32.6%増)は株券等貸借取引(株券レポ取引)が増加により増収となりました。リテール向け貸付(404百万円、同5.6%増)および一般貸株(584百万円、同15.8%増)は前年同期に比べて残高が増加したことにより増収となりました。一般信用ファイナンス(95百万円、同15.6%減)は残高の減少により減収となりました。
その他の収益は有価証券運用におけるキャリー収益の積上げとポートフォリオ入替に伴う保有国債等の売却益計上等により7,854百万円(同101.4%増)となりましたが、あわせて保有外国債の売却損を営業費用に計上しております。
〇信託銀行業
信託銀行業務における営業収益は2,173百万円(同5.7%増)となりました。管理型信託サービスなどによる信託報酬が引き続き堅調となりました。
〇不動産賃貸業
不動産賃貸業務における営業収益は608百万円(同3.9%減)となりました。
(2) 財政状態に関する分析
(資産、負債および純資産の状況)
当第3四半期連結会計期間末(2022年12月31日)の資産合計額は13兆5,236億円(前連結会計年度末比6,450億円減)、負債合計額は13兆3,882億円(同6,424億円減)、純資産合計額は1,353億円(同26億円減)となりました。
この主な要因は以下のとおりです。
○資産
現金及び預金…日銀当座預金への預け金の減少などにより、前連結会計年度末に比べて4,479億円減少しました。
営業貸付金…貸借取引貸付金および金融商品取引業者向け一般貸付の期末残高の増加により、前連結会計年度末に比べて387億円増加しました。
買現先勘定…債券現先取引が増加したことから、前連結会計年度末に比べて6,104億円増加しました
借入有価証券代り金…株券等貸借取引(株券レポ取引)および現金担保付債券貸借取引(債券レポ取引)の期末残高の減少などにより、前連結会計年度末に比べて7,019億円減少しました。
○負債
コールマネーおよびコマーシャル・ペーパー…機動的な資金調達を行った結果、前連結会計年度末に比べてそれぞれ4,982億円、905億円の減少となりました。
売現先勘定…債券現先取引が増加したことから、前連結会計年度末に比べて1兆1,077億円増加しました。
貸付有価証券代り金…現金担保付債券貸借取引(債券レポ取引)が減少したことから、前連結会計年度末に比べて9,271億円減少しました。
信託勘定借…日証金信託銀行株式会社の信託勘定における待機資金の減少に伴い、前連結会計年度末に比べて166億円減少しました。
○純資産
株主資本…剰余金の配当(27億円)および自己株式の取得(24億円)に伴う減少があったものの、四半期純利益(59億円)の計上により、前連結会計年度末に比べて6億円増加しました。
その他の包括利益累計額…保有する有価証券等の価格変動等に伴うその他有価証券評価差額金の減少により、前連結会計年度末に比べて32億円減少しました。
(3) 当社グループ業務別営業収益の状況
前第3四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年12月31日)
当第3四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年12月31日)
前連結会計年度(通期)
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
証券金融業19,67288.028,85591.226,55888.1
貸借取引業務4,43419.85,27116.76,11820.3
貸借取引貸付金利息1,3866.21,2113.81,7935.9
借入有価証券代り金利息3561.64081.34461.5
有価証券貸付料(品貸料)1,8778.42,8529.02,8329.4
有価証券貸付料(貸株料)5902.65971.97482.5
セキュリティ・ファイナンス業務11,33750.715,72949.715,36851.0
一般信用ファイナンス1120.5950.31560.5
金融商品取引業者向け8493.81,1263.61,1964.0
リテール向け3831.74041.35101.7
一般貸株5052.35841.86572.2
債券営業9,48642.413,51842.712,84642.6
その他3,90017.57,85424.85,07116.8
信託銀行業2,0569.22,1736.92,7379.1
貸付金利息710.3200.1910.3
信託報酬9424.21,0113.21,2664.2
その他1,0424.71,1423.61,3804.6
不動産賃貸業6332.86081.98412.8
合計22,362100.031,638100.030,138100.0

(4) 当社グループ貸付金の状況(平均残高)
前第3四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年12月31日)
当第3四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年12月31日)
前連結会計年度(通期)
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
(億円)(億円)(億円)
貸借取引貸付金2,9072,5262,831
貸借取引貸付有価証券1,8361,8521,755
セキュリティ・ファイナンス96,250116,34999,697
一般信用ファイナンス206171215
金融商品取引業者向け5,5436,8765,859
リテール向け147164149
一般貸株447521475
債券営業
(債券レポ・現先取引など)
89,905108,61592,997
信託銀行貸付金6,9715,4686,824

(5) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、対処すべき課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
該当事項はありません。