有価証券報告書-第97期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済や貿易の減速と消費税率引上げによる民間消費の落ち込み等で弱含みであったところへ、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症の国内外での拡大により景気が大幅かつ急激に下振れし、厳しい状況になりました。
不動産賃貸業界におきましても、今後影響が及んでくるものと思われますが、当期は期全般にわたり都心部の優良オフィスビルを中心に空室率・賃料水準とも無難に推移してきました。
このような環境の中、当社においては営業活動に注力した結果、空室率は前期末の0.8%からさらに低下し、当期末には満室稼働となりました。また、当期は新中期経営計画「ここからの挑戦~新たな成長のステージへ~」を策定し、東京都港区虎ノ門でのオフィスビル開発および大阪市内でのデータセンタービル開発を同時並行で進めてまいりました。
当期の連結業績は、既存ビルの稼働率向上などにより、売上高は15,319百万円と前期比323百万円(2.2%)の増収となりました。つれて、売上総利益は6,831百万円と前期比60百万円(0.9%)の増益、営業利益は5,414百万円と前期比37百万円(0.7%)の減益となりました。
営業外損益では、前期の236百万円の費用(純額)から、当期は199百万円の費用(純額)となり、37百万円減少しました。その結果、経常利益は5,214百万円と前期比0百万円(0.0%)の増益となりました。
特別損益では、前期の568百万円の利益(純額)から、当期は527百万円の利益(純額)となり、41百万円減少しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,919百万円と前期比79百万円(2.0%)の減益となりました。
セグメントごとの経営成績(営業利益は連結調整前)は、次のとおりであります。
①土地建物賃貸事業
売上高は15,220百万円(前期比277百万円、1.9%増)、構成比は99.4%となりました。営業利益は6,155百万円(前期比33百万円、0.5%減)となりました。
②その他
売上高は98百万円(前期比46百万円増)、営業損失は4百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当社グループの主な事業は、土地建物賃貸事業であり、①生産実績②受注実績の該当はありません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
2. 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は136,605百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,824百万円(2.9%)増加し
ました。新規投資物件への支払い等により現金及び預金が2,713百万円、株価下落等により投資有価証券が2,475百万円各々減少したものの、新規物件の開発等に伴い有形固定資産が9,059百万円増加したことが主な要因であります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
①土地建物賃貸事業
セグメント資産は110,513百万円となり、前連結会計年度末比8,983百万円(8.8%)増加しました。
②その他
セグメント資産は13百万円となり、前連結会計年度末比4百万円減少しました。
負債合計は72,227百万円となり、前連結会計年度末比3,675百万円(5.4%)増加しました。。投資有価証券の評価替えにより繰延税金負債が702百万円減少したものの、長期借入金による資金調達のため有利子負債が2,692百万円、設備関係未払金が796百万円、長期預り敷金保証金が578百万円各々増加したことが主な要因であります。
純資産合計は64,377百万円となり、前連結会計年度末比148百万円(0.2%)増加しました。その他有価証券評価差額金が1,541百万円、資本剰余金は自己株式の消却等により586百万円各々減少しましたが、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により2,252百万円増加したことが主因であります。
(3) キャッシュ・フローの状況
①現金及び現金同等物
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は13,205百万円となり、前期末比2,713百万円減少しました。
②営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は6,693百万円(前連結会計年度は5,259百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益5,741百万円および減価償却費2,183百万円により主要な資金を得ましたが、法人税等の支払1,821百万円、投資有価証券売却益696百万円の控除要因がありました。
③投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は9,705百万円(前連結会計年度は1,619百万円の支出)となりました。収入の主な要因は投資有価証券の売却784百万円であり、支出の主な要因は有形固定資産の取得10,432百万円によるものであります。
④財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により得られた資金は298百万円(前連結会計年度は5,227百万円の収入)となりました。収入の主な要因は長期借入れ5,000百万円であり、支出の主な要因は長期借入金の返済2,307百万円、配当金の支払額1,289百万円、自己株式の取得1,046百万円によるものであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要の主なものは、新たなビルの取得、開発及び既所有ビルの改修工事等の設備投資に係る資金であります。その所要資金は自己資金、金融機関からの借り入れ及び社債の発行により調達しております。また、当社の事業は資金回収に長期間を要するため、返済・償還期限を長めに設定しております。当連結会計年度末の有利子負債の内訳については、連結附属明細表の「社債明細表」及び「借入金等明細表」に記載のとおりであります。
当社グループは、2019年10月策定の新中期経営計画「ここからの挑戦~新たな成長のステージへ~」において、財務バランスの健全性を維持するため自己資本比率は30%以上、ネット有利子負債はEBITDA(償却前営業利益)の10倍以下堅持を掲げております。
2020年3月期を初年度とする新中期経営計画で掲げる経営指標の推移は下表の通りであります。
(注)税引後償却前経常利益:経常利益×(1-法定実効税率)+減価償却費
ネット有利子負債/EBITDA倍率:ネット有利子負債/償却前営業利益
自己資本比率:自己資本/総資産
ROA(営業利益/総資産):営業利益/((前連結会計年度末総資産+当連結会計年度末総資産)/2)
(補足)
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象として
おります。
3.ネット有利子負債は、有利子負債残高から現金及び預金残高を減算しております。
4.償却前営業利益は、営業利益に減価償却費を加算しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、個別賃貸物件ごとに最小の単位で資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産について、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フローの総額、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フローの総額等の前提条件に変更があった場合には、固定資産の減損を実施し当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
② 資産除去債務
当社グループは、一部の借地について、不動産賃貸借契約に基づく退去時の原状回復に係る債務等を有しておりますが、当該債務に関連する賃借資産の使用期間が明確でなく、また、現時点において将来退去する予定もないことから、資産除去債務を合理的に見積もることができません。そのため、当該債務に見合う資産除去債務を計上しておりません。
将来の退去時期が明らかになるなど、当該債務額を合理的に見積もることが可能になった場合には、その時点で当該債務に見合う資産除去債務を計上することになります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済や貿易の減速と消費税率引上げによる民間消費の落ち込み等で弱含みであったところへ、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症の国内外での拡大により景気が大幅かつ急激に下振れし、厳しい状況になりました。
不動産賃貸業界におきましても、今後影響が及んでくるものと思われますが、当期は期全般にわたり都心部の優良オフィスビルを中心に空室率・賃料水準とも無難に推移してきました。
このような環境の中、当社においては営業活動に注力した結果、空室率は前期末の0.8%からさらに低下し、当期末には満室稼働となりました。また、当期は新中期経営計画「ここからの挑戦~新たな成長のステージへ~」を策定し、東京都港区虎ノ門でのオフィスビル開発および大阪市内でのデータセンタービル開発を同時並行で進めてまいりました。
当期の連結業績は、既存ビルの稼働率向上などにより、売上高は15,319百万円と前期比323百万円(2.2%)の増収となりました。つれて、売上総利益は6,831百万円と前期比60百万円(0.9%)の増益、営業利益は5,414百万円と前期比37百万円(0.7%)の減益となりました。
営業外損益では、前期の236百万円の費用(純額)から、当期は199百万円の費用(純額)となり、37百万円減少しました。その結果、経常利益は5,214百万円と前期比0百万円(0.0%)の増益となりました。
特別損益では、前期の568百万円の利益(純額)から、当期は527百万円の利益(純額)となり、41百万円減少しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,919百万円と前期比79百万円(2.0%)の減益となりました。
セグメントごとの経営成績(営業利益は連結調整前)は、次のとおりであります。
①土地建物賃貸事業
売上高は15,220百万円(前期比277百万円、1.9%増)、構成比は99.4%となりました。営業利益は6,155百万円(前期比33百万円、0.5%減)となりました。
②その他
売上高は98百万円(前期比46百万円増)、営業損失は4百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当社グループの主な事業は、土地建物賃貸事業であり、①生産実績②受注実績の該当はありません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
土地建物賃貸事業 | 15,220,482 | 1.9 |
その他 | 98,593 | 87.5 |
合計 | 15,319,075 | 2.2 |
(注)1. 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
日本中央競馬会 | 3,485,018 | 23.2 | 3,514,953 | 22.9 |
ソフトバンク㈱ | 2,241,014 | 14.9 | 2,193,096 | 14.3 |
2. 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は136,605百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,824百万円(2.9%)増加し
ました。新規投資物件への支払い等により現金及び預金が2,713百万円、株価下落等により投資有価証券が2,475百万円各々減少したものの、新規物件の開発等に伴い有形固定資産が9,059百万円増加したことが主な要因であります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
①土地建物賃貸事業
セグメント資産は110,513百万円となり、前連結会計年度末比8,983百万円(8.8%)増加しました。
②その他
セグメント資産は13百万円となり、前連結会計年度末比4百万円減少しました。
負債合計は72,227百万円となり、前連結会計年度末比3,675百万円(5.4%)増加しました。。投資有価証券の評価替えにより繰延税金負債が702百万円減少したものの、長期借入金による資金調達のため有利子負債が2,692百万円、設備関係未払金が796百万円、長期預り敷金保証金が578百万円各々増加したことが主な要因であります。
純資産合計は64,377百万円となり、前連結会計年度末比148百万円(0.2%)増加しました。その他有価証券評価差額金が1,541百万円、資本剰余金は自己株式の消却等により586百万円各々減少しましたが、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により2,252百万円増加したことが主因であります。
(3) キャッシュ・フローの状況
科目 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 5,259 | 6,693 |
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △1,619 | △9,705 |
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 5,227 | 298 |
現金及び現金同等物の増減額(百万円) | 8,867 | △2,713 |
現金及び現金同等物の期末残高(百万円) | 15,918 | 13,205 |
①現金及び現金同等物
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は13,205百万円となり、前期末比2,713百万円減少しました。
②営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は6,693百万円(前連結会計年度は5,259百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益5,741百万円および減価償却費2,183百万円により主要な資金を得ましたが、法人税等の支払1,821百万円、投資有価証券売却益696百万円の控除要因がありました。
③投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は9,705百万円(前連結会計年度は1,619百万円の支出)となりました。収入の主な要因は投資有価証券の売却784百万円であり、支出の主な要因は有形固定資産の取得10,432百万円によるものであります。
④財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により得られた資金は298百万円(前連結会計年度は5,227百万円の収入)となりました。収入の主な要因は長期借入れ5,000百万円であり、支出の主な要因は長期借入金の返済2,307百万円、配当金の支払額1,289百万円、自己株式の取得1,046百万円によるものであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要の主なものは、新たなビルの取得、開発及び既所有ビルの改修工事等の設備投資に係る資金であります。その所要資金は自己資金、金融機関からの借り入れ及び社債の発行により調達しております。また、当社の事業は資金回収に長期間を要するため、返済・償還期限を長めに設定しております。当連結会計年度末の有利子負債の内訳については、連結附属明細表の「社債明細表」及び「借入金等明細表」に記載のとおりであります。
当社グループは、2019年10月策定の新中期経営計画「ここからの挑戦~新たな成長のステージへ~」において、財務バランスの健全性を維持するため自己資本比率は30%以上、ネット有利子負債はEBITDA(償却前営業利益)の10倍以下堅持を掲げております。
2020年3月期を初年度とする新中期経営計画で掲げる経営指標の推移は下表の通りであります。
指標 | 2019年3月期 (参考) | 2020年3月期 (初年度) | 2026年3月期(目標) |
売上高 | 149億円 | 153億円 | 220億円 |
営業利益 | 54億円 | 54億円 | 80億円 |
経常利益 | 52億円 | 52億円 | 75億円 |
税引後償却前経常利益 | 58億円 | 58億円 | 100億円 |
総資産 | 1,327億円 | 1,366億円 | 1,950億円 |
ネット有利子負債 | 397億円 | 451億円 | 920億円 |
ネット有利子負債/EBITDA倍率 | 5.2倍 | 5.9倍 | 7.3倍 |
自己資本 | 641億円 | 642億円 | 820億円 |
自己資本比率 | 48.3% | 47.0% | 42.0% |
ROA(営業利益/総資産) | 4.3% | 4.0% | 4%台を確保 |
(注)税引後償却前経常利益:経常利益×(1-法定実効税率)+減価償却費
ネット有利子負債/EBITDA倍率:ネット有利子負債/償却前営業利益
自己資本比率:自己資本/総資産
ROA(営業利益/総資産):営業利益/((前連結会計年度末総資産+当連結会計年度末総資産)/2)
(補足)
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象として
おります。
3.ネット有利子負債は、有利子負債残高から現金及び預金残高を減算しております。
4.償却前営業利益は、営業利益に減価償却費を加算しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、個別賃貸物件ごとに最小の単位で資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産について、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フローの総額、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フローの総額等の前提条件に変更があった場合には、固定資産の減損を実施し当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
② 資産除去債務
当社グループは、一部の借地について、不動産賃貸借契約に基づく退去時の原状回復に係る債務等を有しておりますが、当該債務に関連する賃借資産の使用期間が明確でなく、また、現時点において将来退去する予定もないことから、資産除去債務を合理的に見積もることができません。そのため、当該債務に見合う資産除去債務を計上しておりません。
将来の退去時期が明らかになるなど、当該債務額を合理的に見積もることが可能になった場合には、その時点で当該債務に見合う資産除去債務を計上することになります。