有価証券報告書-第100期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/23 9:05
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナウイルス感染を警戒した行動制限の緩和、全国旅行支援の効果等により個人消費の増加が続き、水際対策緩和や円安効果でインバウンド需要が伸びるなど景気は緩やかに持ち直しております。一方、ロシア・ウクライナ情勢に端を発したエネルギー価格の高騰、世界的なインフレにより先行き不透明な状況にあります。
不動産賃貸業界におきましては、リモートワーク等の普及により事業拠点を見直す動きが広がる一方で、ビジネス地区における大規模な新規開発によりオフィスの供給増加も見込まれ、引き続き空室率は高水準で推移しております。
このような環境の中、当社においては営業活動に注力した結果、当期末時点の空室率は1.46%に留まり、引き続き高い稼働率を維持しております。加えて、当社は首都圏でのアセット強化の一環として、2022年11月に東京都港区南青山で土地を取得する等、次なる成長に向けた新規投資に積極的に取り組むと共に、既存ビルにおいては、自然災害への予防保全や省エネ化推進を図ることで資産価値向上に努めてまいりました。
当期の連結業績は、2021年4月に竣工したOBPビルの稼働率向上を主因として、売上高は18,879百万円と前期比1,063百万円(6.0%)の増収となりました。売上原価は、前年度のOBPビル取得に係る不動産取得税等の初期費用の負担がなくなったものの、電気代の高騰による費用増により、売上総利益は7,084百万円と前期比419百万円(6.3%)の増益に留まりました。つれて営業利益は5,375百万円と前期比250百万円(4.9%)の増益となりました。
営業外損益では、前期の245百万円の費用(純額)から、当期は334百万円の費用(純額)となり、88百万円増加しました。その結果、経常利益は5,040百万円と前期比161百万円(3.3%)の増益となりました。
特別損益では、前期の2,547百万円の利益(純額)から、当期は投資有価証券及び固定資産の売却による特別利益が減少したこと等により978百万円の利益(純額)となり、1,569百万円減少しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,186百万円と前期比978百万円(18.9%)の減益となりました。
当社グループは、土地建物賃貸を主たる事業としている「土地建物賃貸事業」の単一セグメントであります。なお、当社グループが展開する事業部門別の状況は以下のとおりであります。
前連結会計年度当連結会計年度
売上高(百万円)割合(%)売上高(百万円)割合(%)
オフィスビル事業4,28624.14,47623.7
データセンタービル事業9,07350.99,90352.5
ウインズビル事業3,47319.53,49818.5
商業施設・物流倉庫等事業9825.51,0015.3
17,815100.018,879100.0

①オフィスビル事業
当社グループは大阪・東京のビジネス地区を中心に計8棟のオフィスビルを保有・賃貸しております。最新の物件はデータセンタービルの運営ノウハウを活かした高度なBCP機能を有するほか、築年数が経過したビルでも、計画的な設備更新やメンテナンスにより、新築ビルと遜色のない、安全で快適な事業空間の提供に努めています。
働き方改革の進展によるオフィスの在り方の見直しと大規模物件の竣工による新規供給が相まって、オフィスの空室率の上昇が懸念されていますが、当社グループのオフィスビル事業への影響は軽微で、高い稼働率を維持しております。連結売上高は、既存の瓦町ビルに加えて、当年度に取得した南青山土地が収益獲得に貢献したことにより、前年同期比189百万円(4.4%)増収の4,476百万円となりました。
②データセンタービル事業
当社グループは大阪都心部に計8棟のデータセンタービルを保有・賃貸しております。24時間365日絶えず稼働するデータセンタービルでは、免震構造等の採用による高い防災性能、大型非常用発電機による安定的な電力供給、先進のセキュリティシステム等により、高い信頼性を確保しております。また、30年以上にわたるデータセンタービル賃貸実績に基づく、充実した保守管理サービスも高く評価されております。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を背景にデータセンターの需要は今後も堅調に推移するものと見込んでおります。連結売上高は、昨年度に竣工したOBPビルのほか、既存ビルでは西心斎橋ビルにおいて機器室の稼働が向上したため、前年同期比830百万円(9.2%)増収の9,903百万円となりました。
③ウインズビル事業
ウインズビルは日本中央競馬会(JRA)が主催するレースの投票券を場外で発売する施設で、当社グループは京都・大阪・神戸の都心部に計5棟を保有・賃貸しております。当事業の歴史は創業時にさかのぼり、長年にわたって安定的な収益を生み出す中核事業の一つとなっております。
インターネット投票の普及が進み、ウインズビルでの投票券の売上比率は低下傾向にありますが、固定賃料で賃貸しておりますので業績への影響は軽微であります。連結売上高は前年同期比25百万円(0.7%)増収の3,498百万円となりました。
④商業施設・物流倉庫等事業
当社グループは首都圏・関西圏を中心に6棟の商業施設・物流倉庫等を展開しております。商業施設はターミナル駅、物流倉庫は幹線道路近くと交通利便性の高い立地をターゲットとし、収益物件の取得に向けて情報収集活動に努めております。連結売上高は前年同期比18百万円(1.9%)増収の1,001百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当社グループの主な事業は、土地建物賃貸事業であり、①生産実績②受注実績の該当はありません。
③販売実績
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
日本中央競馬会3,473,00019.53,481,80518.4
エクイニクス・ジャパン㈱2,985,75316.83,424,76018.1
ソフトバンク㈱2,183,37812.32,407,04112.7

(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は152,321百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,326百万円(1.6%)増加しました。現金及び預金は4,563百万円、未収消費税等は還付により1,850百万円各々減少したものの、2022年11月に南青山土地の信託受益権取得により信託土地が8,655百万円増加したことが主な要因であります。
負債合計は81,450百万円となり、前連結会計年度末比1,966百万円(2.5%)増加しました。固定資産の取得に要する資金調達を行ったこと等により有利子負債が2,296百万円増加したことが主な要因であります。
純資産合計は70,870百万円となり、前連結会計年度末比360百万円(0.5%)増加しました。その他有価証券評価差額金は225百万円減少したものの、利益剰余金が708百万円増加したことが要因であります。
(3) キャッシュ・フローの状況
科目前連結会計年度当連結会計年度
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)2,7368,917
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△8,652△12,104
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△5,757△1,376
現金及び現金同等物の増減額(百万円)△11,674△4,563
現金及び現金同等物の期末残高(百万円)9,8765,312

①現金及び現金同等物
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は5,312百万円となり、前期末比4,563百万円減少しました。
②営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は8,917百万円(前連結会計年度は2,736百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益6,019百万円、減価償却費3,818百万円、前期に計上した未収消費税等1,850百万円の還付により主要な資金を得ましたが、法人税等の支払額1,635百万円、投資有価証券売却益1,006百万円の特別利益の控除要因がありました。
③投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は12,104百万円(前連結会計年度は8,652百万円の支出)となりました。投資有価証券の売却により1,087百万円の資金を得ましたが、南青山土地の信託受益権や関目高殿住宅等の有形固定資産の取得により12,895百万円の支出がありました。
④財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により使用した資金は1,376百万円(前連結会計年度は5,757百万円の支出)となりました。固定資産取得資金として、長期借入れにより4,700百万円を調達しましたが、配当金の支払額1,912百万円、自己株式の取得1,760百万円、長期借入金の返済1,703百万円、短期借入金の返済700百万円の支出がありました。
⑤資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要の主なものは、新たなビルの取得、開発及び所有ビルの改修工事等の設備投資に係る資金であります。その所要資金は自己資金、金融機関からの借入及び社債の発行により調達しております。また、当社の事業は資金回収に長期間を要するため、返済・償還期限を長めに設定しております。当連結会計年度末の有利子負債の内訳については、連結附属明細表の「社債明細表」及び「借入金等明細表」に記載のとおりであります。
当社グループは2019年10月に策定した中期経営計画「ここからの挑戦~新たな成長のステージへ~」に基づいて事業を推進してまいりました。同計画で掲げる経営指標の2020年3月期から2023年3月期までの推移は以下のとおりです。
指標2020年
3月期
(初年度)
2021年
3月期
(2年目)
2022年
3月期
(3年目)
2023年3月期2026年
3月期
(目標)
(4年目)(目標)(目標比)
売上高(億円)153153178188186101%220
営業利益(億円)545251535596%80
経常利益(億円)525048505198%75
税引後償却前経常利益
(億円)
5857717371103%100
総資産(億円)1,3661,5401,4991,5231,66691%1,950
ネット有利子負債(億円)45145054961875282%920
ネット有利子負債
/EBITDA倍率(倍)
5.96.06.26.78.2-7.3
自己資本(億円)64270470370773796%820
自己資本比率(%)47.045.746.946.544.2+2.3%P42.0
ROA
(営業利益/総資産)(%)
4.03.63.43.64%台
を確保
-4%台
を確保

(注)税引後償却前経常利益:経常利益×(1-法定実効税率)+減価償却費
ネット有利子負債/EBITDA倍率:ネット有利子負債/償却前営業利益
自己資本比率:自己資本/総資産
ROA(営業利益/総資産):営業利益/((前連結会計年度末総資産+当連結会計年度末総資産)/2)
(補足)
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
3.ネット有利子負債は、有利子負債残高から現金及び預金残高を減算しております。
4.償却前営業利益は、営業利益に減価償却費を加算しております。
(新たな長期経営計画策定について)
こうしたなか、上記中期経営計画期間中に、不動産マーケットの高騰や新型コロナウイルス感染症の影響による経済停滞やワークスタイル、ライフスタイルの変化等の影響を受け、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化いたしました。このような状況下、より高い利益成長と高い資産・資本効率を実現するためには、当社グループを取り巻く外部環境の変化に対応できる基盤や体制の一段の整備を図るとともに、新経営体制のもと2048年に迎える創立100周年を見据えた成長基盤の確立とESGを意識したサステナブル経営推進のための改革が必要となってまいりました。こうしたことから、上記中期経営計画を見直し、当社グループは、2023年5月に長期経営計画(2024年3月期から2033年3月期の10ヵ年を対象)を新たに策定いたしました。
本計画期間中は自己資本比率30%以上、ネット有利子負債はEBITDA(償却前営業利益)の10倍程度の堅持を掲げるなど健全な財務体質の維持を図りつつ、資産回転型事業やエクイティ投資・海外投資、一段と多様なアセットタイプへの投資等を検討することで、ストック事業とフロー事業のバランスのとれた収益構造への転換や、景気変動リスクを低減し、安定した収益基盤の拡充を図る方針です。そして、フロー事業への取組等によるROA向上を目指し、結果としてROEの改善・向上の実現を目指します。なお、本計画においては、投資手法の多様化を事業戦略の一環としていることから、新たに償却前事業利益(事業利益(営業利益+持分法投資損益)+減価償却費)を重要な経営指標としております。本計画の詳細については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略・経営指標」に記載しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 固定資産の減損
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 資産除去債務
当社グループは、一部の借地について、不動産賃貸借契約に基づく退去時の原状回復に係る債務等を有しておりますが、当該債務に関連する賃借資産の使用期間が明確でなく、また、現時点において将来退去する予定もないことから、資産除去債務を合理的に見積もることができません。そのため、当該債務に見合う資産除去債務を計上しておりません。
将来の退去時期が明らかになるなど、当該債務額を合理的に見積もることが可能になった場合には、その時点で当該債務に見合う資産除去債務を計上することになります。

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