四半期報告書-第34期第1四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により極めて厳しい状況となりました。
当社グループを取り巻く環境も厳しく、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、鉄道をご利用になるお客さまが大幅に減少したことに加え、生活サービス事業についても、駅構内店舗や駅ビル、ホテルなどのご利用実績が減少しました。このような状況の中、ご利用になるお客さまや社員等の感染防止対策の徹底と、安全・安定輸送およびサービス品質の確保にグループの総力を挙げて取り組みました。また、ポストコロナ社会の構造変化も踏まえつつ、グループ経営ビジョン「変革 2027」の実現に向け、積極的にチャレンジしました。
この結果、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、運輸事業や流通・サービス事業、不動産・ホテル事業が大幅な減収となったことなどにより、当第1四半期連結累計期間の営業収益は前年同期比55.2%減の3,329億円となりました。また、これに伴って営業損失は1,783億円(前年同期は営業利益1,446億円)、経常損失は1,975億円(前年同期は経常利益1,327億円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,553億円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益915億円)となりました。
また、当第1四半期連結会計期間末の資産残高は現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,350億円増の8兆6,721億円、負債残高は短期借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ3,226億円増の5兆6,863億円、純資産残高は利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ1,876億円減の2兆9,858億円となりました。
○ 「信頼」を高める
[「究極の安全」の追求]
「グループ安全計画2023」のもと、一人ひとりの「安全行動」と「安全マネジメント」の進化・変革や、新たな技術を積極的に活用した安全設備の整備にグループ一体で取り組みました。
(具体的な取組み)
・首都直下地震等を想定し、対象エリア・設備を拡大したさらなる耐震補強を推進
・全乗務員職場に配備したシミュレータを活用し、実際の映像による実践的な訓練を実施
・ホームドアの設置工事を推進し、当第1四半期連結会計期間末までに51駅(線区単位では61駅)の整備を完了
・2019年の台風第19号による河川の氾濫等による被害を踏まえ、重要設備の浸水対策や車両の避難についての方針を策定
[サービス品質の改革]
「サービス品質改革中期ビジョン2020」のもと、「顧客満足度 鉄道業界No.1」の実現をめざし、輸送障害の発生防止をはじめ、輸送障害時のお客さまへの影響拡大の防止や情報提供の強化などの取組みを加速しました。
(具体的な取組み)
・輸送障害発生率の減少に向け、首都圏在来線の電気設備等の強化を推進
・台風接近時における列車の計画的な運転見合わせについて、早期に情報提供をする仕組みを構築
・お困りのお客さまに積極的にお声かけする「声かけ・サポート」運動を通年で実施
・当社のホームページおよび「JR東日本アプリ」にて、首都圏13線区15区間の過去約1週間の車内混雑状況の情報提供を開始
・「JR東日本アプリ」にて、首都圏の主な線区や山手線の駅の混雑状況をリアルタイムに情報提供するサービスの拡大を2020年7月開始に向け準備
・東北・上越・北陸新幹線のトンネル内を含む全線で携帯電話サービスのご利用を2020年7月から可能とする工事を実施
・インターネットJR券申込サービス「えきねっと」について、2021年夏頃に「JRE POINT」との連携や割引きっぷの予約・購入への対応など、内容を一新したサービスを提供する準備を継続
[ESG経営の実践]
環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の観点から「ESG経営」を実践し、事業を通じて社会的な課題を解決することで、地域社会の持続的な発展に貢献するとともに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取組みを推進しました。
(具体的な取組み)
・2050年度のCO2排出量実質ゼロをめざす「ゼロカーボン・チャレンジ2050」を2020年5月に発表
・エネルギー戦略を、スピードをあげて推進するために2020年6月に「エネルギー戦略部」を設立
・プラスチックの削減に向け、エキナカやホテルなどで使用するレジ袋やストローの代替素材への置換えを推進し、2020年6月にはエコバッグを配布するキャンペーンを実施
・水素をエネルギー源としたハイブリッド車両について、2021年度内の試験車両の落成と実証試験の開始に向けた準備を推進
・子ども見守りサービス「まもレール」のサービス対象駅を、2020年4月から東京都交通局と東京地下鉄株式会社を加えた首都圏495駅に拡大
・子育て支援施設の整備を推進(当第1四半期連結会計期間末の子育て支援施設数は累計144箇所)
○ 「心豊かな生活」を実現
[輸送サービスの質的変革]
輸送サービスを質的に変革するとともに、新型コロナウイルスの感染防止対策を実施しながら旅行の気運醸成、流動促進等に取り組みました。
(具体的な取組み)
・次世代新幹線の実現に向け、試験車両「ALFA-X(アルファエックス)」の走行試験を実施
・羽田空港アクセス線(仮称)の環境影響評価手続きの推進
・ドライバレス運転実施に必要な新たなシステムや設備などの技術的課題の検討を実施
・全方面の新幹線を対象とする「お先にトクだ値スペシャル(50%割引)」の設定準備
・新型コロナウイルス感染症による移動自粛期間中の鉄道旅行への気運醸成のため、2020年5月から「おうちで てつどうを たのしもう!」WEBコンテンツの配信を開始
・2020年6月に、渋谷駅埼京線ホームを山手線と並列化し、乗換えの利便性を向上
・2020年6月から横須賀・総武快速線の新型車両E235系が順次落成し、営業運転に向けて準備を開始
・2021年春頃に房総・鹿島エリアに新型車両を投入する準備を推進
[くらしづくり(まちづくり)]
まちづくりやターミナル駅開発、ホテル開業等を推進し、収益力の向上をめざしました。
(具体的な取組み)
・品川開発プロジェクトにおいて、先進的な環境技術等を活用したエネルギーマネジメント等を行うことを目的として、2020年4月に株式会社えきまちエナジークリエイトを設立
・「Takanawa Gateway Fest」の2020年7月からの開催に向け、未来を疑似体験できるパビリオンや最新映像技術を用いたデジタルアートミュージアムなどの開設を準備
・消毒作業ロボットや搬送ロボット等の導入に向け、高輪ゲートウェイ駅で各種ロボットの実証実験を2020年7月から開始する準備を推進
・オープンイノベーションを推進するため、地方創生などをテーマとした「JR東日本スタートアッププログラム2020」を2020年4月より開催
・駅の価値最大化を目的に、2020年4月に子会社の株式会社日本レストランエンタプライズとジェイアール東日本フードビジネス株式会社を合併し、株式会社JR東日本フーズを設立
・シェアオフィスのさらなる展開として、2020年6月から駅ナカシェアオフィス「STATION WORK」の会員向けに、半日単位からJR東日本ホテルメッツの客室を利用できるサービスを開始
・当社最大規模のエキナカ商業施設「グランスタ東京」(東京)の開業をめざし、東京駅北通路周辺整備を推進
・地域とともに街の魅力や価値を高めていくため、以下の主な駅ビル等の開業に向けた準備を推進
2020年8月以降開業予定 「WATERS takeshiba(シアター棟)」(東京)
2020年9月開業予定 「日比谷OKUROJI」(東京)
2021年春開業予定 「KAWASAKI DELTA」(神奈川)
・10,000室を超えるホテルチェーンとなることをめざし、山形、秋田などでホテルの開業に向けた準備を推進
[地方創生]
観光振興や地方中核駅を中心としたまちづくりに加え、農林漁業の6次産業化など、東日本エリア全域の地方創生に取り組み、「地方を豊かに」していきます。
(具体的な取組み)
・2020年4月に「A-FACTORY 弘前吉野町シードル工房」(青森)を開業
・2020年6月に、日本郵便株式会社等と連携し、新幹線物流等を活用して、山形県産のさくらんぼの首都圏での販売を実施
・仙台市の東日本大震災跡地に体験型大規模観光果樹園を2020年度末に営業開始するための準備を推進
[Suicaの共通基盤化・MaaS推進]
「JRE POINT」の魅力向上や他企業との積極的な連携により、あらゆる生活シーンでSuicaを利用可能とする施策を推進するとともに、日本における「MaaS」の普及に取り組みました。
(具体的な取組み)
・Suica、MaaS、データマーケティングを三位一体で推進するために、2020年6月に「MaaS・Suica推進本部」を設立
・「キャッシュレス・消費者還元事業」に参加し、本事業にあわせ、駅ビル・エキナカにおけるキャッシュレスでの支払い時に「JRE POINT」の還元率をアップする独自キャンペーンを実施
・「群馬デスティネーションキャンペーン」にあわせ、2020年4月から6月まで「観光型MaaS」の実証実験「ググっとぐんMaaS」を実施
・楽天ペイメント株式会社と連携し、2020年5月から「楽天ペイ」アプリ内でSuicaが利用可能となるサービスを開始
・地方におけるSuicaの利用基盤拡大に向け、2021年春以降「地域連携ICカード」を導入する準備を宇都宮・岩手エリアで推進
・2020年7月から始まる「マイナポイント事業」に参画するとともに、Suica活用推進のため「マイナポイントはSuicaで貯めよう!」キャンペーンの準備を推進
[東京2020オリンピック・パラリンピック]
東京2020オリンピック・パラリンピックについては、開催が延期となりましたが、引き続き「東京2020オフィシャルパートナー(旅客鉄道輸送サービス)」として、コミュニケーションスローガン「TICKET TO TOMORROW」のもと準備を進めていきます。
(具体的な取組み)
・千駄ケ谷駅、新木場駅、新宿駅などの競技会場周辺等の駅改良工事を推進
・鉄道のセキュリティ強化に向け、防犯カメラ等の増設およびネットワーク化による集中監視を行うとともに、社員等による警備強化や駅・列車内への防護用品配備を実施
・異常時における多言語案内を充実させるため、翻訳アプリ等のツールの活用を推進
・山手線ホームの発車標に、列車が駅に到着するまでの時間を表示し、リアルタイムな情報提供を実施
・東京2020大会の各競技の見どころ・観戦ポイントを紹介する「TOKYO SPORTS STATION」を電車内のビジョンを中心に放映を継続
[世界を舞台に]
それぞれの国のニーズに合わせて、より豊かなライフスタイルを提供していくことをめざし、世界を舞台に輸送サービスおよび生活サービスを展開しました。
(具体的な取組み)
・JR東日本グループとして海外初出店となる「ホテルメトロポリタン プレミア 台北」を2021年初に開業するための準備を推進
・ビジネス英会話能力向上のため、外国人講師による社員向け英会話レッスンの受講機会を提供
○ 「社員・家族の幸福」を実現
「変革 2027」がめざす持続的成長の基盤となるグループ全社員の働きがいの創出に向け、「業務改革」、「働き方改革」、「職場改革」を進め、経営体質の強化と「社員・家族の幸福」の実現に取り組みました。
(具体的な取組み)
・社員の多様な意欲を柔軟に受け止め、一人ひとりの社員が様々なフィールドでより一層活躍・成長することを目的とした「新たなジョブローテーション」を2020年4月から実施
・「変革 2027」の実現をめざし、新たな気持ちでチャレンジするシンボルとして、2020年5月から駅係員や乗務員の制服をリニューアル
・育児・介護関連休暇のさらなる充実等による社員の働きがい向上に向けた制度改正を実施するとともに、一部の現業機関へフレックスタイム制の導入を推進
・お客さまのより近くで創意を発揮する機会を創ることを目的として、職種等を越えた現業機関等の社員によって構成する「組織横断プロジェクト」を推進
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 運輸事業
運輸事業では、安全・安定輸送のレベルアップに最重点で取り組むとともに、お客さまに安心して鉄道をご利用いただける環境整備に努めたうえで、収入確保施策を実施しました。具体的には、駅や車内での消毒や換気等の実施や駅係員および乗務員のマスク着用などの「安心」「清潔」のPR活動に加え、Suicaや新幹線eチケット等非接触のサービス利用の促進などに取り組みました。また、2020年6月には流動促進施策としてピーク分散に向けた出発日限定のお得な旅行商品を設定しました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、鉄道事業やバス事業が大幅な減収となったことなどにより、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同期比57.0%減の2,261億円となり、営業損失は1,629億円(前年同期は営業利益1,082億円)となりました。
② 流通・サービス事業
流通・サービス事業では、「くらしづくり(まちづくり)」に取り組み、新規開業や既存事業の価値向上を図りました。具体的には、2020年5月に仙台駅「牛たん通り」、「すし通り」をリニューアルオープンしました。また、2020年5月に紀ノ国屋としてはJR東日本エリア外初出店となる「紀ノ国屋 ジェイアール京都伊勢丹店」(京都)をオープンしました。さらに、2020年6月に「エキュート上野」(東京)新エリアに4ショップをオープンしました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、駅構内店舗や広告代理業が大幅な減収となったことなどにより、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同期比51.6%減の681億円となり、営業損失は103億円(前年同期は営業利益89億円)となりました。
③ 不動産・ホテル事業
不動産・ホテル事業では、地域とともに街の魅力や価値を高めていくため、首都圏などの大規模ターミナル駅をはじめ、沿線や駅周辺において、「くらしづくり(まちづくり)」を意識した開発を進めました。具体的には、2020年4月に「メズム東京、オートグラフ コレクション」(東京)、「ホテルメトロポリタン鎌倉」(神奈川)、2020年5月に「ホテルメトロポリタン川崎」(神奈川)、2020年6月に「JR東日本ホテルメッツ横浜」(神奈川)、「JR東日本ホテルメッツ横浜桜木町」(神奈川)を開業しました。また、2020年6月に「アトレ竹芝(第Ⅰ期)」(東京)、「CIAL横浜」(神奈川)、「NEWoMan横浜」(神奈川)を開業しました。さらに、沿線のくらしづくりとして、2020年6月に大規模賃貸住宅「びゅうリエットグラン新宿戸山」(東京)への入居を開始しました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、臨時休業や営業時間短縮を行った駅ビルの大幅な減収に加え、ホテル業が大幅な減収となったことなどにより、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同期比42.7%減の529億円となり、営業損失は63億円(前年同期は営業利益232億円)となりました。
④ その他
Suica電子マネーについては、飲食店への導入を進めるなど、加盟店開拓を継続して行いました。なお、当第1四半期連結会計期間末のSuicaの発行枚数は約8,343万枚となりました。
海外鉄道プロジェクトへの参画については、子会社の日本コンサルタンツ株式会社が「インド国高速鉄道建設事業詳細設計調査」のコンサルティング業務に取り組むとともに、インド高速鉄道公社から受注した研修施設の施工監理業務を推進しました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、鉄道や駅ビル等をご利用になるお客さまが減少したことに伴い、クレジットカード事業が大幅な減収となったことなどにより、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同期比7.3%減の514億円となり、営業利益は前年同期比79.3%減の8億円となりました。
(注) 当社は、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成22年6月30日)および「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号 平成20年3月21日)におけるセグメント利益又は損失について、各セグメントの営業利益又は営業損失としております。
(参考)
当社の鉄道事業の営業実績
① 輸送実績
(注) 「関東圏」とは、当社東京支社、横浜支社、八王子支社、大宮支社、高崎支社、水戸支社および千葉支社管内の範囲であります。
② 収入実績
(2) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等について、重要な変更はありません。
新型コロナウイルス感染症の流行は、日本経済全体に大きな影響を与えており、当面の間は、移動需要の大幅な減少をはじめ、当社グループにとって非常に厳しい状況が続くものと認識しています。また、中長期的にも、より一層の人口減少や高齢化に加え、自動運転などの技術革新やデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展など、当社グループを取り巻く経営環境は、大きくかつ急速に変化していくことが想定され、さらに、ポストコロナ社会における人々の行動や価値観の変容は、この変化をさらに加速させると考えています。
このような状況を踏まえ、当社グループは、新型コロナウイルス感染症への対応に万全を期しながら、早期の業績回復に努めるとともに、グループ経営ビジョン「変革 2027」の実現に向けた取組みを、今まで以上にスピードアップすることで、グループの成長と地域社会の発展を実現してまいります。
連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、今後の収入動向等が極めて不透明であり、現時点では合理的な算定が困難であることから、未定とさせていただきます。今後、予想が可能となった段階で速やかに発表いたします。
(3) 新型コロナウイルス感染症に対する取組みについて
新型コロナウイルス感染症の流行が本格化して以降、鉄道をはじめ、グループ各事業のご利用が大幅に減少しております(当第1四半期連結累計期間の連結の業績に与える新型コロナウイルス感染症の影響額は約3,980億円の減収です)。
当社グループは、感染症流行への対応として、以下の3つの柱に基づいた取組みを実施しております。
・駅や車内の消毒・換気等、お客さまに「安心」「清潔」な環境でご利用いただくための取組みを徹底しながら、経済回復に向けて最適な輸送・サービスを提供し、グループの社会的使命を果たしていきます。
・安全の確保を前提に、維持更新投資や経費の見直しを行いつつ、グループ経営ビジョン「変革 2027」の実現に向けた成長投資やイノベーション投資は着実に行っていきます。
・「JRE POINT」を活用した鉄道、生活サービス、IT・Suica各事業を横断する施策や、国や地方自治体、地域と連携した価格訴求性のある商品の投入に加え、新しい形の旅と暮らしを積極的に提案することなどにより、グループ一体となって移動需要を創造していきます。
また、ポストコロナ社会においては、「通勤主体」から「生活主体」へ、「集中」から「分散」へ、「マス」から「パーソナル」へといった不可逆的な構造変化が生ずることは確実です。当社グループとしては、これらを見据えて、以下の方針に基づき取り組んでまいります。
・成長・イノベーション戦略を再構築し、MaaSの展開やデジタルマーケティングの活用などにより、お客さまの行動や価値観の変化に対応した新たなサービスを提供していきます。
・経営体質の抜本的な強化に取り組み、固定費割合が大きい鉄道事業を中心に構造改革を進めていきます。チケットレス、ドライバレス運転やスマートメンテナンスをはじめとしたDXをさらに加速させるとともに、運賃制度や列車ダイヤといった事業運営の基本となる事項についても、ご利用状況等を踏まえ、より柔軟な運用に向けて検討を行います。
・「ESG経営」をさらに力強く実践し、地方創生により一層取り組むなど、地域社会の発展とSDGsの達成に貢献します。
環境が激変している今だからこそ、「ヒトを起点とした新たな価値の提供」に向け、その取組みをさらに加速し、グループ一丸となってこの難局を乗り切っていきます。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費総額は、39億円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動について、重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第1四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
① 新設
当第1四半期連結累計期間に完了した主要な設備の新設は次のとおりであります。
② 大規模改修
当第1四半期連結累計期間において、運輸事業の安全・安定輸送対策である「大規模地震対策工事」について、対象エリア・設備を拡大したため、予定総額を534,478百万円から569,381百万円に変更しております。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期連結会計期間末のネット有利子負債残高は3兆5,866億円となりました。なお、「ネット有利子負債」とは、連結有利子負債残高から連結現金及び現金同等物の第1四半期連結会計期間末残高を差し引いた数値であります。
当第1四半期連結会計期間末の有利子負債残高は、3兆9,473億円であります。
当社は、当第1四半期連結累計期間に国内において償還期限を2023年から2070年の間とする6本の無担保普通社債を総額1,250億円発行いたしました。なお、2020年7月20日に国内において償還期限を2025年から2060年の間とする5本の無担保普通社債を総額850億円発行しております。その他、当第1四半期連結累計期間に金融機関から1,500億円の長期資金を借り入れました。
短期資金の需要に対応するため、主要な銀行に総額5,500億円の当座借越枠を設定しており、当第1四半期連結会計期間末における当座借越残高は2,700億円であります。また、当第1四半期連結会計期間末におけるコマーシャル・ペーパーの発行残高は2,400億円であります。なお、四半期報告書提出日の属する月の前月末現在におけるコマーシャル・ペーパーの発行残高は3,850億円となりました。さらに、銀行からのコミットメント・ライン(一定の条件のもと契約内での借入れが自由にできる融資枠)を3,000億円設定しておりますが、当第1四半期連結会計期間末におけるコミットメント・ラインの使用残高はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により極めて厳しい状況となりました。
当社グループを取り巻く環境も厳しく、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、鉄道をご利用になるお客さまが大幅に減少したことに加え、生活サービス事業についても、駅構内店舗や駅ビル、ホテルなどのご利用実績が減少しました。このような状況の中、ご利用になるお客さまや社員等の感染防止対策の徹底と、安全・安定輸送およびサービス品質の確保にグループの総力を挙げて取り組みました。また、ポストコロナ社会の構造変化も踏まえつつ、グループ経営ビジョン「変革 2027」の実現に向け、積極的にチャレンジしました。
この結果、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、運輸事業や流通・サービス事業、不動産・ホテル事業が大幅な減収となったことなどにより、当第1四半期連結累計期間の営業収益は前年同期比55.2%減の3,329億円となりました。また、これに伴って営業損失は1,783億円(前年同期は営業利益1,446億円)、経常損失は1,975億円(前年同期は経常利益1,327億円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,553億円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益915億円)となりました。
また、当第1四半期連結会計期間末の資産残高は現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,350億円増の8兆6,721億円、負債残高は短期借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ3,226億円増の5兆6,863億円、純資産残高は利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ1,876億円減の2兆9,858億円となりました。
○ 「信頼」を高める
[「究極の安全」の追求]
「グループ安全計画2023」のもと、一人ひとりの「安全行動」と「安全マネジメント」の進化・変革や、新たな技術を積極的に活用した安全設備の整備にグループ一体で取り組みました。
(具体的な取組み)
・首都直下地震等を想定し、対象エリア・設備を拡大したさらなる耐震補強を推進
・全乗務員職場に配備したシミュレータを活用し、実際の映像による実践的な訓練を実施
・ホームドアの設置工事を推進し、当第1四半期連結会計期間末までに51駅(線区単位では61駅)の整備を完了
・2019年の台風第19号による河川の氾濫等による被害を踏まえ、重要設備の浸水対策や車両の避難についての方針を策定
[サービス品質の改革]
「サービス品質改革中期ビジョン2020」のもと、「顧客満足度 鉄道業界No.1」の実現をめざし、輸送障害の発生防止をはじめ、輸送障害時のお客さまへの影響拡大の防止や情報提供の強化などの取組みを加速しました。
(具体的な取組み)
・輸送障害発生率の減少に向け、首都圏在来線の電気設備等の強化を推進
・台風接近時における列車の計画的な運転見合わせについて、早期に情報提供をする仕組みを構築
・お困りのお客さまに積極的にお声かけする「声かけ・サポート」運動を通年で実施
・当社のホームページおよび「JR東日本アプリ」にて、首都圏13線区15区間の過去約1週間の車内混雑状況の情報提供を開始
・「JR東日本アプリ」にて、首都圏の主な線区や山手線の駅の混雑状況をリアルタイムに情報提供するサービスの拡大を2020年7月開始に向け準備
・東北・上越・北陸新幹線のトンネル内を含む全線で携帯電話サービスのご利用を2020年7月から可能とする工事を実施
・インターネットJR券申込サービス「えきねっと」について、2021年夏頃に「JRE POINT」との連携や割引きっぷの予約・購入への対応など、内容を一新したサービスを提供する準備を継続
[ESG経営の実践]
環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の観点から「ESG経営」を実践し、事業を通じて社会的な課題を解決することで、地域社会の持続的な発展に貢献するとともに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取組みを推進しました。
(具体的な取組み)
・2050年度のCO2排出量実質ゼロをめざす「ゼロカーボン・チャレンジ2050」を2020年5月に発表
・エネルギー戦略を、スピードをあげて推進するために2020年6月に「エネルギー戦略部」を設立
・プラスチックの削減に向け、エキナカやホテルなどで使用するレジ袋やストローの代替素材への置換えを推進し、2020年6月にはエコバッグを配布するキャンペーンを実施
・水素をエネルギー源としたハイブリッド車両について、2021年度内の試験車両の落成と実証試験の開始に向けた準備を推進
・子ども見守りサービス「まもレール」のサービス対象駅を、2020年4月から東京都交通局と東京地下鉄株式会社を加えた首都圏495駅に拡大
・子育て支援施設の整備を推進(当第1四半期連結会計期間末の子育て支援施設数は累計144箇所)
○ 「心豊かな生活」を実現
[輸送サービスの質的変革]
輸送サービスを質的に変革するとともに、新型コロナウイルスの感染防止対策を実施しながら旅行の気運醸成、流動促進等に取り組みました。
(具体的な取組み)
・次世代新幹線の実現に向け、試験車両「ALFA-X(アルファエックス)」の走行試験を実施
・羽田空港アクセス線(仮称)の環境影響評価手続きの推進
・ドライバレス運転実施に必要な新たなシステムや設備などの技術的課題の検討を実施
・全方面の新幹線を対象とする「お先にトクだ値スペシャル(50%割引)」の設定準備
・新型コロナウイルス感染症による移動自粛期間中の鉄道旅行への気運醸成のため、2020年5月から「おうちで てつどうを たのしもう!」WEBコンテンツの配信を開始
・2020年6月に、渋谷駅埼京線ホームを山手線と並列化し、乗換えの利便性を向上
・2020年6月から横須賀・総武快速線の新型車両E235系が順次落成し、営業運転に向けて準備を開始
・2021年春頃に房総・鹿島エリアに新型車両を投入する準備を推進
[くらしづくり(まちづくり)]
まちづくりやターミナル駅開発、ホテル開業等を推進し、収益力の向上をめざしました。
(具体的な取組み)
・品川開発プロジェクトにおいて、先進的な環境技術等を活用したエネルギーマネジメント等を行うことを目的として、2020年4月に株式会社えきまちエナジークリエイトを設立
・「Takanawa Gateway Fest」の2020年7月からの開催に向け、未来を疑似体験できるパビリオンや最新映像技術を用いたデジタルアートミュージアムなどの開設を準備
・消毒作業ロボットや搬送ロボット等の導入に向け、高輪ゲートウェイ駅で各種ロボットの実証実験を2020年7月から開始する準備を推進
・オープンイノベーションを推進するため、地方創生などをテーマとした「JR東日本スタートアッププログラム2020」を2020年4月より開催
・駅の価値最大化を目的に、2020年4月に子会社の株式会社日本レストランエンタプライズとジェイアール東日本フードビジネス株式会社を合併し、株式会社JR東日本フーズを設立
・シェアオフィスのさらなる展開として、2020年6月から駅ナカシェアオフィス「STATION WORK」の会員向けに、半日単位からJR東日本ホテルメッツの客室を利用できるサービスを開始
・当社最大規模のエキナカ商業施設「グランスタ東京」(東京)の開業をめざし、東京駅北通路周辺整備を推進
・地域とともに街の魅力や価値を高めていくため、以下の主な駅ビル等の開業に向けた準備を推進
2020年8月以降開業予定 「WATERS takeshiba(シアター棟)」(東京)
2020年9月開業予定 「日比谷OKUROJI」(東京)
2021年春開業予定 「KAWASAKI DELTA」(神奈川)
・10,000室を超えるホテルチェーンとなることをめざし、山形、秋田などでホテルの開業に向けた準備を推進
[地方創生]
観光振興や地方中核駅を中心としたまちづくりに加え、農林漁業の6次産業化など、東日本エリア全域の地方創生に取り組み、「地方を豊かに」していきます。
(具体的な取組み)
・2020年4月に「A-FACTORY 弘前吉野町シードル工房」(青森)を開業
・2020年6月に、日本郵便株式会社等と連携し、新幹線物流等を活用して、山形県産のさくらんぼの首都圏での販売を実施
・仙台市の東日本大震災跡地に体験型大規模観光果樹園を2020年度末に営業開始するための準備を推進
[Suicaの共通基盤化・MaaS推進]
「JRE POINT」の魅力向上や他企業との積極的な連携により、あらゆる生活シーンでSuicaを利用可能とする施策を推進するとともに、日本における「MaaS」の普及に取り組みました。
(具体的な取組み)
・Suica、MaaS、データマーケティングを三位一体で推進するために、2020年6月に「MaaS・Suica推進本部」を設立
・「キャッシュレス・消費者還元事業」に参加し、本事業にあわせ、駅ビル・エキナカにおけるキャッシュレスでの支払い時に「JRE POINT」の還元率をアップする独自キャンペーンを実施
・「群馬デスティネーションキャンペーン」にあわせ、2020年4月から6月まで「観光型MaaS」の実証実験「ググっとぐんMaaS」を実施
・楽天ペイメント株式会社と連携し、2020年5月から「楽天ペイ」アプリ内でSuicaが利用可能となるサービスを開始
・地方におけるSuicaの利用基盤拡大に向け、2021年春以降「地域連携ICカード」を導入する準備を宇都宮・岩手エリアで推進
・2020年7月から始まる「マイナポイント事業」に参画するとともに、Suica活用推進のため「マイナポイントはSuicaで貯めよう!」キャンペーンの準備を推進
[東京2020オリンピック・パラリンピック]
東京2020オリンピック・パラリンピックについては、開催が延期となりましたが、引き続き「東京2020オフィシャルパートナー(旅客鉄道輸送サービス)」として、コミュニケーションスローガン「TICKET TO TOMORROW」のもと準備を進めていきます。
(具体的な取組み)
・千駄ケ谷駅、新木場駅、新宿駅などの競技会場周辺等の駅改良工事を推進
・鉄道のセキュリティ強化に向け、防犯カメラ等の増設およびネットワーク化による集中監視を行うとともに、社員等による警備強化や駅・列車内への防護用品配備を実施
・異常時における多言語案内を充実させるため、翻訳アプリ等のツールの活用を推進
・山手線ホームの発車標に、列車が駅に到着するまでの時間を表示し、リアルタイムな情報提供を実施
・東京2020大会の各競技の見どころ・観戦ポイントを紹介する「TOKYO SPORTS STATION」を電車内のビジョンを中心に放映を継続
[世界を舞台に]
それぞれの国のニーズに合わせて、より豊かなライフスタイルを提供していくことをめざし、世界を舞台に輸送サービスおよび生活サービスを展開しました。
(具体的な取組み)
・JR東日本グループとして海外初出店となる「ホテルメトロポリタン プレミア 台北」を2021年初に開業するための準備を推進
・ビジネス英会話能力向上のため、外国人講師による社員向け英会話レッスンの受講機会を提供
○ 「社員・家族の幸福」を実現
「変革 2027」がめざす持続的成長の基盤となるグループ全社員の働きがいの創出に向け、「業務改革」、「働き方改革」、「職場改革」を進め、経営体質の強化と「社員・家族の幸福」の実現に取り組みました。
(具体的な取組み)
・社員の多様な意欲を柔軟に受け止め、一人ひとりの社員が様々なフィールドでより一層活躍・成長することを目的とした「新たなジョブローテーション」を2020年4月から実施
・「変革 2027」の実現をめざし、新たな気持ちでチャレンジするシンボルとして、2020年5月から駅係員や乗務員の制服をリニューアル
・育児・介護関連休暇のさらなる充実等による社員の働きがい向上に向けた制度改正を実施するとともに、一部の現業機関へフレックスタイム制の導入を推進
・お客さまのより近くで創意を発揮する機会を創ることを目的として、職種等を越えた現業機関等の社員によって構成する「組織横断プロジェクト」を推進
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 運輸事業
運輸事業では、安全・安定輸送のレベルアップに最重点で取り組むとともに、お客さまに安心して鉄道をご利用いただける環境整備に努めたうえで、収入確保施策を実施しました。具体的には、駅や車内での消毒や換気等の実施や駅係員および乗務員のマスク着用などの「安心」「清潔」のPR活動に加え、Suicaや新幹線eチケット等非接触のサービス利用の促進などに取り組みました。また、2020年6月には流動促進施策としてピーク分散に向けた出発日限定のお得な旅行商品を設定しました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、鉄道事業やバス事業が大幅な減収となったことなどにより、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同期比57.0%減の2,261億円となり、営業損失は1,629億円(前年同期は営業利益1,082億円)となりました。
② 流通・サービス事業
流通・サービス事業では、「くらしづくり(まちづくり)」に取り組み、新規開業や既存事業の価値向上を図りました。具体的には、2020年5月に仙台駅「牛たん通り」、「すし通り」をリニューアルオープンしました。また、2020年5月に紀ノ国屋としてはJR東日本エリア外初出店となる「紀ノ国屋 ジェイアール京都伊勢丹店」(京都)をオープンしました。さらに、2020年6月に「エキュート上野」(東京)新エリアに4ショップをオープンしました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、駅構内店舗や広告代理業が大幅な減収となったことなどにより、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同期比51.6%減の681億円となり、営業損失は103億円(前年同期は営業利益89億円)となりました。
③ 不動産・ホテル事業
不動産・ホテル事業では、地域とともに街の魅力や価値を高めていくため、首都圏などの大規模ターミナル駅をはじめ、沿線や駅周辺において、「くらしづくり(まちづくり)」を意識した開発を進めました。具体的には、2020年4月に「メズム東京、オートグラフ コレクション」(東京)、「ホテルメトロポリタン鎌倉」(神奈川)、2020年5月に「ホテルメトロポリタン川崎」(神奈川)、2020年6月に「JR東日本ホテルメッツ横浜」(神奈川)、「JR東日本ホテルメッツ横浜桜木町」(神奈川)を開業しました。また、2020年6月に「アトレ竹芝(第Ⅰ期)」(東京)、「CIAL横浜」(神奈川)、「NEWoMan横浜」(神奈川)を開業しました。さらに、沿線のくらしづくりとして、2020年6月に大規模賃貸住宅「びゅうリエットグラン新宿戸山」(東京)への入居を開始しました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、臨時休業や営業時間短縮を行った駅ビルの大幅な減収に加え、ホテル業が大幅な減収となったことなどにより、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同期比42.7%減の529億円となり、営業損失は63億円(前年同期は営業利益232億円)となりました。
④ その他
Suica電子マネーについては、飲食店への導入を進めるなど、加盟店開拓を継続して行いました。なお、当第1四半期連結会計期間末のSuicaの発行枚数は約8,343万枚となりました。
海外鉄道プロジェクトへの参画については、子会社の日本コンサルタンツ株式会社が「インド国高速鉄道建設事業詳細設計調査」のコンサルティング業務に取り組むとともに、インド高速鉄道公社から受注した研修施設の施工監理業務を推進しました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、鉄道や駅ビル等をご利用になるお客さまが減少したことに伴い、クレジットカード事業が大幅な減収となったことなどにより、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同期比7.3%減の514億円となり、営業利益は前年同期比79.3%減の8億円となりました。
(注) 当社は、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成22年6月30日)および「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号 平成20年3月21日)におけるセグメント利益又は損失について、各セグメントの営業利益又は営業損失としております。
(参考)
当社の鉄道事業の営業実績
① 輸送実績
| 区分 | 単位 | 前第1四半期累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年6月30日) | 当第1四半期累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年6月30日) | |||
| 営業日数 | 日 | 91 | 91 | |||
| 新幹線 | キロ | 1,194.2 | 1,194.2 | |||
| 営業キロ | 在来線 | 〃 | 6,207.5 | 6,207.5 | ||
| 計 | 〃 | 7,401.7 | 7,401.7 | |||
| 定期 | 千人 | 1,024,069 | 760,978 | |||
| 輸送人員 | 定期外 | 〃 | 637,838 | 235,381 | ||
| 計 | 〃 | 1,661,908 | 996,359 | |||
| 輸 送 人 キ ロ | 定期 | 千人キロ | 459,406 | 399,096 | ||
| 新幹線 | 定期外 | 〃 | 5,328,623 | 738,535 | ||
| 計 | 〃 | 5,788,029 | 1,137,632 | |||
| 在来線 | 定期 | 〃 | 18,072,230 | 13,333,055 | ||
| 関東圏 | 定期外 | 〃 | 9,319,493 | 3,076,764 | ||
| 計 | 〃 | 27,391,724 | 16,409,820 | |||
| 定期 | 〃 | 778,945 | 601,670 | |||
| その他 | 定期外 | 〃 | 625,843 | 190,936 | ||
| 計 | 〃 | 1,404,788 | 792,607 | |||
| 定期 | 〃 | 18,851,176 | 13,934,726 | |||
| 計 | 定期外 | 〃 | 9,945,336 | 3,267,700 | ||
| 計 | 〃 | 28,796,512 | 17,202,427 | |||
| 定期 | 〃 | 19,310,582 | 14,333,823 | |||
| 合計 | 定期外 | 〃 | 15,273,960 | 4,006,236 | ||
| 計 | 〃 | 34,584,542 | 18,340,060 | |||
(注) 「関東圏」とは、当社東京支社、横浜支社、八王子支社、大宮支社、高崎支社、水戸支社および千葉支社管内の範囲であります。
② 収入実績
| 区分 | 単位 | 前第1四半期累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年6月30日) | 当第1四半期累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年6月30日) | |||
| 旅 客 運 輸 収 入 | 定期 | 百万円 | 6,321 | 5,583 | ||
| 新幹線 | 定期外 | 〃 | 138,905 | 21,104 | ||
| 計 | 〃 | 145,227 | 26,688 | |||
| 在来線 | 定期 | 〃 | 117,602 | 85,792 | ||
| 関東圏 | 定期外 | 〃 | 183,052 | 60,456 | ||
| 計 | 〃 | 300,654 | 146,248 | |||
| 定期 | 〃 | 4,679 | 3,563 | |||
| その他 | 定期外 | 〃 | 12,581 | 3,689 | ||
| 計 | 〃 | 17,260 | 7,253 | |||
| 定期 | 〃 | 122,281 | 89,356 | |||
| 計 | 定期外 | 〃 | 195,634 | 64,146 | ||
| 計 | 〃 | 317,915 | 153,502 | |||
| 定期 | 〃 | 128,602 | 94,939 | |||
| 合計 | 定期外 | 〃 | 334,539 | 85,251 | ||
| 計 | 〃 | 463,142 | 180,190 | |||
| 荷物収入 | 〃 | 12 | 10 | |||
| 合計 | 〃 | 463,154 | 180,200 | |||
| 鉄道線路使用料収入 | 〃 | 1,617 | 1,613 | |||
| 運輸雑収 | 〃 | 39,277 | 28,818 | |||
| 収入合計 | 〃 | 504,049 | 210,632 | |||
(2) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等について、重要な変更はありません。
新型コロナウイルス感染症の流行は、日本経済全体に大きな影響を与えており、当面の間は、移動需要の大幅な減少をはじめ、当社グループにとって非常に厳しい状況が続くものと認識しています。また、中長期的にも、より一層の人口減少や高齢化に加え、自動運転などの技術革新やデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展など、当社グループを取り巻く経営環境は、大きくかつ急速に変化していくことが想定され、さらに、ポストコロナ社会における人々の行動や価値観の変容は、この変化をさらに加速させると考えています。
このような状況を踏まえ、当社グループは、新型コロナウイルス感染症への対応に万全を期しながら、早期の業績回復に努めるとともに、グループ経営ビジョン「変革 2027」の実現に向けた取組みを、今まで以上にスピードアップすることで、グループの成長と地域社会の発展を実現してまいります。
連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、今後の収入動向等が極めて不透明であり、現時点では合理的な算定が困難であることから、未定とさせていただきます。今後、予想が可能となった段階で速やかに発表いたします。
(3) 新型コロナウイルス感染症に対する取組みについて
新型コロナウイルス感染症の流行が本格化して以降、鉄道をはじめ、グループ各事業のご利用が大幅に減少しております(当第1四半期連結累計期間の連結の業績に与える新型コロナウイルス感染症の影響額は約3,980億円の減収です)。
当社グループは、感染症流行への対応として、以下の3つの柱に基づいた取組みを実施しております。
・駅や車内の消毒・換気等、お客さまに「安心」「清潔」な環境でご利用いただくための取組みを徹底しながら、経済回復に向けて最適な輸送・サービスを提供し、グループの社会的使命を果たしていきます。
・安全の確保を前提に、維持更新投資や経費の見直しを行いつつ、グループ経営ビジョン「変革 2027」の実現に向けた成長投資やイノベーション投資は着実に行っていきます。
・「JRE POINT」を活用した鉄道、生活サービス、IT・Suica各事業を横断する施策や、国や地方自治体、地域と連携した価格訴求性のある商品の投入に加え、新しい形の旅と暮らしを積極的に提案することなどにより、グループ一体となって移動需要を創造していきます。
また、ポストコロナ社会においては、「通勤主体」から「生活主体」へ、「集中」から「分散」へ、「マス」から「パーソナル」へといった不可逆的な構造変化が生ずることは確実です。当社グループとしては、これらを見据えて、以下の方針に基づき取り組んでまいります。
・成長・イノベーション戦略を再構築し、MaaSの展開やデジタルマーケティングの活用などにより、お客さまの行動や価値観の変化に対応した新たなサービスを提供していきます。
・経営体質の抜本的な強化に取り組み、固定費割合が大きい鉄道事業を中心に構造改革を進めていきます。チケットレス、ドライバレス運転やスマートメンテナンスをはじめとしたDXをさらに加速させるとともに、運賃制度や列車ダイヤといった事業運営の基本となる事項についても、ご利用状況等を踏まえ、より柔軟な運用に向けて検討を行います。
・「ESG経営」をさらに力強く実践し、地方創生により一層取り組むなど、地域社会の発展とSDGsの達成に貢献します。
環境が激変している今だからこそ、「ヒトを起点とした新たな価値の提供」に向け、その取組みをさらに加速し、グループ一丸となってこの難局を乗り切っていきます。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費総額は、39億円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動について、重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第1四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
① 新設
当第1四半期連結累計期間に完了した主要な設備の新設は次のとおりであります。
| 件名 | 総工事費(百万円) | 完了年月 |
| 運輸事業 | ||
| 車両新造 | 6,445 | 2020年6月 |
② 大規模改修
当第1四半期連結累計期間において、運輸事業の安全・安定輸送対策である「大規模地震対策工事」について、対象エリア・設備を拡大したため、予定総額を534,478百万円から569,381百万円に変更しております。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期連結会計期間末のネット有利子負債残高は3兆5,866億円となりました。なお、「ネット有利子負債」とは、連結有利子負債残高から連結現金及び現金同等物の第1四半期連結会計期間末残高を差し引いた数値であります。
当第1四半期連結会計期間末の有利子負債残高は、3兆9,473億円であります。
当社は、当第1四半期連結累計期間に国内において償還期限を2023年から2070年の間とする6本の無担保普通社債を総額1,250億円発行いたしました。なお、2020年7月20日に国内において償還期限を2025年から2060年の間とする5本の無担保普通社債を総額850億円発行しております。その他、当第1四半期連結累計期間に金融機関から1,500億円の長期資金を借り入れました。
短期資金の需要に対応するため、主要な銀行に総額5,500億円の当座借越枠を設定しており、当第1四半期連結会計期間末における当座借越残高は2,700億円であります。また、当第1四半期連結会計期間末におけるコマーシャル・ペーパーの発行残高は2,400億円であります。なお、四半期報告書提出日の属する月の前月末現在におけるコマーシャル・ペーパーの発行残高は3,850億円となりました。さらに、銀行からのコミットメント・ライン(一定の条件のもと契約内での借入れが自由にできる融資枠)を3,000億円設定しておりますが、当第1四半期連結会計期間末におけるコミットメント・ラインの使用残高はありません。