有価証券報告書-第39期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調でしたが、物価高騰、米国の通商政策及び中東情勢等の不透明さを伴い推移しました。
当社グループにおいては、これまでの当たり前を超えグループの持続的成長をステージアップするため、2025年7月に新たなグループ経営ビジョン「勇翔2034」を発表しました。「勇翔2034」においても「安全」はグループ経営のトッププライオリティに位置づけられることに変わりはなく、そのうえで「グループ全体のガバナンスの改善と強化」、「すべての事業の基盤となる信頼」、「モビリティ(運輸事業)」と「生活ソリューション(流通・サービス事業、不動産・ホテル事業、その他)」の二軸経営、「サステナビリティ」及び「成長の基盤となる戦略の推進」に取り組みました。
「究極の安全」の追求に向けて、「グループ安全計画2028」のもと、「本質をふまえ、想定外も想像して安全を先取る」をテーマに掲げ、「お客さまの死傷事故ゼロ、社員の死亡事故ゼロ」を実現するため、グループ一体で安全の基盤を強固にし、安全を先取る取組みを進めました。安全・安定輸送のさらなるレベルアップを図るために、システム・地上装置等の強化、モニタリング技術を活用した故障の予兆の把握や新幹線のトンネル検査への「ひび割れ自動抽出技術」及び「二時期比較技術」の導入を進めました。また、高架橋柱や電化柱の耐震補強及び新幹線車両の逸脱防止対策を進めたほか、新幹線早期地震検知システムに導入している日本海溝海底地震津波観測網の海底地震計情報を在来線早期地震警報システムにも導入するなど、地震対策に取り組みました。さらに、駅におけるさらなる安全レベルの向上をめざし、エスカレーター滞留停止システムやお客さまの車両への接近を検知するシステムを導入したほか、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用したホームドアなどの整備を進めました。
「モビリティ」では、「Japanese Beauty Hokurikuキャンペーン」での北陸エリアの魅力発信、新型車両E8系に置き換わる山形新幹線を盛り上げる「つばさ、つなぐ。」プロジェクトの実施、訪日外国人向けに「JR EAST PASS」の新規設定や「JR East-South Hokkaido Rail Pass」の東北や新潟へのエリア拡大など、当社エリアにおけるお客さまの流動促進と収益の拡大に取り組みました。「えきねっと」では、「えきねっとQチケ」サービスエリア拡大や新幹線を乗車日の3か月前からご購入いただける「早期予約サービス」を開始したほか、輸送障害時におけるWEB上での変更・払戻し機能や「JRE ID」及び「JAL MaaS」との連携を開始しました。また、モビリティとして初となる中長期成長戦略「PRIDE & INTEGRITY」を発表したほか、安全・サービスの維持向上、車両・設備の更新、バリアフリー設備の拡充や激甚化する災害への対策等を着実に進めました。さらに、今後も鉄道事業を持続的に運営していくため、2026年3月14日に運賃を改定したほか、横浜・根岸線(八王子・大船間)でワンマン運転を実施しました。地方ローカル線については沿線自治体などと持続可能な交通体系の構築に向けた協議を進めました。鉄道の特性を十分に発揮できていない津軽線(蟹田・三厩間)及び久留里線(久留里・上総亀山間)については、自治体との合意を経て、2027年4月に鉄道事業を廃止することを発表し、新たな交通モードへの転換の準備を進めました。
「生活ソリューション」では、「TAKANAWA GATEWAY CITY」のグランドオープン、「OIMACHI TRACKS」のまちびらきにより、広域品川圏の共創まちづくりを本格始動させました。2025年5月には沿線まるごとホテル「Satologue」のオープン、2025年9月には「BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S」の全体開業、2026年3月には「LiSH AKITA」の開設やホテル「和のゐ 角館」をリニューアル開業しました。また、不動産回転型ビジネスを加速させるため、伊藤忠グループと不動産分野における戦略的提携に関する基本合意書を締結しました。列車荷物輸送サービス「はこビュン」においては、荷物専用新幹線の運行を開始したほか、JALグループと連携した新輸送サービス「JAL de はこビュン」の販売を開始しました。さらに、「Welcome Suica Mobile」と「JR-EAST Train Reservation」との連携を開始するとともに、しなの鉄道へのSuica導入や上越新幹線においてウォークスルー改札の実現に向けた実証実験を実施するなど、「Suicaの当たり前を超えます~Suica Renaissance~」を推進しました。
「サステナビリティ」では、持続可能な社会の実現に向け、環境(E)・社会(S)・企業統治(G)の取組みを行いました。環境(E)については、「ゼロカーボン・チャレンジ2050」達成に向けた取組みに加え、食品廃棄物を活用したお米の生産や地産地消による「農業リサイクルループ」の実現、さらに再生可能エネルギー由来の電力を東北新幹線における運転用電力の一部として導入しました。また、国内最大級のプラスチックリサイクル施設「Jサーキュラーシステム」が本格稼働したほか、初めて一関市にて森づくりを開催しました。社会(S)については、「東京2025 デフリンピック」について、交通広告媒体を活用し認知向上と気運醸成を図ったほか、パラスポーツや障がいのある作家が描くアート作品などを通じて、共生社会の実現に向けた取組みを実施しました。企業統治(G)については、社員の果敢なチャレンジを支援促進する仕組み・制度(チャレンジツールマップ)の更新を行ったほか、非常勤役員とグループ会社社員とのコミュニケーション強化を図る取組みを実施しました。
「成長の基盤となる戦略の推進」では、安全において、安全シンポジウムや安全行動表彰での好事例の共有など、モビリティと生活ソリューション二軸の相互の強みを生かす施策を実施しました。また、安全のレベルアップに向けて「安全に関する取組み状態を把握するための指標」の導入や、「安全の取組みの核となる人」のさらなる活躍に向けた基盤の構築を行いました。CXにおいては、南武線における慢性遅延対策など、輸送品質の向上に取り組んだほか、グループ全体のサービス介助士資格取得率向上に注力しました。人材においては、新卒初任給の引上げや育児・介護関連の短時間勤務の対象の拡大など育児・介護関連の勤務制度を新設・拡充しました。また、海外における鉄道ビジネスの推進・開発に強みを発揮する能力や専門性のある人材として「海外戦略職」の採用を行いました。さらに、グループ一体で戦略的にDEIの取組みを推進し、働く社員の力を最大限に引き出すため、「JR東日本グループDEIポリシー」を策定しました。イノベーションにおいては、モビリティと生活ソリューションの二軸経営を推進するためのDXのめざす姿をDXストーリーとしてまとめた「DX REPORT 2025」を発行しました。また、生成AIを用いた自動音声アシスタント「どこトレダイヤル」による運行情報の提供や駅放送案内を文字化しお客さまのスマートフォン等に表示するサービス「みえるアナウンス」の試行導入など、ヒト起点の発想とデジタル技術、オープンイノベーションの活用により、お客さまのニーズに応えたサービスを展開しました。さらに、従来よりも電線本数が少ない「SMART インテグレート架線」を新たに導入したほか、首都圏線区の全線区に架線設備モニタリングを導入拡大するなど、スマートメンテナンスの取組みを推進しました。財務・投資においては、「勇翔2034」で掲げる二軸経営による2031年度の数値目標及び2031年度までのキャッシュ・アロケーションを策定しました。また、各ビジネスの利益成長による営業キャッシュ・フローの拡大に加え、不動産販売の規模拡大や政策保有株式の縮減によるアセットマネジメントを着実に推進し、キャッシュインの最大化を図りました。
今後も、グループ経営ビジョン「勇翔2034」の実現に向けてグループ一体で取り組みます。
当連結会計年度の決算については、鉄道のご利用増やエキナカ店舗の売上増に伴い、すべてのセグメントで増収となったことなどにより、営業収益は前期比6.8%増の3兆846億円となりました。また、これに伴って営業利益は前期比9.9%増の4,142億円、経常利益は前期比9.4%増の3,516億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比10.5%増の2,478億円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
a 運輸事業
運輸事業では、安全・安定輸送及びサービス品質の確保にグループの総力を挙げて取り組み、中長期成長戦略「PRIDE & INTEGRITY」などを推進しました。
この結果、鉄道の利用増に伴い、鉄道運輸収入が増加したことなどにより、売上高は前期比5.1%増の2兆458億円となり、営業利益は前期比10.4%増の1,944億円となりました。
b 流通・サービス事業
流通・サービス事業では、駅を交通の拠点からヒト・モノ・コトがつながる暮らしのプラットフォームへと転換する「Beyond Stations構想」などを推進しました。
この結果、お客さまのご利用増に伴い、エキナカ店舗の売上が増加したことなどにより、売上高は前期比5.7%増の4,161億円となり、営業利益は前期比12.5%増の680億円となりました。
c 不動産・ホテル事業
不動産・ホテル事業では、大規模ターミナル駅開発や沿線開発など「くらしづくり(まちづくり)」を推進し、地域とともに街の魅力を高めました。
この結果、不動産販売の売上増に加え、オフィス賃貸収入やショッピングセンター・ホテルの売上が増加したことなどにより、売上高は前期比15.2%増の5,132億円となり、営業利益は前期比6.6%増の1,282億円となりました。
d その他
その他の事業では、Suicaの利用シーンのさらなる拡大と、シームレスでストレスフリーな移動を実現することに加え、「生活のデバイス」への進化を通じた新たな体験価値の創造に向けて「Suicaの当たり前を超えます~Suica Renaissance~」を推進しました。
この結果、ICカード事業関連の売上が増加したことなどにより、売上高は前期比6.8%増の1,094億円となり、営業利益は前期比32.0%増の302億円となりました。
(注) 当社は、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成22年6月30日)及び「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号 平成20年3月21日)におけるセグメント利益について、各セグメントの営業利益としています。
(参考)
当社の鉄道事業の営業実績
当社の鉄道事業の最近の営業実績は次のとおりであります。
輸送実績
(注)1 乗車効率は次の方法により算出しています。
2 「関東圏」とは、当社首都圏本部、横浜支社、八王子支社、大宮支社、高崎支社、水戸支社及び千葉支社管内の範囲であります。
収入実績
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益の増加などにより、流入額は前連結会計年度に比べ328億円増の7,650億円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、流出額は前連結会計年度に比べ941億円増の8,776億円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、流入額は前連結会計年度に比べ1,350億円増の1,387億円となりました。
なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ285億円増の2,620億円となりました。
また、当連結会計年度末のネット有利子負債残高は4兆9,001億円となりました。なお、「ネット有利子負債」とは、連結有利子負債残高から連結現金及び現金同等物の期末残高を差し引いた数値であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社及び当社の連結子会社の大多数は、受注生産形態をとらない業態です。
なお、販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの業績に関連づけて示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績
○ 営業収益
当連結会計年度の営業収益は、鉄道の利用増やエキナカ店舗、ショッピングセンター、ホテルの売上増に伴い、すべてのセグメントで増収となったことなどにより、前期比6.8%増の3兆846億円(対10月業績予想266億円増)となりました。
運輸事業の外部顧客への売上高は、前期比5.1%増の2兆458億円(対10月業績予想148億円増)となりました。
これは、鉄道の利用増に伴い、鉄道運輸収入が増加したことなどによるものであります。
新幹線に関しては、鉄道の利用増に伴い、輸送人キロは前期比4.7%増の237億人キロとなりました。定期収入は前期比7.4%増の254億円、定期外収入は前期比5.8%増の5,920億円となり、全体では前期比5.9%増の6,174億円となりました。
関東圏の在来線に関しては、鉄道の利用増に伴い、輸送人キロは前期比3.1%増の992億人キロとなりました。定期収入は前期比2.0%増の3,957億円、定期外収入は前期比4.9%増の7,682億円となり、全体では前期比3.9%増の1兆1,639億円となりました。
関東圏以外の在来線に関しては、輸送人キロは前期比0.8%減の52億人キロとなりました。定期収入は前期比0.3%減の165億円、定期外収入は前期比3.9%増の505億円となり、全体では前期比2.8%増の670億円となりました。
運輸事業以外の事業の外部顧客への売上高については、以下のとおりであります。
流通・サービス事業では、お客さまのご利用増に伴い、エキナカ店舗の売上が増加したことなどにより、前期比5.7%増の4,161億円(対10月業績予想18億円減)となりました。
不動産・ホテル事業では、不動産販売の売上増に加え、オフィス賃貸収入やショッピングセンター・ホテルの売上が増加したことなどにより、前期比15.2%増の5,132億円(対10月業績予想72億円増)となりました。
その他の事業では、ICカード事業関連の売上が増加したことなどにより、前期比6.8%増の1,094億円(対10月業績予想64億円増)となりました。
○ 営業費用
営業費用は、前期比6.4%増の2兆6,704億円となりました。営業収益に対する営業費用の比率は、前連結会計年度の87.0%に対し、当連結会計年度は86.6%となりました。
運輸業等営業費及び売上原価は、前期比5.2%増の1兆9,528億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。
販売費及び一般管理費は、前期比9.5%増の7,175億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。
○ 営業利益
営業利益は、前期比9.9%増の4,142億円(対10月業績予想92億円増)となりました。営業収益に対する営業利益の比率は、前連結会計年度の13.0%に対し、当連結会計年度は13.4%となりました。
○ 営業外損益
営業外収益は、前期比2.4%増の286億円となりました。これは、受取利息が増加したことなどによるものであります。
営業外費用は、前期比9.7%増の912億円となりました。これは、支払利息が増加したことなどによるものであります。
○ 経常利益
経常利益は、前期比9.4%増の3,516億円(対10月業績予想106億円増)となりました。営業収益に対する経常利益の比率は、前連結会計年度の11.1%に対し、当連結会計年度は11.4%となりました。
○ 特別損益
特別利益は、前期比78.2%増の803億円となりました。これは、投資有価証券売却益が増加したことなどによるものであります。
特別損失は、前期比41.1%増の979億円となりました。これは、人事・賃金制度改正に伴う退職給付制度改定損を計上したことなどによるものであります。
○ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前期比12.4%増の3,340億円となりました。営業収益に対する税金等調整前当期純利益の比率は、前連結会計年度の10.3%に対し、当連結会計年度は10.8%となりました。
○ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の増加などにより、前期比10.5%増の2,478億円(対10月業績予想108億円増)となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の198.29円に対し、当連結会計年度は219.42円となりました。また、営業収益に対する親会社株主に帰属する当期純利益の比率は、前連結会計年度の7.8%に対し、当連結会計年度は8.0%となりました。
b 財政状態
当連結会計年度末の資産残高は前連結会計年度末に比べ6,465億円増の10兆8,207億円、負債残高は前連結会計年度末に比べ4,586億円増の7兆7,606億円、純資産残高は前連結会計年度末に比べ1,878億円増の3兆600億円となりました。
運輸事業においては、大規模地震対策やホームドア整備、車両新造などに伴う工事などに4,239億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は7兆5,220億円となりました。
流通・サービス事業においては、新規店舗の展開や既存店舗の改良などに349億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は4,324億円となりました。
不動産・ホテル事業においては、「TAKANAWA GATEWAY CITY」や「OIMACHI TRACKS」、「渋谷スクランブルスクエア」建設工事など、ショッピングセンターやオフィスビル、ホテルの建設などに4,543億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は2兆7,656億円となりました。
その他の事業においては、システム開発などに358億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は1兆4,821億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ328億円の資金の増加となり、7,650億円の流入となりました。これは、税金等調整前当期純利益の増加などによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ941億円の資金の減少となり、8,776億円の流出となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものであります。
なお、設備投資の概要は以下のとおりです。
運輸事業に関しては、大規模地震対策やホームドア整備、車両新造などの設備投資を実施しました。流通・サービス事業に関しては、新規店舗の展開や既存店舗の改良などを行いました。不動産・ホテル事業に関しては、「TAKANAWA GATEWAY CITY」や「OIMACHI TRACKS」、「渋谷スクランブルスクエア」建設工事など、ショッピングセンターやオフィスビル、ホテルの建設等の設備投資を実施しました。その他の事業においては、システム開発などの設備投資を実施しました。
また、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ613億円の資金の減少となり、1,125億円の流出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ1,350億円の資金の増加となり、1,387億円の流入となりました。
なお、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の2,334億円から285億円増加し、2,620億円となりました。
b 財務政策
グループ経営ビジョン「勇翔2034」の実現に向けて、キャッシュ・アロケーションについて、「成長資金」においては、収益力向上や生産性向上に資する投資を積極的に実施します。また、稼ぐための「基盤維持・強化資金」においては、大規模地震対策やホームドア整備など安全のレベルアップに資する投資を引き続き着実に進めるとともに、安全の確保を大前提とした投資の選択と集中を徹底します。さらに「LX資金」を新設し、革新的なイノベーションを推進します。2025年度から2031年度まで総額6.6兆円の投資を計画しています。また、株主還元については、配当性向40%をめざすこととしています。このために必要な資金については、営業キャッシュ・フローによるほか、社債の発行や金融機関からの借入等による資金調達を行っており、連結有利子負債残高は、連結営業収益、利益に応じた水準とすることを中長期的な考え方としています。具体的には、ネット有利子負債/EBITDAを2031年度に5倍程度とすることをめざしています。
「ネット有利子負債」とは、連結有利子負債残高から連結現金及び現金同等物の期末残高を差し引いた数値であり、当連結会計年度末のネット有利子負債残高は4兆9,001億円となりました(なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は5兆1,622億円であります)。また、「EBITDA」とは、連結営業利益に連結減価償却費を加えた数値であり、当連結会計年度のEBITDAは8,429億円となりました。
当社グループはキャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、CMS参加各社の余裕資金の運用と資金調達の管理を一括して行い、連結ベースでの資金効率の向上に努めています。また、グループ間決済の相殺やグループ内の支払業務を集約する支払代行制度などの資金管理手法を採用しています。
当社は、健全な財務体質の維持・向上及び十分な手元流動性の確保を基本方針に置き、社債の発行や金融機関等からの借入により資金調達を行っています。
当連結会計年度に国内において償還期限を2030年から2045年の間とする5本の無担保普通社債を総額1,350億円発行しました。これらの社債については、株式会社格付投資情報センターよりAA+の格付けを取得しています。また、海外において償還期限を2037年及び2045年とする2本の無担保普通社債を総額8.5億ユーロ(1,460億円)及び3億ポンド(596億円)発行しました。これらの社債は、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社よりA+、ムーディーズ・ジャパン株式会社よりA1の長期債格付けを取得しています。その他、金融機関等から2,409億円の長期資金を借り入れました。なお、借入先の拡大や中期年限の活用等により安定調達と支払利息の抑制に努めました。
新幹線鉄道施設に関連する鉄道施設購入長期未払金は、元利均等半年賦支払であり、年利6.55%の固定利率により2051年9月30日までに支払われる3,020億円であります。
このほか、当連結会計年度末現在、東京モノレール㈱が1億円の鉄道施設購入長期未払金を有しています。
短期資金の需要に対応するため、当連結会計年度末現在、主要な銀行に総額3,600億円の当座借越枠を設定しています。また、コマーシャル・ペーパーについては、当連結会計年度末現在、株式会社格付投資情報センターよりa-1+、株式会社日本格付研究所よりJ-1+の短期債(CP)格付けを取得しています。なお、当連結会計年度末における当座借越残高及びコマーシャル・ペーパーの発行残高はありません。さらに、当連結会計年度末現在、銀行からのコミットメント・ライン(一定の条件のもと契約内での借入れが自由にできる融資枠)を600億円設定していますが、当連結会計年度末におけるコミットメント・ラインの使用残高はありません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成に当たっては、連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っています。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた見積りや仮定のうち、財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性がある項目は以下のとおりです。
a 固定資産の減損
固定資産の減損に関する仮定に関しては、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。
b 退職給付債務の見積り
従業員の退職給付債務は、割引率、昇給率、退職率、死亡率等の数理計算上の前提条件を用いて見積りを行っています。数理計算上の前提条件と実績が異なる場合又は前提条件の変更があった場合は、翌連結会計年度の退職給付債務の見積りに影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調でしたが、物価高騰、米国の通商政策及び中東情勢等の不透明さを伴い推移しました。
当社グループにおいては、これまでの当たり前を超えグループの持続的成長をステージアップするため、2025年7月に新たなグループ経営ビジョン「勇翔2034」を発表しました。「勇翔2034」においても「安全」はグループ経営のトッププライオリティに位置づけられることに変わりはなく、そのうえで「グループ全体のガバナンスの改善と強化」、「すべての事業の基盤となる信頼」、「モビリティ(運輸事業)」と「生活ソリューション(流通・サービス事業、不動産・ホテル事業、その他)」の二軸経営、「サステナビリティ」及び「成長の基盤となる戦略の推進」に取り組みました。
「究極の安全」の追求に向けて、「グループ安全計画2028」のもと、「本質をふまえ、想定外も想像して安全を先取る」をテーマに掲げ、「お客さまの死傷事故ゼロ、社員の死亡事故ゼロ」を実現するため、グループ一体で安全の基盤を強固にし、安全を先取る取組みを進めました。安全・安定輸送のさらなるレベルアップを図るために、システム・地上装置等の強化、モニタリング技術を活用した故障の予兆の把握や新幹線のトンネル検査への「ひび割れ自動抽出技術」及び「二時期比較技術」の導入を進めました。また、高架橋柱や電化柱の耐震補強及び新幹線車両の逸脱防止対策を進めたほか、新幹線早期地震検知システムに導入している日本海溝海底地震津波観測網の海底地震計情報を在来線早期地震警報システムにも導入するなど、地震対策に取り組みました。さらに、駅におけるさらなる安全レベルの向上をめざし、エスカレーター滞留停止システムやお客さまの車両への接近を検知するシステムを導入したほか、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用したホームドアなどの整備を進めました。
「モビリティ」では、「Japanese Beauty Hokurikuキャンペーン」での北陸エリアの魅力発信、新型車両E8系に置き換わる山形新幹線を盛り上げる「つばさ、つなぐ。」プロジェクトの実施、訪日外国人向けに「JR EAST PASS」の新規設定や「JR East-South Hokkaido Rail Pass」の東北や新潟へのエリア拡大など、当社エリアにおけるお客さまの流動促進と収益の拡大に取り組みました。「えきねっと」では、「えきねっとQチケ」サービスエリア拡大や新幹線を乗車日の3か月前からご購入いただける「早期予約サービス」を開始したほか、輸送障害時におけるWEB上での変更・払戻し機能や「JRE ID」及び「JAL MaaS」との連携を開始しました。また、モビリティとして初となる中長期成長戦略「PRIDE & INTEGRITY」を発表したほか、安全・サービスの維持向上、車両・設備の更新、バリアフリー設備の拡充や激甚化する災害への対策等を着実に進めました。さらに、今後も鉄道事業を持続的に運営していくため、2026年3月14日に運賃を改定したほか、横浜・根岸線(八王子・大船間)でワンマン運転を実施しました。地方ローカル線については沿線自治体などと持続可能な交通体系の構築に向けた協議を進めました。鉄道の特性を十分に発揮できていない津軽線(蟹田・三厩間)及び久留里線(久留里・上総亀山間)については、自治体との合意を経て、2027年4月に鉄道事業を廃止することを発表し、新たな交通モードへの転換の準備を進めました。
「生活ソリューション」では、「TAKANAWA GATEWAY CITY」のグランドオープン、「OIMACHI TRACKS」のまちびらきにより、広域品川圏の共創まちづくりを本格始動させました。2025年5月には沿線まるごとホテル「Satologue」のオープン、2025年9月には「BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S」の全体開業、2026年3月には「LiSH AKITA」の開設やホテル「和のゐ 角館」をリニューアル開業しました。また、不動産回転型ビジネスを加速させるため、伊藤忠グループと不動産分野における戦略的提携に関する基本合意書を締結しました。列車荷物輸送サービス「はこビュン」においては、荷物専用新幹線の運行を開始したほか、JALグループと連携した新輸送サービス「JAL de はこビュン」の販売を開始しました。さらに、「Welcome Suica Mobile」と「JR-EAST Train Reservation」との連携を開始するとともに、しなの鉄道へのSuica導入や上越新幹線においてウォークスルー改札の実現に向けた実証実験を実施するなど、「Suicaの当たり前を超えます~Suica Renaissance~」を推進しました。
「サステナビリティ」では、持続可能な社会の実現に向け、環境(E)・社会(S)・企業統治(G)の取組みを行いました。環境(E)については、「ゼロカーボン・チャレンジ2050」達成に向けた取組みに加え、食品廃棄物を活用したお米の生産や地産地消による「農業リサイクルループ」の実現、さらに再生可能エネルギー由来の電力を東北新幹線における運転用電力の一部として導入しました。また、国内最大級のプラスチックリサイクル施設「Jサーキュラーシステム」が本格稼働したほか、初めて一関市にて森づくりを開催しました。社会(S)については、「東京2025 デフリンピック」について、交通広告媒体を活用し認知向上と気運醸成を図ったほか、パラスポーツや障がいのある作家が描くアート作品などを通じて、共生社会の実現に向けた取組みを実施しました。企業統治(G)については、社員の果敢なチャレンジを支援促進する仕組み・制度(チャレンジツールマップ)の更新を行ったほか、非常勤役員とグループ会社社員とのコミュニケーション強化を図る取組みを実施しました。
「成長の基盤となる戦略の推進」では、安全において、安全シンポジウムや安全行動表彰での好事例の共有など、モビリティと生活ソリューション二軸の相互の強みを生かす施策を実施しました。また、安全のレベルアップに向けて「安全に関する取組み状態を把握するための指標」の導入や、「安全の取組みの核となる人」のさらなる活躍に向けた基盤の構築を行いました。CXにおいては、南武線における慢性遅延対策など、輸送品質の向上に取り組んだほか、グループ全体のサービス介助士資格取得率向上に注力しました。人材においては、新卒初任給の引上げや育児・介護関連の短時間勤務の対象の拡大など育児・介護関連の勤務制度を新設・拡充しました。また、海外における鉄道ビジネスの推進・開発に強みを発揮する能力や専門性のある人材として「海外戦略職」の採用を行いました。さらに、グループ一体で戦略的にDEIの取組みを推進し、働く社員の力を最大限に引き出すため、「JR東日本グループDEIポリシー」を策定しました。イノベーションにおいては、モビリティと生活ソリューションの二軸経営を推進するためのDXのめざす姿をDXストーリーとしてまとめた「DX REPORT 2025」を発行しました。また、生成AIを用いた自動音声アシスタント「どこトレダイヤル」による運行情報の提供や駅放送案内を文字化しお客さまのスマートフォン等に表示するサービス「みえるアナウンス」の試行導入など、ヒト起点の発想とデジタル技術、オープンイノベーションの活用により、お客さまのニーズに応えたサービスを展開しました。さらに、従来よりも電線本数が少ない「SMART インテグレート架線」を新たに導入したほか、首都圏線区の全線区に架線設備モニタリングを導入拡大するなど、スマートメンテナンスの取組みを推進しました。財務・投資においては、「勇翔2034」で掲げる二軸経営による2031年度の数値目標及び2031年度までのキャッシュ・アロケーションを策定しました。また、各ビジネスの利益成長による営業キャッシュ・フローの拡大に加え、不動産販売の規模拡大や政策保有株式の縮減によるアセットマネジメントを着実に推進し、キャッシュインの最大化を図りました。
今後も、グループ経営ビジョン「勇翔2034」の実現に向けてグループ一体で取り組みます。
当連結会計年度の決算については、鉄道のご利用増やエキナカ店舗の売上増に伴い、すべてのセグメントで増収となったことなどにより、営業収益は前期比6.8%増の3兆846億円となりました。また、これに伴って営業利益は前期比9.9%増の4,142億円、経常利益は前期比9.4%増の3,516億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比10.5%増の2,478億円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
a 運輸事業
運輸事業では、安全・安定輸送及びサービス品質の確保にグループの総力を挙げて取り組み、中長期成長戦略「PRIDE & INTEGRITY」などを推進しました。
この結果、鉄道の利用増に伴い、鉄道運輸収入が増加したことなどにより、売上高は前期比5.1%増の2兆458億円となり、営業利益は前期比10.4%増の1,944億円となりました。
b 流通・サービス事業
流通・サービス事業では、駅を交通の拠点からヒト・モノ・コトがつながる暮らしのプラットフォームへと転換する「Beyond Stations構想」などを推進しました。
この結果、お客さまのご利用増に伴い、エキナカ店舗の売上が増加したことなどにより、売上高は前期比5.7%増の4,161億円となり、営業利益は前期比12.5%増の680億円となりました。
c 不動産・ホテル事業
不動産・ホテル事業では、大規模ターミナル駅開発や沿線開発など「くらしづくり(まちづくり)」を推進し、地域とともに街の魅力を高めました。
この結果、不動産販売の売上増に加え、オフィス賃貸収入やショッピングセンター・ホテルの売上が増加したことなどにより、売上高は前期比15.2%増の5,132億円となり、営業利益は前期比6.6%増の1,282億円となりました。
d その他
その他の事業では、Suicaの利用シーンのさらなる拡大と、シームレスでストレスフリーな移動を実現することに加え、「生活のデバイス」への進化を通じた新たな体験価値の創造に向けて「Suicaの当たり前を超えます~Suica Renaissance~」を推進しました。
この結果、ICカード事業関連の売上が増加したことなどにより、売上高は前期比6.8%増の1,094億円となり、営業利益は前期比32.0%増の302億円となりました。
(注) 当社は、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成22年6月30日)及び「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号 平成20年3月21日)におけるセグメント利益について、各セグメントの営業利益としています。
(参考)
当社の鉄道事業の営業実績
当社の鉄道事業の最近の営業実績は次のとおりであります。
輸送実績
| 区分 | 単位 | 第38期 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 第39期 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||
| 営業日数 | 日 | 365 | 365 | |||
| 営業キロ | 新幹線 | キロ | 1,194.2 | 1,194.2 | ||
| 在来線 | 〃 | 6,108.0 | 6,108.0 | |||
| 計 | 〃 | 7,302.2 | 7,302.2 | |||
| 客車走行キロ | 新幹線 | 千キロ | 545,760 | 555,984 | ||
| 在来線 | 〃 | 1,705,753 | 1,716,191 | |||
| 計 | 〃 | 2,251,514 | 2,272,176 | |||
| 輸送人員 | 定期 | 千人 | 3,404,254 | 3,487,035 | ||
| 定期外 | 〃 | 2,463,348 | 2,547,267 | |||
| 計 | 〃 | 5,867,603 | 6,034,303 | |||
| 輸 送 人 キ ロ | 新幹線 | 定期 | 千人キロ | 1,758,319 | 1,885,660 | |
| 定期外 | 〃 | 20,920,938 | 21,850,287 | |||
| 計 | 〃 | 22,679,257 | 23,735,947 | |||
| 在来線 | 関東圏 | 定期 | 〃 | 58,757,374 | 60,516,368 | |
| 定期外 | 〃 | 37,532,865 | 38,716,239 | |||
| 計 | 〃 | 96,290,240 | 99,232,608 | |||
| その他 | 定期 | 〃 | 2,768,415 | 2,772,902 | ||
| 定期外 | 〃 | 2,570,338 | 2,522,287 | |||
| 計 | 〃 | 5,338,753 | 5,295,189 | |||
| 計 | 定期 | 〃 | 61,525,789 | 63,289,270 | ||
| 定期外 | 〃 | 40,103,203 | 41,238,527 | |||
| 計 | 〃 | 101,628,993 | 104,527,798 | |||
| 合計 | 定期 | 〃 | 63,284,109 | 65,174,931 | ||
| 定期外 | 〃 | 61,024,142 | 63,088,814 | |||
| 計 | 〃 | 124,308,251 | 128,263,745 | |||
| 乗車効率 | 新幹線 | % | 60.4 | 62.5 | ||
| 在来線 | 〃 | 42.6 | 43.6 | |||
| 計 | 〃 | 45.0 | 46.2 | |||
(注)1 乗車効率は次の方法により算出しています。
| 乗車効率= | 輸送人キロ | ×100 |
| 客車走行キロ×客車平均定員 |
2 「関東圏」とは、当社首都圏本部、横浜支社、八王子支社、大宮支社、高崎支社、水戸支社及び千葉支社管内の範囲であります。
収入実績
| 区分 | 単位 | 第38期 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 第39期 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||
| 旅 客 運 輸 収 入 | 新幹線 | 定期 | 百万円 | 23,683 | 25,426 | |
| 定期外 | 〃 | 559,637 | 592,051 | |||
| 計 | 〃 | 583,320 | 617,477 | |||
| 在来線 | 関東圏 | 定期 | 〃 | 388,126 | 395,767 | |
| 定期外 | 〃 | 732,136 | 768,217 | |||
| 計 | 〃 | 1,120,263 | 1,163,985 | |||
| その他 | 定期 | 〃 | 16,612 | 16,557 | ||
| 定期外 | 〃 | 48,639 | 50,517 | |||
| 計 | 〃 | 65,252 | 67,074 | |||
| 計 | 定期 | 〃 | 404,739 | 412,325 | ||
| 定期外 | 〃 | 780,776 | 818,735 | |||
| 計 | 〃 | 1,185,515 | 1,231,060 | |||
| 合計 | 定期 | 〃 | 428,422 | 437,751 | ||
| 定期外 | 〃 | 1,340,413 | 1,410,786 | |||
| 計 | 〃 | 1,768,836 | 1,848,537 | |||
| 荷物収入 | 〃 | 0 | - | |||
| 合計 | 〃 | 1,768,836 | 1,848,537 | |||
| 鉄道線路使用料収入 | 〃 | 5,639 | 6,616 | |||
| 運輸雑収 | 〃 | 157,821 | 165,288 | |||
| 収入合計 | 〃 | 1,932,296 | 2,020,442 | |||
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益の増加などにより、流入額は前連結会計年度に比べ328億円増の7,650億円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、流出額は前連結会計年度に比べ941億円増の8,776億円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、流入額は前連結会計年度に比べ1,350億円増の1,387億円となりました。
なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ285億円増の2,620億円となりました。
また、当連結会計年度末のネット有利子負債残高は4兆9,001億円となりました。なお、「ネット有利子負債」とは、連結有利子負債残高から連結現金及び現金同等物の期末残高を差し引いた数値であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社及び当社の連結子会社の大多数は、受注生産形態をとらない業態です。
なお、販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの業績に関連づけて示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績
○ 営業収益
当連結会計年度の営業収益は、鉄道の利用増やエキナカ店舗、ショッピングセンター、ホテルの売上増に伴い、すべてのセグメントで増収となったことなどにより、前期比6.8%増の3兆846億円(対10月業績予想266億円増)となりました。
運輸事業の外部顧客への売上高は、前期比5.1%増の2兆458億円(対10月業績予想148億円増)となりました。
これは、鉄道の利用増に伴い、鉄道運輸収入が増加したことなどによるものであります。
新幹線に関しては、鉄道の利用増に伴い、輸送人キロは前期比4.7%増の237億人キロとなりました。定期収入は前期比7.4%増の254億円、定期外収入は前期比5.8%増の5,920億円となり、全体では前期比5.9%増の6,174億円となりました。
関東圏の在来線に関しては、鉄道の利用増に伴い、輸送人キロは前期比3.1%増の992億人キロとなりました。定期収入は前期比2.0%増の3,957億円、定期外収入は前期比4.9%増の7,682億円となり、全体では前期比3.9%増の1兆1,639億円となりました。
関東圏以外の在来線に関しては、輸送人キロは前期比0.8%減の52億人キロとなりました。定期収入は前期比0.3%減の165億円、定期外収入は前期比3.9%増の505億円となり、全体では前期比2.8%増の670億円となりました。
運輸事業以外の事業の外部顧客への売上高については、以下のとおりであります。
流通・サービス事業では、お客さまのご利用増に伴い、エキナカ店舗の売上が増加したことなどにより、前期比5.7%増の4,161億円(対10月業績予想18億円減)となりました。
不動産・ホテル事業では、不動産販売の売上増に加え、オフィス賃貸収入やショッピングセンター・ホテルの売上が増加したことなどにより、前期比15.2%増の5,132億円(対10月業績予想72億円増)となりました。
その他の事業では、ICカード事業関連の売上が増加したことなどにより、前期比6.8%増の1,094億円(対10月業績予想64億円増)となりました。
○ 営業費用
営業費用は、前期比6.4%増の2兆6,704億円となりました。営業収益に対する営業費用の比率は、前連結会計年度の87.0%に対し、当連結会計年度は86.6%となりました。
運輸業等営業費及び売上原価は、前期比5.2%増の1兆9,528億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。
販売費及び一般管理費は、前期比9.5%増の7,175億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。
○ 営業利益
営業利益は、前期比9.9%増の4,142億円(対10月業績予想92億円増)となりました。営業収益に対する営業利益の比率は、前連結会計年度の13.0%に対し、当連結会計年度は13.4%となりました。
○ 営業外損益
営業外収益は、前期比2.4%増の286億円となりました。これは、受取利息が増加したことなどによるものであります。
営業外費用は、前期比9.7%増の912億円となりました。これは、支払利息が増加したことなどによるものであります。
○ 経常利益
経常利益は、前期比9.4%増の3,516億円(対10月業績予想106億円増)となりました。営業収益に対する経常利益の比率は、前連結会計年度の11.1%に対し、当連結会計年度は11.4%となりました。
○ 特別損益
特別利益は、前期比78.2%増の803億円となりました。これは、投資有価証券売却益が増加したことなどによるものであります。
特別損失は、前期比41.1%増の979億円となりました。これは、人事・賃金制度改正に伴う退職給付制度改定損を計上したことなどによるものであります。
○ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前期比12.4%増の3,340億円となりました。営業収益に対する税金等調整前当期純利益の比率は、前連結会計年度の10.3%に対し、当連結会計年度は10.8%となりました。
○ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の増加などにより、前期比10.5%増の2,478億円(対10月業績予想108億円増)となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の198.29円に対し、当連結会計年度は219.42円となりました。また、営業収益に対する親会社株主に帰属する当期純利益の比率は、前連結会計年度の7.8%に対し、当連結会計年度は8.0%となりました。
b 財政状態
当連結会計年度末の資産残高は前連結会計年度末に比べ6,465億円増の10兆8,207億円、負債残高は前連結会計年度末に比べ4,586億円増の7兆7,606億円、純資産残高は前連結会計年度末に比べ1,878億円増の3兆600億円となりました。
運輸事業においては、大規模地震対策やホームドア整備、車両新造などに伴う工事などに4,239億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は7兆5,220億円となりました。
流通・サービス事業においては、新規店舗の展開や既存店舗の改良などに349億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は4,324億円となりました。
不動産・ホテル事業においては、「TAKANAWA GATEWAY CITY」や「OIMACHI TRACKS」、「渋谷スクランブルスクエア」建設工事など、ショッピングセンターやオフィスビル、ホテルの建設などに4,543億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は2兆7,656億円となりました。
その他の事業においては、システム開発などに358億円の投資を行ったことなどにより、当連結会計年度末の資産残高は1兆4,821億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ328億円の資金の増加となり、7,650億円の流入となりました。これは、税金等調整前当期純利益の増加などによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ941億円の資金の減少となり、8,776億円の流出となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものであります。
なお、設備投資の概要は以下のとおりです。
運輸事業に関しては、大規模地震対策やホームドア整備、車両新造などの設備投資を実施しました。流通・サービス事業に関しては、新規店舗の展開や既存店舗の改良などを行いました。不動産・ホテル事業に関しては、「TAKANAWA GATEWAY CITY」や「OIMACHI TRACKS」、「渋谷スクランブルスクエア」建設工事など、ショッピングセンターやオフィスビル、ホテルの建設等の設備投資を実施しました。その他の事業においては、システム開発などの設備投資を実施しました。
また、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ613億円の資金の減少となり、1,125億円の流出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ1,350億円の資金の増加となり、1,387億円の流入となりました。
なお、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の2,334億円から285億円増加し、2,620億円となりました。
b 財務政策
グループ経営ビジョン「勇翔2034」の実現に向けて、キャッシュ・アロケーションについて、「成長資金」においては、収益力向上や生産性向上に資する投資を積極的に実施します。また、稼ぐための「基盤維持・強化資金」においては、大規模地震対策やホームドア整備など安全のレベルアップに資する投資を引き続き着実に進めるとともに、安全の確保を大前提とした投資の選択と集中を徹底します。さらに「LX資金」を新設し、革新的なイノベーションを推進します。2025年度から2031年度まで総額6.6兆円の投資を計画しています。また、株主還元については、配当性向40%をめざすこととしています。このために必要な資金については、営業キャッシュ・フローによるほか、社債の発行や金融機関からの借入等による資金調達を行っており、連結有利子負債残高は、連結営業収益、利益に応じた水準とすることを中長期的な考え方としています。具体的には、ネット有利子負債/EBITDAを2031年度に5倍程度とすることをめざしています。
「ネット有利子負債」とは、連結有利子負債残高から連結現金及び現金同等物の期末残高を差し引いた数値であり、当連結会計年度末のネット有利子負債残高は4兆9,001億円となりました(なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は5兆1,622億円であります)。また、「EBITDA」とは、連結営業利益に連結減価償却費を加えた数値であり、当連結会計年度のEBITDAは8,429億円となりました。
当社グループはキャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、CMS参加各社の余裕資金の運用と資金調達の管理を一括して行い、連結ベースでの資金効率の向上に努めています。また、グループ間決済の相殺やグループ内の支払業務を集約する支払代行制度などの資金管理手法を採用しています。
当社は、健全な財務体質の維持・向上及び十分な手元流動性の確保を基本方針に置き、社債の発行や金融機関等からの借入により資金調達を行っています。
当連結会計年度に国内において償還期限を2030年から2045年の間とする5本の無担保普通社債を総額1,350億円発行しました。これらの社債については、株式会社格付投資情報センターよりAA+の格付けを取得しています。また、海外において償還期限を2037年及び2045年とする2本の無担保普通社債を総額8.5億ユーロ(1,460億円)及び3億ポンド(596億円)発行しました。これらの社債は、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社よりA+、ムーディーズ・ジャパン株式会社よりA1の長期債格付けを取得しています。その他、金融機関等から2,409億円の長期資金を借り入れました。なお、借入先の拡大や中期年限の活用等により安定調達と支払利息の抑制に努めました。
新幹線鉄道施設に関連する鉄道施設購入長期未払金は、元利均等半年賦支払であり、年利6.55%の固定利率により2051年9月30日までに支払われる3,020億円であります。
このほか、当連結会計年度末現在、東京モノレール㈱が1億円の鉄道施設購入長期未払金を有しています。
短期資金の需要に対応するため、当連結会計年度末現在、主要な銀行に総額3,600億円の当座借越枠を設定しています。また、コマーシャル・ペーパーについては、当連結会計年度末現在、株式会社格付投資情報センターよりa-1+、株式会社日本格付研究所よりJ-1+の短期債(CP)格付けを取得しています。なお、当連結会計年度末における当座借越残高及びコマーシャル・ペーパーの発行残高はありません。さらに、当連結会計年度末現在、銀行からのコミットメント・ライン(一定の条件のもと契約内での借入れが自由にできる融資枠)を600億円設定していますが、当連結会計年度末におけるコミットメント・ラインの使用残高はありません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成に当たっては、連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っています。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた見積りや仮定のうち、財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性がある項目は以下のとおりです。
a 固定資産の減損
固定資産の減損に関する仮定に関しては、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。
b 退職給付債務の見積り
従業員の退職給付債務は、割引率、昇給率、退職率、死亡率等の数理計算上の前提条件を用いて見積りを行っています。数理計算上の前提条件と実績が異なる場合又は前提条件の変更があった場合は、翌連結会計年度の退職給付債務の見積りに影響を与える可能性があります。