四半期報告書-第34期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

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2021/02/10 10:31
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34項目
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、持ち直しの動きがみられるものの、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況が続きました。
当社グループを取り巻く環境も厳しく、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、鉄道をご利用になるお客さまが大幅に減少したことに加え、生活サービス事業についても、駅構内店舗や駅ビル、ホテルなどのご利用実績が減少しました。このような状況の中、ご利用になるお客さまや社員等の感染防止対策の徹底と、安全・安定輸送およびサービス品質の確保にグループの総力を挙げて取り組みました。また、ポストコロナ社会の構造変化も踏まえつつ、グループ経営ビジョン「変革 2027」の実現に向け、積極的にチャレンジしました。
この結果、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、運輸事業や流通・サービス事業、不動産・ホテル事業が大幅な減収となったことなどにより、当第3四半期連結累計期間の営業収益は前年同期比42.4%減の1兆3,062億円となりました。また、これに伴って営業損失は3,230億円(前年同期は営業利益4,272億円)、経常損失は3,730億円(前年同期は経常利益3,925億円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は2,945億円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益2,515億円)となりました。
また、当第3四半期連結会計期間末の資産残高は現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ3,709億円増の8兆9,080億円、負債残高は社債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ7,117億円増の6兆753億円、純資産残高は利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ3,407億円減の2兆8,326億円となりました。
○ 「信頼」を高める
[「究極の安全」の追求]
「グループ安全計画2023」のもと、一人ひとりの「安全行動」と「安全マネジメント」の進化・変革や、新たな技術を積極的に活用した安全設備の整備にグループ一体で取り組みました。
(具体的な取組み)
・ホームドアの設置工事を推進し、当第3四半期連結会計期間末までに56駅(線区単位では67駅)の整備を完了
・セキュリティ向上を目的に、手荷物検査の一環として2020年8月に東京、上野、大宮の各駅で危険物探知犬の運用試験を実施
・2019年の台風第19号による河川の氾濫等による被害を踏まえ、車両避難の判断を支援する「車両疎開判断支援システム」を全78箇所に導入
・全乗務員職場に配備したシミュレータを活用し、実際の映像による実践的な訓練を実施
・首都直下地震等を想定し、対象エリア・設備を拡大したさらなる耐震補強を推進
・GNSS(Global Navigation Satellite System)および携帯無線通信網を活用した新たな列車制御システムについて、2024年度の導入をめざし2020年9月から八高線で走行試験を実施
・羽越本線・陸羽西線の一部区間で実施しているドップラーレーダーを用いた列車運転規制に、AIを活用した突風探知手法を2020年11月に導入
[サービス品質の改革]
「サービス品質改革中期ビジョン2020」のもと、「顧客満足度 鉄道業界No.1」の実現をめざし、輸送障害の発生防止をはじめ、輸送障害時のお客さまへの影響拡大の防止や情報提供の強化などの取組みを加速しました。
(具体的な取組み)
・輸送障害発生率の減少に向け、首都圏在来線の電気設備等の強化を推進
・自然災害時における列車の計画的な運転見合わせについて、早期に情報提供をする仕組みを構築し、2020年12月の大雪時に実施
・お困りのお客さまに積極的にお声かけする「声かけ・サポート」運動を通年で実施
・当社のホームページおよび「JR東日本アプリ」にて、首都圏13線区15区間の過去約1週間の車内混雑状況の情報提供を開始
・「JR東日本アプリ」における列車などの混雑状況をリアルタイムに情報提供するサービスについて、2020年7月に対象線区を山手線から首都圏の主な線区に拡大
・2020年7月に東北・上越・北陸・秋田新幹線、12月に山形新幹線のトンネル内を含む全線で携帯電話サービスを開始
・インターネットJR券申込サービス「えきねっと」について、2021年夏頃に「JRE POINT」との連携や割引きっぷの予約・購入への対応など、内容を一新したサービスを提供する準備を継続
・非接触型の案内AIシステムを2020年12月から6駅に試行設置
[ESG経営の実践]
環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の観点から「ESG経営」を実践し、事業を通じて社会的な課題を解決することで、地域社会の持続的な発展に貢献するとともに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取組みを推進しました。
(具体的な取組み)
・2050年度のCO2排出量実質ゼロをめざす環境長期目標「ゼロカーボン・チャレンジ2050」について、2020年9月にグループ全体の目標として公表し、12月に達成に向けたロードマップを策定
・グループの中長期的な価値創造や、事業活動におけるサステナビリティの取組みなどを紹介するため、2020年8月にグループとして初となる統合報告書「JR東日本グループレポート 2020(INTEGRATED REPORT)」を発行
・「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」のフレームワークを活用し、将来の気候変動が鉄道事業にもたらす財務的影響額を試算した情報を2020年8月に初めて開示
・スピードをあげてエネルギー戦略を推進するために2020年6月に「エネルギー戦略部」を設立
・プラスチック削減の取組みについて、エキナカやホテルなどで使用するストローに続きレジ袋の代替素材への置換えを2020年9月までに完了し、環境省主催の「みんなで減らそう レジ袋チャレンジ」において「企業部門優秀賞」を受賞
・㈱東北バイオフードリサイクルを通じて、東北地方における食品リサイクル・バイオガス発電事業に参画
・水素社会の実現に向けて、竹芝地区内と東京駅を循環する燃料電池バス「JR竹芝 水素シャトルバス」の運行を2020年10月に開始
・水素をエネルギー源としたハイブリッド試験車両「HYBARI」について、2022年3月頃からの実証試験開始に向け準備を推進
・お客さまに安心してご利用いただけるよう、駅や店舗で除菌スプレーの設置や除菌ウェットティッシュ等の提供を実施
・子育て支援施設の整備を推進(当第3四半期連結会計期間末の子育て支援施設数は累計145箇所)
○ 「心豊かな生活」を実現
[輸送サービスの質的変革]
輸送サービスを質的に変革するとともに、新型コロナウイルスの感染防止対策を実施しながら旅行の気運醸成、流動促進等に取り組みました。
(具体的な取組み)
・保守作業時間を拡大し、鉄道工事における働き方改革の実現や鉄道設備の設置・保守のスピードアップによるサービス向上を図るため、2021年春のダイヤ改正で終電時刻の繰上げなどを実施する準備を推進
・新しい生活様式に合わせたオフピーク通勤や、季節毎のご利用の平準化などを促す方策の検討を推進
・東北新幹線盛岡~新青森間の速度向上をめざし、騒音対策などの必要な設備整備の工事に着手
・次世代新幹線の実現に向け、試験車両「ALFA-X(アルファエックス)」の走行試験を実施
・新幹線の自動運転の実現に必要な技術の蓄積と検証を行うために、2021年秋頃にE7系を活用して実施する試験の準備を推進
・羽田空港アクセス線(仮称)の環境影響評価手続きの継続
・2020年6月に、渋谷駅埼京線ホームを山手線と並列化し、乗換えの利便性を向上
・2020年12月より横須賀・総武快速線の新型車両E235系の営業運転を開始
・2021年3月に、房総・鹿島エリアに新型車両を投入する準備を推進
・2021年3月に、東海道線特急をE257系リニューアル車両に統一し、新たな着席サービスを導入する 準備を推進
[くらしづくり(まちづくり)]
まちづくりやターミナル駅開発、ホテル開業等を推進し、収益力の向上をめざしました。
(具体的な取組み)
・シェアオフィス事業「STATION WORK」について、2020年8月に横浜駅に「STATION DESK」を開業するなど当初目標の30箇所を前倒しで達成するとともに、さらに強力に推進するために、2025年度までに全国で1,200箇所の展開を新たな目標として設定
・品川開発プロジェクトにおいて、先進的な環境技術等を活用したエネルギーマネジメント等を行うことを目的として、2020年4月に㈱えきまちエナジークリエイトを設立
・高輪ゲートウェイ駅で、消毒作業や搬送等のロボットの実証実験を2020年7月から開始し、2020年12月からはエレベーターとロボットの自動連携等に関する実証実験を追加
・品川開発プロジェクトをコアとした新たな分散型まちづくりに向けて、KDDI㈱と2020年12月に基本合意書を締結
・ワーケーションやシェアオフィスの拡大など新たなライフスタイルの創造に向けて、㈱西武ホールディングスと2020年12月に包括的連携を発表
・オープンイノベーションを推進するため、地方創生などをテーマとした「JR東日本スタートアッププログラム2020」で18件の提案を採択し、実証実験等を順次開始
・駅の価値最大化を目的に、2021年4月に子会社の㈱JR東日本リテールネット、㈱JR東日本フーズ、㈱JR東日本ウォータービジネスおよび㈱鉄道会館を合併し、㈱JR東日本クロスステーションとする準備を推進
・世代を超えてくらしやすい生活空間を創造する「沿線くらしづくり構想」の実現に向けて、2021年4月に子会社の㈱JR中央ラインモールとJR東京西駅ビル開発㈱を合併し、㈱JR中央線コミュニティデザインとする準備を推進
・「JRE MALL」商品の拡充や「JRE POINT」会員の拡大などを通じたEC事業の強化に向けて、2025年度の「JRE MALL」取扱高1,300億円を目標として設定し、豊富な商品開発力、会員基盤を持つ㈱千趣会と2020年9月に資本業務提携を締結
・地域とともに街の魅力や価値を高めていくため、「JR仙台イーストゲートビル」(宮城)や「KAWASAKI DELTA」(神奈川)などの開業に向けた準備を推進
・10,000室を超えるホテルチェーンとなることをめざし、秋田、いわきなどでホテルの開業に向けた準備を推進
[地方創生]
観光振興や地方中核駅を中心としたまちづくりに加え、農林漁業の6次産業化など、東日本エリア全域の地方
創生に取り組み、「地方を豊かに」していきます。
(具体的な取組み)
・新幹線など列車を活用した荷物輸送サービスについて、日本郵便㈱や自治体・事業者などと連携して、果物や海産物などを首都圏や北海道などで販売
・日本郵便㈱と連携し、2020年8月から内房線江見駅で郵便局窓口業務と駅窓口業務の一体運営を開始
・東日本大震災後の仙台市集団移転跡地に体験型観光農園「JRフルーツパーク仙台あらはま」(宮城)を2021年3月に営業開始するための準備を推進
・エキナカや「JRE MALL」での農産品の販売拡大、駅や列車を活用した農産品輸送などを推進するため、生産者との接点および物流ネットワークを有する㈱農業総合研究所と2020年10月に資本業務提携
・オンラインによる地方創生を推進する一環として、「JRE MALL ふるさと納税」サイトを2020年10月に開設
・2021年4月から開催する「東北デスティネーションキャンペーン」に向けて、東北および首都圏において「TOHOKUサポーター」制度による気運醸成を行うとともに、「のってたのしい列車」や二次交通を活用し広域周遊の実現に向けた準備を推進
[Suicaの共通基盤化・MaaS推進]
「JRE POINT」の魅力向上や他企業との積極的な連携により、あらゆる生活シーンでSuicaを利用可能とする施策を推進するとともに、日本における「MaaS」の普及に取り組みました。
(具体的な取組み)
・Suica、MaaS、データマーケティングを三位一体で推進するために、2020年6月に「MaaS・Suica推進本部」を設立
・「キャッシュレス・消費者還元事業」に参加し、本事業にあわせ、駅ビル・エキナカにおけるキャッシュレスでの支払い時に「JRE POINT」の還元率をアップする独自キャンペーンを実施
・楽天ペイメント㈱と連携し、2020年5月から「楽天ペイ」アプリ内でSuicaが利用可能となり、12月に楽天ポイントからSuicaへのチャージサービスを開始
・2020年7月から、「JR東日本アプリ」と「えきねっとアプリ」を連携し、スムーズな指定席予約機能の提供を開始
・2020年7月から始まった「マイナポイント事業」に参画するとともに、Suica活用を推進するためのキャンペーンを実施
・2020年10月から、「エキュート」など約300店舗で「JRE POINT」サービスを順次拡大
・Suica定期券でオフピーク通勤されるお客さま向けの「オフピークポイントサービス」や、Suicaで同一運賃区間を繰り返しご利用のお客さまに向けた「リピートポイントサービス」を、「JRE POINT」の新サービスとして2021年春に導入する準備を推進
・地方におけるSuicaの利用基盤拡大に向け、「地域連携ICカード」を導入する準備を推進(2021年春に宇都宮・岩手エリアで、2022年春に青森・八戸・秋田エリアで導入予定)
・2020年7月に東京海上日動火災保険㈱と業務提携契約を締結し、自動車事故発生時に代替交通手段を選択できる「MaaS」の実証実験を12月に開始
・観光型MaaS「TOHOKU MaaS」について、「東北デスティネーションキャンペーン」にあわせて東北6県8エリアで展開する準備を推進
・2020年12月から、「ググっとぐんMaaS」の実証実験第2弾として、Suicaとマイナンバーカードを紐づけ、前橋市内のバスやデマンド交通を割引で利用できるコンテンツ「MaeMaaS」などを追加
[東京2020オリンピック・パラリンピック]
東京2020オリンピック・パラリンピックについては、開催が延期となりましたが、引き続き「東京2020オフィシャルパートナー(旅客鉄道輸送サービス)」として、コミュニケーションスローガン「TICKET TO TOMORROW」のもと準備を進めていきます。
(具体的な取組み)
・競技会場周辺等の駅改良を推進し、千駄ケ谷駅、新木場駅などで工事を完了するとともに、2020年7月に新宿駅東西自由通路の供用を開始
・鉄道のセキュリティ強化に向け、防犯カメラ等の増設およびネットワーク化による集中監視を行うとともに、社員等による警備強化や駅・列車内への防護用品配備を実施
・山手線ホームの発車標に、列車が駅に到着するまでの時間を表示し、リアルタイムな情報提供を実施
・東京2020大会の各競技の見どころ・観戦ポイントを紹介する「TOKYO SPORTS STATION」を電車内のビジョンを中心に放映を継続
・一般社団法人日本ボッチャ協会とゴールドパートナー契約を2020年8月に締結し、2020年9月および11月に合宿の会場を提供するなど日本代表の強化を支援
[世界を舞台に]
それぞれの国のニーズに合わせて、より豊かなライフスタイルを提供していくことをめざし、世界を舞台に輸送サービスおよび生活サービスを展開しました。
(具体的な取組み)
・JR東日本グループとして海外初出店となる「ホテルメトロポリタン プレミア 台北」を2021年上期に開業するための準備を推進
・ビジネス英会話能力向上のため、外国人講師による社員向け英会話レッスンの受講機会を提供
・子会社の日本コンサルタンツ㈱が日本工営㈱とともに、インドネシアにおいて「ジャカルタMRT南北線 運営維持管理 コンサルティングサービス」を受注し、2020年10月に契約締結
・子会社の㈱総合車両製作所が住友商事㈱とともに、フィリピンにおいてマニラ地下鉄向けに鉄道車両240両を受注し、2020年12月に契約締結
○ 「社員・家族の幸福」を実現
「変革 2027」がめざす持続的成長の基盤となるグループ全社員の働きがいの創出に向け、「業務改革」、「働き方改革」、「職場改革」を進め、経営体質の強化と「社員・家族の幸福」の実現に取り組みました。
(具体的な取組み)
・社員の多様な意欲を柔軟に受け止め、一人ひとりの社員が様々なフィールドでより一層活躍・成長することを目的とした「新たなジョブローテーション」を2020年4月から実施
・「変革 2027」の実現をめざし、新たな気持ちでチャレンジするシンボルとして、2020年5月から駅係員や乗務員の制服をリニューアル
・育児・介護関連休暇のさらなる充実等による社員の働きがい向上に向けた制度改正を実施するとともに、一部の現業機関へフレックスタイム制の導入を推進
・お客さまのより近くで創意を発揮する機会を創ることを目的として、職種等を越えた現業機関等の社員によって構成する「組織横断プロジェクト」を推進
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 運輸事業
運輸事業では、安全・安定輸送のレベルアップに最重点で取り組むとともに、お客さまに安心して鉄道をご利用いただける環境整備に努めたうえで、収入確保施策を実施しました。
(具体的な取組み)
・駅や車内での消毒や換気等の実施、駅係員および乗務員のマスク着用などの「安心」「清潔」のPR活動に加え、Suicaや新幹線eチケット等非接触のサービス利用を促進
・2020年7月に全方面の新幹線を対象に「お先にトクだ値スペシャル(50%割引)」を発売したほか、国の推進する「Go To トラベルキャンペーン」に合わせた旅行商品を発売
・2020年11月に「お先にトクだ値スペシャル(50%割引)」の設定区間を拡大
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、鉄道事業やバス事業が大幅な減収となったことなどにより、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比45.7%減の8,734億円となり、営業損失は3,312億円(前年同期は営業利益3,168億円)となりました。
② 流通・サービス事業
流通・サービス事業では、「くらしづくり(まちづくり)」に取り組み、新規開業や既存事業の価値向上を図りました。
(具体的な取組み)
・2020年5月に仙台駅「牛たん通り」、「すし通り」リニューアルオープン
・2020年6月に「エキュート上野」(東京)新エリアに4ショップを開業
・2020年8月に当社最大規模のエキナカ商業施設「グランスタ東京」(東京)を開業
・2020年8月に「エキュートエディション横浜」(神奈川)を開業
・2020年10月に無人決済小型スーパーマーケット「KINOKUNIYA Sutto目白駅店」(東京)を開業
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、駅構内店舗や広告代理業が大幅な減収となったことなどにより、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比37.0%減の2,726億円となり、営業損失は126億円(前年同期は営業利益283億円)となりました。
③ 不動産・ホテル事業
不動産・ホテル事業では、地域とともに街の魅力や価値を高めていくため、首都圏などの大規模ターミナル駅をはじめ、沿線や駅周辺において、「くらしづくり(まちづくり)」を意識した開発を進めました。
(具体的な取組み)
・複合施設「WATERS takeshiba」(東京)として、2020年4月にオフィスおよび「メズム東京、オートグラフ コレクション」、6月に「アトレ竹芝(第Ⅰ期)」、8月に「アトレ竹芝(第Ⅱ期)」、10月に「JR東日本四季劇場[秋]」を開業
・2020年4月に「ホテルメトロポリタン鎌倉」(神奈川)を開業
・2020年5月に「ホテルメトロポリタン川崎」(神奈川)を開業
・2020年6月に「JR東日本ホテルメッツ横浜」(神奈川)、「JR東日本ホテルメッツ横浜桜木町」(神奈川)を開業
・2020年6月に「CIAL横浜」(神奈川)、「NEWoMan横浜」(神奈川)を開業
・2020年6月に大規模賃貸住宅「びゅうリエットグラン新宿戸山」(東京)への入居を開始
・2020年9月に「日比谷OKUROJI」(東京)を開業
・2020年11月に「ホテルメトロポリタン山形 南館」(山形)を開業
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、駅ビルやホテル業が大幅な減収となったことなどにより、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比24.1%減の2,155億円となり、営業利益は前年同期比79.3%減の138億円となりました。
④ その他
(具体的な取組み)
・Suica電子マネーについて、飲食店やスーパーマーケットへの導入を進めるなど、加盟店開拓を継続し、当第3四半期連結会計期間末のSuicaの発行枚数は約8,500万枚、「モバイルSuica」の会員数は2020年9月に1,000万人を達成
・海外鉄道プロジェクトへの参画について、子会社の日本コンサルタンツ㈱が「インド国高速鉄道建設事業詳細設計調査」のコンサルティング業務に取り組むとともに、インド高速鉄道公社から受注した研修施設の施工監理業務を2020年10月に完了
しかしながら、ICカード事業の売上が減少したことや、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、クレジットカード事業が大幅な減収となったことなどにより、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比12.2%減の1,555億円となり、営業利益は前年同期比51.2%減の73億円となりました。
(注) 当社は、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成22年6月30日)および「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号 平成20年3月21日)におけるセグメント利益又は損失について、各セグメントの営業利益又は営業損失としております。
(参考)
当社の鉄道事業の営業実績
① 輸送実績
区分単位前第3四半期累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年12月31日)
当第3四半期累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年12月31日)
営業日数275275
新幹線キロ1,194.21,194.2
営業キロ在来線6,207.56,207.5
7,401.77,401.7
定期千人3,100,0322,378,355
輸送人員定期外1,907,8311,079,891
5,007,8633,458,246




定期千人キロ1,426,4661,182,125
新幹線定期外16,584,7384,900,549
18,011,2046,082,674
在来線定期54,575,76841,012,245
関東圏定期外28,100,37414,697,529
82,676,14355,709,774
定期2,359,9052,027,189
その他定期外1,966,069881,609
4,325,9752,908,799
定期56,935,67443,039,435
定期外30,066,44415,579,138
87,002,11858,618,573
定期58,362,14044,221,560
合計定期外46,651,18220,479,688
105,013,32364,701,248

(注) 「関東圏」とは、当社東京支社、横浜支社、八王子支社、大宮支社、高崎支社、水戸支社および千葉支社管内の範囲であります。
② 収入実績
区分単位前第3四半期累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年12月31日)
当第3四半期累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年12月31日)





定期百万円19,28416,095
新幹線定期外433,566128,542
452,851144,638
在来線定期352,786262,274
関東圏定期外547,908285,730
900,695548,005
定期14,05311,775
その他定期外38,76216,818
52,81628,594
定期366,840274,050
定期外586,671302,549
953,511576,600
定期386,124290,146
合計定期外1,020,238431,092
1,406,362721,238
荷物収入3632
合計1,406,398721,271
鉄道線路使用料収入5,0134,930
運輸雑収121,12291,488
収入合計1,532,534817,690


(2) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題について、重要な変更はありません。
新型コロナウイルス感染症の流行は、日本経済全体に大きな影響を与えており、感染拡大に伴う移動需要の大幅な減少など、当社グループにとって厳しい状況が続くものと認識しています。さらに、ポストコロナ社会における人々の行動や価値観の変容は、当社グループを取り巻く経営環境を大きくかつ急速に変化させ、鉄道をご利用になるお客さまは以前の水準には戻らないと考えています。
このような状況を踏まえ、当社グループは、感染症対策に万全を期しながら、早期の業績回復に努めるとともに、2020年9月に発表した「変革のスピードアップ」の方針のもと、グループ経営ビジョン「変革 2027」の実現に向けた取組みのレベルとスピードを上げ、サスティナブルに社会の発展に貢献する企業グループをめざしてまいります。
2018年7月3日に発表したグループ経営ビジョン「変革 2027」において、2023年3月期をターゲットとした数値目標を設定しておりましたが、経営環境の急激な変化を踏まえ、2026年3月期を新たなターゲットとした数値目標を以下のとおり設定いたします。
《2026年3月期 数値目標》
(注1)
2026年3月期
数値目標[新]
<参考>2023年3月期
数値目標[旧]
<参考>2020年3月期
実績
連結営業収益3兆900億円
(3兆3,250億円)
3兆2,950億円2兆9,466億円
セグメント別運輸事業1兆9,700億円
(1兆9,800億円)
2兆1,000億円1兆9,945億円
流通・サービス事業5,500億円
(7,090億円)
6,600億円5,020億円
不動産・ホテル事業4,800億円
(5,350億円)
4,400億円3,485億円
その他900億円
(1,010億円)
950億円1,015億円
連結営業利益4,500億円5,200億円3,808億円
セグメント別運輸事業2,520億円3,300億円2,505億円
流通・サービス事業570億円560億円343億円
不動産・ホテル事業1,130億円1,090億円746億円
その他300億円260億円238億円
調整額△20億円△10億円△26億円
連結営業キャッシュ・フロー(5年間の総額 注2)
3兆6,930億円
(5年間の総額 注3)
3兆7,200億円
5,486億円
連結ROA4.5%程度6.0%4.5%
(注4)
ネット有利子負債/EBITDA
5倍以下3.5倍程度4.2倍

(注) 1 連結営業収益およびセグメント別の( )内は、「収益認識に関する会計基準」等の適用による影響を除いた参考値
2 2022年3月期から2026年3月期までの総額を記載
3 2019年3月期から2023年3月期までの総額を記載
4 ネット有利子負債=連結有利子負債残高-連結現金及び現金同等物残高
EBITDA=連結営業利益+連結減価償却費
なお、2021年3月期の連結業績見通しについて、2021年1月に新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言が行われた影響などを踏まえ、2020年9月16日に発表した見通しを以下のとおり下方修正いたします。
通期業績見通し
売上高 1兆7,730億円
営業利益 △5,350億円
経常利益 △5,960億円
親会社株主に帰属する当期純利益 △4,500億円
(3) 新型コロナウイルス感染症に対する取組みについて
新型コロナウイルス感染症の流行が本格化して以降、鉄道をはじめ、グループ各事業のご利用が大幅に減少しております(当第3四半期連結累計期間の連結の業績に与える新型コロナウイルス感染症の影響額は約9,600億円の減収です)。
当社グループは、感染症流行への対応として、以下の3つの柱に基づいた取組みを実施しております。
・駅や車内の消毒・換気等、お客さまに「安心」「清潔」な環境でご利用いただくための取組みを徹底しながら、経済回復に向けて最適な輸送・サービスを提供し、グループの社会的使命を果たしていきます。
・安全の確保を前提に、維持更新投資や経費の見直しを行いつつ、グループ経営ビジョン「変革 2027」の実現に向けた成長投資やイノベーション投資は着実に行っていきます。
・「JRE POINT」を活用した鉄道、生活サービス、IT・Suica各事業を横断する施策や、国や地方自治体、地域と連携した価格訴求性のある商品の投入に加え、新しい形の旅と暮らしを積極的に提案することなどにより、グループ一体となって移動需要を創造していきます。
また、ポストコロナ社会においては、「集中」から「分散」へ、「会社中心」から「生活中心」へ、「マス」から「パーソナル」へといった不可逆的な構造変化が生ずることは確実です。当社グループとしては、これらを見据えて、以下の方針に基づき取り組んでまいります。
・成長・イノベーション戦略を再構築し、グループの強みであるリアルなネットワークとデジタルを掛け合わせ、“新しい暮らしの提案”や“新領域への挑戦”に取り組みます。“新しい暮らしの提案”として、テレワークやワーケーションといった多様な働き方の応援、便利で魅力的な駅空間の創造・「JRE MALL」の強化、「MaaS」やデジタル技術を活用した新しい旅の提案、グループ一体の顧客戦略などを実施します。また、“新領域への挑戦”として、列車を活用した荷物輸送サービスやスタートアップ企業等との協業、5Gアンテナインフラシェア、ロボット技術の導入などを推進します。
・経営体質の抜本的な強化に取り組み、固定費割合が大きい鉄道事業を中心にコスト構造の改革、生産性の向上などを進めていきます。チケットレス、ドライバレス運転やスマートメンテナンスをはじめとしたデジタルトランスフォーメーション(DX)をさらに加速させるとともに、運賃制度や列車ダイヤといった事業運営の基本となる事項についても、ご利用状況等を踏まえ、より柔軟な運用に向けて検討を行います。
・「ESG経営」をさらに力強く実践し、地方創生により一層取り組むなど、地域社会の発展とSDGsの達成に貢献します。
環境が激変している今だからこそ、「ヒトを起点とした新たな価値の創造」に向け、鉄道を中心としたビジネスモデルを進化させ、グループ一丸となってこの難局を乗り切っていきます。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費総額は、128億円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動について、重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
① 新設
当第3四半期連結累計期間に完了した主要な設備の新設は次のとおりであります。
件名総工事費(百万円)完了年月
運輸事業
車両新造36,8922020年12月

当第3四半期連結累計期間において、運輸事業の輸送改善等である「渋谷駅改良、自由通路整備Ⅰ期工事」について、計画どおり施工箇所を拡大したため、件名を「渋谷駅改良、自由通路整備Ⅰ期工事」から「渋谷駅改良、自由通路整備工事」へ変更しております。また、予定総額を68,600百万円から88,600百万円に変更しております。加えて、完成予定年月を2020年度末から2027年度に変更しております。
② 大規模改修
当第3四半期連結累計期間において、運輸事業の安全・安定輸送対策である「大規模地震対策工事」について、対象エリア・設備を拡大したため、予定総額を534,478百万円から569,381百万円に変更しております。
③ 新たな設備の計画
当第3四半期連結累計期間において、運輸事業の輸送改善等として「東北新幹線盛岡~新青森間速度向上に向けた地上設備工事」に着手しており、工期は概ね7年を予定しております。当該件名の予定総額は11,602百万円であります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第3四半期連結会計期間末のネット有利子負債残高は3兆9,202億円となりました。なお、「ネット有利子負債」とは、連結有利子負債残高から連結現金及び現金同等物の第3四半期連結会計期間末残高を差し引いた数値であります。
当第3四半期連結会計期間末の有利子負債残高は、4兆2,550億円であります。
当社は、当第3四半期連結累計期間に国内において償還期限を2023年から2070年の間とする16本の無担保普通社債を総額4,000億円発行いたしました。なお、2021年1月25日に国内において償還期限を2031年とする1本の無担保普通社債を総額300億円発行しております。その他、当第3四半期連結累計期間に金融機関から2,452億円の長期資金を借り入れました。
短期資金の需要に対応するため、主要な銀行に総額5,500億円の当座借越枠を設定しており、当第3四半期連結会計期間末における当座借越残高は1,800億円であります。また、当第3四半期連結会計期間末におけるコマーシャル・ペーパーの発行残高は4,650億円であります。なお、四半期報告書提出日の属する月の前月末現在におけるコマーシャル・ペーパーの発行残高は4,150億円となりました。さらに、銀行からのコミットメント・ライン(一定の条件のもと契約内での借入れが自由にできる融資枠)を3,000億円設定しておりますが、当第3四半期連結会計期間末におけるコミットメント・ラインの使用残高はありません。

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