四半期報告書-第135期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/10 15:09
【資料】
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【項目】
37項目
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
(単位:億円)

前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減額増減率
売上高11,45916,7595,30046.3%
営業損益4791,9791,500312.9%
経常損益1,2206,9835,762472.0%
親会社株主に帰属する四半期純損益5236,9226,3981,222.0%

当第3四半期連結累計期間(2021年4月1日から2021年12月31日までの9ヶ月間)の業績は、連結売上高1兆6,759億円(前年同四半期比5,300億円増)、営業利益1,979億円(前年同四半期比1,500億円増)、経常利益6,983億円(前年同四半期比5,762億円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益6,922億円(前年同四半期比6,398億円増)となりました。
なお、当社持分法適用会社OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(“ONE社”)の好調な業績等により、営業外収益で持分法による投資利益として5,138億円を計上しました。うち、同社からの持分法による投資利益計上額は4,913億円となります。
当第3四半期連結累計期間の為替レートと消費燃料油価格の変動は以下のとおりです。
前第3四半期
(9ヶ月)
当第3四半期
(9ヶ月)
差額
平均為替レート106.14円/US$110.97円/US$4.83円 円安
平均消費燃料油価格US$362.57/MTUS$504.05/MTUS$141.48 高

(注) 為替レート・消費燃料油価格とも、当社社内値です。
(セグメント別概況)
当第3四半期連結累計期間のセグメント別概況は以下のとおりです。
(単位:億円)
売上高経常損益
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減額増減率前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減額
ロラ
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スナ
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定期船事業1,2651,41014511.5%6845,0444,359
航空運送事業8781,41653761.2%246564317
物流事業3,8766,1332,25658.2%174456282
不定期専用船事業4,9337,2462,31246.9%141939798




不動産業5133△18△35.5%2016△3
その他の事業9091,18227330.1%△14△112

<定期船事業>コンテナ船部門では、ONE社において、北米を中心に旺盛な貨物需要が継続する中、新型コロナウイルス感染症拡大を端緒とする港湾混雑や、ドライバー不足等による内陸部の混雑が緩和されず、サプライチェーン全体の混乱が収束しなかったことにより、需給が逼迫しました。主要航路のうち、北米航路においては、港湾混雑に起因する回転率の低下により減便を余儀なくされた結果、積高は前年同四半期を下回り、消席率は前年同四半期を上回りました。また、欧州航路では、積高及び消席率は前年同四半期を上回りました。運賃は両航路ともに前年同四半期を上回り、収支良化に大きく寄与しました。このような状況下、ONE社はコンテナの調達や臨時便投入を続けるとともに、船舶の航行スピードを増速することで運航スケジュール遅延の最小化を図り、輸送スペースの最大化に努めました。
以上の結果、定期船事業全体では前年同四半期比で増収増益となりました。
<航空運送事業>航空運送事業では、新型コロナウイルス感染症の影響により国際旅客便の減便・運休が継続する一方、航空貨物の荷動きは自動車・半導体関連貨物等を中心に堅調に推移しました。更に、コンテナ船の輸送スペース不足や港湾混雑の影響により海上貨物の一部が航空輸送に切り替わる動きも継続し、貨物搭載量・運賃ともに高水準で推移しました。
以上の結果、航空運送事業全体では前年同四半期比で大幅な増収増益となりました。
また当第3四半期において、機材を自社保有化し、今後の事業環境の変化に応じた柔軟な機材の活用を可能とするため、借り受けていたボーイング747-8F計7機のリース契約を中途解約の上、取得しました。これによりリース契約の解約金として当第3四半期に約80億円の特別損失を計上しました。
<物流事業>航空貨物取扱事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により国際旅客便の減便・運休が継続し、供給スペースが減少している中、繁忙期となる第3四半期に荷量が増加したことにより、需給は逼迫しました。このような状況下、機動的な購買活動により輸送スペースを確保したことで取扱量は前年同四半期比で増加し、業績を牽引しました。
海上貨物取扱事業は、港湾混雑に伴い輸送スペース確保に苦慮しましたが、取扱量は前年同四半期比で増加しました。また、高騰する仕入れ価格に販売価格が追い付き利益水準が改善し、堅調に推移しました。
ロジスティクス事業は、需要の底堅い一般消費財を中心に前年同四半期比で取扱量が増加しました。
内航輸送事業は前年同四半期比で取扱量が増加しました。
以上の結果、物流事業全体では前年同四半期比増収増益となりました。
<不定期専用船事業>自動車輸送部門では、世界的な半導体不足や新型コロナウイルス感染症の影響に起因する自動車部品不足による完成車取扱台数への影響が懸念されましたが、関係会社との協働や、顧客との綿密な情報交換を通じて代替貨物の集荷を行った上で、最適な配船計画と航海スケジュールの策定を行うことで船舶の稼働率を向上させ、前年同四半期比で取扱台数は増加しました。自動車物流は、中国等を中心に半導体部品不足による自動車生産減少の影響を受ける中、各事業体がコスト削減や不採算ビジネスの整理に取り組む一方、トルコ・エジプトでは完成車ターミナル開業に向けた準備を進め、事業ポートフォリオ再編に向けて活動しました。
ドライバルク輸送部門では、ケープサイズは、7月から9月のピークシーズンに、雨期が明けたブラジル出しの鉄鉱石の出荷が伸びる一方、中国では度重なる台風・豪雨の被害や、新型コロナウイルス感染症の水際対策強化により再び滞船隻数が増加し、ケープサイズの市況は11年ぶりの高値となりました。中国の滞船解消に伴い、市況は10月上旬をピークに反落したものの、前年同四半期を大きく上回る水準で推移しました。パナマックスサイズは、6月から7月にかけて天然ガス価格が石炭価格を上回ったため、石炭調達が活発化し、電力需要期を前に中国で石炭輸入が増加した結果、市況は10月にピークに達しました。その後、世界的な滞船が鎮静化するにつれ、市況は調整局面に入りましたが、石炭の荷動きに支えられて市況は前年同四半期を大きく上回る水準で推移しました。このような環境下、市況変動による収支影響を抑えるために先物取引を用いて収入を固定化するほか、長期契約獲得による収入の安定化と効率的な運航によるコスト削減に努めました。
エネルギー輸送部門では、5月以降にOPECプラスの協調減産が段階的に縮小されたものの、需給バランスの改善には至らず、VLCC(大型タンカー)と石油製品タンカーの市況は歴史的な低迷が続きました。VLGC(大型LPGタンカー)は、6月以降、季節的な不需要期に入ったことに加え、米国出しLPG価格の高止まりにより、米国出しと中東出しのLPG価格差が縮小した結果、長距離輸送により輸送費が相対的に割高となる米国出しの取引が鈍化し、荷動きも減少したため、市況は低調に推移しました。9月以降は冬場の需要期に向けた荷動きに加えてパナマ運河の混雑により市況が高騰したものの、好市況だった前年同四半期を下回りました。タンカーは市況変動の影響を受ける短期契約の割合は小さいものの、前年同四半期比で市況の下落幅が非常に大きく、収支を悪化させる要因となりました。LNG船は安定的な収益を生む長期契約に支えられて順調に推移しました。また海洋事業はFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)、ドリルシップが順調に稼働しました。
以上の結果、不定期専用船事業全体では前年同四半期比で増収増益となりました。
<不動産業、その他の事業>不動産業は、当社子会社株式の一部譲渡に伴い、前年同四半期比では減収減益となりました。またこの譲渡により、第2四半期において約230億円の特別利益を計上しました。
その他の事業は、燃料油販売における油価上昇等により、前年同四半期比で売上が大きく増加し、燃料油販売事業が好調に推移しました。また、技術サービス業では新型コロナウイルス感染症による影響が一段落し、工事案件の一部回復や、船用品・舶用資材販売事業での復調が見られました。客船事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により、一部のクルーズを催行するに留まりました。これらにより、その他の事業では前年同四半期比で増収となりましたが、損失を計上しました。
② 財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、受取手形及び営業未収入金の増加やONE社をはじめとする持分法適用会社の利益計上に伴い、投資有価証券が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ5,978億円増加し、2兆7,233億円となりました。長期借入金等の減少により有利子負債は836億円減少して8,674億円となり、負債合計額も前連結会計年度末に比べて825億円減少し、1兆3,755億円となりました。純資産の部では、利益剰余金が6,347億円増加し、株主資本とその他の包括利益累計額の合計である自己資本が1兆3,062億円となり、これに非支配株主持分415億円を加えた純資産の合計は1兆3,477億円となりました。これらにより、有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ)は0.66に、また自己資本比率は48.0%となりました。
(2) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は662百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。