半期報告書-第64期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2024/11/14 10:03
【資料】
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【項目】
42項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日、以下、「当中間期」という。)の日本経済は、雇用・所得環境が改善する下で、設備投資や個人消費などで回復の動きが見られました。一方、欧米における高い金利水準の継続などによる経済の下振れリスクや物価上昇、中東地域等をめぐる情勢、金融資本市場の動向などに留意が必要な状況が続きました。
このような状況において、当社グループは、「安全・安心・快適・便利」な社会を実現する「社会システム産業」の構築をめざし、「セコムグループ2030年ビジョン」の実現に取り組んでいます。また、ビジョン実現に向けて今後の目指すべき方向性をより明確化し、成長をさらに確かなものとするために「セコムグループ ロードマップ2027」を策定し、各種取り組みを積極的に展開しております。
2024年7月には、システムセキュリティ「AZ」および「AZ-Air」に、監視カメラの映像を遠隔監視する有人時の非常通報サービスを付加し、店舗の安全管理をサポートする「インタラクティブセキュリティサービス」の提供を開始しました。また同月、AIで人の特定の行為が検出できる「セコムAI行動検知システム」とセキュリティロボット「cocobo」を連携し、実際の警備現場での導入に向けて常駐警備のオペレーションに活用する実証実験を行うなど、当中間期も様々な取り組みを通じて、ますます多様化・高度化するお客様の安心ニーズに対し、きめ細やかな切れ目のないサービスを提供することに努めました。
なお、2024年9月には、当社株式を保有する投資家層の拡大や保有期間の長期化促進を目的として、株式分割と株主優待制度の導入について発表し、10月1日に株式分割を実施しました。
当中間期の連結売上高はセキュリティサービス事業、防災事業およびメディカルサービス事業などの増収により、5,601億円(前年同期比2.8%増加)となりました。営業利益は防災事業などの増益はありますが、保険事業および地理空間情報サービス事業などの減益により、590億円(前年同期比6.4%減少)となりました。経常利益は米国などにおける投資事業組合運用益で122億円増加したことなどにより、835億円(前年同期比9.5%増加)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は非支配株主に帰属する中間純利益が増加したこと、前期に受取損害保険金16億円を計上したことなどにより、504億円(前年同期比2.4%増加)となりました。
なお、当中間期の売上高、経常利益および親会社株主に帰属する中間純利益は過去最高を達成することができました。
セグメントごとの業績につきましては、次のとおりであります。
セキュリティサービス事業では、売上高は常駐警備サービスの増収、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売が堅調に推移したこと、主に集配金サービスを提供している株式会社アサヒセキュリティの増収などにより、3,048億円(前年同期比1.9%増加)となり、営業利益は人財への投資などによる人件費の増加などにより、561億円(前年同期比1.0%減少)となりました。
防災事業では、売上高は火災報知設備や消火設備の増収により、738億円(前年同期比9.2%増加)となり、営業利益は原価率の改善などにより、44億円(前年同期比110.8%増加)となりました。
なお、当事業は建設業界の影響を受ける部分が多いため、収益は期末に向けて集中する傾向があります。
メディカルサービス事業では、売上高は医薬品・医療機器の販売が好調となったことなどにより、425億円(前年同期比9.3%増加)となり、営業利益は原価率の上昇などにより、27億円(前年同期比15.6%減少)となりました。
保険事業では、売上高は保険引受収益の増収はありますが、運用収益の減収により、282億円(前年同期比1.0%減少)となり、営業利益は運用収益の減収およびシステム投資などによる販売費及び一般管理費の増加などにより、22億円(前年同期比53.0%減少)となりました。
地理空間情報サービス事業では、売上高は国内公共部門および国内民間部門の減収により、214億円(前年同期比3.8%減少)となり、営業損益は減収および人件費の増加などにより、31億円の営業損失(前年同期は20億円の営業損失)となりました。
なお、当事業は主要市場である官公庁への納品時期が主に3月末になるため、収益は期末に向けて集中する傾向があります。
BPO・ICT事業では、売上高はコンタクトセンター業務やバックオフィス業務全般のBPOサービスを提供する株式会社TMJの減収はありますが、サーバーなどの機器販売が好調となったことおよびデータセンター事業の増収などにより、629億円(前年同期比0.6%増加)となりました。営業利益は新たなデータセンターの稼働開始などによる原価の増加および人件費の増加などによる販売費及び一般管理費の増加により、39億円(前年同期比18.4%減少)となりました。
その他事業では、売上高は263億円(前年同期比2.3%増加)となり、営業利益は34億円(前年同期比10.8%増加)となりました。
当中間期末の総資産は、前連結会計年度末に比べ166億円(0.8%)減少して2兆641億円となりました。流動資産は、コールローン270億円を計上した他、有価証券が207億円(105.8%)増加の404億円、現金及び預金が515億円(11.7%)減少の3,893億円、受取手形、売掛金及び契約資産が442億円(27.2%)減少の1,181億円となり、流動資産合計は前連結会計年度末に比べ466億円(5.0%)減少して8,909億円となりました。固定資産は、投資有価証券が149億円(3.5%)増加の4,406億円、有形固定資産が124億円(2.9%)増加の4,447億円となり、固定資産合計は前連結会計年度末に比べ299億円(2.6%)増加して1兆1,731億円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ302億円(4.4%)減少して6,598億円となりました。流動負債は、未払金が117億円(23.1%)減少の392億円、支払手形及び買掛金が74億円(18.1%)減少の335億円、未払法人税等が53億円(19.8%)減少の215億円、未払消費税等が38億円(33.2%)減少の77億円、短期借入金が37億円(13.8%)減少の231億円となり、流動負債合計は前連結会計年度末に比べ355億円(9.4%)減少して3,428億円となりました。固定負債は、繰延税金負債が42億円(21.4%)増加の240億円となり、固定負債合計は前連結会計年度末に比べ52億円(1.7%)増加して3,170億円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が304億円(2.6%)の増加、自己株式が299億円(20.0%)の減少、為替換算調整勘定が205億円(92.1%)の増加となり、純資産合計は、135億円(1.0%)増加して1兆4,042億円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間期における営業活動によるキャッシュ・フローは、全体で959億円の資金の増加(前年同期は1,003億円の資金の増加)となりました。主な資金の増加要因は、税金等調整前中間純利益836億円、売上債権及び契約資産の減少額492億円、減価償却費331億円であります。また、主な資金の減少要因は、法人税等の支払額255億円、仕入債務の減少額197億円、投資事業組合運用益195億円であります。
なお、前年同期との比較では、営業活動によるキャッシュ・フローは、43億円の収入の減少となりました。これは、主に税金等調整前中間純利益が増加しましたが、投資事業組合運用益が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、全体で515億円の資金の減少(前年同期は949億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、警報機器及び設備等の有形固定資産の取得による支出397億円、無形固定資産の取得による支出74億円であります。また、主な資金の増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入107億円であります。
なお、前年同期との比較では、投資活動によるキャッシュ・フローは、434億円の支出の減少となりました。これは、主に投資有価証券の売却及び償還による収入が減少しましたが、投資有価証券の取得による支出が減少したこと、関連会社株式の取得による支出が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、全体で686億円の資金の減少(前年同期は614億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、自己株式の増加額300億円、配当金の支払額199億円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出92億円であります。
なお、前年同期との比較では、財務活動によるキャッシュ・フローは、72億円の支出の増加となりました。これは、主に連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が増加したことによるものです。
これらの結果、当中間期末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ204億円減少して4,037億円となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間期において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当中間期の研究開発費の総額は3,850百万円であります。