四半期報告書-第60期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/12 10:00
【資料】
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【項目】
42項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2020年4月1日~2020年12月31日、以下、「当第3四半期」という。)の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、企業収益が大幅に減少し、依然として厳しい状況が続きましたが、個人消費など一部で持ち直しの動きも見られました。また、社会経済活動の再開が段階的に進められるなかで、新型コロナウイルス感染者数が再び増加傾向となるなど、国内外の感染症の動向や金融資本市場の変動などの影響に引き続き留意が必要な状況が続きました。
このような状況の中、当社グループは、「安全・安心・快適・便利」な社会を実現する「社会システム産業」の構築をめざす中で策定した「セコムグループ2030年ビジョン」、また、その実現に向けて今何をすべきかを明確化した「セコムグループ ロードマップ2022」への取り組みを積極的に展開しております。
2020年9月と10月には、アジアで増加しつつある富裕層、中間層を含む新たな成長市場への事業展開を推進するためにマレーシア、シンガポールにおいて、ジョンソンコントロールズインターナショナルPLC(本社:アイルランド・コーク)傘下のセキュリティ会社2社の発行済み株式100%を取得し、子会社化しました。また、コロナ禍においては、感染拡大防止のための商品を拡販するとともに、テレワークや、帰省などの移動が制約される中での離れて暮らす高齢者の見守りといった「新たな日常」におけるニーズに対応するサービスを提供するなど、当第3四半期も様々な取り組みを通じて、ますます多様化・高度化するお客様の安心ニーズに対し、きめ細やかな切れ目のないサービスを提供することに努めました。
当第3四半期の連結売上高は新型コロナウイルス感染症の影響などにより、BPO・ICT事業などが増収となりましたが、セキュリティサービス、防災、メディカルサービス、不動産・その他の事業の減収により7,530億円(前年同期比1.7%減少)、営業利益は1,004億円(前年同期比1.8%減少)となりました。経常利益は営業外損益で米国などにおける投資事業組合運用損益で68億円減少したことなどにより、1,009億円(前年同期比8.9%減少)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は特別損失でのれん償却額47億円および関係会社株式売却損29億円を計上したことなどにより、541億円(前年同期比20.2%減少)となりました。
セグメントごとの業績につきましては、次のとおりであります。
セキュリティサービス事業では、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売は堅調に推移しましたが、売上高は新型コロナウイルス感染症の影響などにより商品販売が減収となったことなどにより、4,167億円(前年同期比0.8%減少)となり、営業利益は855億円(前年同期比0.6%減少)となりました。
防災事業では、売上高は新型コロナウイルス感染症の影響および前年同期に大型案件があったことなどにより、932億円(前年同期比7.2%減少)となり、営業利益は前年同期に採算性の良い物件が集中したことなどにより、52億円(前年同期比40.6%減少)となりました。
なお、当事業は建設業界の影響を受ける部分が多いため、収益は期末に向けて集中する傾向があります。
メディカルサービス事業では、売上高は新型コロナウイルス感染症の影響などにより医療機器・医薬品の販売が減収となったことなどにより、534億円(前年同期比7.4%減少)となり、営業利益は35億円(前年同期比13.8%減少)となりました。
保険事業では、売上高はセコム損害保険株式会社のガン保険「自由診療保険メディコム」、自動車保険および火災保険の販売が好調に推移したことなどにより、367億円(前年同期比4.4%増加)となり、営業利益は台風第10号、令和2年7月豪雨などの大規模災害による影響などにより、29億円(前年同期比6.3%減少)となりました。
地理空間情報サービス事業では、売上高は373億円(前年同期比1.1%増加)となり、営業利益は生産効率の向上、海外部門の事業最適化の取り組みなどによる原価率の改善、販売費及び一般管理費が減少したことなどにより、21億円(前年同期比40.5%増加)となりました。
なお、当事業は主要市場である官公庁への納品時期が主に3月末になるため、収益は期末に向けて集中する傾向があります。
BPO・ICT事業では、売上高はコンタクトセンター業務やバックオフィス業務全般のBPOサービスを提供する株式会社TMJの増収およびデータセンター事業の増収などにより、823億円(前年同期比10.2%増加)となり、営業利益は92億円(前年同期比26.4%増加)となりました。
不動産・その他の事業では、売上高は新型コロナウイルス感染症の影響などにより不動産開発・販売事業が減収となったことなどにより、331億円(前年同期比18.5%減少)となり、営業利益は37億円(前年同期比12.1%減少)となりました。
当第3四半期末の総資産は、前連結会計年度末に比べ205億円(1.1%)増加して1兆8,356億円となりました。流動資産は、現金及び預金が459億円(11.1%)増加の4,601億円、現金護送業務用現金及び預金が422億円(30.0%)増加の1,831億円、受取手形及び売掛金が340億円(24.0%)減少の1,076億円、有価証券が158億円(48.9%)減少の165億円となったほか、セコムホームライフ株式会社の株式譲渡などにより仕掛販売用不動産が218億円、販売用不動産が46億円、それぞれ減少となり、流動資産合計は前連結会計年度末に比べ68億円(0.7%)増加して9,213億円となりました。固定資産は、投資有価証券が173億円(6.9%)増加の2,696億円、繰延税金資産が49億円(15.6%)減少の266億円となり、固定資産合計は前連結会計年度末に比べ136億円(1.5%)増加して9,143億円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ29億円(0.5%)減少して6,397億円となりました。流動負債は、現金護送業務用預り金が426億円(36.0%)増加の1,609億円、未払法人税等が180億円(73.1%)減少の66億円、賞与引当金が111億円(61.5%)減少の70億円、支払手形及び買掛金が75億円(15.9%)減少の398億円、短期借入金が64億円(16.9%)減少の318億円となり、流動負債合計は前連結会計年度末に比べ57億円(1.5%)減少して3,684億円となりました。固定負債は、保険契約準備金が19億円(1.1%)増加の1,765億円、繰延税金負債が18億円(23.3%)増加の97億円となり、固定負債合計は前連結会計年度末に比べ28億円(1.1%)増加して2,712億円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が170億円(1.8%)の増加、その他有価証券評価差額金が53億円(44.1%)の増加、為替換算調整勘定が42億円(31.4%)の減少、非支配株主持分が56億円(4.1%)の増加となり、純資産合計は、234億円(2.0%)増加して1兆1,959億円となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期の研究開発費の総額は5,937百万円であります。