有価証券報告書-第36期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 13:08
【資料】
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【項目】
144項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、大規模な金融緩和による円安に支えられ、自動車・輸出産業の業績は好調に推移してまいりましたが、米中貿易摩擦、中国経済の減速などにより、先行不透明な状況となっております。
また、一人当たり実質賃金はマイナスとなっており、個人消費に大きな伸びは見られません。
当業界におきましては、通塾率、顧客単価はぼぼ上限となっており、一方、少子化はさらに進行しておりますので、市場規模は今後縮小していくことが予想されます。競合状況は一層厳しくなっております。
このような情勢のもと当社グループにおきましては、
① 個別指導の教育サービスの質をさらに上げること。結果としての生徒増を図ること、また、顧客単価を向上させること
② 小学校英語の教科化に伴った市場の構造的変化に対応したビジネスモデルを確立すること
③ iD(映像授業)・PAS(個別指導)併設校舎のコンビニ的展開をすること
④ 高校部の新しいビジネスモデルを確立すること
を経営の柱として取り組んでまいりました。特に小中学部におきましては、業績悪化が著しい校舎を閉鎖し、業績向上が見込めるエリアに個別型と映像型の併設校舎を多校舎展開してまいりました。
営業費用におきましては、個別指導の生徒数増加に伴う講師給与・交通費・講師採用費の増加、新規開校した20校舎の改装工事、広告宣伝費等による初期投資費用の発生、基幹システム入替えに伴うソフトウェア償却費の発生、システム運用支援による支払手数料の発生により全体として増加いたしました。以上の結果、当連結会計年度の売上高営業利益率は0.1%(対前年同期比1.0%減)となりました。
営業外損益におきましては、有利子負債の減少に伴い支払利息が減少しております。
特別損益におきましては、当初計画に対し9月、3月入学が不振であった14校舎、移転を決定した4校舎及び閉鎖を決定した2校舎につき減損損失を計上いたしました。また、一部校舎のロードヒーティングの灯油漏れに伴い、土壌入替えの必要が発生したため、その費用の見込額を環境対策引当金繰入額として計上しております。
その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は11,168百万円(対前年同期比1.4%増)、営業利益は5百万円(対前年同期比95.3%減)、経常損失は28百万円(前年同期は経常利益46百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は396百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益41百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
(小中学部)
小中学部におきましては、個別指導部門の生徒数・売上高は大きく伸ばすことができました。また、映像部門の生徒数も増加に転じております。一方、集団部門におきましては、生徒数を増加させている本部もありますが、本部間格差が大きく、全体としては減少傾向を止められないところとなっております。また、利益率の高い集団部門の売上が減少したことにより、利益を圧迫するところとなっております。
その結果、小中学部の売上高は9,685百万円(対前年同期比2.1%増)、セグメント利益は1,166百万円(前年同期比3.6%減)となりました。
(高校部)
高校部におきましては、正社員教師中心の集団授業、正社員教師による「1:1個別指導」、難関大学・国公立医学部学生による質問対応(ASSIST)など、生徒のニーズに対応した教育サービスを提供し、生徒数・売上増加を図ってまいりましたが、受験学年の高3生数が4月スタート時点から計画と乖離しており売上予算未達となりました。一方、営業費用におきましては人員の効率化を図ることにより費用の削減に努めてまいりました。
その結果、高校部の売上高は1,373百万円(対前年同期比1.4%減)、セグメント損失は84百万円(前年同期はセグメント損失146百万円)となりました。
(その他の教育事業)
その他の教育事業におきましては、映像型のFC展開をさらに進めてまいりました。多くの課題はありますが、FC校の校舎数、総生徒数は順調に増加させるところとなっております。一方、自宅学習部門におきましては、効果的なプロモーション方法が確立されておらず、全体としては予算未達となっております。
その結果、その他の教育事業の売上高は108百万円(対前年同期比16.3%減)、セグメント損失は38百万円(前年同期はセグメント損失30百万円)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
① 生産及び受注の実績
当社グループは、生徒に対しての授業を行うことを主たる業務としておりますので、生産、受注の実績は、該当事項はありません。
② 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
(千円)
前年同期比増減(%)
小中学部9,685,8212.1
高校部1,373,666△1.4
その他の教育事業108,800△16.3
合計11,168,2881.4

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税は含まれておりません。
(2)財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,035百万円減少し、1,392百万円となりました。これは主として、校舎新設・移転に伴う改装工事、備品購入等の初期投資費用が発生したこと、基幹システム入替えに伴う運用支援手数料等の費用支払が発生する一方、3月末口座引落しの授業料の入金が4月にまわったことにより現預金が減少したためであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて588百万円減少し、10,478百万円となりました。これは主として、有形固定資産の減価償却、建設協力金の回収が進んだためであります。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて1,624百万円減少し、11,890百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて345百万円減少し、3,481百万円となりました。これは主として、3月末口座引落しの翌月分授業料の入金が、休日の関係から4月にまわったことにより前受金が減少したためであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて725百万円減少し、4,388百万円となりました。これは主として、長期借入金の約定返済が進んだこと、リース資産減損勘定の償却が進んだためであります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて1,070百万円減少し、7,869百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて553百万円減少し、4,020百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことにより、利益剰余金が減少したためであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の33.8%から変動ありません。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ799百万円減少し、473百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは366百万円の支出(前年同期446百万円の収入)となりました。これは主として、個別指導部門、映像部門の生徒数は順調に増加したものの、利益率の高い集団部門の生徒数が減少する一方、個別指導の講師給与等の増加、基幹システム入替えに伴う支払手数料等の発生により税金等調整前当期純損失となったこと、翌月分授業料の回収の月ずれにより前受金が減少したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは140百万円の収入(前年同期407百万円の収入)となりました。これは主として、校舎新設に伴う有形固定資産の取得による支出があるものの、定期預金の満期に伴う払戻による収入があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは573百万円の支出(前年同期632百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済が進んだためであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、将来的な成長が見込まれる映像による個別指導部門の校舎展開するにあたって、積極的な設備投資を行っております。また、顧客ニーズの多様化に対応するためのシステム投資も行っております。これらの資金につきましては、主として営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入を実施することを基本方針としております。
一方、運転資金におきましては、毎月の授業料及び講習費用の入金による収入で賄っておりますが、年間を通して生徒数が少なく収益性の低い第1四半期は資金不足となるため、金融機関と当座貸越契約を締結しており、必要に応じて借入を実施しております。