有価証券報告書-第55期(2023/04/01-2024/03/31)
当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額により開示しております。
以下の経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の前連結会計年度の連結財務諸表の数値を用いて比較しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、社会経済活動の正常化やインバウンド需要の増加等を背景に緩やかに回復しました。2024年3月には、物価安定目標の実現が見通せる状況になったとして日本銀行がマイナス金利解除などの金融政策の枠組みの見直しを決定しました。一方、地政学的リスクの高まりや物価の上昇等の影響に十分注意する必要があり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
こうした環境の下、当社グループは、ひとの成長と対話を通じた社会課題の解決と経済価値の同時実現による持続的成長を目指す、5か年(2022年度~2026年度)の中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」に取り組んでおります。中期経営計画の2年目となる2023年度も外部環境が大きく変化していく中で力強く持続的に成長する企業グループを目指して、計画に掲げたビジネス戦略・マネジメント戦略を着実に遂行しました。
この結果、当連結会計年度の契約実行高は前年度比13.8%増加の1兆7,428億4千1百万円となり、当連結会計年度末の営業資産残高(割賦未実現利益控除後)は前連結会計年度末比1,729億2千2百万円(6.4%)増加して2兆8,774億4千9百万円となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比2,387億円(7.6%)増加して3兆3,903億2千4百万円となりました。
調達残高は、社債の発行や長期借入金の増加により、前連結会計年度末比6.7%増加の2兆6,825億9千5百万円となりました。
損益面では、売上高は前年度比2.9%増加の7,085億3千8百万円、営業利益は前年度比16.5%増加の600億4千6百万円、経常利益は前年度比14.5%増加の683億5千5百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度比21.3%増加の472億1千9百万円となりました。
営業利益、経常利益、及び親会社株主に帰属する当期純利益ともに、前年度を上回る実績となり、各段階利益については連結会計年度の過去最高益を更新しております。
なお、中期経営計画の経営目標に設定している経常利益は、7期連続で最高実績を更新しております。
② セグメントごとの経営成績
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、各セグメントにおける売上高については「外部顧客への売上高」の金額、セグメント利益については報告セグメントの金額を記載しております。
[リース及び割賦]
リース及び割賦の契約実行高は前年度比31.4%増加して6,341億4千3百万円となり、営業資産残高は前連結会計年度末比6.0%増加して1兆8,447億6千5百万円となりました。リース及び割賦の売上高は前年度比1.3%増加して6,198億3千4百万円となり、セグメント利益は前年度比14.6%増加して420億4千7百万円となりました。
[ファイナンス]
ファイナンスの契約実行高は前年度比4.6%増加して1兆963億6千2百万円となり、営業資産残高は前連結会計年度末比6.4%増加して9,938億8千7百万円となりました。ファイナンスの売上高は前年度比24.7%増加して326億7千万円となり、セグメント利益は前年度比0.5%増加して187億3百万円となりました。
[その他]
その他の契約実行高は前年度比121億4千9百万円増加して123億3千4百万円となり、営業資産残高は前連結会計年度末比31.9%増加して387億9千6百万円となりました。その他の売上高は前年度比10.8%増加して560億3千2百万円となり、セグメント利益は前年度比14.5%増加して115億7千4百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比194億8千1百万円増加して1,406億7千4百万円となりました。区分ごとのキャッシュ・フローの状況の内訳は以下のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前当期純利益が668億4千8百万円、賃貸資産減価償却費が453億8千2百万円、賃貸資産除却損及び売却原価が1,843億6千3百万円、リース債権及びリース投資資産の減少額が306億8千6百万円となったことなどに対し、営業投資有価証券の増加額が360億2千8百万円、賃貸資産の取得による支出が3,560億7千7百万円となったことなどにより、営業活動によるキャッシュ・フローは、1,120億9千8百万円の支出(前連結会計年度は241億4千9百万円の支出)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資有価証券の売却及び償還による収入が44億2百万円となったことなどに対し、社用資産の取得による支出が32億6千9百万円、投資有価証券の取得による支出が41億3百万円となったことなどにより、投資活動によるキャッシュ・フローは、30億6千2百万円の支出(前連結会計年度は123億9千3百万円の支出)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
長期借入れによる収入が5,999億3千万円、社債の発行による収入が970億円となったことなどに対し、コマーシャル・ペーパーの減少額が300億円、長期借入金の返済による支出が4,301億5千万円、社債の償還による支出が450億円となったことなどにより、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,318億円の収入(前連結会計年度は840億4千2百万円の収入)となりました。
④ 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金、その他の営業貸付債権、関係会社短期貸付金及び関係会社長期貸付金)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、当社における貸付金の状況は次のとおりであります。
a.貸付金の種別残高内訳
b.資金調達内訳
c.業種別貸付金残高内訳
d.担保別貸付金残高内訳
e.期間別貸付金残高内訳
(注) 期間は、約定期間によっております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析につきましては、以下のとおりであります。
当社グループは、2022年4月より5か年(2022年度~2026年度)の中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」をスタートさせました。計画の2年目となる2023年度も外部環境が大きく変化していく中で力強く持続的に成長する企業グループを目指して、計画に掲げたビジネス戦略・マネジメント戦略を着実に遂行しました。
2023年度における中期経営計画の遂行状況は次のとおりであります。
<ビジネス戦略>中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」のビジネス戦略を着実に推進するため、社会の変化に応じた経営資源の機動的な配分を行い、3つの成長ドライバーに区分した7つの事業領域を中心にビジネス領域の拡大に取り組みました。
<3つの成長ドライバーと7つの事業領域>1 ライジングトランスフォーメーション<社会的な地殻変動を捉えた戦略的成長>●モビリティ
電気自動車(EV)導入に係るワンストップサービスの展開を進めるとともに、アライアンス先との連携を通じて、商用分野におけるEVの普及促進や新たな EV 関連サービスの開発に取り組みました。
また、物流領域における事業拡大を展望し、組織体制の整備を進めるとともに、アライアンス先との協業によるサービスメニューの拡充を図りました。
●サーキュラーエコノミー
返却されたリース物件を確実にリユース・リサイクルし、製品寿命の長期化と再資源化の向上を実現する「芙蓉サーキュラーエコノミーリースⓇ」の取扱いを開始し、循環型の製品ライフサイクルをお客様とともに推進しました。なお、リース業ならではの立場からサーキュラーエコノミーを推進している点を評価され、環境省が主催する第5回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」において、当社はサーキュラーエコノミー賞を受賞しております。
2 アクセラレーティングトランスフォーメーション<市場トレンドを捉えた加速度的成長>●エネルギー環境
再生可能エネルギー事業を国内外において積極的に拡大するとともに、再生可能エネルギー関連の情報が多く集まる英国・ロンドンに現地法人を新たに設立し、欧州マーケットにおける更なるビジネスの開拓に向けた組織体制の強化に取り組みました。 また、新たなビジネスとして、再生可能エネルギーの導入加速と電力系統の安定化に貢献する大規模系統用蓄電池事業に当社として初めて参画することで、更なる事業領域の拡大を進めました。
●BPO/ICT
AIの活用による新規ビジネスの創出・業務効率化を進めるべくアライアンス先との事業連携を進め、付加価値の高いBPOサービスの開発に取り組みました。また、インボイス制度の施行や電子帳簿保存法の改正に伴うお客様のシステム導入ニーズに対しては、連結子会社である株式会社WorkVisionとの連携営業を推進し、グループシナジーの創出に努めました。
●ヘルスケア
地域の安定したヘルスケア基盤構築への貢献を目指すことを目的に地域金融機関等と共同で立ち上げた「地域特化型ヘルスケアファンド」において、福島県の事業者を対象とした第1号案件を実行しました。また、連結子会社であるシャープファイナンス株式会社において歯科衛生士人材紹介サービス事業である「デンタルマッチ」を開始するなど、医療・介護事業者のニーズに応える多様なサービスの提供を進めております。
3 グロウイングパフォーマンス<中核分野の安定的成長>●不動産
リスクとリターンを意識した案件の選別、資産の入替えを進めることで、収益性を高めながら、事業ポートフォリオ全体のバランスを意識したアセットコントロールを進めました。
●航空機
リースニーズの高まりを捉え、保有機体数が増加しました。 また、当社グループとして初めて株式会社国際協力銀行と融資契約を締結し、外貨調達の多様化を通じて航空機リース事業における競争力の向上にも取り組みました。
<事業を通じた社会価値の創出>事業を通じた持続可能な社会の構築と企業としての継続的な成長の両立を実現するため、当社グループはCSVの考え方を経営の根幹に位置付け、サステナビリティに関する取組を強化しております。
中期経営計画においては、事業を通じて社会課題の解決に貢献するCSVの考え方に基づき、成長ドライバーに区分した7つの事業領域を、持続可能な地球環境の実現への貢献を目指す「環境」と、豊かな社会と健やかな人の実現への貢献を目指す「社会とひと」の分野にそれぞれ紐づけ、様々な取組を進めております。
「環境」分野では、質の高いカーボンクレジットの創出を行う森林ファンドへの参画や、「芙蓉サーキュラーエコノミーリースⓇ」の拡大などを通じて、気候変動問題の解決や循環型社会の実現に向けた取組を強化しました。加えて、持続可能な食糧システムを実現する可能性を持つ優れたスタートアップ企業を投資対象としたアグリ・フードテックファンドへの出資を実行するなど、生物多様性への対応も進めております。「社会とひと」の分野では、健康・福祉における安心の創出を目的として「地域特化型ヘルスケアファンド」などを通じた医療・福祉マーケットにおける経営支援を目的としたファイナンス機能の提供などを進めております。このような取組を推進していくことで、社会課題の解決と経済価値の同時実現による持続的な成長を目指してまいります。
<マネジメント戦略>ビジネス戦略を支える経営基盤を強化するため、マネジメント戦略では以下取組を進めました。
・ 持続的な価値創造に大切な「ひと」の育成に一層注力するため、より「学び」に専心できる環境としての研修専用施設「Fuyo Shared Value Creation Center」を新たに開設し、高付加価値人材の継続的な創出に向けた人的投資を積極的に進めております。
・ESGファイナンスによる資金調達強化を狙いにサステナブルファイナンス・フレームワーク(※1)を策定し、調達手段の多様化を進めました。なお、サステナビリティに関する取組みが評価され、環境省が主催する第5回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」の資金調達者部門において環境大臣賞(銀賞)、及びサーキュラーエコノミー賞を受賞しました。
・CDP(※2)により、気候変動分野における取組や情報開示が優れた企業として、最高評価の「Aリスト企業」に当社として初めて選定されております。
・中期経営計画の順調な進捗等が評価され、株式会社日本格付研究所(JCR)の当社長期発行体格付けが「A+」から「AA-」に引き上げられております。
※1 サステナブルファイナンスでの資金調達に先立ち、参照するべき国内外の原則や指針等で定められた要件に基づき、資金調達者が定める方針及び枠組み
※2 企業や自治体の環境情報開示を促進する活動を行う、英国に本部を置く国際的な非政府組織
以上のことから、当社グループの連結業績につきましては、次のとおりとなりました。
<営業取引の状況>[契約実行高]
当連結会計年度における契約実行実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.オペレーティング・リースは、賃貸物件の取得価額を記載しております。なお、再リース取引の実行額は含んでおりません。
2.リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の購入金額、割賦については、実行時の割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
3.その他の対前年同期比は1,000%を超えているため「-」で記載しております。
契約実行高は前年同期比13.8%増加となりました。
「リース及び割賦」については、中期経営計画で注力しているオペレーティング・リースを中心に不動産及び航空機の取組み拡大等が寄与し、増加しております。
「ファイナンス」については、国内子会社のアクリーティブ株式会社におけるFPSメディカルの取扱高の積上げが進んだこと等により増加しております。
「その他」については、福島県の「鮫川青生野太陽光発電所」が商業運転を開始したこと等により増加しております。
[営業資産残高]
連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
営業資産残高は、前連結会計年度末比6.4%の増加となっております。
「リース及び割賦」については、成長ドライバーに位置付ける事業領域である不動産及び航空機等を中心にオペレーティング・リースの積上げが進んだことにより増加しております。
「ファイナンス」については、欧州を中心とした再生可能エネルギー事業への出資の拡大等により増加しております。
「その他」については、太陽光発電所が新たに商業運転を開始したことにより増加しております。
[営業実績]
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
前連結会計年度
当連結会計年度
(注)売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
セグメントごとの財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[売上高、売上原価、差引利益]
(リース及び割賦)
リース及び割賦の売上高は、前年度比79億7千万円(1.3%)増加して6,198億3千4百万円となりました。売上原価は前年度比67億9千5百万円(1.2%)減少して5,444億5千7百万円となり、リース及び割賦における差引利益は前年度比147億6千6百万円(24.4%)増加して753億7千7百万円となりました。これは主として、不動産分野で大口の売却益を計上したこと、航空機分野で旅客需要がコロナ前の水準まで回復し、エアラインからのリース料回収の正常化が進んだこと、海外のモビリティ分野で前連結会計年度末をみなし取得日としてPacific Rim Capital,Inc.を持分法適用の関連会社から連結子会社化したことなどによるものであります。
(ファイナンス)
ファイナンスの売上高は、前年度比64億6千2百万円(24.7%)増加して326億7千万円となりました。売上原価は前年度比39億4千3百万円(328.9%)増加して51億4千2百万円となり、ファイナンスにおける差引利益は、前年度比25億1千9百万円(10.1%)増加して275億2千8百万円となりました。これは主として、貸付金利息や匿名組合出資利益等のファイナンス収益の増加によるものであります。
(その他)
その他の売上高は、前年度比54億4千9百万円(10.8%)増加して560億3千2百万円となりました。売上原価は前年度比24億2千9百万円(8.7%)増加して303億6千8百万円となり、その他における差引利益は前年度比30億2千万円(13.3%)増加して256億6千4百万円となりました。これは主として、BPO/ICT分野でインボイス制度や電子帳票保存法の需要を取込んだこと、エネルギー環境分野で太陽光発電所が新たに商業運転を開始したこと等によるものであります。
[営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益]
成長ドライバーに位置付けるモビリティ、不動産、航空機などの事業領域の拡大により、利益の源泉である基礎的な収益、即ち「差引利益」(資金原価控除前売上総利益)が前年度比203億5百万円(18.8%)増加して1,285億7千万円となりました。
コスト面では、グループの拡大に伴い人物件費が前年度比41億7千9百万円(9.5%)増加して482億6千8百万円となりました。資金原価は外貨を中心とした調達残高の増加及び調達金利の上昇が影響し、前年度比80億5千1百万円(73.5%)増加して190億円となりました。
この結果、営業利益は前年度比16.5%増加の600億4千6百万円、経常利益は前年度比14.5%増加の683億5千5百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度比21.3%増加の472億1千9百万円となりました。
[純資産、自己資本比率]
株主資本合計は利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末比11.4%増加の3,531億7千1百万円となり、当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末比671億2千9百万円(16.4%)増加して4,773億2千6百万円となりました。
自己資本比率は、前連結会計年度末比1.1ポイント上昇して12.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析・検討内容につきましては、以下のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,120億9千8百万円の支出(前連結会計年度は241億4千9百万円の支出)となりました。主な変動要因は、賃貸資産の取得による支出の増加、リース債権及びリース投資資産の増減額の減少、賃貸資産除却損及び売却原価が増加したことなどによるものであります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、30億6千2百万円の支出(前連結会計年度は123億9千3百万円の支出)となりました。主な変動要因は、投資有価証券の取得による支出の減少、投資有価証券の売却及び償還による収入が増加したことなどによるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,318億円の収入(前連結会計年度は840億4千2百万円の収入)となりました。主な変動要因は、間接調達では長期借入れによる収入及び長期借入金の返済による支出が増加したこと、直接調達ではコマーシャル・ペーパーの純増減額が減少したことなどによるものであります。
b.契約債務
2024年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
当社グループの第三者に対する保証は、取引先等の借入金等に対する債務保証であります。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2024年3月31日現在の債務保証額は、1,209億5千万円であります。
c.財務政策
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、金融機関からの借入による間接調達と市場からの直接調達により資金調達することとしております。
当連結会計年度は、営業資産の積上げを背景に社債(ハイブリッド社債含む)や長期借入金による調達を拡大しました。また非財務目標に紐づくESGファイナンスの取組みを推進しております。
当連結会計年度末において、間接調達は、長期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末比8.2%増加して1兆9,568億4千5百万円となり、直接調達は、社債を発行したことなどにより、前連結会計年度末比2.8%増加して7,257億4千9百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の調達残高は、前連結会計年度末比6.7%増加して2兆6,825億9千5百万円となりました。直接調達比率は27.1%となり、前連結会計年度末比1.0ポイント低下いたしました。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、賃貸資産及び割賦販売物件の購入、営業投資有価証券の購入、太陽光発電設備の設備投資のほか、営業費用、販売費及び一般管理費等であります。
2024年3月31日現在、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、前連結会計年度末比6.6%増加して2兆6,885億8千7百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,406億7千4百万円となっております。
当連結会計年度末において、取引金融機関80行等と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。(借入実行残高5,428億7千3百万円、借入未実行残高7,510億1千4百万円)
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2022年度より新中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」をスタートさせております。経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える仮定や見積りを必要とします。これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。
連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
a.貸倒引当金
当社グループは、債権の回収不能時に発生する損失の見積額に対して貸倒引当金を計上しております。貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。貸倒引当金の金額は、以後の各連結会計年度の貸倒の発生や個別債権の回収の状況等に応じて貸倒実績率や個別債権の回収可能性の判断が変化することで、追加引当が必要となる可能性があります。
b.固定資産(賃貸資産等)の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初想定した収益が見込めなくなった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合には、固定資産の減損処理を行う可能性があります。
c.のれんの減損
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、当期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
以下の経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の前連結会計年度の連結財務諸表の数値を用いて比較しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、社会経済活動の正常化やインバウンド需要の増加等を背景に緩やかに回復しました。2024年3月には、物価安定目標の実現が見通せる状況になったとして日本銀行がマイナス金利解除などの金融政策の枠組みの見直しを決定しました。一方、地政学的リスクの高まりや物価の上昇等の影響に十分注意する必要があり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
こうした環境の下、当社グループは、ひとの成長と対話を通じた社会課題の解決と経済価値の同時実現による持続的成長を目指す、5か年(2022年度~2026年度)の中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」に取り組んでおります。中期経営計画の2年目となる2023年度も外部環境が大きく変化していく中で力強く持続的に成長する企業グループを目指して、計画に掲げたビジネス戦略・マネジメント戦略を着実に遂行しました。
この結果、当連結会計年度の契約実行高は前年度比13.8%増加の1兆7,428億4千1百万円となり、当連結会計年度末の営業資産残高(割賦未実現利益控除後)は前連結会計年度末比1,729億2千2百万円(6.4%)増加して2兆8,774億4千9百万円となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比2,387億円(7.6%)増加して3兆3,903億2千4百万円となりました。
調達残高は、社債の発行や長期借入金の増加により、前連結会計年度末比6.7%増加の2兆6,825億9千5百万円となりました。
損益面では、売上高は前年度比2.9%増加の7,085億3千8百万円、営業利益は前年度比16.5%増加の600億4千6百万円、経常利益は前年度比14.5%増加の683億5千5百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度比21.3%増加の472億1千9百万円となりました。
営業利益、経常利益、及び親会社株主に帰属する当期純利益ともに、前年度を上回る実績となり、各段階利益については連結会計年度の過去最高益を更新しております。
なお、中期経営計画の経営目標に設定している経常利益は、7期連続で最高実績を更新しております。
② セグメントごとの経営成績
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、各セグメントにおける売上高については「外部顧客への売上高」の金額、セグメント利益については報告セグメントの金額を記載しております。
[リース及び割賦]
リース及び割賦の契約実行高は前年度比31.4%増加して6,341億4千3百万円となり、営業資産残高は前連結会計年度末比6.0%増加して1兆8,447億6千5百万円となりました。リース及び割賦の売上高は前年度比1.3%増加して6,198億3千4百万円となり、セグメント利益は前年度比14.6%増加して420億4千7百万円となりました。
[ファイナンス]
ファイナンスの契約実行高は前年度比4.6%増加して1兆963億6千2百万円となり、営業資産残高は前連結会計年度末比6.4%増加して9,938億8千7百万円となりました。ファイナンスの売上高は前年度比24.7%増加して326億7千万円となり、セグメント利益は前年度比0.5%増加して187億3百万円となりました。
[その他]
その他の契約実行高は前年度比121億4千9百万円増加して123億3千4百万円となり、営業資産残高は前連結会計年度末比31.9%増加して387億9千6百万円となりました。その他の売上高は前年度比10.8%増加して560億3千2百万円となり、セグメント利益は前年度比14.5%増加して115億7千4百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比194億8千1百万円増加して1,406億7千4百万円となりました。区分ごとのキャッシュ・フローの状況の内訳は以下のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前当期純利益が668億4千8百万円、賃貸資産減価償却費が453億8千2百万円、賃貸資産除却損及び売却原価が1,843億6千3百万円、リース債権及びリース投資資産の減少額が306億8千6百万円となったことなどに対し、営業投資有価証券の増加額が360億2千8百万円、賃貸資産の取得による支出が3,560億7千7百万円となったことなどにより、営業活動によるキャッシュ・フローは、1,120億9千8百万円の支出(前連結会計年度は241億4千9百万円の支出)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資有価証券の売却及び償還による収入が44億2百万円となったことなどに対し、社用資産の取得による支出が32億6千9百万円、投資有価証券の取得による支出が41億3百万円となったことなどにより、投資活動によるキャッシュ・フローは、30億6千2百万円の支出(前連結会計年度は123億9千3百万円の支出)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
長期借入れによる収入が5,999億3千万円、社債の発行による収入が970億円となったことなどに対し、コマーシャル・ペーパーの減少額が300億円、長期借入金の返済による支出が4,301億5千万円、社債の償還による支出が450億円となったことなどにより、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,318億円の収入(前連結会計年度は840億4千2百万円の収入)となりました。
④ 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金、その他の営業貸付債権、関係会社短期貸付金及び関係会社長期貸付金)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、当社における貸付金の状況は次のとおりであります。
a.貸付金の種別残高内訳
| 2024年3月31日現在 |
| 貸付種別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) | 平均約定金利 (%) |
| 消費者向 | |||||
| 無担保(住宅向を除く) | - | - | - | - | - |
| 有担保(住宅向を除く) | - | - | - | - | - |
| 住宅向 | 2 | 0.04 | 43 | 0.01 | 1.58 |
| 計 | 2 | 0.04 | 43 | 0.01 | 1.58 |
| 事業者向 | |||||
| 計 | 5,659 | 99.96 | 522,805 | 99.99 | 2.48 |
| 合計 | 5,661 | 100.00 | 522,849 | 100.00 | 2.48 |
b.資金調達内訳
| 2024年3月31日現在 |
| 借入先等 | 残高(百万円) | 平均調達金利(%) | |
| 金融機関等からの借入 | 1,552,918 | 0.70 | |
| その他 | 669,641 | 0.69 | |
| 社債・CP | 623,495 | 0.70 | |
| 合計 | 2,222,560 | 0.70 | |
| 自己資本 | 309,468 | - | |
| 資本金・出資額 | 10,532 | - | |
c.業種別貸付金残高内訳
| 2024年3月31日現在 |
| 業種別 | 先数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 製造業 | 39 | 9.01 | 7,922 | 1.52 |
| 農業・林業・漁業・鉱業 | 4 | 0.92 | 5 | 0.00 |
| 建設業 | 9 | 2.08 | 10,788 | 2.06 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 7 | 1.62 | 8,040 | 1.54 |
| 情報通信業 | 3 | 0.69 | 33,502 | 6.41 |
| 運輸業 | 8 | 1.85 | 100 | 0.02 |
| 卸売・小売業 | 133 | 30.71 | 6,263 | 1.20 |
| 金融・保険業 | 20 | 4.62 | 79,685 | 15.24 |
| 不動産業 | 96 | 22.17 | 271,085 | 51.85 |
| 飲食店,宿泊業 | 2 | 0.46 | 14 | 0.00 |
| 医療,福祉 | 41 | 9.47 | 1,331 | 0.25 |
| 教育,学習支援業 | 1 | 0.23 | 1,167 | 0.22 |
| 複合サービス事業 | - | - | - | - |
| サービス業(他に分類されないもの) | 49 | 11.32 | 93,818 | 17.94 |
| 公務(他に分類されないもの) | - | - | - | - |
| 個人 | 2 | 0.46 | 43 | 0.01 |
| 分類不能の産業 | 19 | 4.39 | 9,080 | 1.74 |
| 合計 | 433 | 100.00 | 522,849 | 100.00 |
d.担保別貸付金残高内訳
| 2024年3月31日現在 |
| 受入担保の種類 | 残高(百万円) | 構成割合(%) | |
| 有価証券 | 144,774 | 27.69 | |
| うち株式 | - | 0.00 | |
| 債権 | 731 | 0.14 | |
| うち預金 | - | 0.00 | |
| 商品 | - | 0.00 | |
| 不動産 | 7,469 | 1.43 | |
| 財団 | - | 0.00 | |
| その他 | 9,517 | 1.82 | |
| 計 | 162,493 | 31.08 | |
| 保証 | 17,844 | 3.41 | |
| 無担保 | 342,512 | 65.51 | |
| 合計 | 522,849 | 100.00 | |
e.期間別貸付金残高内訳
| 2024年3月31日現在 |
| 期間別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 1年以下 | 212 | 3.74 | 150,142 | 28.72 |
| 1年超 5年以下 | 5,280 | 93.27 | 212,928 | 40.72 |
| 5年超 10年以下 | 82 | 1.45 | 145,257 | 27.78 |
| 10年超 15年以下 | 8 | 0.14 | 3,918 | 0.75 |
| 15年超 20年以下 | 15 | 0.27 | 6,049 | 1.16 |
| 20年超 25年以下 | 3 | 0.05 | 2,570 | 0.49 |
| 25年超 | 61 | 1.08 | 1,981 | 0.38 |
| 合計 | 5,661 | 100.00 | 522,849 | 100.00 |
| 1件当たりの平均期間(年) | 4.44 | |||
(注) 期間は、約定期間によっております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析につきましては、以下のとおりであります。
当社グループは、2022年4月より5か年(2022年度~2026年度)の中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」をスタートさせました。計画の2年目となる2023年度も外部環境が大きく変化していく中で力強く持続的に成長する企業グループを目指して、計画に掲げたビジネス戦略・マネジメント戦略を着実に遂行しました。
2023年度における中期経営計画の遂行状況は次のとおりであります。
<ビジネス戦略>中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」のビジネス戦略を着実に推進するため、社会の変化に応じた経営資源の機動的な配分を行い、3つの成長ドライバーに区分した7つの事業領域を中心にビジネス領域の拡大に取り組みました。
<3つの成長ドライバーと7つの事業領域>1 ライジングトランスフォーメーション<社会的な地殻変動を捉えた戦略的成長>●モビリティ
電気自動車(EV)導入に係るワンストップサービスの展開を進めるとともに、アライアンス先との連携を通じて、商用分野におけるEVの普及促進や新たな EV 関連サービスの開発に取り組みました。
また、物流領域における事業拡大を展望し、組織体制の整備を進めるとともに、アライアンス先との協業によるサービスメニューの拡充を図りました。
●サーキュラーエコノミー
返却されたリース物件を確実にリユース・リサイクルし、製品寿命の長期化と再資源化の向上を実現する「芙蓉サーキュラーエコノミーリースⓇ」の取扱いを開始し、循環型の製品ライフサイクルをお客様とともに推進しました。なお、リース業ならではの立場からサーキュラーエコノミーを推進している点を評価され、環境省が主催する第5回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」において、当社はサーキュラーエコノミー賞を受賞しております。
2 アクセラレーティングトランスフォーメーション<市場トレンドを捉えた加速度的成長>●エネルギー環境
再生可能エネルギー事業を国内外において積極的に拡大するとともに、再生可能エネルギー関連の情報が多く集まる英国・ロンドンに現地法人を新たに設立し、欧州マーケットにおける更なるビジネスの開拓に向けた組織体制の強化に取り組みました。 また、新たなビジネスとして、再生可能エネルギーの導入加速と電力系統の安定化に貢献する大規模系統用蓄電池事業に当社として初めて参画することで、更なる事業領域の拡大を進めました。
●BPO/ICT
AIの活用による新規ビジネスの創出・業務効率化を進めるべくアライアンス先との事業連携を進め、付加価値の高いBPOサービスの開発に取り組みました。また、インボイス制度の施行や電子帳簿保存法の改正に伴うお客様のシステム導入ニーズに対しては、連結子会社である株式会社WorkVisionとの連携営業を推進し、グループシナジーの創出に努めました。
●ヘルスケア
地域の安定したヘルスケア基盤構築への貢献を目指すことを目的に地域金融機関等と共同で立ち上げた「地域特化型ヘルスケアファンド」において、福島県の事業者を対象とした第1号案件を実行しました。また、連結子会社であるシャープファイナンス株式会社において歯科衛生士人材紹介サービス事業である「デンタルマッチ」を開始するなど、医療・介護事業者のニーズに応える多様なサービスの提供を進めております。
3 グロウイングパフォーマンス<中核分野の安定的成長>●不動産
リスクとリターンを意識した案件の選別、資産の入替えを進めることで、収益性を高めながら、事業ポートフォリオ全体のバランスを意識したアセットコントロールを進めました。
●航空機
リースニーズの高まりを捉え、保有機体数が増加しました。 また、当社グループとして初めて株式会社国際協力銀行と融資契約を締結し、外貨調達の多様化を通じて航空機リース事業における競争力の向上にも取り組みました。
<事業を通じた社会価値の創出>事業を通じた持続可能な社会の構築と企業としての継続的な成長の両立を実現するため、当社グループはCSVの考え方を経営の根幹に位置付け、サステナビリティに関する取組を強化しております。
中期経営計画においては、事業を通じて社会課題の解決に貢献するCSVの考え方に基づき、成長ドライバーに区分した7つの事業領域を、持続可能な地球環境の実現への貢献を目指す「環境」と、豊かな社会と健やかな人の実現への貢献を目指す「社会とひと」の分野にそれぞれ紐づけ、様々な取組を進めております。
「環境」分野では、質の高いカーボンクレジットの創出を行う森林ファンドへの参画や、「芙蓉サーキュラーエコノミーリースⓇ」の拡大などを通じて、気候変動問題の解決や循環型社会の実現に向けた取組を強化しました。加えて、持続可能な食糧システムを実現する可能性を持つ優れたスタートアップ企業を投資対象としたアグリ・フードテックファンドへの出資を実行するなど、生物多様性への対応も進めております。「社会とひと」の分野では、健康・福祉における安心の創出を目的として「地域特化型ヘルスケアファンド」などを通じた医療・福祉マーケットにおける経営支援を目的としたファイナンス機能の提供などを進めております。このような取組を推進していくことで、社会課題の解決と経済価値の同時実現による持続的な成長を目指してまいります。
<マネジメント戦略>ビジネス戦略を支える経営基盤を強化するため、マネジメント戦略では以下取組を進めました。
・ 持続的な価値創造に大切な「ひと」の育成に一層注力するため、より「学び」に専心できる環境としての研修専用施設「Fuyo Shared Value Creation Center」を新たに開設し、高付加価値人材の継続的な創出に向けた人的投資を積極的に進めております。
・ESGファイナンスによる資金調達強化を狙いにサステナブルファイナンス・フレームワーク(※1)を策定し、調達手段の多様化を進めました。なお、サステナビリティに関する取組みが評価され、環境省が主催する第5回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」の資金調達者部門において環境大臣賞(銀賞)、及びサーキュラーエコノミー賞を受賞しました。
・CDP(※2)により、気候変動分野における取組や情報開示が優れた企業として、最高評価の「Aリスト企業」に当社として初めて選定されております。
・中期経営計画の順調な進捗等が評価され、株式会社日本格付研究所(JCR)の当社長期発行体格付けが「A+」から「AA-」に引き上げられております。
※1 サステナブルファイナンスでの資金調達に先立ち、参照するべき国内外の原則や指針等で定められた要件に基づき、資金調達者が定める方針及び枠組み
※2 企業や自治体の環境情報開示を促進する活動を行う、英国に本部を置く国際的な非政府組織
以上のことから、当社グループの連結業績につきましては、次のとおりとなりました。
<営業取引の状況>[契約実行高]
当連結会計年度における契約実行実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 契約実行高(百万円) | 前年同期比(%) | |
| リース及び割賦 | 情報・事務用機器 | 122,428 | 103.3 |
| 産業・土木・建設機械 | 11,533 | 110.4 | |
| その他 | 115,022 | 114.8 | |
| ファイナンス・リース計 | 248,985 | 108.7 | |
| 情報・事務用機器 | 4,194 | 130.7 | |
| 産業・土木・建設機械 | 2,474 | 68.3 | |
| その他 | 352,079 | 156.4 | |
| オペレーティング・リース計 | 358,748 | 154.7 | |
| リース計 | 607,734 | 131.8 | |
| 割賦 | 26,409 | 122.9 | |
| リース及び割賦計 | 634,143 | 131.4 | |
| ファイナンス | 1,096,362 | 104.6 | |
| その他 | 12,334 | - | |
| 合計 | 1,742,841 | 113.8 | |
(注)1.オペレーティング・リースは、賃貸物件の取得価額を記載しております。なお、再リース取引の実行額は含んでおりません。
2.リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の購入金額、割賦については、実行時の割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
3.その他の対前年同期比は1,000%を超えているため「-」で記載しております。
契約実行高は前年同期比13.8%増加となりました。
「リース及び割賦」については、中期経営計画で注力しているオペレーティング・リースを中心に不動産及び航空機の取組み拡大等が寄与し、増加しております。
「ファイナンス」については、国内子会社のアクリーティブ株式会社におけるFPSメディカルの取扱高の積上げが進んだこと等により増加しております。
「その他」については、福島県の「鮫川青生野太陽光発電所」が商業運転を開始したこと等により増加しております。
[営業資産残高]
連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||
| 期末残高 (百万円) | 構成比(%) | 期末残高 (百万円) | 構成比(%) | ||
| リース及び割賦 | 情報・事務用機器 | 333,945 | 12.3 | 311,115 | 10.8 |
| 産業・土木・建設機械 | 92,517 | 3.4 | 75,861 | 2.7 | |
| その他 | 464,338 | 17.2 | 471,754 | 16.4 | |
| ファイナンス・リース計 | 890,802 | 32.9 | 858,731 | 29.9 | |
| 情報・事務用機器 | 6,440 | 0.2 | 6,590 | 0.2 | |
| 産業・土木・建設機械 | 36,220 | 1.4 | 33,348 | 1.2 | |
| その他 | 754,695 | 27.9 | 896,188 | 31.1 | |
| オペレーティング・リース計 | 797,356 | 29.5 | 936,126 | 32.5 | |
| リース計 | 1,688,159 | 62.4 | 1,794,858 | 62.4 | |
| 割賦 | 52,791 | 2.0 | 49,906 | 1.7 | |
| リース及び割賦計 | 1,740,951 | 64.4 | 1,844,765 | 64.1 | |
| ファイナンス | 934,167 | 34.5 | 993,887 | 34.5 | |
| その他 | 29,407 | 1.1 | 38,796 | 1.4 | |
| 合計 | 2,704,526 | 100.0 | 2,877,449 | 100.0 | |
(注)割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
営業資産残高は、前連結会計年度末比6.4%の増加となっております。
「リース及び割賦」については、成長ドライバーに位置付ける事業領域である不動産及び航空機等を中心にオペレーティング・リースの積上げが進んだことにより増加しております。
「ファイナンス」については、欧州を中心とした再生可能エネルギー事業への出資の拡大等により増加しております。
「その他」については、太陽光発電所が新たに商業運転を開始したことにより増加しております。
[営業実績]
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
前連結会計年度
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) | |
| リース及び割賦 | ファイナンス・リース | 418,400 | - | - | - | - |
| オペレーティング・リース | 163,388 | - | - | - | - | |
| リース計 | 581,789 | 522,375 | 59,413 | 5,374 | 54,038 | |
| 割賦 | 30,074 | 28,877 | 1,197 | 226 | 971 | |
| リース及び割賦計 | 611,863 | 551,252 | 60,611 | 5,601 | 55,009 | |
| ファイナンス | 26,208 | 1,198 | 25,009 | 5,170 | 19,838 | |
| その他 | 50,583 | 27,938 | 22,644 | 176 | 22,468 | |
| 合計 | 688,655 | 580,390 | 108,264 | 10,948 | 97,316 | |
当連結会計年度
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) | |
| リース及び割賦 | ファイナンス・リース | 319,722 | - | - | - | - |
| オペレーティング・リース | 271,608 | - | - | - | - | |
| リース計 | 591,330 | 517,082 | 74,247 | 8,461 | 65,786 | |
| 割賦 | 28,503 | 27,374 | 1,129 | 329 | 800 | |
| リース及び割賦計 | 619,834 | 544,457 | 75,377 | 8,790 | 66,586 | |
| ファイナンス | 32,670 | 5,142 | 27,528 | 9,850 | 17,677 | |
| その他 | 56,032 | 30,368 | 25,664 | 358 | 25,305 | |
| 合計 | 708,538 | 579,967 | 128,570 | 19,000 | 109,570 | |
(注)売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
セグメントごとの財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[売上高、売上原価、差引利益]
(リース及び割賦)
リース及び割賦の売上高は、前年度比79億7千万円(1.3%)増加して6,198億3千4百万円となりました。売上原価は前年度比67億9千5百万円(1.2%)減少して5,444億5千7百万円となり、リース及び割賦における差引利益は前年度比147億6千6百万円(24.4%)増加して753億7千7百万円となりました。これは主として、不動産分野で大口の売却益を計上したこと、航空機分野で旅客需要がコロナ前の水準まで回復し、エアラインからのリース料回収の正常化が進んだこと、海外のモビリティ分野で前連結会計年度末をみなし取得日としてPacific Rim Capital,Inc.を持分法適用の関連会社から連結子会社化したことなどによるものであります。
(ファイナンス)
ファイナンスの売上高は、前年度比64億6千2百万円(24.7%)増加して326億7千万円となりました。売上原価は前年度比39億4千3百万円(328.9%)増加して51億4千2百万円となり、ファイナンスにおける差引利益は、前年度比25億1千9百万円(10.1%)増加して275億2千8百万円となりました。これは主として、貸付金利息や匿名組合出資利益等のファイナンス収益の増加によるものであります。
(その他)
その他の売上高は、前年度比54億4千9百万円(10.8%)増加して560億3千2百万円となりました。売上原価は前年度比24億2千9百万円(8.7%)増加して303億6千8百万円となり、その他における差引利益は前年度比30億2千万円(13.3%)増加して256億6千4百万円となりました。これは主として、BPO/ICT分野でインボイス制度や電子帳票保存法の需要を取込んだこと、エネルギー環境分野で太陽光発電所が新たに商業運転を開始したこと等によるものであります。
[営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益]
成長ドライバーに位置付けるモビリティ、不動産、航空機などの事業領域の拡大により、利益の源泉である基礎的な収益、即ち「差引利益」(資金原価控除前売上総利益)が前年度比203億5百万円(18.8%)増加して1,285億7千万円となりました。
コスト面では、グループの拡大に伴い人物件費が前年度比41億7千9百万円(9.5%)増加して482億6千8百万円となりました。資金原価は外貨を中心とした調達残高の増加及び調達金利の上昇が影響し、前年度比80億5千1百万円(73.5%)増加して190億円となりました。
この結果、営業利益は前年度比16.5%増加の600億4千6百万円、経常利益は前年度比14.5%増加の683億5千5百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度比21.3%増加の472億1千9百万円となりました。
[純資産、自己資本比率]
株主資本合計は利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末比11.4%増加の3,531億7千1百万円となり、当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末比671億2千9百万円(16.4%)増加して4,773億2千6百万円となりました。
自己資本比率は、前連結会計年度末比1.1ポイント上昇して12.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析・検討内容につきましては、以下のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,120億9千8百万円の支出(前連結会計年度は241億4千9百万円の支出)となりました。主な変動要因は、賃貸資産の取得による支出の増加、リース債権及びリース投資資産の増減額の減少、賃貸資産除却損及び売却原価が増加したことなどによるものであります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、30億6千2百万円の支出(前連結会計年度は123億9千3百万円の支出)となりました。主な変動要因は、投資有価証券の取得による支出の減少、投資有価証券の売却及び償還による収入が増加したことなどによるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,318億円の収入(前連結会計年度は840億4千2百万円の収入)となりました。主な変動要因は、間接調達では長期借入れによる収入及び長期借入金の返済による支出が増加したこと、直接調達ではコマーシャル・ペーパーの純増減額が減少したことなどによるものであります。
b.契約債務
2024年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
| 年度別要支払額(百万円) | ||||||
| 契約債務 | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 558,104 | - | - | - | - | - |
| 長期借入金 | 422,660 | 340,474 | 284,209 | 165,978 | 122,695 | 62,722 |
| リース債務 | 2,038 | 1,113 | 877 | 476 | 387 | 1,099 |
| 合計 | 982,803 | 341,587 | 285,086 | 166,454 | 123,083 | 63,821 |
当社グループの第三者に対する保証は、取引先等の借入金等に対する債務保証であります。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2024年3月31日現在の債務保証額は、1,209億5千万円であります。
c.財務政策
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、金融機関からの借入による間接調達と市場からの直接調達により資金調達することとしております。
当連結会計年度は、営業資産の積上げを背景に社債(ハイブリッド社債含む)や長期借入金による調達を拡大しました。また非財務目標に紐づくESGファイナンスの取組みを推進しております。
当連結会計年度末において、間接調達は、長期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末比8.2%増加して1兆9,568億4千5百万円となり、直接調達は、社債を発行したことなどにより、前連結会計年度末比2.8%増加して7,257億4千9百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の調達残高は、前連結会計年度末比6.7%増加して2兆6,825億9千5百万円となりました。直接調達比率は27.1%となり、前連結会計年度末比1.0ポイント低下いたしました。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、賃貸資産及び割賦販売物件の購入、営業投資有価証券の購入、太陽光発電設備の設備投資のほか、営業費用、販売費及び一般管理費等であります。
2024年3月31日現在、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、前連結会計年度末比6.6%増加して2兆6,885億8千7百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,406億7千4百万円となっております。
当連結会計年度末において、取引金融機関80行等と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。(借入実行残高5,428億7千3百万円、借入未実行残高7,510億1千4百万円)
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2022年度より新中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」をスタートさせております。経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える仮定や見積りを必要とします。これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。
連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
a.貸倒引当金
当社グループは、債権の回収不能時に発生する損失の見積額に対して貸倒引当金を計上しております。貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。貸倒引当金の金額は、以後の各連結会計年度の貸倒の発生や個別債権の回収の状況等に応じて貸倒実績率や個別債権の回収可能性の判断が変化することで、追加引当が必要となる可能性があります。
b.固定資産(賃貸資産等)の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初想定した収益が見込めなくなった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合には、固定資産の減損処理を行う可能性があります。
c.のれんの減損
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、当期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。