有価証券報告書-第33期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 9:45
【資料】
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【項目】
136項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は6,486百万円となり、前連結会計年度末に比べ745百万円増加いたしました。
当連結会計年度末の負債合計は2,135百万円となり、前連結会計年度末に比べ334百万円増加いたしました。
当連結会計年度末の純資産合計は4,350百万円となり、前連結会計年度末に比べ411百万円増加いたしました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高12,008百万円(前期比13.0%増)、営業利益900百万円(前期比12.2%増)、経常利益は905百万円(前期比11.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益630百万円(前期比11.2%増)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、従来報告セグメントとして開示しておりました「語学教育事業」について、報告セグメントから除外し「その他」の区分に変更しております。また、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
翻訳事業は、売上高8,506百万円(前期比12.0%増)となりました。
派遣事業は、売上高1,192百万円(前期比5.7%増)となりました。
通訳事業は、売上高1,039百万円(前期比11.3%増)となりました。
コンベンション事業は、売上高677百万円(前期比36.3%増)となりました。
その他のセグメントは、売上高593百万円(前期比27.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,352百万円となり、前連結会計年度末に比べ22百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは441百万円の収入(前期は618百万円の収入)となりました。
主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上による収入954百万円および売上債権の増加による支出572百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは230百万円の支出(前期は676百万円の支出)となりました。
主な要因は、無形固定資産の取得による支出216百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは231百万円の支出(前期は106百万円の支出)となりました。
主な要因は、自己株式の取得による支出123百万円および配当金の支払額97百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
翻訳事業(千円)4,538,319112.7
コンベンション事業(千円)495,283135.9
その他(千円)54,455106.9
合計(千円)5,088,058114.5

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.内部取引については相殺消去しております。
3.派遣事業、通訳事業については、生産に該当する事項がないため記載を省略しております。
b.受注実績
当社の業務においては、受注時に翻訳内容(言語、納品日、納品形態等)は決定されますが、受注金額の算定基礎となるページ数、ワード数、文字数等が確定しないため、受注金額の記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
翻訳事業(千円)8,506,160112.0
派遣事業(千円)1,192,129105.7
通訳事業(千円)1,039,664111.3
コンベンション事業(千円)677,232136.3
その他(千円)593,568127.0
合計(千円)12,008,756113.0

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.当連結会計年度における主な相手先に対する販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれの相手先も当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結会計年度末における資産・負債および連結会計年度の収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の経営成績等
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は5,220百万円となり、前連結会計年度末に比べ552百万円増加いたしました。これは主に受取手形及び売掛金が増加したことによるものであります。固定資産は1,265百万円となり、前連結会計年度末に比べ193百万円増加いたしました。これは主に社内システムの開発費用の計上により無形固定資産が増加したことによるものであります。
この結果、総資産は6,486百万円となり、前連結会計年度末に比べ745百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,974百万円となり、前連結会計年度末に比べ256百万円増加いたしました。これは主に買掛金が増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は2,135百万円となり、前連結会計年度末に比べ334百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は4,350百万円となり、前連結会計年度末に比べ411百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上および剰余金の配当によるものであります。
2)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景に緩やかな回復基調が続く一方、米国の通商政策による貿易摩擦や金融資本市場の変動の影響、英国におけるEU離脱問題など世界経済における不確実性の高まりから、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
このような環境のもと、当社グループは2019年3月期からの3カ年計画である第四次中期経営計画に基づき、中核事業である翻訳事業の持続的成長を目指すともに翻訳支援ツールや機械翻訳など最先端技術の積極的な活用を推し進め、企業のグローバル展開に伴う翻訳・通訳需要の獲得に努めてまいりました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高、利益ともに過去最高を更新いたしました。
売上高は、当社グループのコアビジネスである翻訳事業が堅調に推移したことに加えM&Aの連結効果発現により、前期比13.0%増の12,008百万円となりました。営業利益は、翻訳事業の増収効果と粗利率の改善により前期比12.2%増の900百万円、経常利益は前期比11.4%増の905百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比11.2%増の630百万円となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(翻訳事業)
特許分野では、主要顧客である特許事務所からの受注が好調に推移したことに加え企業の知的財産関連部署との取引も順調なことから、売上高は前期比13.7%増の2,139百万円となりました。医薬分野では、国内外の製薬会社からの安定した受注に加え、CRO(医薬品開発受託機関)との取引が順調に推移し、売上高は前期比5.5%増の2,897百万円となりました。工業・ローカライゼーション分野では、株式会社メディア総合研究所が連結対象に加わったことにより、売上高は前期比21.6%増の2,725百万円となりました。金融・法務分野では、企業の管理系部署との取引が堅調なことから、売上高は前期比1.9%増の744百万円となりました。
これらの結果、翻訳事業の売上高は前期比12.0%増の8,506百万円となりました。
(派遣事業)
語学スキルの高い人材を派遣する派遣事業においては、金融関連企業やITサービス関連企業、医薬品関連企業からの求人が順調に推移し、売上高は前期比5.7%増の1,192百万円となりました。
(通訳事業)
通訳事業においては、大手情報通信関連企業や医薬品関連企業、IR通訳案件などの受注が好調に推移したこと
から、売上高は前期比11.3%増の1,039百万円となりました。
(コンベンション事業)
コンベンション事業においては、「第8回太平洋・島サミット」、「第5回国際女性会議 WAW!/W20」などの
国際会議や「第49回日本人工関節学会」などの医学会案件の受託・運営が寄与し、売上高は前期比36.3%増の
677百万円となりました。
(その他)
その他のセグメントにおいては、外国への特許出願に伴う明細書の作成や出願手続きを行う株式会社外国出願
支援サービスが好調に推移したこと、株式会社メディア総合研究所のIT事業の売上が加わったことなどから、売
上高は前期比27.0%増の593百万円となりました。
なお、IT事業は当連結会計年度において売却しております。
3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。運転資金需要のうち主なものは、登録スタッフである翻訳者・通訳者等への仕入費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備資金需要につきましては、主に事務所等の建物附属設備や情報処理・翻訳制作工程に利用するための無形固定資産への投資等があります。
当社グループの現在の運転資金につきましては、内部資金より充当しておりますが、必要に応じて外部より調達することがあります。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,352,217千円であり、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高はありません。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2021年3月期を最終期とする第四次中期経営計画において、売上高営業利益率10%および自己資本利益率(ROE)15%以上を経営指標として定めてまいりました。この結果、当連結会計年度の売上高営業利益率は前年比0.1%減の7.4%、自己資本利益率(ROE)は前年と同水準の15.2%となりました。
当社グループはこれら経営指標の達成に向け、さらなる収益性と資本効率の向上を目指してまいります。