有価証券報告書-第32期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 9:59
【資料】
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【項目】
101項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は5,741百万円となり、前連結会計年度末に比べ629百万円増加いたしました。
当連結会計年度末の負債合計は1,801百万円となり、前連結会計年度末に比べ168百万円増加いたしました。
当連結会計年度末の純資産合計は3,939百万円となり、前連結会計年度末に比べ461百万円増加いたしました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高10,618百万円(前期比3.9%増)、営業利益802百万円(前期比15.0%増)、経常利益は812百万円(前期比16.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益566百万円(前期比27.5%増)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
翻訳事業は、売上高7,593百万円(前期比7.9%増)となりました。
派遣事業は、売上高1,127百万円(前期比25.1%増)となりました。
通訳事業は、売上高933百万円(前期比19.2%増)となりました。
語学教育事業は、売上高197百万円(前期比6.0%減)となりました。
コンベンション事業は、売上高496百万円(前期比55.1%減)となりました。
その他のセグメントは、売上高269百万円(前期比48.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,374百万円となり、前連結会計年度末に比べ167百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは618百万円の収入(前期は650百万円の収入)となりました。
主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上による収入824百万円および法人税等の支払額284百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは676百万円の支出(前期は43百万円の支出)となりました。
主な要因は、株式会社メディア総合研究所および株式会社みらい翻訳の株式の取得に係る、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出454百万円、投資有価証券の取得による支出167百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは106百万円の支出(前期は104百万円の支出)となりました。
主な要因は、配当金の支払額92百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
翻訳事業(千円)4,026,701103.9
コンベンション事業(千円)364,28550.3
その他(千円)50,918108.1
合計(千円)4,441,90595.6

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.内部取引については相殺消去しております。
3.派遣事業、通訳事業および語学教育事業については、生産に該当する事項がないため記載を省略しております。
b.受注実績
当社の業務においては、受注時に翻訳内容(言語、納品日、納品形態等)は決定されますが、受注金額の算定基礎となるページ数、ワード数、文字数等が確定しないため、受注金額の記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
翻訳事業(千円)7,593,742107.9
派遣事業(千円)1,127,073125.1
通訳事業(千円)933,918119.2
語学教育事業(千円)197,96493.9
コンベンション事業(千円)496,86444.8
その他(千円)269,337148.9
合計(千円)10,618,900103.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.当連結会計年度における主な相手先に対する販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれの相手先も当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結会計年度末における資産・負債および連結会計年度の収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の経営成績等
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は4,783百万円となり、前連結会計年度末に比べ151百万円増加いたしました。これは主に受取手形及び売掛金が増加したことによるものです。固定資産は957百万円となり、前連結会計年度末に比べ478百万円増加いたしました。これは主に株式会社メディア総合研究所の子会社化により、のれんが増加したことによるものです。
この結果、総資産は5,741百万円となり、前連結会計年度末に比べ629百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,718百万円となり、前連結会計年度末に比べ175百万円増加いたしました。これは主に賞与引当金が増加したことによるものです。
この結果、負債合計は1,801百万円となり、前連結会計年度末に比べ168百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は3,939百万円となり、前連結会計年度末に比べ461百万円増加いたしました。これは主に当期純利益の計上等により、利益剰余金が増加したことによるものです。
2)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の政策動向における影響やアジア地域における地政学リスク等、先行き不透明な状況ではあるものの、企業収益や雇用環境の改善を背景に景気は緩やかな回復基調が続きました。
このような環境のもと、当社グループでは当連結会計年度を最終期とする第三次中期経営計画において、言葉に関する事業領域の拡大による新たな価値創造を推し進め、企業のグローバル展開に伴う翻訳・通訳需要の獲得に努めてまいりました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高、利益ともに過去最高を更新いたしました。
売上面においては、コアビジネスである翻訳事業が前期比7.9%増と順調に推移したことに加え、派遣事業の売上高が前期比25.1%増加、通訳事業の売上高が前期比19.2%増加したことからコンベンション事業の低迷をカバーし、売上高は前期比3.9%増の10,618百万円となりました。利益面においては、増収効果に加え粗利率が改善したことから、営業利益は前期比15.0%増の802百万円、経常利益は前期比16.1%増の812百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比27.5%増の566百万円となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(翻訳事業)
特許分野では、特許事務所における受注が好調に推移したことから、売上高は前期比3.0%増の1,880百万円となりました。医薬分野では、国内外の製薬会社との安定した取引に加え、CRO(医薬品開発受託機関)や医療機器関連企業における受注拡大から、売上高は前期比12.2%増の2,744百万円となりました。工業・ローカライゼーション分野では、自動車関連企業からの受注が好調に推移したことに加え、株式会社メディア総合研究所の連結効果により、売上高は前期比10.8%増の2,239百万円となりました。金融・法務分野では、企業の管理系部署との取引は好調なものの、金融機関向けの売上が伸長せず、前期比2.1%減の729百万円となりました。
これらの結果、翻訳事業の売上高は前期比7.9%増の7,593百万円となりました。
(派遣事業)
語学スキルの高い人材を派遣する派遣事業においては、金融関連企業やITサービス関連企業、医薬品関連企業からの求人が好調に推移し、売上高は前期比25.1%増の1,127百万円となりました。
(通訳事業)
通訳事業においては、大手情報通信関連企業や医薬品関連企業、IR通訳案件等の受注が好調に推移したことから、売上高は前期比19.2%増の933百万円となりました。
(語学教育事業)
語学教育事業においては、通訳者・翻訳者育成講座の集客が前期を下回ったことから、売上高は前期比6.0%減の197百万円となりました。
(コンベンション事業)
コンベンション事業においては、大型国際会議の多かった前期の反動減により、売上高は前期比55.1%減の496百万円となりました。
(その他)
その他のセグメントにおいては、外国への特許出願に伴う明細書の作成や出願手続きを行う株式会社外国出願支援サービスが好調に推移したこと、また株式会社メディア総合研究所のIT事業の売上が加わったこと等から、売上高は前期比48.9%増の269百万円となりました。
3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。運転資金需要のうち主なものは、登録スタッフである翻訳者・通訳者等への仕入費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備資金需要につきましては、主に事務所等の建物附属設備や情報処理・翻訳制作工程に利用するための無形固定資産への投資等があります。
当社グループの現在の運転資金につきましては、内部資金より充当しておりますが、必要に応じて外部より調達することがあります。
なお、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は10,075千円、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,374,307千円となっております。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、当連結会計年度を最終期とする第三次中期経営計画において、売上高営業利益率8%および自己資本利益率(ROE)10%以上を経営指標として定めてまいりました。この結果、当連結会計年度の売上高営業利益率は7.5%(前年同期より0.7%増加)、自己資本利益率(ROE)は15.2%(前年同期より1.8%増加)となりました。
2019年3月期からの3ヶ年計画である第四次中期経営計画において、新たな経営指標として売上高営業利益率10%および自己資本利益率(ROE)15%以上を定めております。当社グループはこれら経営指標の達成に向け、さらなる収益性と資本効率の向上を目指してまいります。