四半期報告書-第17期第3四半期(2023/10/01-2023/12/31)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策緩和等を背景に、雇用環境の改善や個人消費の持ち直しなどにより緩やかな回復基調で推移しました。一方で、世界的な金融引き締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクや、物価上昇、ウクライナや中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等による影響に注視が必要な状況が続きました。
当社グループを取り巻く環境としましては、鉱工業生産が伸び悩み、製造業における新規求人数は減少(※1)しました。そのような中でも、自動車関連メーカーは半導体等の部材不足の影響が緩和し、生産活動が緩やかな回復基調にありますが、半導体製造装置メーカーや半導体メーカーでは2022年秋口から継続する在庫調整等の影響を受け、生産活動が停滞する状況が継続しています。生産工程の有効求人倍率は2022年12月の2.07倍をピークに低下を続けており、2023年12月では1.74倍と生産工程における人材需給は緩和傾向となっています。
このような状況の下、当社グループは第4次中期経営計画(2021年3月期~2025年3月期)で掲げる「より多くのはたらく人に応えられるキャリアプラットフォームへ」の中期経営目標のもと、「大手製造業向けワンストップ戦略」、「地域プラットフォーム戦略」及び「ソリューション戦略」を成長戦略として推し進めてまいりました。中核事業領域である大手製造業向け人材派遣において、半導体製造装置エンジニアの育成・強化による顧客工場内の全工程でのシェアの拡大を進めるとともに、地域の有力派遣事業者との業務提携やM&Aによる地域の職場での安定的な雇用環境の整備、併せて大手企業グループ向けの人材流動化支援を進め、事業基盤のさらなる強化・拡大に取り組みました。
当第3四半期連結累計期間は、製造業における人材需要が停滞する中、とりわけ半導体製造装置メーカーや半導体メーカーを中心に人材需要が低調だったことから売上高が減少しました。費用につきましては、さらなる事業成長のための月間2,000名採用体制構築等にかかる投資費用の増加及び既存顧客における需要の回復や新規顧客の開拓に伴う受注の増加に対応するために採用関連費の増加があったものの、要員計画の見直し等による人件費の抑制に加え、前第3四半期連結会計期間に計上した株式報酬費用の剥落により、前年同期比で減少しました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高125,124百万円(前年同期128,092百万円、2.3%の減収)、営業利益8,240百万円(前年同期5,606百万円、47.0%の増益)、EBITDA(※2)9,410百万円(前年同期12,082百万円、22.1%の減少)、経常利益8,252百万円(前年同期5,526百万円、49.3%の増益)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,717百万円(前年同期1,758百万円、225.0%の増益)、技術職社員数は47,432名(前年同期46,549名、883名の増加)となりました。
※1.出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」
※2.EBITDA=営業利益+減価償却費(有形・無形固定資産)+のれん償却額+株式報酬費用
セグメント毎の経営成績は、以下のとおりであります。
(マニュファクチャリング事業)
「産業・業務用機械関連分野」「エレクトロニクス関連分野」においては、半導体の在庫調整等の影響が継続したことを受け人材需要は軟調に推移しました。一方で「輸送機器関連分野」においては部材不足の影響が緩和したことにより自動車関連メーカーの生産活動が回復し、当第3四半期連結会計期間より採用活動を強化しました。
なお、第1四半期連結会計期間において、より顧客企業に最適なサービスを提供するため、顧客企業の一部の派遣元をマニュファクチャリング事業に属する事業会社からエリア事業に属する事業会社へ移管し、これに伴い約1,900名の技術職社員が転出いたしました。
本件に伴う、過去のセグメント情報との比較情報については、四半期決算補足説明資料(当社ホームページに掲載の「2024年3月期 第3四半期 決算説明資料」)をご参照ください。
以上の結果、売上高49,522百万円(前年同期62,274百万円、20.5%の減収)、セグメント利益5,859百万円(前年同期8,528百万円、31.3%の減益)、技術職社員数11,356名(前年同期14,597名、3,241名の減少)となりました。
(エリア事業)
製造業全般において生産活動が停滞する中、求職者の多様なニーズに応えるためにインサイドセールスを強化し、各地域における顧客開拓と営業基盤の強化に注力いたしました。また、既存顧客における求人案件の多様化にも注力し、これをもとにした採用活動を進めました。加えて上述のとおり、顧客企業ごとに最適なサービスを提供することを目的に、顧客企業の一部の派遣元をマニュファクチャリング事業よりエリア事業へ移管したことに伴い、約1,900名の技術職社員が転入したことで技術職社員数が増加し増収に寄与いたしました。費用については、営業体制強化による人員増加や案件の開拓に伴い採用活動を強化したこと等により増加しました。
以上の結果、売上高47,650百万円(前年同期38,254百万円、24.6%の増収)、セグメント利益1,702百万円(前年同期1,561百万円、9.1%の増益)、技術職社員数15,934名(前年同期13,095名、2,839名の増加)となりました。
(ソリューション事業)
新たなソリューション案件の獲得に向けた提案活動を進めるとともに、新規顧客企業の開拓や幅広い年代の技術職社員の活躍が期待できる請負案件開拓に取り組みました。一方で、一部の請負案件が終了したこと等により、売上高が減少しました。
以上の結果、売上高13,512百万円(前年同期13,936百万円、3.0%の減収)、セグメント利益0百万円(前年同期156百万円、99.7%の減益)、技術職社員数3,298名(前年同期3,116名、182名の増加)となりました。
(エンジニアリング事業)
今年4月に迎え入れた新卒入社社員184名が早期に稼働を開始しております。建設技術者分野、IT技術者分野における旺盛な需要動向を踏まえ、例年以上に積極的に2024年4月入社の新卒採用に取り組んだことで採用関連費用が増加しました。加えて、営業や採用等の事業体制増強に伴い人件費が増加いたしました。また、建設技術者分野では、顧客企業とのリレーション強化と技術職社員のキャリア形成支援を目的として、当第3四半期連結累計期間で103名の顧客企業への転籍が実現しました。
以上の結果、売上高6,935百万円(前年同期6,772百万円、2.4%の増収)、セグメント利益750百万円(前年同期790百万円、5.0%の減益)、技術職社員数1,548名(前年同期1,533名、15名の増加)となりました。
(海外事業)
世界景気減速の影響からベトナムの主要輸出産業の生産活動が停滞したことで、製造業の顧客企業を中心に人材需要が低減しましたが、サービス職種の案件獲得に取り組んだことで技術職社員数が増加しました。加えて、営業活動地域の拡大として従前より拠点を有するホーチミン市を中心とする南部地域から、ハノイ市を中心とする北部地域まで活動範囲を広げ、日系企業からの案件獲得に注力いたしました。また、2020年10月に行われたGreen Speed Joint Stock Companyの株式取得における条件付取得対価の総額が確定したことにより、当期の第1四半期連結会計期間に新たにのれん687百万円を計上するとともに、当該のれんに関して当初株式取得時から取得対価の確定日までの期間に対応するのれん償却額129百万円を、取得対価が確定した当期の第1四半期連結累計期間において同時に計上しております。
以上の結果、売上高7,536百万円(前年同期6,871百万円、9.7%の増収)、セグメント損失47百万円(前年同期154百万円の利益)、技術職社員数15,296名(前年同期14,208名、1,088名の増加)となりました。
なお、海外事業につきましては、決算日が12月末日であることから2023年1~9月期の実績を3ヶ月遅れで当第3四半期連結累計期間に計上しております。
② 財政状態
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は51,473百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,311百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が3,653百万円及び受取手形及び売掛金が607百万円減少したことによるものであります。固定資産は15,373百万円となり、前連結会計年度末に比べ472百万円減少いたしました。これは主にGreen Speed Joint Stock Companyの株式取得における条件付取得対価の総額が確定し、のれんが687百万円増加したものの、J-CEP株式会社の売却により、投資有価証券が1,025百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は66,846百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,784百万円減少いたしました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は23,680百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,223百万円減少いたしました。これは主に第3四半期連結会計期間末が休日であった影響で預り金及び未払費用が2,233百万円増加したものの、未払法人税等が3,375百万円及び未払消費税等が1,739百万円減少したことによるものであります。固定負債は9,904百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,894百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が3,712百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は33,584百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,117百万円減少いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は33,261百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,333百万円増加いたしました。これは主に株主還元としての自己株式取得2,817百万円を行ったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益を5,717百万円計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は38.8%(前連結会計年度末は31.8%)となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略等
当社は、2022年秋口から続く世界景気減速の影響を受け、2024年3月期の前半において製造業全般で生産活動が停滞したことに加え、足元においても半導体関連の顧客企業を中心として想定を下回る需要推移となっていること、及び本格的な回復迄には半年~1年程の遅れを見込むことから、現在進行中の第4次中期経営計画(2021年3月期~2025年3月期、以下「当初計画」)の内容及び計画期間を見直し、以下のとおりローリングプラン(以下、「本プラン」)を策定いたしました。本プランの概要につきましては、以下のとおりです。
① コンセプト
一人ひとりの成長の積み重ねがUTグループの成長につながります。これがUTグループの人的資本経営の根底にある考え方であり、「多様性(多様な人が働きやすい職場作り)」×「市場価値(一人ひとりの価値の向上)」×「エンゲージメント(はたらく人との長期的な関係構築)」、この掛け算を大きくし続けていくことが当社グループの持続成長とパーパスの実現を可能とします。
日本の労働市場は、少子高齢化の進行による生産年齢人口の減少を背景として、人手不足の深刻化が進んでいます。製造業の顧客企業に求められるのは、いかに十分な労働力を確保し、生産性の向上を果たせるかということであり、製造業での派遣活用の方法は従来の一時的な労働力の確保から正社員に代わる労働力としての派遣活用に変化しています。求人に対して、労働者を集めて派遣する従来の採用を代行する機能だけでは不十分で、多様な人が働くことができ、キャリア形成を通じて生産性を高められる環境をつくることがますます重要になっています。そして、このような対応が可能な派遣事業者への期待がさらに高まることが予想されます。
このような世の中の様々な変化は当社グループの大きな転換点です。本プランでは“製造派遣ではたらく人に選ばれるために私たちは何をするのか?”これを全ての考え方の軸として、「派遣」という働き方をはたらく人へのサービスとして捉え、その利便性を高めることではたらく人に選ばれる状況をつくることに一層こだわり、製造派遣市場で最も選ばれる派遣会社を目指してまいります。現在3万2千人の国内技術職社員数は、最終年度には5万人規模まで拡大を図ってまいります。新しい製造派遣の在り方を全社一体となって創り上げたい、これが製造派遣のリーディングカンパニーとしてUTグループの役割であり、私たちの意志です。
② 戦略(骨子)
「派遣」というはたらき方の利便性を高めていくこと、月間2,000名採用を常態化させることを実現します。中核であるマニュファクチャリング事業及びエリア事業を成長のドライバーとして、製造派遣市場でのシェアの拡大を図ります。マニュファクチャリング事業では、工場ではたらく人の価値を高めて顧客内シェアの最大化を、エリア事業では地元ではたらく人のニーズに応えることで各地の地域一番店を目指してまいります。その他事業では、日系外国人の活用等、より多様なはたらく人に活躍の機会を提供できるよう第3の柱となる事業を育ててまいります。また、M&Aによる規模拡大は引き続き注力しますが、“日本の製造派遣ではたらく人”にとって意義のあるものであることを軸とします。
数値目標は以下のとおりですが、派遣事業の規模拡大に伴う管理業務等の集約化進めることで収益性を改善し、持続的なEPS成長を目指してまいります。
③ 計画期間
最終年度を1年後ろ倒しにし、2026年3月期といたします。
④ 数値目標
(注) 1.2025年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益には、本日公表の「特別利益(関係会社株式売却益)の計上に関するお知らせ」のとおり、特別利益の計上額を概算で反映しております。
2.2025年3月期及び2026年3月期のEPSは、潜在株式調整後EPSであります。
3.2025年3月期及び2026年3月期のROEは、新株予約権の行使に伴う自己資本増加考慮後であります。
⑤ 財務・資本戦略、利益配分の考え方
資本効率の向上及び財務健全性の維持、株主還元の充実のバランスを重視して、キャッシュアロケーションを適切に管理してまいります。また、資本コストを踏まえ、M&A等の事業投資計画を勘案した内部留保の適正化を目指してまいります。本プランにおける数値目標・目指す水準は以下のとおりです。
・のれん自己資本比率 50%以下
・ネットDEレシオ 0.5倍以下
・配当性向 60%
なお、この度、株主還元方針を再考しております。当社グループの持続的な成長に必要なM&A活動等の事業投資や財務健全性のバランスを考慮しましても、十分なキャッシュポジションを確保できる見込みであることから、これまで配当金もしくは自己株式取得により「総還元性向30%」としていたものを、「配当性向60%」の配当金による還元を安定的に実施することといたします。詳細は、本日公表の「株主還元方針の変更、2024年3月期株主還元方法の決定及び2024年3月期の配当予想に関するお知らせ」をご覧ください。
本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載の「第4次中期経営計画ローリングプラン」をご参照ください。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
2023年11月13日に公表しました2024年3月期通期連結業績予想(2023年4月1日~2024年3月31日)に変更はあ りません。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当第3四半期連結累計期間において、経営者の問題認識と今後の方針について重要な変更はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策緩和等を背景に、雇用環境の改善や個人消費の持ち直しなどにより緩やかな回復基調で推移しました。一方で、世界的な金融引き締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクや、物価上昇、ウクライナや中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等による影響に注視が必要な状況が続きました。
当社グループを取り巻く環境としましては、鉱工業生産が伸び悩み、製造業における新規求人数は減少(※1)しました。そのような中でも、自動車関連メーカーは半導体等の部材不足の影響が緩和し、生産活動が緩やかな回復基調にありますが、半導体製造装置メーカーや半導体メーカーでは2022年秋口から継続する在庫調整等の影響を受け、生産活動が停滞する状況が継続しています。生産工程の有効求人倍率は2022年12月の2.07倍をピークに低下を続けており、2023年12月では1.74倍と生産工程における人材需給は緩和傾向となっています。
このような状況の下、当社グループは第4次中期経営計画(2021年3月期~2025年3月期)で掲げる「より多くのはたらく人に応えられるキャリアプラットフォームへ」の中期経営目標のもと、「大手製造業向けワンストップ戦略」、「地域プラットフォーム戦略」及び「ソリューション戦略」を成長戦略として推し進めてまいりました。中核事業領域である大手製造業向け人材派遣において、半導体製造装置エンジニアの育成・強化による顧客工場内の全工程でのシェアの拡大を進めるとともに、地域の有力派遣事業者との業務提携やM&Aによる地域の職場での安定的な雇用環境の整備、併せて大手企業グループ向けの人材流動化支援を進め、事業基盤のさらなる強化・拡大に取り組みました。
当第3四半期連結累計期間は、製造業における人材需要が停滞する中、とりわけ半導体製造装置メーカーや半導体メーカーを中心に人材需要が低調だったことから売上高が減少しました。費用につきましては、さらなる事業成長のための月間2,000名採用体制構築等にかかる投資費用の増加及び既存顧客における需要の回復や新規顧客の開拓に伴う受注の増加に対応するために採用関連費の増加があったものの、要員計画の見直し等による人件費の抑制に加え、前第3四半期連結会計期間に計上した株式報酬費用の剥落により、前年同期比で減少しました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高125,124百万円(前年同期128,092百万円、2.3%の減収)、営業利益8,240百万円(前年同期5,606百万円、47.0%の増益)、EBITDA(※2)9,410百万円(前年同期12,082百万円、22.1%の減少)、経常利益8,252百万円(前年同期5,526百万円、49.3%の増益)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,717百万円(前年同期1,758百万円、225.0%の増益)、技術職社員数は47,432名(前年同期46,549名、883名の増加)となりました。
※1.出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」
※2.EBITDA=営業利益+減価償却費(有形・無形固定資産)+のれん償却額+株式報酬費用
セグメント毎の経営成績は、以下のとおりであります。
(マニュファクチャリング事業)
「産業・業務用機械関連分野」「エレクトロニクス関連分野」においては、半導体の在庫調整等の影響が継続したことを受け人材需要は軟調に推移しました。一方で「輸送機器関連分野」においては部材不足の影響が緩和したことにより自動車関連メーカーの生産活動が回復し、当第3四半期連結会計期間より採用活動を強化しました。
なお、第1四半期連結会計期間において、より顧客企業に最適なサービスを提供するため、顧客企業の一部の派遣元をマニュファクチャリング事業に属する事業会社からエリア事業に属する事業会社へ移管し、これに伴い約1,900名の技術職社員が転出いたしました。
本件に伴う、過去のセグメント情報との比較情報については、四半期決算補足説明資料(当社ホームページに掲載の「2024年3月期 第3四半期 決算説明資料」)をご参照ください。
以上の結果、売上高49,522百万円(前年同期62,274百万円、20.5%の減収)、セグメント利益5,859百万円(前年同期8,528百万円、31.3%の減益)、技術職社員数11,356名(前年同期14,597名、3,241名の減少)となりました。
(エリア事業)
製造業全般において生産活動が停滞する中、求職者の多様なニーズに応えるためにインサイドセールスを強化し、各地域における顧客開拓と営業基盤の強化に注力いたしました。また、既存顧客における求人案件の多様化にも注力し、これをもとにした採用活動を進めました。加えて上述のとおり、顧客企業ごとに最適なサービスを提供することを目的に、顧客企業の一部の派遣元をマニュファクチャリング事業よりエリア事業へ移管したことに伴い、約1,900名の技術職社員が転入したことで技術職社員数が増加し増収に寄与いたしました。費用については、営業体制強化による人員増加や案件の開拓に伴い採用活動を強化したこと等により増加しました。
以上の結果、売上高47,650百万円(前年同期38,254百万円、24.6%の増収)、セグメント利益1,702百万円(前年同期1,561百万円、9.1%の増益)、技術職社員数15,934名(前年同期13,095名、2,839名の増加)となりました。
(ソリューション事業)
新たなソリューション案件の獲得に向けた提案活動を進めるとともに、新規顧客企業の開拓や幅広い年代の技術職社員の活躍が期待できる請負案件開拓に取り組みました。一方で、一部の請負案件が終了したこと等により、売上高が減少しました。
以上の結果、売上高13,512百万円(前年同期13,936百万円、3.0%の減収)、セグメント利益0百万円(前年同期156百万円、99.7%の減益)、技術職社員数3,298名(前年同期3,116名、182名の増加)となりました。
(エンジニアリング事業)
今年4月に迎え入れた新卒入社社員184名が早期に稼働を開始しております。建設技術者分野、IT技術者分野における旺盛な需要動向を踏まえ、例年以上に積極的に2024年4月入社の新卒採用に取り組んだことで採用関連費用が増加しました。加えて、営業や採用等の事業体制増強に伴い人件費が増加いたしました。また、建設技術者分野では、顧客企業とのリレーション強化と技術職社員のキャリア形成支援を目的として、当第3四半期連結累計期間で103名の顧客企業への転籍が実現しました。
以上の結果、売上高6,935百万円(前年同期6,772百万円、2.4%の増収)、セグメント利益750百万円(前年同期790百万円、5.0%の減益)、技術職社員数1,548名(前年同期1,533名、15名の増加)となりました。
(海外事業)
世界景気減速の影響からベトナムの主要輸出産業の生産活動が停滞したことで、製造業の顧客企業を中心に人材需要が低減しましたが、サービス職種の案件獲得に取り組んだことで技術職社員数が増加しました。加えて、営業活動地域の拡大として従前より拠点を有するホーチミン市を中心とする南部地域から、ハノイ市を中心とする北部地域まで活動範囲を広げ、日系企業からの案件獲得に注力いたしました。また、2020年10月に行われたGreen Speed Joint Stock Companyの株式取得における条件付取得対価の総額が確定したことにより、当期の第1四半期連結会計期間に新たにのれん687百万円を計上するとともに、当該のれんに関して当初株式取得時から取得対価の確定日までの期間に対応するのれん償却額129百万円を、取得対価が確定した当期の第1四半期連結累計期間において同時に計上しております。
以上の結果、売上高7,536百万円(前年同期6,871百万円、9.7%の増収)、セグメント損失47百万円(前年同期154百万円の利益)、技術職社員数15,296名(前年同期14,208名、1,088名の増加)となりました。
なお、海外事業につきましては、決算日が12月末日であることから2023年1~9月期の実績を3ヶ月遅れで当第3四半期連結累計期間に計上しております。
② 財政状態
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は51,473百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,311百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が3,653百万円及び受取手形及び売掛金が607百万円減少したことによるものであります。固定資産は15,373百万円となり、前連結会計年度末に比べ472百万円減少いたしました。これは主にGreen Speed Joint Stock Companyの株式取得における条件付取得対価の総額が確定し、のれんが687百万円増加したものの、J-CEP株式会社の売却により、投資有価証券が1,025百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は66,846百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,784百万円減少いたしました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は23,680百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,223百万円減少いたしました。これは主に第3四半期連結会計期間末が休日であった影響で預り金及び未払費用が2,233百万円増加したものの、未払法人税等が3,375百万円及び未払消費税等が1,739百万円減少したことによるものであります。固定負債は9,904百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,894百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が3,712百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は33,584百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,117百万円減少いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は33,261百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,333百万円増加いたしました。これは主に株主還元としての自己株式取得2,817百万円を行ったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益を5,717百万円計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は38.8%(前連結会計年度末は31.8%)となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略等
当社は、2022年秋口から続く世界景気減速の影響を受け、2024年3月期の前半において製造業全般で生産活動が停滞したことに加え、足元においても半導体関連の顧客企業を中心として想定を下回る需要推移となっていること、及び本格的な回復迄には半年~1年程の遅れを見込むことから、現在進行中の第4次中期経営計画(2021年3月期~2025年3月期、以下「当初計画」)の内容及び計画期間を見直し、以下のとおりローリングプラン(以下、「本プラン」)を策定いたしました。本プランの概要につきましては、以下のとおりです。
① コンセプト
一人ひとりの成長の積み重ねがUTグループの成長につながります。これがUTグループの人的資本経営の根底にある考え方であり、「多様性(多様な人が働きやすい職場作り)」×「市場価値(一人ひとりの価値の向上)」×「エンゲージメント(はたらく人との長期的な関係構築)」、この掛け算を大きくし続けていくことが当社グループの持続成長とパーパスの実現を可能とします。
日本の労働市場は、少子高齢化の進行による生産年齢人口の減少を背景として、人手不足の深刻化が進んでいます。製造業の顧客企業に求められるのは、いかに十分な労働力を確保し、生産性の向上を果たせるかということであり、製造業での派遣活用の方法は従来の一時的な労働力の確保から正社員に代わる労働力としての派遣活用に変化しています。求人に対して、労働者を集めて派遣する従来の採用を代行する機能だけでは不十分で、多様な人が働くことができ、キャリア形成を通じて生産性を高められる環境をつくることがますます重要になっています。そして、このような対応が可能な派遣事業者への期待がさらに高まることが予想されます。
このような世の中の様々な変化は当社グループの大きな転換点です。本プランでは“製造派遣ではたらく人に選ばれるために私たちは何をするのか?”これを全ての考え方の軸として、「派遣」という働き方をはたらく人へのサービスとして捉え、その利便性を高めることではたらく人に選ばれる状況をつくることに一層こだわり、製造派遣市場で最も選ばれる派遣会社を目指してまいります。現在3万2千人の国内技術職社員数は、最終年度には5万人規模まで拡大を図ってまいります。新しい製造派遣の在り方を全社一体となって創り上げたい、これが製造派遣のリーディングカンパニーとしてUTグループの役割であり、私たちの意志です。
② 戦略(骨子)
「派遣」というはたらき方の利便性を高めていくこと、月間2,000名採用を常態化させることを実現します。中核であるマニュファクチャリング事業及びエリア事業を成長のドライバーとして、製造派遣市場でのシェアの拡大を図ります。マニュファクチャリング事業では、工場ではたらく人の価値を高めて顧客内シェアの最大化を、エリア事業では地元ではたらく人のニーズに応えることで各地の地域一番店を目指してまいります。その他事業では、日系外国人の活用等、より多様なはたらく人に活躍の機会を提供できるよう第3の柱となる事業を育ててまいります。また、M&Aによる規模拡大は引き続き注力しますが、“日本の製造派遣ではたらく人”にとって意義のあるものであることを軸とします。
数値目標は以下のとおりですが、派遣事業の規模拡大に伴う管理業務等の集約化進めることで収益性を改善し、持続的なEPS成長を目指してまいります。
③ 計画期間
最終年度を1年後ろ倒しにし、2026年3月期といたします。
④ 数値目標
2024年3月期 (当期) | 2025年3月期 | 2026年3月期 (本計画最終年度) | ||||
予想 | 構成比 | 計画 | 構成比 | 計画 | 構成比 | |
売上高 [億円] | 1,690 | 100.0% | 2,150 | 100.0% | 2,765 | 100.0% |
EBITDA [億円] | 111 | 6.5% | 160 | 7.4% | 250 | 9.0% |
営業利益 [億円] | 95 | 5.6% | 136 | 6.3% | 224 | 8.1% |
親会社株主に帰属する 当期純利益 [億円] | 61 | 3.6% | 130 | 6.1% | 145 | 5.3% |
EPS [円] | 153 | - | 275 | - | 306 | - |
(参考情報) 技術職社員数(国内)[名] | - | - | 44,641 | - | 54,478 | - |
(参考情報) ROE [%] | - | - | 23% | - | 23% | - |
(注) 1.2025年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益には、本日公表の「特別利益(関係会社株式売却益)の計上に関するお知らせ」のとおり、特別利益の計上額を概算で反映しております。
2.2025年3月期及び2026年3月期のEPSは、潜在株式調整後EPSであります。
3.2025年3月期及び2026年3月期のROEは、新株予約権の行使に伴う自己資本増加考慮後であります。
⑤ 財務・資本戦略、利益配分の考え方
資本効率の向上及び財務健全性の維持、株主還元の充実のバランスを重視して、キャッシュアロケーションを適切に管理してまいります。また、資本コストを踏まえ、M&A等の事業投資計画を勘案した内部留保の適正化を目指してまいります。本プランにおける数値目標・目指す水準は以下のとおりです。
・のれん自己資本比率 50%以下
・ネットDEレシオ 0.5倍以下
・配当性向 60%
なお、この度、株主還元方針を再考しております。当社グループの持続的な成長に必要なM&A活動等の事業投資や財務健全性のバランスを考慮しましても、十分なキャッシュポジションを確保できる見込みであることから、これまで配当金もしくは自己株式取得により「総還元性向30%」としていたものを、「配当性向60%」の配当金による還元を安定的に実施することといたします。詳細は、本日公表の「株主還元方針の変更、2024年3月期株主還元方法の決定及び2024年3月期の配当予想に関するお知らせ」をご覧ください。
本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載の「第4次中期経営計画ローリングプラン」をご参照ください。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
2023年11月13日に公表しました2024年3月期通期連結業績予想(2023年4月1日~2024年3月31日)に変更はあ りません。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当第3四半期連結累計期間において、経営者の問題認識と今後の方針について重要な変更はありません。