四半期報告書-第16期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/12 10:36
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【項目】
41項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第1四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年6月30日)におけるわが国経済は、経済社会活動の正常化が進むにつれた景気の持ち直しの動きが期待されたものの、ロシアのウクライナ侵攻等の影響による原材料価格の高騰や海外での金融緩和政策の見直しに伴う円安の進行、さらに世界的なサプライチェーンの混乱による供給制約の問題が発生する等、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループを取り巻く環境としましては、コロナ禍による社会のデジタル化や世界的な脱炭素化の加速等を背景に半導体需要は急増し、半導体製造装置メーカーや半導体メーカーでは急ピッチで生産能力を引き上げる動きが見られ、これに伴い人材需要は好況となりました。一方で、2021年夏以降、大手自動車メーカーを中心として、半導体やその他部品の不足による断続的な稼働停止が発生しましたが、生産活動の回復を見据えた人材需要は減退することなく、堅調に推移しました。2022年6月の有効求人倍率は全職業で1.09倍に対して生産工程では1.86倍となり、製造業での人材需給はひっ迫した状況が継続しております。
このような状況の下、当社グループは第4次中期経営計画(2021年3月期~2025年3月期)で掲げる「より多くのはたらく人に応えられるキャリアプラットフォームへ」の中期経営目標のもと、「大手製造業向けワンストップ戦略」、「地域プラットフォーム戦略」及び「ソリューション戦略」を成長戦略として推し進めております。中核事業領域である大手製造業向け人材派遣において、半導体製造装置エンジニアの育成・強化による顧客工場内の全工程でのシェアの拡大を進めるとともに、地域の有力派遣事業者との業務提携やM&Aによる地域の職場での安定的な雇用環境の整備、併せて大手企業グループ向けの人材流動化支援を進め、事業基盤のさらなる強化・拡大に取り組んでおります。
当連結会計年度は、当計画の3年目であり、前連結会計年度における徹底した採用活動の強化で積み上げた技術職社員数を起点としてトップラインの引き上げを図るとともに、当社グループが中長期的に成長加速を実現していくための筋肉質な事業基盤を整え、収益性の向上に努める1年としてまいります。
当社グループは、2022年4月1日付でグループ内の大幅な組織再編を行いました。上述の中期経営計画における各成長戦略の実行力を高めるための組織再編を実施し、共通の事業特性を持つ事業会社を統合しました。併せて、2022年4月から新しい業務システムの段階的な導入を進め、事業会社間のアドミニストレーション業務等を標準化、共通化することによって、労働生産性の向上、さらには人員配置の最適化を進めてまいりました。加えて、採用活動において、事業会社毎に保有する求人情報等のデータベースをグループで統合し、採用オペレーションを最適化することにより、採用効率を改善する取り組みを進めました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高41,567百万円(前年同期35,215百万円、18.0%の増収)、EBITDA(※)3,614百万円(前年同期1,572百万円、129.8%の増加)、営業利益3,341百万円(前年同期1,257百万円、165.7%の増益)、経常利益3,249百万円(前年同期1,265百万円、156.7%の増益)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,105百万円(前年同期191百万円、1,000.5%の増益)、技術職社員数は46,135名(前年同期39,748名、6,387名の増加)となりました。
※EBITDA=営業利益+減価償却費(有形・無形固定資産)+のれん償却額+株式報酬費用
セグメント毎の経営成績は、以下のとおりであります。なお、当第1四半期連結会計期間より、セグメントを従来の「マニュファクチャリング事業」「ソリューション事業」「エンジニアリング事業」の3セグメントから、「マニュファクチャリング事業」「エリア事業」「ソリューション事業」「エンジニアリング事業」「海外事業」の5セグメントに変更しております。このため、前年同四半期数値につきましては、変更後のセグメント区分に組み替えて比較分析を行っております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報」の「3.報告セグメントの変更等に関する情報」に記載のとおりであります。
(マニュファクチャリング事業)
セグメント変更後の「マニュファクチャリング事業」は、2022年4月1日付でUTパベック株式会社を吸収合併したUTエイム株式会社により構成されます。サブセグメントとして「産業・業務用機械関連」「エレクトロニクス関連」「輸送機器関連」「その他」に区分し、当社グループが従来中核事業としてきた大手製造業向け人材サービスに特化するものであり、上述の中期経営計画の「大手製造業向け人材ワンストップ戦略」を強く推進しております。なお、セグメント変更前の「マニュファクチャリング事業」の「その他分野」を中心とする地域需要に対応する人材サービスについては、新設の「エリア事業」に移管しております。また、ベトナム国内における人材サービスについては新設の「海外事業」に移管しております。さらに、セグメント変更前の「エンジニアリング事業」の「設計・製造技術者分野」のうち、設計開発エンジニアの一部及び半導体製造装置エンジニアは当事業に移管しております。
当第1四半期連結累計期間において、「産業・業務用機械関連」「エレクトロニクス関連」「輸送機器関連」ともに前連結会計年度の状況に続き、人材需要は堅調に推移しました。「輸送機器関連」においては、大手自動車メーカーにおける生産調整によって当社グループが派遣する技術職社員の一部で稼働日数や残業時間が減少する等の影響が生じた状況であるものの、今後の生産正常化が想定されることを踏まえ、当社グループへの人材需要が減退することはありませんでした。また「産業・業務用機械関連」「エレクトロニクス関連」においても同様に、半導体需要の増加に伴って派遣人材への需要、とりわけ当社グループへの増員需要は好況に推移しました。これらの状況に対し、採用効率を意識した採用活動を行い、前年同四半期比で技術職社員数を増加させたこと、加えて、高水準の人材管理の訴求や自社で育成した高スキル人材の派遣を進めたことにより増収となりました。費用面においては、採用関連費の効率化等の販売費及び一般管理費の削減への取り組みが奏功し、増益となりました。
以上の結果、売上高20,512百万円(前年同期17,420百万円、17.7%の増収)、セグメント利益2,536百万円(前年同期1,342百万円、88.9%の増益)、技術職社員数14,919名(前年同期13,402名、1,517名の増加)となりました。
(エリア事業)
2022年4月1日付で、UTエイム株式会社の地域プラットフォーム戦略を担うエリア戦略事業部門を、UTコミュニティ株式会社へ吸収分割により承継しました。併せて、UTコミュニティ株式会社を存続会社として、UTHP株式会社、株式会社サポート・システム、株式会社シーケルホールディングス、株式会社シーケル及びUTプログレス株式会社を消滅会社とする吸収合併を行い、合併後の商号をUTコネクト株式会社に変更しました。
エリア事業は、UTコネクト株式会社及びUTスリーエム株式会社により構成され、上述の中期経営計画の「地域プラットフォーム戦略」を強く推進しております。
当第1四半期連結累計期間では、各地域において好調に推移した人材需要のもと多様な求人案件を強みに採用活動を進め、技術職社員数が大きく増加したことにより、増収となりました。費用面においては、2022年4月1日付のグループ内の大幅な組織再編により業務基盤の共通化を進めたこと等により、販売費及び一般管理費の削減への取り組みが奏功し、増益となりました。
以上の結果、売上高12,253百万円(前年同期10,387百万円、18.0%の増収)、セグメント利益496百万円(前年同期は186百万円の損失)、技術職社員数12,546名(前年同期10,522名、2,024名の増加)となりました。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、UT東芝株式会社、FUJITSU UT株式会社、UT MESC株式会社及びUT エフサス・クリエ株式会社により構成され、大手企業グループとの資本提携等により構築した強固なリレーションシップのもと、人材流動化支援を推進しております。なお、セグメント変更前の「ソリューション事業」を構成していたUTパベック株式会社はマニュファクチャリング事業、またUTHP株式会社はエリア事業に移管し、さらにUTシステムプロダクツ株式会社は、2022年3月末に全株式をグループ外へ売却しております。
当第1四半期連結累計期間では、2021年10月にUT エフサス・クリエ株式会社を新規連結した他、FUJITSU UT株式会社を中心に技術職社員が増加したことに加え、販売費及び一般管理費の削減への取り組みが奏功したことにより、増収増益となりました。
以上の結果、売上高4,583百万円(前年同期3,955百万円、15.9%の増収)、セグメント利益15百万円(前年同期は54百万円の損失)、技術職社員数3,114名(前年同期1,871名、1,243名の増加)となりました。
(エンジニアリング事業)
セグメント変更後の「エンジニアリング事業」は、UTコンストラクション株式会社及びUTテクノロジー株式会社で構成され、サブセグメントとして、「建設技術者」「IT技術者」に区分します。なお、セグメント変更前の「エンジニアリング事業」を構成していた「設計・製造技術者分野」のうち、設計開発エンジニアの一部及び半導体製造装置エンジニアはマニュファクチャリング事業に移管しております。
当第1四半期連結累計期間において、2022年4月に迎え入れた新卒入社社員約200名が早期に稼働を開始しております。エンジニアリング事業では、従前より新卒の育成・配属体制の構築に注力してきたことが奏功しており、前期よりも早いタイミングでの新卒の戦力化が実現しました。さらに、建設、ITともに受注動向は堅調であり、前年同四半期比で技術職社員数を増加したことにより、増収増益となりました。
以上の結果、売上高2,240百万円(前年同期1,925百万円、16.4%の増収)、セグメント利益260百万円(前年同期163百万円、59.9%の増益)、技術職社員数1,574名(前年同期1,382名、192名の増加)となりました。
(海外事業)
海外事業では、2021年1月に新規連結しましたGreen Speed Joint Stock Company、Green Speed Co., Ltd.及びHoang Nhan Company Limitedで構成され、ベトナム国内において製造業を中心とする人材サービスを行っております。海外事業につきましては、決算日が12月末日であることから2022年1~3月期の実績を3ケ月遅れで当第1四半期連結累計期間に計上しております。
当第1四半期連結累計期間におけるベトナム経済は、新型コロナウイルス感染症に関する規制が撤廃され、国内総生産(GDP)は高い伸びを続けており、その回復状況は鮮明であります。従前より拠点を有するホーチミン市を中心とする南部地域から、ハノイ市を中心とする北部地域まで営業活動を拡大させており、特に北部地域、さらには日系企業からの新規受注が増加しました。技術職社員数は、ベトナムの旧正月であるテト休暇の前後に減少する季節性を有しますが、2022年3月末には2021年12月末を上回る技術職社員の稼働があり、増収増益となりました。
以上の結果、売上高1,986百万円(前年同期1,535百万円、29.4%の増収)、セグメント利益40百万円(前年同期14百万円、173.4%の増益)、技術職社員数13,982名(前年同期12,571名、1,411名の増加)となりました。
② 財政状態
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は48,458百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,289百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が1,455百万円減少したことによるものであります。固定資産は15,013百万円となり、前連結会計年度末に比べ653百万円増加いたしました。これは主に当社グループのシステム構築への投資に伴い、ソフトウエアが397百万円及びソフトウエア仮勘定が246百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は63,472百万円となり、前連結会計年度末に比べ635百万円減少いたしました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は24,456百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,010百万円減少いたしました。これは主に賞与引当金が993百万円減少したことによるものであります。固定負債は16,523百万円となり、前連結会計年度末に比べ884百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が872百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は40,980百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,894百万円減少いたしました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は22,491百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,259百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金による配当を968百万円行ったものの、親会社株主に帰属する当期純利益2,105百万円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は33.0%(前連結会計年度末は30.8%)となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
該当事項はありません。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
当第1四半期連結累計期間において、経営者の問題認識と今後の方針について重要な変更はありません。