四半期報告書-第17期第1四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)

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2019/08/14 16:00
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43項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当社グループは『Bright Valueの実現~記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する~』という企業理念のもと、独自開発の人工知能(AI)エンジン「KIBIT(キビット)」及び「Concept Encoder(コンセプトエンコーダー)」を柱とする高度な情報解析技術を駆使し、祖業である国際訴訟支援、不正調査から製造、金融、小売、流通、そして医療分野といったさまざまなフィールドで、必要かつ適切な情報に出会えるフェアな世界の実現および社会課題の解決に貢献しております。
リーガルテックAI事業につきましては、eディスカバリ(アジア企業案件)市場は今後も年平均成長率15%程度の拡大が続くと予想されております(Mordor Intelligence“Global e-DiscoveryMarket 2017-2023”)。これは、eディスカバリの対象となる“企業が保有する電子情報のデータ量”が継続的に増大していることが主因であります。一方、データ容量あたりの解析サービス料の引き下げ圧力は年々高まり、不採算案件を抱え困窮するベンダーも多く発生しております。
こうした状況から、eディスカバリの工程の中でも採算を確保しやすいProcess等の案件獲得にフォーカスする一方、人件費が嵩み利幅の低いレビュー工程を下請けに切り出す戦略に出るベンダー等が出現しております。
しかし、レビュー工程はデータ量の増加に伴い多くの時間がかかる工程であることや、eディスカバリ費用の7割を占めていることから、テクノロジーの活用による効率化が求められており、当社は大きなビジネスチャンスだと捉えています。さらに、米国では、レビュー対象文書の数の大幅な削減に貢献している「テクノロジー支援型レビュー(TAR)」の利活用方法を定めたガイドライン(Bolch Judicial Institute, Duke Law School“Technology Assisted Review (TAR) Guidelines”)が出ました。当該ガイドラインは、TARの定義とプロセス、活用例や導入にあたって法律事務所・ユーザ企業が考慮すべき検討ポイントについて解説したものであり、レビュー工程におけるテクノロジーの活用が推奨されています。
当社は、こうした環境の変化を捉え、2019年3月にAIレビューツール「KIBIT Automator」をリリースし、同ツールを活用した文書レビューの提案を推進してまいりました。その結果、従来の手法であれば全てレビューすべきであった文書の過半数を、AIのみのレビューで「人間によるレビューは不要」と判断し、レビュー担当者は残りの文書を確認するだけで従来と同等の品質が確保できるといった事例も出てくるなど、一定の成果が出ております。
しかしながら、前期末に掲げた営業組織力の強化施策が、特に米国子会社で完遂に時間を要しており、売上貢献に至っていない状況です。リーガルテック先進国である米国では、以前から企業自身がベンダー選定を主導していくという考えは存在していましたが、法律事務所にベンダー選定を一任することが主流となっていました。しかし、先に述べたデータ量の増加による金銭的、時間的負担が増大したことから、今まで以上に企業自身がテクノロジーを活用したソリューションを求め始め、積極的にベンダー選定に介入する動きが活発になりました。そうした動きから、他のベンダーは企業から直接案件を受注すべく、企業へのマーケティング施策を強化している一方、当社米国子会社はその対応が遅れ、リーガルテックAI事業において、売上高が低調となり、営業損失を計上しました。
今後は、引き続き「KIBIT Automator」の提案活動や、平時から活用できるソリューションの提言、営業・マーケティングのシニアマネジメント層の強化、技術営業の促進、多面的な営業活動の活性化といった営業組織力の強化を進めていくことで受注確度の向上、売上高の増加に繋げてまいります。
AIソリューション事業につきましては、国内においてビジネスインテリジェンス、ヘルスケアの各分野が好調に推移した結果、当社AI製品の導入社数を184社(前年同期比1.6倍)と積み上げ、セグメント全体の売上高は前年同期比88.2%増と堅調に推移いたしました。
国内AI市場は、労働人口の減少が予測されるなか、生産性向上や労働の自動化を目指す「働き方改革」に向けた取り組みが追い風となり、企業のAIに対する投資機運が高まっております。さらに近年では、企業の法令順守(コンプライアンス)の負担が増しており、ITを用いて多様な法規制等に対応する「レグテック」のニーズが高まっております。
当社は、こうした顧客ニーズに対応していくため、景品表示法や金融商品取引法等への対応を想定した「KIBIT 広告審査ソリューション」等の販売を積極的に行っております。レグテックは今後もニーズが見込まれる分野と考えており、引き続き注力してまいります。
また、ヘルスケア分野では、「客観性」「透明性」「再現性」を兼ね備えた新規の人工知能(AI)エンジン「Concept Encoder(コンセプトエンコーダー。以下CEと表記します。)」を用いた「創薬研究支援AIシステム」の提供を開始いたしました。
創薬研究支援AIシステムは、2018年11月に発表した新規医薬品候補探索技術をベースに、文献や遺伝子発現などの情報を含むデータベースをあらかじめパッケージ化し、クラウドサービスとして提供することで、より効率的に製薬企業の創薬研究における候補化合物発見のスピードアップを支援するものです。
従来の論文解析で用いられてきた辞書型や文法学習型のAIは、使用に先立って研究者がコーディングの知識を学ぶ必要や、常に単語と意味のデータベースをアップデートする必要がありました。さらに、初期のトライアルやPoC(概念実証)には、何ヶ月もの期間と大規模な予算が必要と言われていました。この点において、創薬研究支援AIシステムは、創薬の調査過程で活用が必須となる、疾患や遺伝子に関する論文1,400万本と、公開データ170万件のデータベースを備え、これらのデータはCEがあらかじめ学習済みで即時に探索・解析可能であること、また、オンプレミスの場合は数百万円レベルのサーバーで稼働できることから、スーパーコンピュータなどの大型設備が不要という強みを有しています。
今後も、EBM(Evidence-Based-Medicine。根拠に基づく医療) に欠かせない「統計学的手法」を自然言語処理に導入したCEの強みを活かし、ヘルスケアセクターでのビッグデータの利活用ならびにソリューション提供の促進を実現してまいります。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の連結業績は、売上高が2,583,304千円(前年同期比6.3%減)と低調となり、営業損失444,479千円(前年同期は158,860千円の営業利益)、経常損失479,243千円(前年同期は222,350千円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失444,263千円(前年同期は139,411千円の親会社株主に帰属する四半期純利益)と、前年同期を下回る結果となりました。

各事業の当第1四半期連結累計期間の概況は以下のとおりです。
(リーガルテックAI事業)
① eディスカバリサービス
eディスカバリサービスにつきましては、従来法律事務所に一任されていたベンダーの決定権が、品質やコスト意識の高い顧客企業が主体的に選定する形式に移行するといった、案件の商流に変化がありました。この市場環境の変化に対し、特に米国子会社の対応が遅れた影響により、売上高は2,128,175千円(前年同期比16.0%減)となりました。
② フォレンジックサービス
フォレンジックサービスにつきましては、第三者委員会への調査協力等、AI技術を活用した日本国内の大型調査案件の獲得及び、ペイメントカードのフォレンジック調査やコンサルティングサービスの案件増加により、売上高は175,012千円(前年同期比133.5%増)となりました。
以上の結果、リーガルテックAI事業の売上高は2,303,187千円(前年同期比11.7%減)となりました。なお、営業損益に関しましては、利益率の高いHostingの売上が減少したこと及びシニアマネジメント層への投資を行ったことによる人件費の増加により、357,075千円の営業損失(前年同期は237,083千円の営業利益)となりました。
サービスタイプ別の売上高の概況は下表のとおりです。
(単位:千円)
サービスタイプ別
①eディスカバリサービスReview705,945
(651,348)
Collection, Process378,030
(613,112)
Hosting1,044,199
(1,267,797)
2,128,175
(2,532,258)
② フォレンジックサービス175,012
(74,941)
リーガルテックAI事業売上高 計2,303,187
(2,607,199)

( )は前第1四半期連結累計期間の実績
(AIソリューション事業)
AIソリューション事業につきましては、ビジネスインテリジェンス分野、ヘルスケア分野ともに、案件の大型化及びAI製品の導入社数の積み上げによって順調に推移した結果、売上高は前年同期比88.2%増加し280,116千円となりました。しかしながら、営業損益に関しましては、売上高増加に伴い間接費用が増加したこと等が影響し、87,403千円の営業損失(前年同期は78,223千円の営業損失)となりました。なお、AIソリューション事業には提出会社の間接部門に係る費用75,998千円が含まれております。
サービスタイプ別の売上高の概況は下表のとおりです。
(単位:千円)
サービスタイプ別売上高
AIソリューション事業ビジネスインテリジェンス247,390
(133,158)
ヘルスケア28,400
(12,529)
海外AI4,325
(3,112)
AIソリューション事業売上高 計280,116
(148,801)

( )は前第1四半期連結累計期間の実績
(2) 財政状態の分析
(資産)
総資産は、前連結会計年度末と比べて570,331千円減少し、12,872,293千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて331,778千円減少し、6,531,040千円となりました。これは主に、その他のうち仮払金が93,658千円、前払費用が354,571千円増加したものの、一時的な支払による現金及び預金の減少512,627千円、売上高の減少に伴う受取手形及び売掛金の減少257,803千円によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べて238,553千円減少し、6,341,252千円となりました。これは主に、償却によるソフトウェアの減少20,845千円、為替の影響と償却によるのれんの減少91,049千円、保有株式の時価の下落による投資有価証券の減少112,500千円によるものであります。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末と比べて184,287千円増加し、9,004,911千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べて569,517千円増加し、5,316,917千円となりました。これは主に、買掛金の減少76,577千円及び未払法人税等の減少36,293千円により一部相殺されたものの、借入による短期借入金の増加600,000千円、未払配当金が生じたことによる未払金の増加85,870千円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて385,229千円減少し、3,687,994千円となりました。これは主に、返済による長期借入金の減少315,109千円及び有価証券評価差額金の減少等による繰延税金負債の減少47,087千円によるものであります。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末と比べて754,619千円減少し、3,867,381千円となりました。これは主に配当金及び親会社株主に帰属する四半期純損失による利益剰余金の減少591,868千円、為替換算調整勘定の減少116,869千円、その他有価証券評価差額金の減少44,817千円によるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当社グループは、研究開発活動の内容及び金額を特定のセグメントに関連付けることができないため、一括して記載しております。
(研究開発費の金額)
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は13,867千円であります。
(研究開発の内容)
当社は、独自開発した人工知能エンジン「KIBIT」についてリーガルテックAI事業及びAIソリューション事業での利便性を更に向上させるため、新たなソリューションの拡充、製品の開発を行っております。

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