四半期報告書-第45期第3四半期(平成31年1月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/05/14 11:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
26項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号2018年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、輸出や生産に海外経済の減速の影響がみられるものの、企業収益が良好な水準を維持する中、設備投資の増加傾向が続いております。また、雇用情勢の着実な改善を背景に、給与総額が緩やかに増加していることもあり、個人消費は持ち直し、緩やかに増加しております。しかし、引き続き通商問題の動向や中国経済の先行きなどのリスク要因に留意する必要であります。
北海道経済におきましては、輸出額及び輸入額が若干減少するとともに、企業の生産活動も弱めの傾向となっておりますが、設備投資の増加や好調な観光分野に後押しされ、雇用環境も賃上げの動きに広がりがあるなど改善してきているため、個人消費や住宅建設が回復傾向にあり、北海道経済全体が緩やかに回復してきております。
また、主要事業セグメントである広告・マーケティング事業の広告業界では、個人情報の利用における規制強化の流れはあるものの、インターネット広告分野で引続き顕著な増加傾向が続いており、その反面、近年のマスコミ四媒体広告分野と折込・ダイレクトメール分野は減少傾向が進んでいることからも、クライアントのデジタルマーケティング分野への移行と広告効果の最適化が一層進んでおります。
このような環境の中、当社グループ(当社及び連結子会社)は広告・マーケティング事業の新たな収益領域であるデジタルマーケティング分野での受注と観光インバウンドや地方創生事業を中心とした官公庁事業受託のため、サービスラインナップの拡充に取り組んでまいりました。
その結果、当第3四半期連結累計期間においては、新規クライアントからの受注だけでなく、既存クライアントからもより幅広い範囲での受注を得られたため、前年同期と比較して増収増益となりました。それに加えて、当社グループの特色である、地域密着型のプロモーション活動として、2018年11月1日及び11月30日に発表開示いたしました「たまかわ未来ファクトリー株式会社」と「山田プライド株式会社」の2社の地域商社事業を通じて、地域に根ざした商社機能としての自治体へのサービス提供を開始しており、2社とも事業を受託できておりますが、「たまかわ未来ファクトリー株式会社」については自治体からの事業を複数受託することができ、軽微ではありますが業績に寄与しております。
また、主要セグメントを補完する収益基盤事業のうち、債権投資事業においては、経年に伴い回収可能債権額が減少傾向にあるものの、順調に回収が進んだこと、ならびに融資債権に対する利息収入も計画通り推移しているため、前年同期と比較して減収増益となりました。
介護福祉事業は、2017年1月に開設したグループホーム藻岩下の入居率が安定した結果、前年同期と比較して売上高が増加に大きく寄与しており、その他の事業所においても順調に推移しているため、当第3四半期連結累計期間においては、前年同期と比較して増収増益となりました。
2016年2月に1号店を開設したケアサービス事業においては、昨年の北海道胆振東部地震の影響などにより、若干来院者数が計画より低調に推移しておりましたが、当第3四半期連結会計期間では従前まで来院数が回復しており、同店単独では前年同期と比較し増収増益となりました。当第2四半期連結会計期間の2018年12月5日に開設した2号店について、来院数は現時点での目標値に到達しているものの、初期投資費用と開設準備費用が一時的に発生しているため、ケアサービス事業全体としては増収減益となりました。
安定的な来院数の確保により2店舗体制での迅速な収益の安定化を図るとともに、グループ利益に寄与できるよう努めてまいります。
以上により、当社グループの当第3四半期連結累計期間は、官公庁事業における売上高の大部分が事業年度末の3月に計上されることから、売上高が1,673,839千円(前年同期比 8.0%増)、売上総利益も369,845千円(同 23.4%増)となりました。また、広告・マーケティング事業のデジタルマーケティング分野、官公庁事業、地域商社事業の新たな収益領域における人員拡大や運営費用等の発生に伴い、販売費及び一般管理費は増加傾向にありますが、既存の経費の見直しなどコスト低減にも取り組み、現時点では順調に推移しております。その結果、営業利益55,878千円(前年同期は1,225千円の営業損失)、経常利益は54,166千円(前年同期は3,277千円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は34,072千円(前年同期は6,785千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
当第3四半期連結累計期間における報告セグメント別の業績の状況は次のとおりです。
①広告・マーケティング事業
当社グループの主要事業セグメント分野である広告業界においては、引き続き回復基調にある国内経済の底堅さに比べ、横ばいより低調な動きとなっております。
北海道においては、クライアント企業がマスコミ四媒体広告分野での広告予算の消化から方針を変更し、直接的な集客効果や売上拡大効果の期待できる広告販促費に求められる傾向が一段と強まっており、同業他社との厳しい競争も続いております。
このような環境の中、当社にとって旧来からの強みであるデザイン力とマーケティング調査に基づいた企画提案力に加え、新たにデジタルマーケティング分野のサービスラインナップ拡充やシナジー性の高い企業との業務提携や顧客ニーズに深く対応するための地域商社という拠点の開設による、新規性に加えて地域密着型の最適な広告販促方法の提案の実施により、クライアント数の増加と受注拡大に取り組んでまいりました。
当第3四半期連結累計期間においても、デジタルマーケティング分野で受注が増加しており、新規顧客企業の拡大にのみならず、既存顧客を含め幅広いサービスの受注へと波及しております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,371,245千円(前年同期比8.1%増)となり、セグメント利益は110,473千円(前年同期比 56.3%増)となりました。
<参考・品目別の売上高>商品品目別の売上高と前年同期との比較増減は次のとおりです。
新聞折込チラシの売上高265,631千円(前年同期比 13.0%増)
マスメディア4媒体の売上高438,604千円(前年同期比 15.5%増)
販促物の売上高392,809千円(前年同期比 22.4%減)
その他品目の売上高274,200千円(前年同期比 85.6%増)
②債権投資事業
当社グループの債権投資事業は、不良債権化した金融債権のセカンダリー市場において投資対象債権を購入するものであります。
不良債権の流動化マーケットは、近年の傾向として景気の回復を背景として倒産企業件数が減少していることから、金融機関等から市場へ出る金融債権は近年低調となっておりますが、依然として金融機関等が有していた債権の取扱債権件数及び取扱債権額の多くを占めている状況です。そのような中で、取扱債権数は前年度より4.4%増加した年間1259万件と5年連続の増加となっており、サービサーへ譲渡された取扱債権額は年間13.9兆円と前期と比較して0.5兆円の微減の環境となっております(2019年3月22日付 法務省 統計調査 債権回収会社(サービサー)の業務状況について:出所)。
また、2019年2月13 日付金融庁が公表した不良債権(金融再生法開示債権の状況等)の2018年9月期の全国銀行の金融再生法開示債権残高は6.5兆円であり、2018年3月期の6.7兆円に比べ0.2兆円の減少となっており、そのうち要管理債権残高は1.3兆円と0.3兆円減少しておりますが、危険債権残高及び破産更生等債権残高は、あまり変化がなく引き続き一定水準の残高を金融機関が保有していることから、不良債権の処理市場は一定規模で推移することが想定されます。当該事業セグメントにおいては、債権の集合体(グループ債権)の回収金額及び融資による営業貸付金利息を売上高としております。債権の回収が計画通りであったことに加え、融資による債権残高に対する利息収入が順調に推移したことから、計画通りの業績を達成することができました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は41,201千円(前年同期比 21.5%減)となり、セグメント利益は21,301千円(前年同期比 10.9%増)となりました。
引続き、セカンダリー市場における投資債権(個別債権の集合体)購入の実現を図り、債権回収額の回復による収益の確保に努めてまいります。
③介護福祉事業
当社グループの介護福祉事業は、当第3四半期連結累計期間において、札幌市内にグループホーム2ヶ所、訪問介護(ヘルパー)ステーション1ヶ所、サービス付き高齢者向け住宅2ヶ所を運営し、グループホームの入居率は98.2%、サービス付き高齢者向け住宅の入居率は94.3%となりました。
入居率は暦日による加重平均方式によって計算しております。
当該事業セグメントでは、2017年1月に開設したグループホーム藻岩下が前年同期時点では、平均入居率が低調でありましたが、当第3四半期連結累計期間の平均入居率は計画どおり安定しており、売上高の増加に寄与しております。その他の事業所においても安定的な入居率を実現できているため、当第3四半期連結累計期間の売上高は226,634千円(前年同期比 11.1%増)となり、のれんを3,496千円償却した結果、セグメント利益は12,179千円(前年同期は3,199千円のセグメント損失)となりました。
なお、2019年3月31日をもってサービス付き高齢者向け住宅ふわり東札幌における賃貸借契約の期間満了につき同事業所の運営が終了しており、2019年4月1日に次の運営事業者に引継ぎも無事完了しております。これにより第4四半期連結会計期間以降、当該営業施設の減少により、若干の売上高の減少が見込まれますが、セグメント利益への影響は軽微であります。
引き続き新規施設開設における公募情報を精査して参加の検討を行うとともに、適切な案件の情報を得た場合にはM&A等を活用した事業拡大についても積極的に検討して参ります。
④ケアサービス事業
当社グループのケアサービス事業は、2018年12月5日に2号店を開設していることからも、2店舗体制でサービスの充実を図り、地域に根ざした運営を通じて適正な来院者数を継続的に確保することで、安定した採算を軌道に乗せ、当社グループ全体の収益安定化に貢献する計画です。
1号店においては、昨年9月に発生した北海道胆振東部地震などの影響により、来院数が計画と比較して若干低調に推移しておりましたが、当第3四半期連結会計期間におけるキャンペーンの実施等の効果により回復いたしました。
引き続き施術スタッフの確保に取り組み、増員による予約枠の拡大による来院数の増加に取り組んでまいります。
2号店においては、1号店でオープン前に行った営業活動の経験を活かし、計画通りの来院者数を適切に確保することができたため、目標値に到達しております。
2号店のオープンのための総投資額についても1号店の初期総投資額より大幅に抑えることができたことから、1号店と比較して早い時点での投資回収を進めることができる計画です。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は39,355千円(前年同期比 38.0%増)、2号店オープンにかかる開設準備費用が一時的に発生していることから、前年同期よりも損失が増加し、セグメント損失11,418千円(前年同期は7,411千円のセグメント損失)となりました。
(2)財政状態の分析
当社グループの当第3四半期連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度と比較して139,081千円増加し957,402千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金の71,062千円増加、受取手形及び売掛金176,450千円増加、営業貸付金の96,497千円減少及び制作支出金の4,001千円の増加したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度と比較して14,334千円減少し236,905千円となりました。その主な内訳は、設備投資と減価償却費により有形固定資産が4,649千円減少、のれんの償却によるのれんの3,496千円減少及び繰延税金資産が5,342千円減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度と比較して96,754千円増加し705,652千円となりました。その主な内訳は、支払手形及び買掛金の40,156千円増加及び短期借入金の74,000千円増加などにより流動負債が114,030千円増加し、長期借入金の13,302千円減少などにより固定負債が17,276千円減少したことよるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度と比較して28,332千円増加し488,995千円となりました。その主な内訳は、当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益を34,072千円計上及び利益剰余金の配当による剰余金の減少6,741千円があったことにより利益剰余金が27,332千円増加したことによるものであります。
また、自己資本比率は40.8%(前連結会計年度末 43.1%)となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題については重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。