四半期報告書-第49期第3四半期(2023/01/01-2023/03/31)

【提出】
2023/05/12 16:09
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年7月1日~2023年3月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり、大型イベント開催や外国人観光客の入国制限の緩和など政府の各種政策の効果により、経済活動が正常化に向かい景気回復の兆しが見られるようになりました。しかしながら一方で、地政学リスクや世界的な金融引き締めによる海外景気が下振れするリスクがあり国内景気への影響が懸念されており、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
北海道経済におきましても、新型コロナウイルスの感染対策と経済活動の両立を進めることで、雇用環境も回復し、民間設備投資や個人消費も緩やかに持ち直し、行動制限が課されないことで、新型コロナウイルスの影響で2年続けてオンラインでの開催となった札幌大通公園の冬のイベントである「さっぽろ雪まつり」が3年ぶりに会場を設けて開催されるなど、北海道内各地でも冬のイベントが開催され、社会経済活動の正常化が進み景気の持ち直しが期待されております。しかし、企業を取り巻く環境はエネルギー価格や原材料価格の高騰で一層厳しさを増し、個人消費は回復傾向にあるものの、生活必需品や電気代などの物価高の影響を受け、生活防衛意識が強まるなど、社会全体が依然として予断を許さない不透明な状況が続いております。
また、当社の主要事業セグメントである広告・マーケティング事業の広告業界でも、社会・経済活動の正常化が進み、マスコミ四媒体広告分野も回復傾向にあり、また行動制限が課されないことやインバウンド需要などで人流が戻ったことなどの影響から、大型イベントが再開され、ソーシャルメディア広告や動画広告などのインターネット広告の拡大から、交通広告や駅構内のデジタルサイネージの需要増加が期待されています。
このような環境の中、当社グループは、広告・マーケティング事業の収益領域であるデジタルマーケティング分野の受注強化ならびに地方創生事業を中心とした官公庁事業受託拡充に取り組み、広範囲の自治体へ営業活動を行い観光コンサルの売上高は前年同期を大きく上回る受注に結び付きました。また、当社クライアント企業においても、感染対策と経済活動の両立が図られたことを受けて、多くのイベントが再開されるなど企業の広告プロモーションの受注とそれに関わる広告の受注の増加及び新規クライアント企業からの受注が順調に伸びたこともあって、当第3四半期連結累計期間の業績は前年同期と比較して大きく増収増益となりました。
また、主要セグメントを補完する収益基盤事業のうち、債権投資事業においては、経年に伴い回収可能債権額が減少傾向にあるものの、当第3四半期連結累計期間は順調な回収ができたこと、及び利息収入の計上もあり、前年同期と比較して増収増益となりました。
介護福祉事業は、入居者及び従業員の感染症対策が運営上の重大なリスク要因となっておりますが、感染症対策を徹底しつつ、ご利用者に寄り添った介護を継続できるよう最善を尽くしてまいりました。
グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅において、比較的高い入居率を継続することができましたが、光熱費などの経費が増加していることから、当第3四半期連結累計期間の業績は前年同期と比較して増収増益ではあるものの営業損失となりました。
ケアサービス事業においては、衛生管理を徹底し、顧客と従業員が安心して利用できる環境整備と施設運営を続けて参りました。
来院数は、当第3四半期連結会計期間において前年同期と比較して増加傾向となっておりますが、当第3四半期連結累計期間の目標とする来院者数累計までは達成することがでず、前年同期と比較して若干の減収増益となりました。
以上により、当社グループの当第3四半期連結累計期間は、広告・マーケティング事業の受注増加が大きく影響し、売上高が2,245,566千円(前年同期比 21.7%増)、売上総利益も591,240千円(同 24.4%増)となりました。また、営業利益は218,195千円(同 112.8%増)、経常利益は230,522千円(同 79.7%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は155,780千円(同 75.8%増)となりました。
当第3四半期連結累計期間における報告セグメント別の業績の状況は次のとおりです。
①広告・マーケティング事業
当社グループの主要事業セグメント分野である広告業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり、行動制限が課されないことなど感染対策と経済活動の両立を進めることで、多くの広告媒体等で正常化に向かい回復傾向となりました。特にインターネット広告分野は増加傾向が続き、マスコミ4媒体の広告費の規模に近く程まで増加しております。また、人流が回復したことにより、大型のイベントが開催されるなど、マスコミ4媒体分野なども回復傾向がみられますが、インターネット広告分野を除き、他の媒体は依然として厳しい状況は続いております。
北海道内においては、観光需要の回復傾向が見られるようになり、観光サービス分野ならびに企業によるイベントの再開の影響もあり、経済活動及び個人消費も回復傾向となりました。
このような環境の中、当社の強みであるデザイン力とマーケティング調査に基づいた企画提案力に加え、デジタルマーケティング分野のサービスラインナップ拡充やクライアントにとって適切な広告販促戦略の提案ができたことで、既存クライアントならびに新規クライアントの増加や受注に繋がり、インターネット広告も増加いたしました。また、地方創生事業を中心とした官公庁事業受託に注力し、観光コンサル分野の拡充にも積極的に取り組み具体的な成果に繋げて参りました。その他不動産を中心としたプロモーションの受注増加ならびにイベント等の再開による広告受託などが順調に増加推移し売上高に寄与いたしましたが、当3四半期連結会計期間においては、経済活動の回復基調が緩やかになったことで前年同期と比較して、若干の減収ではありますが、当第3四半期連結累計期間においては、増収増益で推移いたしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,991,569千円(前年同期比 23.9%増)となり、セグメント利益は315,028千円(前年同期比 48.9%増)となりました。
<参考・品目別の売上高>商品品目別の売上高と前年同期との比較増減は次のとおりです。
当第3四半期
連結累計期間
前年(2022年)
同期比増減
新聞折込チラシの売上高157,004千円12.9%減
マスメディア4媒体の売上高374,562千円17.0%増
販促物の売上高559,170千円8.1%増
観光コンサルの売上高496,646千円43.2%増
その他の売上高404,185千円65.9%増
セグメント売上高合計1,991,569千円23.9%増

(注)商品品目別の売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。
②債権投資事業
当社グループの債権投資事業は、不良債権化した金融債権のセカンダリー市場において投資対象債権を購入するものであります。
不良債権の流動化マーケットは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急避難的な資金繰り支援策があり、2021年度は倒産企業件数及び負債総額ともに減少しておりましたが、2022年度は倒産企業件数及び負債総額ともに増加に転じ、今後も増加傾向になることが想定されます。
金融機関等から市場へ出る金融債権の取扱額は年間11.4兆円と前期と比較して約0.6兆円(5.7%)増加し、またそれに比例し、取扱債権数も前年度より5.7%増加し、年間1,165万件となっております。(2023年3月報道発表資料 法務省 債権回収会社(サービサー)の業務状況について:出所)。
しかし、2023年2月28日付金融庁が公表した不良債権(金融再生法開示債権の状況等)の状況によれば、2022年9月期における全国銀行の金融再生法開示債権残高は8.8兆円に対し、2022年3月期は8.9兆円と0.1兆円減少し、その不良債権のうち危険債権残高及び破産更生等債権残高は6.9兆円とほぼ同額で推移しております。なお、全国企業倒産件数は6,880件及び負債総額も2兆3,243億円と2022年度は前年と比較すると大きく増加しており、不良債権の処理市場は一定規模で今後も推移することが想定されます。
新型コロナウイルス感染症の長期化による影響ならびに外国為替市場の円安や地政学リスク等の影響によりエネルギー価格及び原材料をはじめとする経費増加要因も重なり厳しい経済環境が続いていることから不良債権も今後の事業環境に大きく左右されるものと想定されますので、不良債権の処理市場の動向を注視して参ります。
当該事業セグメントにおいては、債権の集合体(グループ債権)の回収金額及び融資による営業貸付金利息を売上高としております。
債権の回収も経年により減少傾向ではありましたが、回収が順調であったこと及び第2四半期連結会計期間において融資を実行したことが業績に寄与しております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は 32,351千円(前年同期比 27.4%増)となり、セグメント利益は 11,689千円(前年同期比 46.7%増)となりました。
また、新型コロナウイルス感染症の影響の余波が広範囲に及んでいること、ならびに円安による原材料価格等の高騰など企業を取り巻く環境の変化もあり、今後は債務者の事業環境の悪化などの影響を受けて債権回収が滞るリスクもあり得るため動向を注視して参ります。
③介護福祉事業
当社グループの介護福祉事業は、当第3四半期連結累計期間において、札幌市内にグループホーム2ヶ所、訪問介護(ヘルパー)ステーション1ヶ所、サービス付き高齢者向け住宅1ヶ所を運営し、グループホームの入居率は95.7%、サービス付き高齢者向け住宅の入居率は84.2%となりました。入居率は暦日による加重平均方式によって計算しております。
低迷していたサービス付き高齢者向け住宅の入居率も第2四半期連結会計期間において若干改善されたことで、セグメント利益を計上することができましたが、当第3四半期連結会計期間では、再び入居率が低減したことなどから前年同期と同等程度の売上高となったこと、物価高騰による食材費や冬季間による光熱費等の経費も増加したこと、及び感染対策費用の負担は継続していることから、当第3四半期連結会計期間において、再びセグメント損失を計上することになりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は175,244千円(前年同期比 5.7%増)となり、セグメント損失は4,498千円(前年同期は15,902千円のセグメント損失)となりました。なお、当該セグメントにおける新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、入居者と従業員の安全衛生管理を徹底し、入居率の安定状態を維持することができれば、当該事業への影響は軽微でありますので、引き続き感染予防と防止含め、リスクを最小限に抑えるための対策を実施してまいります。
④ケアサービス事業
ケアサービス事業においては、当第3四半期連結累計期間において、伏古院(1号店)においてはリピート来院者の確保、新規来院者の増加により、来院者数は順調に推移しております。豊平院(2号店)については、来院者を伸ばすため、広告戦略の見直しに加え、キャンペーンを行うことで新規を含めた来院者数が増加傾向となり、業績は改善基調であります。そのため、前年同期と比較して両院ともに営業利益を計上することができましたが減収増益の結果となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は49,720千円(前年同期比 2.4%減)、セグメント利益2,328千円(前年同期は2,100千円のセグメント損失)となりました。
引き続きフランチャイズ本部の指導に基づき、新型コロナウイルス感染症対策を徹底し、顧客と従業員が安心して利用できる環境整備と施設運営を続けて、地域の健康増進に努めてまいります。
(2)財政状態の状況
当社グループの当第3四半期連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度と比較して337,141千円増加し1,306,420千円となりました。その主な内訳は、売掛金の275,909千円増加、営業貸付金46,255千円増加及び現金及び預金の11,562千円各々増加したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度と比較して15,736千円減少し183,958千円となりました。その主な内訳は減価償却費等により有形固定資産が12,866千円減少、無形固定資産が1,806千円減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度と比較して176,566千円増加し810,035千円となりました。その主な内訳は、支払手形及び買掛金の91,568千円増加、短期借入金の100,000千円増加及び未払法人税等の19,001千円増加などにより流動負債が292,789千円増加し、長期借入金の106,034千円減少などにより固定負債が116,222千円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度と比較して144,837千円増加し680,342千円となりました。その主な内訳は、当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益155,780千円計上及び利益剰余金の配当による剰余金の減少13,482千円があったことにより、利益剰余金が142,298千円増加したことによるものであります。
また、自己資本比率は44.9%(前連結会計年度末 45.1%)となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。