有価証券報告書-第31期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善を背景に、総じて緩やかな回復基調で推移しています。個人消費や設備投資も持ち直している一方、輸出や生産はおおむね横ばいで推移し、企業収益及び雇用情勢についても、米国の通商政策の影響が残るものの、改善の動きがみられています。また、物価面では、中東情勢の影響による原油価格の上昇等を背景に、消費者物価が、このところ上昇傾向にあります。こうした状況のもと、中東情勢を背景とした原油価格やエネルギー価格の動向、これに伴う金融資本市場への影響、ならびに米国の通商政策をめぐる動向などが、景気を下押しするリスクとなっており、先行きに不透明感を与えています。
当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、生成AI関連を中心としたデータセンター等の需要拡大を背景に、半導体市場全体では回復基調が継続する中、メモリー市況では需給の逼迫を背景とした価格上昇が進行しており、こうした調達環境の変化が事業運営に影響を及ぼす状況にあります。一方で、AIやデジタル・トランスフォーメーション(以下、DXという)、グリーン・トランスフォーメーション(以下、GXという)の進展を背景とした中長期的な需要拡大への期待は、引き続き高まっています。
このような情勢の下、当社グループは、当中期経営期間を前中期経営期間より推進してきた「収益構造改革」の総仕上げの期間と位置づけ、既存のお客様への安定供給に努めつつ、DX及びGX関連市場を重点分野として、取引基盤の拡充や商材ポートフォリオの高度化に取り組んでまいりました。また、成長分野への経営資源配分を進めるとともに、収益性や効率性を意識した事業運営を継続して推進してまいりました。
こうした取組みを継続する中で、当社グループは、中期的に目指す収益水準の達成に向けた基本的な方向性を維持しつつ、足元では収益性の確保をより重視した経営体制へと軸足を移しております。成長と効率化の両立を図りながら、収益の安定性と持続性を高めていく段階に入っており、当社グループは現在、「次の成長ステージに向けた収益基盤の構築を進めるフェーズにある」ものと認識しております。
当連結会計年度における当社グループの業績は、減収減益となりました。売上高につきましては、分野ごとに増減はあったものの、半導体製品分野における一部ビジネスの商流移管や前年の反動減の影響などにより、全体としては減収となりました。利益面につきましては、主にメモリー市況の変動等を背景とした調達環境の変化により原価率が上昇したことが影響し、売上総利益が減少しました。販売費及び一般管理費は概ね抑制したものの、売上総利益の減少を補うには至らず、営業利益は減益となりました。また、経常利益以下の利益指標につきましては、営業利益の減少に加え、仕入資金需要の増加に伴うドル建て資産負債のネットポジション拡大を背景に為替差損が増加したことから、減益となりました。
その結果、売上高は428億12百万円(前年同期比2.1%減)、営業利益は10億66百万円(前年同期比23.9%減)、経常利益は5億23百万円(前年同期比43.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億51百万円(前年同期比45.2%減)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
当連結会計年度は、システム製品分野の増収が下支えしましたが、半導体製品、ディスプレイ及びバッテリー&電力機器分野が弱含み、売上高は410億76百万円(前年同期比0.1%減)となりました。また、主にメモリー市況の変動等を背景とした調達環境の変化により原価率が上昇したことが影響し、売上総利益が減少したため、セグメント利益は11億31百万円(前年同期比21.1%減)となりました。
(海外)
当連結会計年度は、中国向けビジネスの低迷により、売上高は17億35百万円(前年同期比33.9%減)となり、セグメント損失は33百万円(前年同期は33百万円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度末の財政状態は、総資産は221億34百万円(前連結会計年度末比33.1%増)、負債は146億67百万円(前連結会計年度末比58.9%増)、純資産は74億67百万円(前連結会計年度末比0.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度において、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ3億97百万円増加し69億73百万円となりました。主な要因は、財務活動による資金の増加によるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果減少した資金は、42億93百万円(前年同期は30億68百万円の増加)となりました。主な要因は、棚卸資産の増加を26億92百万円、前渡金の増加を12億7百万円、売上債権の増加を10億57百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は1億67百万円(前年同期は39百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出88百万円、無形固定資産の取得による支出70百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は47億20百万円(前年同期は24億62百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入金の純増額47億48百万円があったことによるものであります。
③ 仕入及び販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の仕入実績及び当該仕入実績の総仕入実績に対する割合は次のとおりであります。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の仕入実績のうち、当該仕入実績の総仕入実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
(a) 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ2.1%、9億33百万円減少し、428億12百万円となりました。
品目別売上高は、次のとおりであります。
・半導体製品分野
メモリー関連商材の価格上昇による増加があったものの、当初より想定していた一部車載向けビジネスの商流移管に加え、前年に計上したファウンドリービジネスの反動減が影響し、売上高は減少しました。
・ディスプレイ分野
テレビ向け液晶ディスプレイモジュールの需要増加や有機EL案件の進捗に加え、完成品としての液晶ディスプレイの販路拡大という積み重ねがあったものの、PC向けの需要が一巡したことで売上高は減少しました。
・システム製品分野
検査等装置及びEMSビジネスが堅調に推移したことに加え、AIサーバーのメーカーラインナップ強化による案件の獲得が進み、売上高は増加しました。
・バッテリー&電力機器分野
バッテリー周辺機器や電力機器が増加したものの、主力である家庭用蓄電システム向けビジネスの減少が影響し、売上高は減少しました。
・その他分野
省エネルギーや環境負荷低減に資する商材等の提案強化を進め、売上高は増加しました。
(b) 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ1.4%、5億78百万円減少し、395億6百万円となり、売上原価率は同0.7ポイント上昇し92.3%となりました。これは、主にメモリー市況の変動等を背景とした調達環境が変化したためです。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ0.9%、20百万円減少し、22億39百万円となりました。これは主に、人件費の圧縮によるものです。
(c) 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ23.9%、3億34百万円減少し、10億66百万円となり、営業利益率は同0.7ポイント減少し2.5%となりました。これは売上総利益の減少のためです。
(d) 営業外損益及び経常利益
当連結会計年度は、支払利息は減少しましたが為替差損の増加等があり、営業外損益は前連結会計年度と比べ71百万円の減少となりました。上記の通り営業利益も減少したことにより、経常利益は5億23百万円(前年同期比43.7%減)となりました。
(e) 特別損益
当連結会計年度は、SDT THAI CO.,LTD.の清算による関係会社清算益を計上したため、特別損益は前連結会計年度と比べ19百万円の増加となりました。
(f) 法人税等及び当期純利益
法人税、住民税及び事業税、並びに法人税等調整額を合わせた税金費用の合計は1億91百万円であり、税金等調整前当期純利益に対する負担率は35.2%であります。
b. 財政状態の分析
(a) 資産
総資産は221億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ54億98百万円(33.1%)増加しました。主な要因は、商品が26億86百万円(116.8%)、前渡金が12億7百万円(1,382.5%)、売掛金が10億円(13.6%)増加したことによるものであります。
(b) 負債
負債は146億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ54億36百万円(58.9%)増加しました。主な要因は、有利子負債が55億95百万円(93.7%)増加したことによるものであります。
(c) 純資産
純資産は74億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ62百万円(0.8%)増加しました。主な要因は、利益剰余金が1億16百万円(2.4%)増加したことによるものであります。
(d) 経営指標
流動比率は、商品の増加を上回る短期借入金の増加等により前連結会計年度末と比べ25.0ポイント減少し152.9%となりました。自己資本比率は、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ10.8ポイント減少し33.7%となりました。有利子負債対純資産比率は1.5倍となり、前連結会計年度末と比べ0.7ポイント増加しました。
c. 資本の財源及び資金の流動性について
(a) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、42億93百万円の資金の減少(前年同期は30億68百万円の増加)となりました。主な要因は、棚卸資産の増加を26億92百万円、前渡金の増加を12億7百万円、売上債権の増加を10億57百万円計上したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1億67百万円の資金の減少(前年同期は39百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出88百万円、無形固定資産の取得による支出70百万円があったことによるものであります。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは44億61百万円の資金の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、47億20百万円の資金の増加(前年同期は24億62百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入金の純増額47億48百万円があったことによるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は69億73百万円(前年同期は65億76百万円)となりました。
(b) 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用等であります。これらの資金需要に対し、主として金融機関からの借入により調達することとしております。
なお、当社グループの資金需要等の動向につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (8)資金調達」に記載のとおりであります。
d. 経営成績に重要な影響を与える要因について
世界的な物価の上昇や各国の通商政策の動向等による海外経済の悪化懸念等の下振れリスクが顕在化し、景気低迷による消費マインドが低下した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
併せて、当社グループは、仕入れ及び販売にかかる外貨取引の割合が高いため、わが国を含めた各国の中央銀行による金融政策の変更や経済動向の変化、金融不安等によって為替の急激な変動があった場合、為替差損益が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは、社内規程に基づき為替変動リスクの低減に努めておりますが、急激な市場変動が生じた場合には、当該リスクを完全に回避できない可能性があります。
供給面での制約によって、他社を含めた部品の調達難による顧客の生産調整等が行われた場合、当社グループの主要販売先が属する市場の需給動向に影響を及ぼす可能性があり、それらの要因等より、主要販売先の所要数量に変動が生じた場合は収益が減少する等、主として売上面を通じて、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
昨今の情勢を背景に、地政学的リスクへの懸念が高まる中、各種費用の増加懸念があるとともに、事態が緊迫化した場合は、サプライチェーンが混乱するおそれがあります。このような状況下で供給制約に拍車がかかり、商品の需給バランスが崩れた場合、主要仕入先(メーカー)に高い依存をしている当社グループの経営成績へ影響を及ぼす可能性があります。
また、上記の景気変動並びに、為替変動及びサプライチェーンの混乱、または、その他の要因による、販売先の事業環境の急激な変化によって財政状態が極端に悪化した場合、売掛債権等が取立遅延や不能になるおそれがあります。そのような場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、上記の事象の顕在化等により著しく当社グループの財政状態や経営成績が悪化し、資金調達環境が変化した場合は、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
以上を踏まえ、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の中で、経営者の視点により分析・検討した結果、「特に重要なリスク」として認識しているリスクは、以下のとおりとなります。
・(1) 景気変動の影響
・(2) 為替リスク
・(3) 地政学的リスク
・(5) 商品の需給動向の変動
・(6) 主要仕入先(メーカー)への高依存
・(7) 主要販売先への高依存
・(8) 資金調達
・(12) 売掛債権回収リスク
e. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、事業活動の成果を示す指標である経常利益に加え、資本効率の観点から自己資本利益率(RОE)を重視しております。
経常利益は、当社グループの本業における収益力や事業運営の安定性を示す指標であり、期初(2025年5月12日)に公表した業績見通しに対する達成状況を通じて、年度ごとの業績を把握した上で評価しております。一方、RОEは、利益水準のみならず、資産効率や財務構造を含めた経営全体の成果を総合的に示す指標であり、資本コストを意識した経営を推進するうえで重要な評価軸として位置付けております。
経常利益については、上期の業績進捗や市場環境の変化等を踏まえ、期中に業績予想の修正を行いましたが、期末においては、メモリー価格高騰を背景としたドル建て仕入資金需要の増加や、将来の事業拡大を見据えた資金手当としてのドル建て有利子負債の積み増し等により、為替差損が想定を上回って発生したことから、経常利益以下の利益指標が前回公表予想を下回る結果となりました。
一方、RОEは、当連結会計年度における利益水準に加え、運転資金の増加に伴う資産効率の低下等を反映した結果、株主資本コストを下回る水準となりました。当社グループとしましては、引き続き、資産効率の向上、高付加価値商品の拡販、資金調達の効率化等に継続的に取り組んでまいります。そして、これらの取組みを通じて、資本コストを上回る収益性の確保と、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善を背景に、総じて緩やかな回復基調で推移しています。個人消費や設備投資も持ち直している一方、輸出や生産はおおむね横ばいで推移し、企業収益及び雇用情勢についても、米国の通商政策の影響が残るものの、改善の動きがみられています。また、物価面では、中東情勢の影響による原油価格の上昇等を背景に、消費者物価が、このところ上昇傾向にあります。こうした状況のもと、中東情勢を背景とした原油価格やエネルギー価格の動向、これに伴う金融資本市場への影響、ならびに米国の通商政策をめぐる動向などが、景気を下押しするリスクとなっており、先行きに不透明感を与えています。
当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、生成AI関連を中心としたデータセンター等の需要拡大を背景に、半導体市場全体では回復基調が継続する中、メモリー市況では需給の逼迫を背景とした価格上昇が進行しており、こうした調達環境の変化が事業運営に影響を及ぼす状況にあります。一方で、AIやデジタル・トランスフォーメーション(以下、DXという)、グリーン・トランスフォーメーション(以下、GXという)の進展を背景とした中長期的な需要拡大への期待は、引き続き高まっています。
このような情勢の下、当社グループは、当中期経営期間を前中期経営期間より推進してきた「収益構造改革」の総仕上げの期間と位置づけ、既存のお客様への安定供給に努めつつ、DX及びGX関連市場を重点分野として、取引基盤の拡充や商材ポートフォリオの高度化に取り組んでまいりました。また、成長分野への経営資源配分を進めるとともに、収益性や効率性を意識した事業運営を継続して推進してまいりました。
こうした取組みを継続する中で、当社グループは、中期的に目指す収益水準の達成に向けた基本的な方向性を維持しつつ、足元では収益性の確保をより重視した経営体制へと軸足を移しております。成長と効率化の両立を図りながら、収益の安定性と持続性を高めていく段階に入っており、当社グループは現在、「次の成長ステージに向けた収益基盤の構築を進めるフェーズにある」ものと認識しております。
当連結会計年度における当社グループの業績は、減収減益となりました。売上高につきましては、分野ごとに増減はあったものの、半導体製品分野における一部ビジネスの商流移管や前年の反動減の影響などにより、全体としては減収となりました。利益面につきましては、主にメモリー市況の変動等を背景とした調達環境の変化により原価率が上昇したことが影響し、売上総利益が減少しました。販売費及び一般管理費は概ね抑制したものの、売上総利益の減少を補うには至らず、営業利益は減益となりました。また、経常利益以下の利益指標につきましては、営業利益の減少に加え、仕入資金需要の増加に伴うドル建て資産負債のネットポジション拡大を背景に為替差損が増加したことから、減益となりました。
その結果、売上高は428億12百万円(前年同期比2.1%減)、営業利益は10億66百万円(前年同期比23.9%減)、経常利益は5億23百万円(前年同期比43.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億51百万円(前年同期比45.2%減)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
当連結会計年度は、システム製品分野の増収が下支えしましたが、半導体製品、ディスプレイ及びバッテリー&電力機器分野が弱含み、売上高は410億76百万円(前年同期比0.1%減)となりました。また、主にメモリー市況の変動等を背景とした調達環境の変化により原価率が上昇したことが影響し、売上総利益が減少したため、セグメント利益は11億31百万円(前年同期比21.1%減)となりました。
(海外)
当連結会計年度は、中国向けビジネスの低迷により、売上高は17億35百万円(前年同期比33.9%減)となり、セグメント損失は33百万円(前年同期は33百万円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度末の財政状態は、総資産は221億34百万円(前連結会計年度末比33.1%増)、負債は146億67百万円(前連結会計年度末比58.9%増)、純資産は74億67百万円(前連結会計年度末比0.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度において、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ3億97百万円増加し69億73百万円となりました。主な要因は、財務活動による資金の増加によるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果減少した資金は、42億93百万円(前年同期は30億68百万円の増加)となりました。主な要因は、棚卸資産の増加を26億92百万円、前渡金の増加を12億7百万円、売上債権の増加を10億57百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は1億67百万円(前年同期は39百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出88百万円、無形固定資産の取得による支出70百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は47億20百万円(前年同期は24億62百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入金の純増額47億48百万円があったことによるものであります。
③ 仕入及び販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本(千円) | 42,044,772 | 113.1 |
| 海外(千円) | 1,371 | 136.8 |
| 合計(千円) | 42,046,144 | 113.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の仕入実績及び当該仕入実績の総仕入実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額 (千円) | 割合 (%) | 金額 (千円) | 割合 (%) | |
| SK hynix Japan(株) | 5,644,085 | 15.2 | 9,908,179 | 23.6 |
| GigaDevice Semiconductor Inc. | 10,353,408 | 27.9 | 7,927,920 | 18.9 |
| BOE TECHNOLOGY (HK) LIMITED | 6,149,602 | 16.5 | 6,279,395 | 14.9 |
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の仕入実績のうち、当該仕入実績の総仕入実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本(千円) | 41,076,538 | 99.9 |
| 海外(千円) | 1,735,471 | 66.1 |
| 合計(千円) | 42,812,010 | 97.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額 (千円) | 割合 (%) | 金額 (千円) | 割合 (%) | |
| JCET STATS ChipPAC Korea Ltd. | 5,138,392 | 11.7 | 5,242,731 | 12.2 |
| NECパーソナルコンピュータ(株) | 5,158,398 | 11.8 | 5,098,087 | 11.9 |
| Amkor Technology Korea, Inc. | 5,509,695 | 12.6 | - | - |
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
(a) 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ2.1%、9億33百万円減少し、428億12百万円となりました。
品目別売上高は、次のとおりであります。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||||
| 品目別 | (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減率 (%) | ||
| 金額(千円) | 構成比(%) | 金額(千円) | 構成比(%) | ||
| 半導体製品 | 28,866,930 | 66.0 | 26,103,760 | 61.0 | △9.6 |
| ディスプレイ | 7,659,500 | 17.5 | 7,461,705 | 17.4 | △2.6 |
| システム製品 | 5,364,381 | 12.3 | 7,710,378 | 18.0 | 43.7 |
| バッテリー&電力機器 | 1,604,517 | 3.7 | 1,254,519 | 2.9 | △21.8 |
| その他 | 249,889 | 0.5 | 281,647 | 0.7 | 12.7 |
| 合計 | 43,745,219 | 100.0 | 42,812,010 | 100.0 | △2.1 |
・半導体製品分野
メモリー関連商材の価格上昇による増加があったものの、当初より想定していた一部車載向けビジネスの商流移管に加え、前年に計上したファウンドリービジネスの反動減が影響し、売上高は減少しました。
・ディスプレイ分野
テレビ向け液晶ディスプレイモジュールの需要増加や有機EL案件の進捗に加え、完成品としての液晶ディスプレイの販路拡大という積み重ねがあったものの、PC向けの需要が一巡したことで売上高は減少しました。
・システム製品分野
検査等装置及びEMSビジネスが堅調に推移したことに加え、AIサーバーのメーカーラインナップ強化による案件の獲得が進み、売上高は増加しました。
・バッテリー&電力機器分野
バッテリー周辺機器や電力機器が増加したものの、主力である家庭用蓄電システム向けビジネスの減少が影響し、売上高は減少しました。
・その他分野
省エネルギーや環境負荷低減に資する商材等の提案強化を進め、売上高は増加しました。
(b) 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ1.4%、5億78百万円減少し、395億6百万円となり、売上原価率は同0.7ポイント上昇し92.3%となりました。これは、主にメモリー市況の変動等を背景とした調達環境が変化したためです。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ0.9%、20百万円減少し、22億39百万円となりました。これは主に、人件費の圧縮によるものです。
(c) 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ23.9%、3億34百万円減少し、10億66百万円となり、営業利益率は同0.7ポイント減少し2.5%となりました。これは売上総利益の減少のためです。
(d) 営業外損益及び経常利益
当連結会計年度は、支払利息は減少しましたが為替差損の増加等があり、営業外損益は前連結会計年度と比べ71百万円の減少となりました。上記の通り営業利益も減少したことにより、経常利益は5億23百万円(前年同期比43.7%減)となりました。
(e) 特別損益
当連結会計年度は、SDT THAI CO.,LTD.の清算による関係会社清算益を計上したため、特別損益は前連結会計年度と比べ19百万円の増加となりました。
(f) 法人税等及び当期純利益
法人税、住民税及び事業税、並びに法人税等調整額を合わせた税金費用の合計は1億91百万円であり、税金等調整前当期純利益に対する負担率は35.2%であります。
b. 財政状態の分析
(a) 資産
総資産は221億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ54億98百万円(33.1%)増加しました。主な要因は、商品が26億86百万円(116.8%)、前渡金が12億7百万円(1,382.5%)、売掛金が10億円(13.6%)増加したことによるものであります。
(b) 負債
負債は146億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ54億36百万円(58.9%)増加しました。主な要因は、有利子負債が55億95百万円(93.7%)増加したことによるものであります。
(c) 純資産
純資産は74億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ62百万円(0.8%)増加しました。主な要因は、利益剰余金が1億16百万円(2.4%)増加したことによるものであります。
(d) 経営指標
流動比率は、商品の増加を上回る短期借入金の増加等により前連結会計年度末と比べ25.0ポイント減少し152.9%となりました。自己資本比率は、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ10.8ポイント減少し33.7%となりました。有利子負債対純資産比率は1.5倍となり、前連結会計年度末と比べ0.7ポイント増加しました。
c. 資本の財源及び資金の流動性について
(a) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、42億93百万円の資金の減少(前年同期は30億68百万円の増加)となりました。主な要因は、棚卸資産の増加を26億92百万円、前渡金の増加を12億7百万円、売上債権の増加を10億57百万円計上したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1億67百万円の資金の減少(前年同期は39百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出88百万円、無形固定資産の取得による支出70百万円があったことによるものであります。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは44億61百万円の資金の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、47億20百万円の資金の増加(前年同期は24億62百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入金の純増額47億48百万円があったことによるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は69億73百万円(前年同期は65億76百万円)となりました。
(b) 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用等であります。これらの資金需要に対し、主として金融機関からの借入により調達することとしております。
なお、当社グループの資金需要等の動向につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (8)資金調達」に記載のとおりであります。
d. 経営成績に重要な影響を与える要因について
世界的な物価の上昇や各国の通商政策の動向等による海外経済の悪化懸念等の下振れリスクが顕在化し、景気低迷による消費マインドが低下した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
併せて、当社グループは、仕入れ及び販売にかかる外貨取引の割合が高いため、わが国を含めた各国の中央銀行による金融政策の変更や経済動向の変化、金融不安等によって為替の急激な変動があった場合、為替差損益が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは、社内規程に基づき為替変動リスクの低減に努めておりますが、急激な市場変動が生じた場合には、当該リスクを完全に回避できない可能性があります。
供給面での制約によって、他社を含めた部品の調達難による顧客の生産調整等が行われた場合、当社グループの主要販売先が属する市場の需給動向に影響を及ぼす可能性があり、それらの要因等より、主要販売先の所要数量に変動が生じた場合は収益が減少する等、主として売上面を通じて、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
昨今の情勢を背景に、地政学的リスクへの懸念が高まる中、各種費用の増加懸念があるとともに、事態が緊迫化した場合は、サプライチェーンが混乱するおそれがあります。このような状況下で供給制約に拍車がかかり、商品の需給バランスが崩れた場合、主要仕入先(メーカー)に高い依存をしている当社グループの経営成績へ影響を及ぼす可能性があります。
また、上記の景気変動並びに、為替変動及びサプライチェーンの混乱、または、その他の要因による、販売先の事業環境の急激な変化によって財政状態が極端に悪化した場合、売掛債権等が取立遅延や不能になるおそれがあります。そのような場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、上記の事象の顕在化等により著しく当社グループの財政状態や経営成績が悪化し、資金調達環境が変化した場合は、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
以上を踏まえ、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の中で、経営者の視点により分析・検討した結果、「特に重要なリスク」として認識しているリスクは、以下のとおりとなります。
・(1) 景気変動の影響
・(2) 為替リスク
・(3) 地政学的リスク
・(5) 商品の需給動向の変動
・(6) 主要仕入先(メーカー)への高依存
・(7) 主要販売先への高依存
・(8) 資金調達
・(12) 売掛債権回収リスク
e. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、事業活動の成果を示す指標である経常利益に加え、資本効率の観点から自己資本利益率(RОE)を重視しております。
経常利益は、当社グループの本業における収益力や事業運営の安定性を示す指標であり、期初(2025年5月12日)に公表した業績見通しに対する達成状況を通じて、年度ごとの業績を把握した上で評価しております。一方、RОEは、利益水準のみならず、資産効率や財務構造を含めた経営全体の成果を総合的に示す指標であり、資本コストを意識した経営を推進するうえで重要な評価軸として位置付けております。
| 指標 | 当初目標 | 実績 | 差異(%) |
| 経常利益 | 1,200百万円 | 523百万円 | △56.3% |
| 自己資本利益率(RОE) | 10.0% | 4.7% | △5.3% |
経常利益については、上期の業績進捗や市場環境の変化等を踏まえ、期中に業績予想の修正を行いましたが、期末においては、メモリー価格高騰を背景としたドル建て仕入資金需要の増加や、将来の事業拡大を見据えた資金手当としてのドル建て有利子負債の積み増し等により、為替差損が想定を上回って発生したことから、経常利益以下の利益指標が前回公表予想を下回る結果となりました。
一方、RОEは、当連結会計年度における利益水準に加え、運転資金の増加に伴う資産効率の低下等を反映した結果、株主資本コストを下回る水準となりました。当社グループとしましては、引き続き、資産効率の向上、高付加価値商品の拡販、資金調達の効率化等に継続的に取り組んでまいります。そして、これらの取組みを通じて、資本コストを上回る収益性の確保と、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。