有価証券報告書-第7期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
(業績等の概要)
(1) 業績
当期の経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀による経済政策の継続を背景に、企業の業績が好調に推移するとともに雇用や所得環境の改善が進んだことにより、緩やかな回復が続いております。一方、米中貿易摩擦の激化による景気への影響や、欧州での英国のEU離脱を巡る混迷が続く等、世界経済の先行きは不透明感を強めております。
当社グループは、デジタルによるコンテンツの創作から利用・活用に至るまでの諸活動をトータルに支援できる環境の提供を経営理念に掲げ、事業を推進しております。
当連結会計年度におきましては、ソフトウェアIPを核とした経営に重点を置き、開発リソースの戦略的配置等、経営効率向上に注力しております。
その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は3,789,652千円(前年同期比4.2%増)、営業利益は374,886千円(前年同期比11.5%減)となりました。
また、経常利益につきましては、支払利息1,345千円、為替差損11,486千円を計上したこと等により、357,679千円の経常利益(前年同期比12.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、税金費用31,701千円を控除したこと等により、334,144千円の親会社株主に帰属する当期純利益(前年同期比10.8%減)となりました。
事業別セグメントにつきましては、以下のとおりであります。
<クリエイターサポート事業>当連結会計年度においては、マンガ・イラスト・アニメ制作ソフトウェア「CLIP STUDIO PAINT」シリーズの、平成24年発売開始からの全世界における累計出荷本数が、453万本を超えました。
また、電子書籍ソリューションのブランド名を「BS Reader」から「CLIP STUDIO READER」に変更し、「CLIP STUDIOソリューション」との連携の強化を行ってまいりました。
さらに、「CLIP STUDIO PAINT EX」は、経済産業省の「サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)」の対象製品に認定されました。IT導入補助金の対象製品にアニメーション制作ツールとして認定されるのは、「CLIP STUDIO PAINT EX」が初めての事例となります。
この他、「CLIP STUDIO PAINT」の最新バージョンに、機械学習(AI)の技術を活用したトーン(網点)を消去・分離できる機能を搭載いたしました。これにより、従来、手間がかかっていたトーン消去の作業が、メニューから選択するだけで自動で行えることになり、電子書籍におけるマンガのカラーリングの効率化が可能となりました。
また、デジタルでマンガ制作を行う作家のデジタル入稿支援を目指した業務提携を、株式会社集英社と締結いたしました。これにより「CLIP STUDIO PAINT」への集英社専用原稿用紙の追加や、作品の漫画賞や編集部へのオンライン入稿が可能となり、デジタル環境で制作を行うメリットが活かせるようになりました。今後も、よりマンガを出版・配信しやすい環境の実現に取り組んでまいります。
「CLIP STUDIO PAINT PRO」においては、株式会社ワコムから発売されたペンタブレット「Wacom Intuos」にバンドルされ、全世界へ提供されました。
また、企業や教育機関での大規模な導入に最適な「CLIP STUDIO PAINT EX ボリュームライセンス サブスクリプション版」においては、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、韓国語及び中国語(繁体字)の各言語での提供を開始いたしました。
さらに、先行して日本語版のみで提供していた株式会社アイビスモバイルの人気描画アプリ「ibisPaint」と「CLIP STUDIO PAINT」の連携機能を全言語で利用可能にし、利便性を向上いたしました。
iPad用マンガ・イラスト・アニメ制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT for iPad」においては、新グレード「PRO」と「年額プラン」を、全世界同時に提供を開始いたしました。
この他、マンガやデジタルアート、イラスト制作を教えるヨーロッパ各国のアートスクールの生徒を対象としたマンガ・イラストコンテスト「European Comic Schools Contest」を開催いたしました。
また、株式会社奈良新聞社主催の現代「阿修羅」展へ協賛し、現代における新しい「阿修羅」の姿をテーマにしたイラストコンテストに「CLIP STUDIO PAINT」を提供いたしました。
さらに、ペンタブレットでの作業がより快適になる入力デバイス、新型「CLIP STUDIO TABMATE」を全国の販売店、及びオンラインショップにて販売を開始いたしました。
なお、インターネットを通じて、イラスト、マンガ、アニメ、小説を制作するクリエイターの創作活動をトータルに支援するwebサイト「CLIP STUDIO」においては、平成30年12月末時点の登録者数は146万人となっております。
以上の結果、売上高は2,956,794千円(前年同期比22.5%増)、営業利益は472,096千円(前年同期比57.3%増)となりました。
UI/UX事業では、自動車(四輪・二輪)関連分野を筆頭に、HMIの基盤であるUIオーサリングソフトウェア群「exbeans UI Conductor」(エックスビーンズユーアイコンダクター)を中心とする自社IP製品の開発に注力してまいりました。
当連結会計年度においては、「exbeans UI Conductor」のバージョンアップを行い、「ビューモデル」、「ビューステートエディタ」機能を搭載し、3D機能をさらに強化した新バージョンv1.9.0をリリースいたしました。これにより、組込みアプリとUIの分離を促進し、並行開発によって生産性の改善に寄与するとともに、UIの表現力と、3Dのパフォーマンスが向上いたしました。
また、「exbeans UI Conductor」においては、利便性の向上による市場価値を高めるため、各種ハードウェア・ソフトウェアベンダーとの協業、及び共同ソリューションの開発を推進いたしました。アイテック阪急阪神株式会社のECU開発支援ツール「CANTOOL」との連携ソリューションを開発し、HMI開発ソリューションのデモを、自動車技術者・研究者のための自動車技術の専門展 「人とくるまのテクノロジー展2018」(横浜及び名古屋)において展示いたしました。
さらに、株式会社アットマークテクノの省電力組込みプラットフォーム「Armadillo-640(アルマジロ-640)」のユーザーを対象に、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を開発するための組込み機器向けHMI/GUI統合開発ツール「exbeans UI Conductor SDK」の評価版を、3ヵ月間限定で、無償でお試しいただけるサービスを開始いたしました。
なお、「exbeans UI Conductor」は、プリンター分野において、セイコーエプソン株式会社のプリンターへの搭載台数が、累計で410万台を超えております。
また、平成27年8月より大手OEMの車載機器向けサービスソフトウェアに採用されている当社製品は、北米市場を中心とした出荷台数が累計で297万台を超えております。
以上の結果、売上高は885,850千円(前年同期比31.4%減)、営業損失は67,423千円(前年同期は55,573千円の営業利益)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比べ205,576千円増加し、2,612,714千円となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,007,074千円(前連結会計年度は1,021,462千円の獲得)となりました。これは主として、たな卸資産の増加額137,668千円や法人税等の支払額47,563千円等があったものの、税金等調整前当期純利益365,846千円の計上や減価償却費の計上534,377千円等の資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、550,631千円(前連結会計年度は577,430千円の使用)となりました。これは主として、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出476,738千円、有形固定資産の取得による支出47,116千円等の支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、250,865千円(前連結会計年度は108,862千円の使用)となりました。これは主として、短期借入金の返済による支出140,000千円や長期借入金の返済による支出84,964千円等があったことによるものであります。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、2,612,714千円となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. 金額は、当期製造費用によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. 金額は、仕入価格によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 受注実績
当連結会計年度における生産業務は、ライセンス販売を目的とした見込生産であり、個別受注生産の占める割合が低いため、受注金額の記載を省略しております。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.調整額△52,993千円は、主に内部取引の消去によるものであります。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、有価証券・固定資産の減損、たな卸資産の評価、貸倒引当金の設定、ビューア利用料売上の見積り計上等の重要な会計方針及び見積りに関する判断を行っています。当社の経営陣は、過去の実績や状況等に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。また実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べて333,308千円増加し4,357,424千円となりました。この主な要因は、売掛金が44,370千円、ソフトウエアが53,215千円減少した一方で、現金及び預金が209,183千円、仕掛品が118,832千円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べて23,982千円増加し880,627千円となりました。この主な要因は、短期借入金が140,000千円減少した一方で未払金が93,224千円、未払法人税等が21,899千円、役員退職慰労引当金が32,360千円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて309,325千円増加し3,476,797千円となりました。この主な要因は、株式の発行等により資本金が1,395千円、資本剰余金が1,395千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が306,976千円増加したこと等によるものであります。なお、自己資本比率は、79.5%となりました。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの計画の達成状況は以下の通りです
当連結会計年度における連結売上高は計画比168,652千円増(4.7%増)となりました。また、連結営業利益は計画比7,886千円増(2.1%増)となりました。これは、クリエイターサポート事業における海外での販売が好調に推移したこと、及び収益性の高い売上が計上されたことによるものであります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループが主に事業展開しているソフトウェア業界は、技術革新の速度及びその変化度が著しい業界であり、新技術、新サービスが次々と生み出されております。当社としては、担当部門において当該技術革新に対応するよう研究開発に努めております。
しかしながら、当社グループが想定していない新技術、新サービス等が普及した場合には、当社グループの提供するソフトウェア、サービス等が陳腐化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、継続的に研究開発に注力し、競争力を維持するために魅力ある製品、サービス等を提供していく所存であります。
(5) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、ソフトウェア開発に係る人件費のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資及びM&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資及びM&A等の資金調達につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本とし、場合によっては新株予約権の発行等を行うなど、資金調達の多様性を図っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は68,080千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,612,714千円となっております。
(7) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当社グループは、連結営業利益を経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等とし、目標数値を設定しております。
当連結会計年度におきましては、連結売上高は目標3,621,000千円に対して3,789,652千円の実績となり、目標に対して168,652千円上回りました。また、連結営業利益は目標367,000千円に対して374,886千円の実績となり、目標に対して7,886千円上回っており、当社グループ全体としては順調に推移しております。
今後も当指標を目標として経営を行うことにより、当社グループの企業価値の向上を図ってまいります。
(1) 業績
当期の経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀による経済政策の継続を背景に、企業の業績が好調に推移するとともに雇用や所得環境の改善が進んだことにより、緩やかな回復が続いております。一方、米中貿易摩擦の激化による景気への影響や、欧州での英国のEU離脱を巡る混迷が続く等、世界経済の先行きは不透明感を強めております。
当社グループは、デジタルによるコンテンツの創作から利用・活用に至るまでの諸活動をトータルに支援できる環境の提供を経営理念に掲げ、事業を推進しております。
当連結会計年度におきましては、ソフトウェアIPを核とした経営に重点を置き、開発リソースの戦略的配置等、経営効率向上に注力しております。
その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は3,789,652千円(前年同期比4.2%増)、営業利益は374,886千円(前年同期比11.5%減)となりました。
また、経常利益につきましては、支払利息1,345千円、為替差損11,486千円を計上したこと等により、357,679千円の経常利益(前年同期比12.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、税金費用31,701千円を控除したこと等により、334,144千円の親会社株主に帰属する当期純利益(前年同期比10.8%減)となりました。
事業別セグメントにつきましては、以下のとおりであります。
<クリエイターサポート事業>当連結会計年度においては、マンガ・イラスト・アニメ制作ソフトウェア「CLIP STUDIO PAINT」シリーズの、平成24年発売開始からの全世界における累計出荷本数が、453万本を超えました。
また、電子書籍ソリューションのブランド名を「BS Reader」から「CLIP STUDIO READER」に変更し、「CLIP STUDIOソリューション」との連携の強化を行ってまいりました。
さらに、「CLIP STUDIO PAINT EX」は、経済産業省の「サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)」の対象製品に認定されました。IT導入補助金の対象製品にアニメーション制作ツールとして認定されるのは、「CLIP STUDIO PAINT EX」が初めての事例となります。
この他、「CLIP STUDIO PAINT」の最新バージョンに、機械学習(AI)の技術を活用したトーン(網点)を消去・分離できる機能を搭載いたしました。これにより、従来、手間がかかっていたトーン消去の作業が、メニューから選択するだけで自動で行えることになり、電子書籍におけるマンガのカラーリングの効率化が可能となりました。
また、デジタルでマンガ制作を行う作家のデジタル入稿支援を目指した業務提携を、株式会社集英社と締結いたしました。これにより「CLIP STUDIO PAINT」への集英社専用原稿用紙の追加や、作品の漫画賞や編集部へのオンライン入稿が可能となり、デジタル環境で制作を行うメリットが活かせるようになりました。今後も、よりマンガを出版・配信しやすい環境の実現に取り組んでまいります。
「CLIP STUDIO PAINT PRO」においては、株式会社ワコムから発売されたペンタブレット「Wacom Intuos」にバンドルされ、全世界へ提供されました。
また、企業や教育機関での大規模な導入に最適な「CLIP STUDIO PAINT EX ボリュームライセンス サブスクリプション版」においては、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、韓国語及び中国語(繁体字)の各言語での提供を開始いたしました。
さらに、先行して日本語版のみで提供していた株式会社アイビスモバイルの人気描画アプリ「ibisPaint」と「CLIP STUDIO PAINT」の連携機能を全言語で利用可能にし、利便性を向上いたしました。
iPad用マンガ・イラスト・アニメ制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT for iPad」においては、新グレード「PRO」と「年額プラン」を、全世界同時に提供を開始いたしました。
この他、マンガやデジタルアート、イラスト制作を教えるヨーロッパ各国のアートスクールの生徒を対象としたマンガ・イラストコンテスト「European Comic Schools Contest」を開催いたしました。
また、株式会社奈良新聞社主催の現代「阿修羅」展へ協賛し、現代における新しい「阿修羅」の姿をテーマにしたイラストコンテストに「CLIP STUDIO PAINT」を提供いたしました。
さらに、ペンタブレットでの作業がより快適になる入力デバイス、新型「CLIP STUDIO TABMATE」を全国の販売店、及びオンラインショップにて販売を開始いたしました。
なお、インターネットを通じて、イラスト、マンガ、アニメ、小説を制作するクリエイターの創作活動をトータルに支援するwebサイト「CLIP STUDIO」においては、平成30年12月末時点の登録者数は146万人となっております。
以上の結果、売上高は2,956,794千円(前年同期比22.5%増)、営業利益は472,096千円(前年同期比57.3%増)となりました。
当連結会計年度においては、「exbeans UI Conductor」のバージョンアップを行い、「ビューモデル」、「ビューステートエディタ」機能を搭載し、3D機能をさらに強化した新バージョンv1.9.0をリリースいたしました。これにより、組込みアプリとUIの分離を促進し、並行開発によって生産性の改善に寄与するとともに、UIの表現力と、3Dのパフォーマンスが向上いたしました。
また、「exbeans UI Conductor」においては、利便性の向上による市場価値を高めるため、各種ハードウェア・ソフトウェアベンダーとの協業、及び共同ソリューションの開発を推進いたしました。アイテック阪急阪神株式会社のECU開発支援ツール「CANTOOL」との連携ソリューションを開発し、HMI開発ソリューションのデモを、自動車技術者・研究者のための自動車技術の専門展 「人とくるまのテクノロジー展2018」(横浜及び名古屋)において展示いたしました。
さらに、株式会社アットマークテクノの省電力組込みプラットフォーム「Armadillo-640(アルマジロ-640)」のユーザーを対象に、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を開発するための組込み機器向けHMI/GUI統合開発ツール「exbeans UI Conductor SDK」の評価版を、3ヵ月間限定で、無償でお試しいただけるサービスを開始いたしました。
なお、「exbeans UI Conductor」は、プリンター分野において、セイコーエプソン株式会社のプリンターへの搭載台数が、累計で410万台を超えております。
また、平成27年8月より大手OEMの車載機器向けサービスソフトウェアに採用されている当社製品は、北米市場を中心とした出荷台数が累計で297万台を超えております。
以上の結果、売上高は885,850千円(前年同期比31.4%減)、営業損失は67,423千円(前年同期は55,573千円の営業利益)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比べ205,576千円増加し、2,612,714千円となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,007,074千円(前連結会計年度は1,021,462千円の獲得)となりました。これは主として、たな卸資産の増加額137,668千円や法人税等の支払額47,563千円等があったものの、税金等調整前当期純利益365,846千円の計上や減価償却費の計上534,377千円等の資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、550,631千円(前連結会計年度は577,430千円の使用)となりました。これは主として、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出476,738千円、有形固定資産の取得による支出47,116千円等の支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、250,865千円(前連結会計年度は108,862千円の使用)となりました。これは主として、短期借入金の返済による支出140,000千円や長期借入金の返済による支出84,964千円等があったことによるものであります。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、2,612,714千円となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
クリエイターサポート事業 | 1,807,971 | 117.4 |
UI/UX事業 | 818,595 | 110.8 |
合計 | 2,626,567 | 115.3 |
(注)1. 金額は、当期製造費用によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
クリエイターサポート事業 | 141,813 | 121.3 |
UI/UX事業 | ― | ― |
合計 | 141,813 | 121.3 |
(注)1. 金額は、仕入価格によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 受注実績
当連結会計年度における生産業務は、ライセンス販売を目的とした見込生産であり、個別受注生産の占める割合が低いため、受注金額の記載を省略しております。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
クリエイターサポート事業 | 2,956,794 | 122.5 |
UI/UX事業 | 885,850 | 68.6 |
調整額 | △52,993 | ― |
合計 | 3,789,652 | 104.2 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.調整額△52,993千円は、主に内部取引の消去によるものであります。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
株式会社アムタス | 509,528 | 14.0 | 616,315 | 16.3 |
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、有価証券・固定資産の減損、たな卸資産の評価、貸倒引当金の設定、ビューア利用料売上の見積り計上等の重要な会計方針及び見積りに関する判断を行っています。当社の経営陣は、過去の実績や状況等に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。また実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べて333,308千円増加し4,357,424千円となりました。この主な要因は、売掛金が44,370千円、ソフトウエアが53,215千円減少した一方で、現金及び預金が209,183千円、仕掛品が118,832千円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べて23,982千円増加し880,627千円となりました。この主な要因は、短期借入金が140,000千円減少した一方で未払金が93,224千円、未払法人税等が21,899千円、役員退職慰労引当金が32,360千円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて309,325千円増加し3,476,797千円となりました。この主な要因は、株式の発行等により資本金が1,395千円、資本剰余金が1,395千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が306,976千円増加したこと等によるものであります。なお、自己資本比率は、79.5%となりました。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの計画の達成状況は以下の通りです
指標 | 計画数値 | 実績 | 計画比 |
連結売上高 | 3,621,000千円 | 3,789,652千円 | 168,652千円増 (4.7%増) |
連結営業利益 | 367,000千円 | 374,886千円 | 7,886千円増 (2.1%増) |
当連結会計年度における連結売上高は計画比168,652千円増(4.7%増)となりました。また、連結営業利益は計画比7,886千円増(2.1%増)となりました。これは、クリエイターサポート事業における海外での販売が好調に推移したこと、及び収益性の高い売上が計上されたことによるものであります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループが主に事業展開しているソフトウェア業界は、技術革新の速度及びその変化度が著しい業界であり、新技術、新サービスが次々と生み出されております。当社としては、担当部門において当該技術革新に対応するよう研究開発に努めております。
しかしながら、当社グループが想定していない新技術、新サービス等が普及した場合には、当社グループの提供するソフトウェア、サービス等が陳腐化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、継続的に研究開発に注力し、競争力を維持するために魅力ある製品、サービス等を提供していく所存であります。
(5) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、ソフトウェア開発に係る人件費のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資及びM&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資及びM&A等の資金調達につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本とし、場合によっては新株予約権の発行等を行うなど、資金調達の多様性を図っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は68,080千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,612,714千円となっております。
(7) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当社グループは、連結営業利益を経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等とし、目標数値を設定しております。
当連結会計年度におきましては、連結売上高は目標3,621,000千円に対して3,789,652千円の実績となり、目標に対して168,652千円上回りました。また、連結営業利益は目標367,000千円に対して374,886千円の実績となり、目標に対して7,886千円上回っており、当社グループ全体としては順調に推移しております。
今後も当指標を目標として経営を行うことにより、当社グループの企業価値の向上を図ってまいります。