有価証券報告書-第13期(2024/01/01-2024/12/31)
(経営成績等の状況の概要)
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、デジタルコンテンツの制作から流通までをトータルに支援できる環境の提供を目指して、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の開発・提供を中心とした「コンテンツ制作ソリューション事業」と、コンテンツ流通基盤ソリューション「DC3」及び電子書籍配信ソリューションの開発・提供を中心とした「コンテンツ流通ソリューション事業」の2つの分野で事業を展開してまいりました。なお、2025年12月期からは、新たに「中期経営計画 2025-2027」を策定し、事業を推進してまいります。詳しくは、2025年2月14日に開示しました「中期経営計画 2025-2027」をご参照ください。
2024年9月25日に、当社株式は東京証券取引所スタンダード市場から東京証券取引所プライム市場への市場区分を変更いたしました。なお、同日開示しました「2025年12月期(次期)配当(東京証券取引所プライム市場変更記念配当)に関するお知らせ」のとおり、東京証券取引所プライム市場への上場市場区分変更の記念として2025年12月期の中間配当では、普通配当に加えて、1株当たり10円のプライム市場変更記念配当を実施いたします。
また、当社は、2024年11月15日に開示しました「連結子会社の株式取得(完全子会社化)、吸収合併(簡易合併・略式合併)及び債権放棄並びに個別決算における特別損失の計上に関するお知らせ」のとおり、DC3ソリューションの開発完了を受け、当社グループ内でのDC3活用推進や、経営の合理化を目的に、当社の連結子会社であった株式会社&DC3を、2025年1月1日付で吸収合併いたしました。なお、本吸収合併に伴い、2025年12月期より単体決算に移行いたします。
当連結会計年度におきましても、ソフトウェアIPを核とした経営に重点を置き、戦略的な開発投資を継続して行い、企業価値の向上に注力しております。その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は8,204,959千円(前期比1.4%増)、営業利益は2,146,236千円(同58.7%増)となりました。なお、前連結会計年度には、2023年8月1日付で売却したUI/UX事業の売上高1,071,092千円が含まれておりますが、当期は当該売上の減少を上回る売上増加により、増収となりました。また、利益面に関しては、グループ全体の収支バランスを意識した開発投資の効率化や、コスト見直し施策の実施により、東証プライム市場への上場準備及び上場に伴うコストの上昇を補い、前期比増益となっております。
また、経常利益につきましては、営業外収益として為替差益118,020千円を計上したこと等により2,279,315千円(同62.3%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、法人税等888,777千円を計上したこと等により1,399,893千円(同123.5%増)となりました。
なお、自己資本当期純利益率(ROE)については、23.6%となり前期の8.5%から向上しております。
当社は、株主還元を重視しており、2024年3月1日から1年間で2,000,000千円分の自己株式の取得を予定しています。その一環として2024年6月3日及び同年12月20日に開示しました「自己株式の取得状況及び取得終了に関するお知らせ」のとおり、同年3月から5月の間に999,946千円分(1,202,700株)、同年11月から12月の間に499,875千円分(363,900株)の自己株式を取得いたしました。残りの500,000千円分も同年12月20日に開示しました「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」のとおり2025年3月31日までに取得する予定です。あわせて、2024年6月7日に開示しました「中間配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」のとおり、2024年12月期の中間配当(2024年9月30日支払)は1株当たり2円の増配を実施いたしました。さらに、同年8月2日に開示しました「配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」のとおり、期末配当につきましても1株当たり2円の増配を実施することとし、これにより2024年12月期の配当金につきましては、中間配当12円、期末配当12円の合計24円(前年比12円増配)となっております。
また、2024年2月9日に開示いたしました「資本金及び資本準備金の額の減少に関するお知らせ」のとおり、今後の機動的かつ柔軟な資本政策に備えるため資本金及び資本準備金の額の減少につきましては、予定どおり同年4月17日に効力が発生し、資本金の額が10,000千円、資本準備金の額が2,500千円に減少しております。減資により、増加した剰余金を、配当金、自己株式取得、さらなる株主還元施策や今後の資本政策等に活用してまいります。
その他、2024年2月に、AI及びWeb3関連技術の協業関係強化を目的に、株式会社アクセルと資本業務提携をいたしました。本提携により、当社は株式会社アクセルの株式464,800株を914,726千円で取得いたしました。一方、株式会社アクセルは当社株式を市場買付により1,081,000株取得しております。
各社との資本業務提携契約の進捗状況につきまして、WEBTOON Entertainment Inc.及びLINE Digital Frontier株式会社とは、WEBTOONコンテンツ制作の効率向上、AI分野や「DC3」ソリューションの活用等を推進、株式会社ワコムとはクリエイティブ制作に欠かせないワコム製品と連携した販促活動、株式会社アクセルとはAI技術の共同開発を実施しております。
なお、前連結会計年度において、UI/UX事業を事業譲渡したことに伴い、当連結会計年度からUI/UX事業の報告セグメントを廃止しております。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
<コンテンツ制作ソリューション事業>コンテンツ制作ソリューション事業は、グラフィック分野で活動するクリエイターの創作活動をサポートする、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作SaaSサービス及び創作を支援するコミュニティサイトを通じて、コンテンツの制作にまつわるサービスをグローバルに提供しております。なお、2025年12月期からは、新たに策定した中期経営計画にあわせて事業セグメントを単一セグメントに変更いたします。
2024年3月に、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の機能向上を目的とした開発投資の成果として、「CLIP STUDIO PAINT」のメジャーバージョンアップを実施し、バージョン3.0をリリースいたしました。あわせて、収益性の向上と継続的なサービス提供を実現することを目的に、「CLIP STUDIO PAINT」のSaaS提供であるサブスクリプション契約価格及び買い切り版の価格を改定いたしました。今後も、サービスの価値向上に応じた価格改定を行ってまいります。
2024年3月にメジャーバージョンアップで提供を開始したバージョン3.0は、最新の機能を利用するためには、買い切りモデルのユーザーも追加のサブスクリプション契約をしていただく、または、新バージョンを優待購入いただく形態としております。バージョン3.0はリリース以来好評をいただき、さらに、リリースにあわせて、新規ユーザーの獲得を目的とした全世界に向けた販売促進キャンペーンも実施いたしました。これにより、サブスクリプション契約の増加や、既存の買い切りモデルユーザーからの新バージョン購入により収益が改善し、より安定的、かつ継続的なサービス提供が可能となりました。
メジャーバージョンアップ施策は、マーケットにおける認知度の向上効果により、売上高及び利用者数の底上げが実現できるため、2025年12月期以降も定期的に実施する予定です。
世界の11言語に対応している「CLIP STUDIO PAINT」は、約80%が日本語以外の海外に向けた出荷となっており、特に中国本土については、サブスクリプション契約数が順調に増加傾向で推移しAppStoreにおける国別売上高構成比では上位7位となる等、今後も成長が見込まれます。
「CLIP STUDIO PAINT」は、累計出荷本数が2024年10月に4,500万本を超え、2025年1月には4,805万本となりました。なお、「CLIP STUDIO PAINT」サブスクリプションモデルによるSaaSサービス提供のARRは、毎月開示しております「月次事業進捗レポート」をご参照ください。
「CLIP STUDIO PAINT」サブスクリプション契約の2024年12月におけるチャーンレートは4.8%となっております。また、イラスト、マンガ、Webtoon、アニメーション分野のクリエイターをサポートするコミュニティ「CLIP STUDIO」のクリエイターの会員数は、2024年7月に900万人に達し、同年12月には全世界で965万人(同17.1%増)となりました。
当社が注力しているサブスクリプションモデルでのライセンス提供は、廉価で利用開始の敷居を下げる反面、一括でまとまった金額のライセンス料を徴収する買い切りモデルに比べ、短期的には収益効果が低くなります。しかしながら、継続してご利用頂くことで中・長期においては安定した収益が期待できるため、引き続きサブスクリプションモデル契約の増加を目指してまいります。
2024年3月にはワイヤレスの片手入力デバイス「CLIP STUDIO TABMATE 2」の販売を開始いたしました。「CLIP STUDIO TABMATE 2」は、はじめてiPad・iPhoneに対応することで、モバイル環境向け「CLIP STUDIO PAINT」の操作性が向上し、競合アプリに対する競争力の強化を実現しました。「CLIP STUDIO TABMATE 2」はリリース以来好評をいただき、出荷本数は当初見込みを上回って推移しております。
2024年10月には、「CLIP STUDIO PAINT」が、Samsungの最新ノートパソコン「Galaxy Book5」にバンドルされ、北米・欧州から販売が開始され、また、12月には、「NEC LAVIE Tab T11」に「CLIP STUDIO PAINT」がプリインストールされました。バンドル・プリインストイールされた「CLIP STUDIO PAINT」は、無料利用期間後にサブスクリプション契約を行うことで継続利用できる形となっており、サブスクリプション契約の増加が期待されます。さらに「Galaxy Book5」はグローバルでのバンドルが順次実施される予定であり、海外ユーザーの増加も期待できます。
2024年12月には、本田技研工業株式会社と協力し、「CLIP STUDIO PAINT」での創作に活用可能な「Honda Super Cub C125」(スーパーカブ C125)の3Dモデルを、素材サービス「CLIP STUDIO ASSETS」で、無料配布を開始しました。
また、「CLIP STUDIO PAINT」の海外における認知度やユーザー層の拡大に向けた取り組みとして、スペイン最大級のマンガ、ゲーム、エンターテインメントの総合イベント「Mangafest」等の海外イベントに協賛を行いました。
この他、海外利用ユーザー及びサブスクリプション契約の増加を目的とした、全世界に向けたプロモーション活動を継続的に実施しております。
以上の結果、売上高は7,143,207千円(前期比18.9%増)、営業利益は2,848,718千円(同30.8%増)となりました。
<コンテンツ流通ソリューション事業>コンテンツ流通ソリューション事業は、コンテンツ流通基盤ソリューション「DC3」や、電子書籍ソリューションの開発・提供を通じて、コンテンツの流通にまつわるソリューションを提供しております。なお、2025年12月期からは、新たに策定した中期経営計画にあわせて事業セグメントを単一セグメントに変更いたします。
あらゆるデジタルデータを唯一無二の “モノ” として扱うことでデジタルコンテンツの流通を実現する基盤ソリューション「DC3」においては、2024年11月に「DC3」のアップデートによりDC3マイルームの3D部屋モデルを追加したことに加えて、マスターコンテンツ登録画面の刷新、Googleアカウント・CLIP STUDIOアカウントでのログインへの対応によって、UI/UXの向上を図りました。
さらに、12月には、DC3プレイヤー「Hiveチケットプレイヤー」及びチケットコンテンツ作成サービス「チケッティア」のアップデートを実施し、チケットに動画・音声を設定できるようになりました。
あわせて、「DC3」ソリューションの利用促進を目的とした営業・プロモーション活動を推進し、「DC3」ソリューションが、複数のサービス事業者に採用されております。虎の穴グループのクリエイターとファンを結ぶ新しい月額制ファンクラブプラットフォーム「クリエイティア」において、DC3コンテンツの販売機能が2024年1月にリリースされております。また、2024年7月より放送開始しているTVアニメ「俺は全てを『パリイ』する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~」、「北海の魔獣あざらしさん」や、ゲーム「エルシャダイ」等の、IPを保有する事業者とのコラボレーションを実施しました。
なお、「DC3」ソリューションは当初計画していた研究開発が完了しております。今後は安定性及びユーザビリティの向上といった改善フェーズへと移行し、開発投資を抑制しながら、「CLIP STUDIO PAINT」との連携や、当社が提供するサービスでの活用推進に加え、サービス事業者へソリューションの提供も継続してまいります。
また、一般社団法人JCBIの技術推進部会の副部会長を務める&DC3が、経済産業省の「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」におけるコンテンツIP保護ガイドライン策定に向けて実証実験やヒアリングを実施するコンテンツNFT研究会へ参画しました。2025年12月期からは当社として、参加するコンテンツ企業各社と連携して活動してまいります。
電子書籍ソリューションにおいては、電子書籍ビューア「CLIP STUDIO READER」を始めとする、電子書籍オーサリングソフトウェア等、様々なデバイス・プラットフォームに対応した電子書籍の制作・流通・再生にまつわるソリューションの提供を行っております。2024年10月には、Google社より提供開始されたAndroidの最新OS「Android 15」に対応いたしました。
以上の結果、売上高は1,061,751千円(前期比4.9%増)、営業損失は681,995千円(前期は744,687千円の営業損失)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ213,721千円減少し、5,348,060千円となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、3,732,848千円(前連結会計年度は2,344,617千円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益2,215,661千円の計上や減価償却費の計上657,896千円、法人税等の還付214,416千円等の資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,645,953千円(前連結会計年度は1,474,161千円の使用)となりました。これは主として、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出687,369千円、投資有価証券の取得による支出915,926千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の使用した資金は、2,300,616千円(前連結会計年度は2,122,989千円の使用)となりました。これは主として、配当金の支払額776,250千円や自己株式の取得による支出1,499,934千円があったことによるものであります。この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、5,348,060千円となりました。
(3) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、当期製造費用によっております。
2.前連結会計年度において、UI/UX事業を事業譲渡したことに伴い、当連結会計年度からUI/UX事業の報告セグメントを廃止しております。そのため、当該セグメントについては記載に含めておりません。
② 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.前連結会計年度において、UI/UX事業を事業譲渡したことに伴い、当連結会計年度からUI/UX事業の報告セグメントを廃止しております。そのため、当該セグメントについては記載に含めておりません。
③ 受注実績
当連結会計年度における生産業務は、ライセンス販売を目的とした見込生産であり、個別受注生産の占める割合が低いため、受注金額の記載を省略しております。
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.前連結会計年度において、UI/UX事業を事業譲渡したことに伴い、当連結会計年度からUI/UX事業の報告セグメントを廃止しております。そのため、当該セグメントについては記載に含めておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、有価証券・固定資産の減損、棚卸資産の評価、貸倒引当金の設定、ビューア利用料売上の見積り計上等の重要な会計方針及び見積りに関する判断を行っています。当社の経営陣は、過去の実績や状況等に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。また実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べて120,254千円減少し8,431,270千円となりました。この主な要因は、売掛金が20,323千円、原材料及び貯蔵品が63,949千円、投資有価証券が631,435千円増加したものの、自社株買いの実施等により現金及び預金が210,121千円、未収入金が218,714千円、繰延税金資産が153,373千円、その他流動資産が239,775千円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べて1,121,067千円増加し3,012,475千円となりました。この主な要因は、未払法人税等が688,716千円、前受金が270,804千円、未払金が42,534千円、役員退職慰労金が45,950千円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,241,321千円減少し5,418,795千円となりました。主な要因は、自社株買い等により自己株式が1,492,169千円増加したこと等によるものであります。なお、自己資本比率は、63.4%となりました。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの売上計画、営業利益の達成状況は以下のとおりです。
当連結会計年度における連結売上高は、期初では7,723,000千円、連結営業利益では1,655,000千円の計画を見込んでおりました。2024年8月9日開催の取締役会において、連結売上高を8,009,000千円、連結営業利益を1,988,000千円へ修正いたしました。修正後計画に対し連結売上高では195,959千円上回り、連結営業利益は158,236千円上回りました。
その他、営業利益の状況、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループが主に事業展開しているソフトウェア業界は、技術革新の速度及びその変化度が著しい業界であり、新技術、新サービスが次々と生み出されております。当社としては、担当部門において当該技術革新に対応するよう研究開発に努めております。
しかしながら、当社グループが想定していない新技術、新サービス等が普及した場合には、当社グループの提供するソフトウェア、サービス等が陳腐化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、継続的に研究開発に注力し、競争力を維持するために魅力ある製品、サービス等を提供していく所存であります。
(5) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、ソフトウェア開発に係る人件費のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資及びM&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資及びM&A等の資金調達につきましては自己資金及び自己株式の割当並びに金融機関からの長期借入を基本とし、資金調達の多様性を図っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高はありません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,348,060千円となっております。
(7) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当社グループは、連結営業利益を経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等とし、目標数値を設定しております。
2024年8月9日に発表した連結会計年度の業績予想、売上高8,009,000千円、営業利益1,988,000千円、経常利益2,117,000千円、親会社株主に帰属する当期純利益1,340,000千円の達成状況は、下記のとおりです。
① 売上高
グループ合計の売上高につきましては、8,204,959千円となりました。セグメント別では、下記のとおりとなっております。
<コンテンツ制作ソリューション事業>コンテンツ制作ソリューション事業では、3月にイラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の機能向上を目的とした開発投資の成果として、「CLIP STUDIO PAINT」のメジャーバージョンアップを実施し、バージョン3.0をリリースいたしました。あわせて、収益性の向上と継続的なサービス提供を実現することを目的に、「CLIP STUDIO PAINT」のSaaS提供であるサブスクリプション契約価格及び買い切り版の価格を改定いたしました。
2024年3月にメジャーバージョンアップで提供を開始したバージョン3.0は、最新の機能を利用するためには、買い切りモデルのユーザーも追加のサブスクリプション契約をしていただく、または、新バージョンを優待購入いただく形態としております。バージョン3.0はリリース以来好評をいただき、さらに、リリースにあわせて、新規ユーザーの獲得を目的とした全世界に向けた販売促進キャンペーンも実施いたしました。これにより、サブスクリプション契約の増加や、既存の買い切りモデルユーザーからの新バージョン購入により収益が改善し、より安定的、かつ継続的なサービス提供が可能となりました。
世界の11言語に対応している「CLIP STUDIO PAINT」は、約80%が日本語以外の海外に向けた出荷となっており、特に中国本土については、サブスクリプション契約数が順調に増加傾向で推移しAppStoreにおける国別売上高構成比では上位7位となる等、今後も成長が見込まれます。
「CLIP STUDIO PAINT」は、累計出荷本数が2024年10月に4,500万本を超え、2025年1月には4,805万本となりました。
「CLIP STUDIO PAINT」サブスクリプション契約の2024年12月におけるチャーンレートは4.8%となっております。また、イラスト、マンガ、Webtoon、アニメーション分野のクリエイターをサポートするコミュニティ「CLIP STUDIO」のクリエイターの会員数は、2024年7月に900万人に達し、同年12月には全世界で965万人(同17.1%増)となりました。
当社が注力しているサブスクリプションモデルでのライセンス提供は、廉価で利用開始の敷居を下げる反面、一括でまとまった金額のライセンス料を徴収する買い切りモデルに比べ、短期的には収益効果が低くなります。しかしながら、継続してご利用頂くことで中・長期においては安定した収益が期待できるため、引き続きサブスクリプションモデル契約の増加を目指してまいります。
この他、海外利用ユーザー及びサブスクリプション契約の増加を目的とした、全世界に向けたプロモーション活動を継続的に実施しております。
<コンテンツ流通ソリューション事業>あらゆるデジタルデータを唯一無二の “モノ” として扱うことでデジタルコンテンツの流通を実現する基盤ソリューション「DC3」においては、2024年11月に「DC3」のアップデートによりDC3マイルームの3D部屋モデルを追加したことに加えて、マスターコンテンツ登録画面の刷新、Googleアカウント・CLIP STUDIOアカウントでのログインへの対応によって、UI/UXの向上を図りました。
DC3プレイヤー「Hiveチケットプレイヤー」及びチケットコンテンツ作成サービス「チケッティア」のアップデートを実施し、チケットに動画・音声を設定できるようになりました。あわせて、「DC3」ソリューションの利用促進を目的とした営業・プロモーション活動を推進し、「DC3」ソリューションが、複数のサービス事業者に採用されております。
なお、「DC3」ソリューションは当初計画していた研究開発が完了しております。今後は安定性及びユーザビリティの向上といった改善フェーズへと移行し、開発投資を抑制しながら、「CLIP STUDIO PAINT」との連携や、当社が提供するサービスでの活用推進に加え、サービス事業者へソリューションの提供も継続してまいります。
電子書籍ソリューションにおいては、電子書籍ビューア「CLIP STUDIO READER」を始めとする、電子書籍オーサリングソフトウェア等、様々なデバイス・プラットフォームに対応した電子書籍の制作・流通・再生にまつわるソリューションの提供を行っております。10月には、Google社より提供開始されたAndroidの最新OS「Android 15」に対応いたしました。
② 営業利益
上記の「売上高」に記載のとおり、3月に実施した「CLIP STUDIO PAINT」のメジャーバージョンアップ、あわせて、収益性の向上と継続的なサービス提供を実現することを目的に、「CLIP STUDIO PAINT」のSaaS提供であるサブスクリプション契約価格及び買い切り版の価格を改定により増収となる中、原価及び販管費の費用面においてマネージメントに注力しました。外注費、広告宣伝費及び販売促進費のマネジメントに努めた結果、2,146,236千円となりました。
③ 経常利益
営業外収益として受取配当金を37,932千円、為替差益118,020千円計上したこと、営業外費用として自己株式取得に係る支払手数料20,468千円及び子会社の清算に伴う割増退職金3,818千円を計上したこと等により2,279,315千円となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益として新株予約権戻入益9,280千円、特別損失として減損損失72,631千円をそれぞれ計上、税金費用として法人税、住民税及び事業税を729,756千円、法人税等調整額159,020千円を計上したこと等により、1,399,893千円となりました。
今後も絶対売上高の拡大、営業利益の拡大を目標として経営を行うことにより、当社グループの企業価値の向上を図ってまいります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、デジタルコンテンツの制作から流通までをトータルに支援できる環境の提供を目指して、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の開発・提供を中心とした「コンテンツ制作ソリューション事業」と、コンテンツ流通基盤ソリューション「DC3」及び電子書籍配信ソリューションの開発・提供を中心とした「コンテンツ流通ソリューション事業」の2つの分野で事業を展開してまいりました。なお、2025年12月期からは、新たに「中期経営計画 2025-2027」を策定し、事業を推進してまいります。詳しくは、2025年2月14日に開示しました「中期経営計画 2025-2027」をご参照ください。
2024年9月25日に、当社株式は東京証券取引所スタンダード市場から東京証券取引所プライム市場への市場区分を変更いたしました。なお、同日開示しました「2025年12月期(次期)配当(東京証券取引所プライム市場変更記念配当)に関するお知らせ」のとおり、東京証券取引所プライム市場への上場市場区分変更の記念として2025年12月期の中間配当では、普通配当に加えて、1株当たり10円のプライム市場変更記念配当を実施いたします。
また、当社は、2024年11月15日に開示しました「連結子会社の株式取得(完全子会社化)、吸収合併(簡易合併・略式合併)及び債権放棄並びに個別決算における特別損失の計上に関するお知らせ」のとおり、DC3ソリューションの開発完了を受け、当社グループ内でのDC3活用推進や、経営の合理化を目的に、当社の連結子会社であった株式会社&DC3を、2025年1月1日付で吸収合併いたしました。なお、本吸収合併に伴い、2025年12月期より単体決算に移行いたします。
当連結会計年度におきましても、ソフトウェアIPを核とした経営に重点を置き、戦略的な開発投資を継続して行い、企業価値の向上に注力しております。その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は8,204,959千円(前期比1.4%増)、営業利益は2,146,236千円(同58.7%増)となりました。なお、前連結会計年度には、2023年8月1日付で売却したUI/UX事業の売上高1,071,092千円が含まれておりますが、当期は当該売上の減少を上回る売上増加により、増収となりました。また、利益面に関しては、グループ全体の収支バランスを意識した開発投資の効率化や、コスト見直し施策の実施により、東証プライム市場への上場準備及び上場に伴うコストの上昇を補い、前期比増益となっております。
また、経常利益につきましては、営業外収益として為替差益118,020千円を計上したこと等により2,279,315千円(同62.3%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、法人税等888,777千円を計上したこと等により1,399,893千円(同123.5%増)となりました。
なお、自己資本当期純利益率(ROE)については、23.6%となり前期の8.5%から向上しております。
当社は、株主還元を重視しており、2024年3月1日から1年間で2,000,000千円分の自己株式の取得を予定しています。その一環として2024年6月3日及び同年12月20日に開示しました「自己株式の取得状況及び取得終了に関するお知らせ」のとおり、同年3月から5月の間に999,946千円分(1,202,700株)、同年11月から12月の間に499,875千円分(363,900株)の自己株式を取得いたしました。残りの500,000千円分も同年12月20日に開示しました「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」のとおり2025年3月31日までに取得する予定です。あわせて、2024年6月7日に開示しました「中間配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」のとおり、2024年12月期の中間配当(2024年9月30日支払)は1株当たり2円の増配を実施いたしました。さらに、同年8月2日に開示しました「配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」のとおり、期末配当につきましても1株当たり2円の増配を実施することとし、これにより2024年12月期の配当金につきましては、中間配当12円、期末配当12円の合計24円(前年比12円増配)となっております。
また、2024年2月9日に開示いたしました「資本金及び資本準備金の額の減少に関するお知らせ」のとおり、今後の機動的かつ柔軟な資本政策に備えるため資本金及び資本準備金の額の減少につきましては、予定どおり同年4月17日に効力が発生し、資本金の額が10,000千円、資本準備金の額が2,500千円に減少しております。減資により、増加した剰余金を、配当金、自己株式取得、さらなる株主還元施策や今後の資本政策等に活用してまいります。
その他、2024年2月に、AI及びWeb3関連技術の協業関係強化を目的に、株式会社アクセルと資本業務提携をいたしました。本提携により、当社は株式会社アクセルの株式464,800株を914,726千円で取得いたしました。一方、株式会社アクセルは当社株式を市場買付により1,081,000株取得しております。
各社との資本業務提携契約の進捗状況につきまして、WEBTOON Entertainment Inc.及びLINE Digital Frontier株式会社とは、WEBTOONコンテンツ制作の効率向上、AI分野や「DC3」ソリューションの活用等を推進、株式会社ワコムとはクリエイティブ制作に欠かせないワコム製品と連携した販促活動、株式会社アクセルとはAI技術の共同開発を実施しております。
なお、前連結会計年度において、UI/UX事業を事業譲渡したことに伴い、当連結会計年度からUI/UX事業の報告セグメントを廃止しております。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
<コンテンツ制作ソリューション事業>コンテンツ制作ソリューション事業は、グラフィック分野で活動するクリエイターの創作活動をサポートする、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作SaaSサービス及び創作を支援するコミュニティサイトを通じて、コンテンツの制作にまつわるサービスをグローバルに提供しております。なお、2025年12月期からは、新たに策定した中期経営計画にあわせて事業セグメントを単一セグメントに変更いたします。
2024年3月に、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の機能向上を目的とした開発投資の成果として、「CLIP STUDIO PAINT」のメジャーバージョンアップを実施し、バージョン3.0をリリースいたしました。あわせて、収益性の向上と継続的なサービス提供を実現することを目的に、「CLIP STUDIO PAINT」のSaaS提供であるサブスクリプション契約価格及び買い切り版の価格を改定いたしました。今後も、サービスの価値向上に応じた価格改定を行ってまいります。
2024年3月にメジャーバージョンアップで提供を開始したバージョン3.0は、最新の機能を利用するためには、買い切りモデルのユーザーも追加のサブスクリプション契約をしていただく、または、新バージョンを優待購入いただく形態としております。バージョン3.0はリリース以来好評をいただき、さらに、リリースにあわせて、新規ユーザーの獲得を目的とした全世界に向けた販売促進キャンペーンも実施いたしました。これにより、サブスクリプション契約の増加や、既存の買い切りモデルユーザーからの新バージョン購入により収益が改善し、より安定的、かつ継続的なサービス提供が可能となりました。
メジャーバージョンアップ施策は、マーケットにおける認知度の向上効果により、売上高及び利用者数の底上げが実現できるため、2025年12月期以降も定期的に実施する予定です。
世界の11言語に対応している「CLIP STUDIO PAINT」は、約80%が日本語以外の海外に向けた出荷となっており、特に中国本土については、サブスクリプション契約数が順調に増加傾向で推移しAppStoreにおける国別売上高構成比では上位7位となる等、今後も成長が見込まれます。
「CLIP STUDIO PAINT」は、累計出荷本数が2024年10月に4,500万本を超え、2025年1月には4,805万本となりました。なお、「CLIP STUDIO PAINT」サブスクリプションモデルによるSaaSサービス提供のARRは、毎月開示しております「月次事業進捗レポート」をご参照ください。
「CLIP STUDIO PAINT」サブスクリプション契約の2024年12月におけるチャーンレートは4.8%となっております。また、イラスト、マンガ、Webtoon、アニメーション分野のクリエイターをサポートするコミュニティ「CLIP STUDIO」のクリエイターの会員数は、2024年7月に900万人に達し、同年12月には全世界で965万人(同17.1%増)となりました。
当社が注力しているサブスクリプションモデルでのライセンス提供は、廉価で利用開始の敷居を下げる反面、一括でまとまった金額のライセンス料を徴収する買い切りモデルに比べ、短期的には収益効果が低くなります。しかしながら、継続してご利用頂くことで中・長期においては安定した収益が期待できるため、引き続きサブスクリプションモデル契約の増加を目指してまいります。
2024年3月にはワイヤレスの片手入力デバイス「CLIP STUDIO TABMATE 2」の販売を開始いたしました。「CLIP STUDIO TABMATE 2」は、はじめてiPad・iPhoneに対応することで、モバイル環境向け「CLIP STUDIO PAINT」の操作性が向上し、競合アプリに対する競争力の強化を実現しました。「CLIP STUDIO TABMATE 2」はリリース以来好評をいただき、出荷本数は当初見込みを上回って推移しております。
2024年10月には、「CLIP STUDIO PAINT」が、Samsungの最新ノートパソコン「Galaxy Book5」にバンドルされ、北米・欧州から販売が開始され、また、12月には、「NEC LAVIE Tab T11」に「CLIP STUDIO PAINT」がプリインストールされました。バンドル・プリインストイールされた「CLIP STUDIO PAINT」は、無料利用期間後にサブスクリプション契約を行うことで継続利用できる形となっており、サブスクリプション契約の増加が期待されます。さらに「Galaxy Book5」はグローバルでのバンドルが順次実施される予定であり、海外ユーザーの増加も期待できます。
2024年12月には、本田技研工業株式会社と協力し、「CLIP STUDIO PAINT」での創作に活用可能な「Honda Super Cub C125」(スーパーカブ C125)の3Dモデルを、素材サービス「CLIP STUDIO ASSETS」で、無料配布を開始しました。
また、「CLIP STUDIO PAINT」の海外における認知度やユーザー層の拡大に向けた取り組みとして、スペイン最大級のマンガ、ゲーム、エンターテインメントの総合イベント「Mangafest」等の海外イベントに協賛を行いました。
この他、海外利用ユーザー及びサブスクリプション契約の増加を目的とした、全世界に向けたプロモーション活動を継続的に実施しております。
以上の結果、売上高は7,143,207千円(前期比18.9%増)、営業利益は2,848,718千円(同30.8%増)となりました。
<コンテンツ流通ソリューション事業>コンテンツ流通ソリューション事業は、コンテンツ流通基盤ソリューション「DC3」や、電子書籍ソリューションの開発・提供を通じて、コンテンツの流通にまつわるソリューションを提供しております。なお、2025年12月期からは、新たに策定した中期経営計画にあわせて事業セグメントを単一セグメントに変更いたします。
あらゆるデジタルデータを唯一無二の “モノ” として扱うことでデジタルコンテンツの流通を実現する基盤ソリューション「DC3」においては、2024年11月に「DC3」のアップデートによりDC3マイルームの3D部屋モデルを追加したことに加えて、マスターコンテンツ登録画面の刷新、Googleアカウント・CLIP STUDIOアカウントでのログインへの対応によって、UI/UXの向上を図りました。
さらに、12月には、DC3プレイヤー「Hiveチケットプレイヤー」及びチケットコンテンツ作成サービス「チケッティア」のアップデートを実施し、チケットに動画・音声を設定できるようになりました。
あわせて、「DC3」ソリューションの利用促進を目的とした営業・プロモーション活動を推進し、「DC3」ソリューションが、複数のサービス事業者に採用されております。虎の穴グループのクリエイターとファンを結ぶ新しい月額制ファンクラブプラットフォーム「クリエイティア」において、DC3コンテンツの販売機能が2024年1月にリリースされております。また、2024年7月より放送開始しているTVアニメ「俺は全てを『パリイ』する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~」、「北海の魔獣あざらしさん」や、ゲーム「エルシャダイ」等の、IPを保有する事業者とのコラボレーションを実施しました。
なお、「DC3」ソリューションは当初計画していた研究開発が完了しております。今後は安定性及びユーザビリティの向上といった改善フェーズへと移行し、開発投資を抑制しながら、「CLIP STUDIO PAINT」との連携や、当社が提供するサービスでの活用推進に加え、サービス事業者へソリューションの提供も継続してまいります。
また、一般社団法人JCBIの技術推進部会の副部会長を務める&DC3が、経済産業省の「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」におけるコンテンツIP保護ガイドライン策定に向けて実証実験やヒアリングを実施するコンテンツNFT研究会へ参画しました。2025年12月期からは当社として、参加するコンテンツ企業各社と連携して活動してまいります。
電子書籍ソリューションにおいては、電子書籍ビューア「CLIP STUDIO READER」を始めとする、電子書籍オーサリングソフトウェア等、様々なデバイス・プラットフォームに対応した電子書籍の制作・流通・再生にまつわるソリューションの提供を行っております。2024年10月には、Google社より提供開始されたAndroidの最新OS「Android 15」に対応いたしました。
以上の結果、売上高は1,061,751千円(前期比4.9%増)、営業損失は681,995千円(前期は744,687千円の営業損失)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ213,721千円減少し、5,348,060千円となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、3,732,848千円(前連結会計年度は2,344,617千円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益2,215,661千円の計上や減価償却費の計上657,896千円、法人税等の還付214,416千円等の資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,645,953千円(前連結会計年度は1,474,161千円の使用)となりました。これは主として、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出687,369千円、投資有価証券の取得による支出915,926千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の使用した資金は、2,300,616千円(前連結会計年度は2,122,989千円の使用)となりました。これは主として、配当金の支払額776,250千円や自己株式の取得による支出1,499,934千円があったことによるものであります。この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、5,348,060千円となりました。
(3) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| コンテンツ制作ソリューション事業 | 2,898,818 | 112.5 |
| コンテンツ流通ソリューション事業 | 1,409,759 | 97.1 |
| 合計 | 4,308,577 | 106.9 |
(注)1.金額は、当期製造費用によっております。
2.前連結会計年度において、UI/UX事業を事業譲渡したことに伴い、当連結会計年度からUI/UX事業の報告セグメントを廃止しております。そのため、当該セグメントについては記載に含めておりません。
② 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
| コンテンツ制作ソリューション事業 | 174,822 | 209.2 |
| コンテンツ流通ソリューション事業 | 43 | 16.9 |
| 合計 | 174,865 | 208.6 |
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.前連結会計年度において、UI/UX事業を事業譲渡したことに伴い、当連結会計年度からUI/UX事業の報告セグメントを廃止しております。そのため、当該セグメントについては記載に含めておりません。
③ 受注実績
当連結会計年度における生産業務は、ライセンス販売を目的とした見込生産であり、個別受注生産の占める割合が低いため、受注金額の記載を省略しております。
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| コンテンツ制作ソリューション事業 | 7,143,207 | 118.9 |
| コンテンツ流通ソリューション事業 | 1,061,751 | 104.9 |
| 合計 | 8,204,959 | 116.9 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.前連結会計年度において、UI/UX事業を事業譲渡したことに伴い、当連結会計年度からUI/UX事業の報告セグメントを廃止しております。そのため、当該セグメントについては記載に含めておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、有価証券・固定資産の減損、棚卸資産の評価、貸倒引当金の設定、ビューア利用料売上の見積り計上等の重要な会計方針及び見積りに関する判断を行っています。当社の経営陣は、過去の実績や状況等に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。また実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べて120,254千円減少し8,431,270千円となりました。この主な要因は、売掛金が20,323千円、原材料及び貯蔵品が63,949千円、投資有価証券が631,435千円増加したものの、自社株買いの実施等により現金及び預金が210,121千円、未収入金が218,714千円、繰延税金資産が153,373千円、その他流動資産が239,775千円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べて1,121,067千円増加し3,012,475千円となりました。この主な要因は、未払法人税等が688,716千円、前受金が270,804千円、未払金が42,534千円、役員退職慰労金が45,950千円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,241,321千円減少し5,418,795千円となりました。主な要因は、自社株買い等により自己株式が1,492,169千円増加したこと等によるものであります。なお、自己資本比率は、63.4%となりました。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの売上計画、営業利益の達成状況は以下のとおりです。
| 指標 | 計画数値 | 実績 | 計画比 | |
| 連結売上高 | 期初 | 7,723,000千円 | 8,204,959千円 | 481,959千円 |
| 修正後 | 8,009,000千円 | 195,959千円 | ||
| 連結営業利益 | 期初 | 1,655,000千円 | 2,146,236千円 | 491,236千円 |
| 修正後 | 1,988,000千円 | 158,236千円 |
当連結会計年度における連結売上高は、期初では7,723,000千円、連結営業利益では1,655,000千円の計画を見込んでおりました。2024年8月9日開催の取締役会において、連結売上高を8,009,000千円、連結営業利益を1,988,000千円へ修正いたしました。修正後計画に対し連結売上高では195,959千円上回り、連結営業利益は158,236千円上回りました。
その他、営業利益の状況、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループが主に事業展開しているソフトウェア業界は、技術革新の速度及びその変化度が著しい業界であり、新技術、新サービスが次々と生み出されております。当社としては、担当部門において当該技術革新に対応するよう研究開発に努めております。
しかしながら、当社グループが想定していない新技術、新サービス等が普及した場合には、当社グループの提供するソフトウェア、サービス等が陳腐化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、継続的に研究開発に注力し、競争力を維持するために魅力ある製品、サービス等を提供していく所存であります。
(5) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、ソフトウェア開発に係る人件費のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資及びM&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資及びM&A等の資金調達につきましては自己資金及び自己株式の割当並びに金融機関からの長期借入を基本とし、資金調達の多様性を図っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高はありません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,348,060千円となっております。
(7) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当社グループは、連結営業利益を経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等とし、目標数値を設定しております。
2024年8月9日に発表した連結会計年度の業績予想、売上高8,009,000千円、営業利益1,988,000千円、経常利益2,117,000千円、親会社株主に帰属する当期純利益1,340,000千円の達成状況は、下記のとおりです。
① 売上高
グループ合計の売上高につきましては、8,204,959千円となりました。セグメント別では、下記のとおりとなっております。
<コンテンツ制作ソリューション事業>コンテンツ制作ソリューション事業では、3月にイラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の機能向上を目的とした開発投資の成果として、「CLIP STUDIO PAINT」のメジャーバージョンアップを実施し、バージョン3.0をリリースいたしました。あわせて、収益性の向上と継続的なサービス提供を実現することを目的に、「CLIP STUDIO PAINT」のSaaS提供であるサブスクリプション契約価格及び買い切り版の価格を改定いたしました。
2024年3月にメジャーバージョンアップで提供を開始したバージョン3.0は、最新の機能を利用するためには、買い切りモデルのユーザーも追加のサブスクリプション契約をしていただく、または、新バージョンを優待購入いただく形態としております。バージョン3.0はリリース以来好評をいただき、さらに、リリースにあわせて、新規ユーザーの獲得を目的とした全世界に向けた販売促進キャンペーンも実施いたしました。これにより、サブスクリプション契約の増加や、既存の買い切りモデルユーザーからの新バージョン購入により収益が改善し、より安定的、かつ継続的なサービス提供が可能となりました。
世界の11言語に対応している「CLIP STUDIO PAINT」は、約80%が日本語以外の海外に向けた出荷となっており、特に中国本土については、サブスクリプション契約数が順調に増加傾向で推移しAppStoreにおける国別売上高構成比では上位7位となる等、今後も成長が見込まれます。
「CLIP STUDIO PAINT」は、累計出荷本数が2024年10月に4,500万本を超え、2025年1月には4,805万本となりました。
「CLIP STUDIO PAINT」サブスクリプション契約の2024年12月におけるチャーンレートは4.8%となっております。また、イラスト、マンガ、Webtoon、アニメーション分野のクリエイターをサポートするコミュニティ「CLIP STUDIO」のクリエイターの会員数は、2024年7月に900万人に達し、同年12月には全世界で965万人(同17.1%増)となりました。
当社が注力しているサブスクリプションモデルでのライセンス提供は、廉価で利用開始の敷居を下げる反面、一括でまとまった金額のライセンス料を徴収する買い切りモデルに比べ、短期的には収益効果が低くなります。しかしながら、継続してご利用頂くことで中・長期においては安定した収益が期待できるため、引き続きサブスクリプションモデル契約の増加を目指してまいります。
この他、海外利用ユーザー及びサブスクリプション契約の増加を目的とした、全世界に向けたプロモーション活動を継続的に実施しております。
<コンテンツ流通ソリューション事業>あらゆるデジタルデータを唯一無二の “モノ” として扱うことでデジタルコンテンツの流通を実現する基盤ソリューション「DC3」においては、2024年11月に「DC3」のアップデートによりDC3マイルームの3D部屋モデルを追加したことに加えて、マスターコンテンツ登録画面の刷新、Googleアカウント・CLIP STUDIOアカウントでのログインへの対応によって、UI/UXの向上を図りました。
DC3プレイヤー「Hiveチケットプレイヤー」及びチケットコンテンツ作成サービス「チケッティア」のアップデートを実施し、チケットに動画・音声を設定できるようになりました。あわせて、「DC3」ソリューションの利用促進を目的とした営業・プロモーション活動を推進し、「DC3」ソリューションが、複数のサービス事業者に採用されております。
なお、「DC3」ソリューションは当初計画していた研究開発が完了しております。今後は安定性及びユーザビリティの向上といった改善フェーズへと移行し、開発投資を抑制しながら、「CLIP STUDIO PAINT」との連携や、当社が提供するサービスでの活用推進に加え、サービス事業者へソリューションの提供も継続してまいります。
電子書籍ソリューションにおいては、電子書籍ビューア「CLIP STUDIO READER」を始めとする、電子書籍オーサリングソフトウェア等、様々なデバイス・プラットフォームに対応した電子書籍の制作・流通・再生にまつわるソリューションの提供を行っております。10月には、Google社より提供開始されたAndroidの最新OS「Android 15」に対応いたしました。
② 営業利益
上記の「売上高」に記載のとおり、3月に実施した「CLIP STUDIO PAINT」のメジャーバージョンアップ、あわせて、収益性の向上と継続的なサービス提供を実現することを目的に、「CLIP STUDIO PAINT」のSaaS提供であるサブスクリプション契約価格及び買い切り版の価格を改定により増収となる中、原価及び販管費の費用面においてマネージメントに注力しました。外注費、広告宣伝費及び販売促進費のマネジメントに努めた結果、2,146,236千円となりました。
③ 経常利益
営業外収益として受取配当金を37,932千円、為替差益118,020千円計上したこと、営業外費用として自己株式取得に係る支払手数料20,468千円及び子会社の清算に伴う割増退職金3,818千円を計上したこと等により2,279,315千円となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益として新株予約権戻入益9,280千円、特別損失として減損損失72,631千円をそれぞれ計上、税金費用として法人税、住民税及び事業税を729,756千円、法人税等調整額159,020千円を計上したこと等により、1,399,893千円となりました。
今後も絶対売上高の拡大、営業利益の拡大を目標として経営を行うことにより、当社グループの企業価値の向上を図ってまいります。