四半期報告書-第9期第3四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/13 11:57
【資料】
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【項目】
41項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当社グループは、デジタルによるコンテンツの創作から利用・活用に至るまでの諸活動を、トータルに支援できる環境の提供を経営理念に掲げ、事業を推進しております。
その結果、当社グループの第3四半期連結累計期間の売上高は4,664,777千円(前年同期比15.3%増)、営業利益はCandera GmbHののれん等の償却費334,126千円により632,842千円(前年同期比159.8%増)となりました。
また、経常利益につきましては、為替差損13,919千円を計上したこと等により、616,047千円の経常利益(前年同期比166.4%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、新型コロナウイルス感染症の自動車業界への影響を勘案し今後の事業計画を保守的に見直したことに伴い、子会社Candera GmbHに対して認識していたのれんについて、当第3四半期決算においてのれんの減損損失1,065,863千円を特別損失として計上したこと、税金費用202,124千円を控除したこと等により、651,363千円の親会社株主に帰属する四半期純損失(前年同期は221,289千円の純利益)となりました。
事業別セグメントにつきましては、以下のとおりであります。
<クリエイターサポート事業>当第3四半期連結累計期間においては、子会社の株式会社セルシスが提供する、マンガ・イラスト・アニメ制作ソフトウェア「CLIP STUDIO PAINT」シリーズの、2012年発売開始からの全世界における累計出荷本数が、800万本を超えました。
8月には、モバイル製品の世界的ブランドであるGalaxyシリーズに対応した「CLIP STUDIO PAINT for Galaxy」を全世界同時にGalaxy Storeで提供開始しました。あわせて8月より、前作の2.5倍の事前予約数を集め好評のサムスン社のフラッグシップAndroidタブレットである、Galaxy TabS7シリーズに、「CLIP STUDIO PAINT」が全世界でプリインストールされて出荷が開始されました。Galaxyに提供する「CLIP STUDIO PAINT」は、いずれもサブスクリプション課金モデルを採用しており、サービスの継続性を担保しながら収益化を図る環境の充実を図っております。これを受けまして、Galaxy及びGalaxyにペン技術を提供する株式会社ワコムと共同で、「国際イラストレーションコンテスト2020」を開催しております。
また、東映アニメーション株式会社のデジタル作画ソフトウェアとして「CLIP STUDIO PAINT for iPad」が採用されました。あわせて、iPad版「CLIP STUDIO PAINT」の企業向けボリュームライセンスプランの提供も開始しています。
この他、カリフォルニア州教育局を通じ、同州の1,600の高等学校、200万人の学生・教員の希望者全員に、「CLIP STUDIO PAINT DEBUT 6か月版」を無償で提供する等、利用者拡大に向けた施策を実施しております。
なお、7月には電子書籍ビューア「CLIP STUDIO READER」のメジャーバージョンアップも行い、カスタマイズ性が向上し、サービス内容に合わせた機能追加をサービス事業者側で自由に行えるようになり、よりニーズに合わせた利用が可能になりました。
以上の結果、売上高は3,513,275千円(前年同期比30.2%増)、営業利益は1,202,635千円(前年同期比97.9%増)となりました。
UI/UX事業では、自動車(四輪・二輪)関連分野を筆頭に、車載向けソフトウェア開発プラットフォーム「CGI Studio」(シージーアイスタジオ)、及び、HMIの基盤であるUIオーサリングソフトウェア群「exbeans UI Conductor」(エックスビーンズユーアイコンダクター)を中心とする自社IP製品の開発に注力しております。
UI/UX事業の主要な取引先である自動車業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響により世界的に車両の生産数が減少し、厳しい状況になりました。各国政府の経済政策により、製造業の生産が回復傾向にあるものの、自動車業界における引き合いは先行き不透明な状況となっております。
このような状況の中、当社グループでは、UI/UX事業の一層の強化を目的に技術開発、新規顧客開拓を推進しております。
当第3四半期連結累計期間では、「CGI Studio」が、Cypress社の車載MCU「TraveoⅡ」の最新シリーズである「TraveoⅡグラフィック MCU」において、マルチコアのような優れたデバイスの全てで利用可能なレンダリング処理を正式にサポートしました。
また、今夏リリースした最新版「CGI Studio 3.9」に、UIアートワークを自動的に処理し、HMI作成のユーザビリティを向上するAIベースのSmart Photoshop Importerプレビュー版が追加され、組み込みソフトウェアのデザインや開発情報を取り扱う米国の情報サイト「Embedded Computing Design」にて紹介されました。
この他、中国・上海で開催された「electronica China 2020」にて、富士通エレクトロニクス株式会社が、ソシオネクスト社製のハードウェアに実装した「CGI Studio」のデモ展示を行いました。
以上の結果、売上高は1,172,081千円(前年同期比14.4%減)、営業損失はのれん等の償却費334,126千円を含め、637,245千円(前年同期は316,298千円の営業損失)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産の部)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べて427,301千円減少し5,383,861千円となりました。この主な要因は、現金及び預金が643,532千円、ソフトウェアが202,757千円増加したものの減損等によりのれんが1,294,262千円、償却により技術資産が76,733千円減少したこと等によるものであります。
(負債の部)
当第3四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末と比べて262,196千円増加し1,544,561千円となりました。この主な要因は、前受金が121,445千円、未払法人税等が108,865千円、賞与引当金が56,032千円増加したこと等によるものであります。
(純資産の部)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べて689,498千円減少し3,839,299千円となりました。この主な要因は、のれんの減損損失の計上等により利益剰余金が700,265千円減少したこと等によるものであります。なお、自己資本比率は、71.2%となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、6,920千円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。