有価証券報告書-第6期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、中長期的な持続的成長及び企業価値の向上を図るべく、書籍、映画、アニメ、ゲーム、及びUGC(User Generated Content)プラットフォーム等を通じて多彩なポートフォリオから成るIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、それらを世界に広く展開することを中核とする「グローバル・メディアミックス」の推進を基本戦略としております。
当連結会計年度における業績は、売上高2,046億53百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益80億87百万円(前年同期比198.7%増)、経常利益87億87百万円(前年同期比108.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益80億98百万円(前年同期 親会社株主に帰属する当期純損失40億85百万円)となりました。いずれのセグメントにおいても、新型コロナウイルス感染症拡大による売上減・利益減の影響がありましたが、Webサービス事業において構造改革を実施したことで、グループ全体の収益性は大きく改善しました。
当連結会計年度における各セグメントの業績は、以下のとおりです。
[出版事業]
出版事業では、書籍、雑誌及び電子書籍・電子雑誌の販売、雑誌広告・Web広告の販売、権利許諾等を行っております。当事業においては、メディアミックス展開の重要な源泉として年間5,000タイトルにおよぶ新作を継続的に発行しており、蓄積された紙書籍11万点、電子書籍6万点にもおよぶ作品アーカイブが、当社グループ成長の原動力となっております。
当期の主な新規刊行作品では、「ファイブスター物語(15)」「ダンジョン飯(8)」(コミックス)、「ソードアート・オンライン(22) キス・アンド・フライ」「魔法科高校の劣等生(28) 追跡編<上>」(ライトノベル)、「小説 天気の子」「AX アックス」(一般文庫)、「はじめてのやせ筋トレ」「世界一美味しい手抜きごはん 最速! やる気のいらない100レシピ」(一般書)等の販売が好調でした。
電子書籍・電子雑誌は、市場動向を踏まえた機動的なマーケティング施策が奏功し、これまでに引き続き好調に推移し、当期は過去最高の売上高となりました。
セグメント費用については、業界構造の変化により物流費が増加したほか、2019年7月1日に実施した会社分割によるグループ再編の影響により、従来は全社費用に計上していた費用約6億円を出版事業に計上しております。
この結果、当事業の売上高は1,173億3百万円(前年同期比1.2%増)、セグメント利益(営業利益)は62億48百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
なお、現在、埼玉県所沢市において、書籍製造・物流工場の稼働に向けて準備を進めております。これに先立ち、一部の文庫やライトノベル、新書、コミックにおいては、すでにデジタル印刷による商業生産を開始しております。その一例として、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が「化学への興味の原点」として挙げた書籍「ロウソクの科学」においては、製造納期を大幅に短縮することにより、受賞インタビューの2営業日後に書店に向け出荷し、従来よりも迅速に市場ニーズに応えることができました。このような、小ロット・適時製造及び適時配送体制の更なる拡充・強化を通じ、返品削減、製造コスト削減、利益率の向上に取り組んでまいります。
[映像・ゲーム事業]
映像・ゲーム事業では、映画の企画・製作・配給、映像配信権等の権利許諾、パッケージソフトの販売、ゲームソフトウエア及びネットワークゲームの企画・開発・販売、権利許諾等を行っております。
映像は、北米、中国に向けたアニメ「オーバーロード3」「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」「慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~」等の海外権利許諾による収入が、好調に推移しております。また、IPを活用し、他社が配信するオンラインゲームとのコラボレーションによる権利許諾等が収益貢献しました。一方で、2020年3月公開の映画「Fukushima50」は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、一部地域の映画館において休館等の影響を受けたことで、想定を下回りました。
ゲームは、「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」が、国内外共に引き続き好調に推移し大きく収益貢献しました。本作は、米国で毎年開催されるゲーム業界のアカデミー賞とも呼ばれる「The Game Awards 2019」(2019年12月12日開催)において、年間最優秀作品賞となる「Game of The Year」を受賞しております。一方で、一時的な費用増がありました。
この結果、当事業の売上高は483億14百万円(前年同期比0.04%増)、セグメント利益(営業利益)は34億1百万円(前年同期比13.2%減)となりました。
[Webサービス事業]
Webサービス事業では、動画コミュニティサービスの運営、各種イベントの企画・運営、モバイルコンテンツの配信等を行っております。
動画配信サービス「ニコニコ動画」の月額有料会員(プレミアム会員)は、当連結会計年度末には163万人(前連結会計年度末は180万人)となりました。他方、動画・生放送・ブログなどを配信できるプラットフォーム「ニコニコチャンネル」の有料会員数は当連結会計年度末には117万人(前連結会計年度末は95万人)まで増加し、順調に伸長しております。2019年4月開催のグループ最大のイベント「ニコニコ超会議2019」では、会場来場者数16万8,248人と過去最高を記録しました。8月から9月にかけて開催された、アニソンライブとしては世界最大規模の「Animelo Summer Live 2019 -STORY-」においては、3日間で前年を上回る8万4千人を集めました。
11月1日には池袋にサテライトスタジオ「ハレスタ」をオープンしました。これまでも目指していたネットとリアル、そしてバーチャルの融合を実現するべく、スタジオ技術・演出面で蓄積された制作ノウハウを集約し、最新鋭の技術とインターネットを駆使したバーチャルキャラクターによるライブパフォーマンスやアニメ・ゲーム関連のステージイベントなど幅広いコンテンツを発信していきます。
また、前期より㈱ドワンゴにおいて事業構造改革を推進し、外注費、通信費等を中心に費用が減少しました。
この結果、当事業の売上高は247億39百万円(前年同期比4.3%減)、セグメント利益(営業利益)は27億88百万円(前年同期 営業損失25億76百万円)となりました。
[その他事業]
その他事業では、教育事業、インバウンド関連事業、キャラクターグッズ及びアイドルCDの企画・販売等のMD事業を行っております。
教育事業は、スクール運営を行う㈱バンタン、㈱ドワンゴの収益貢献により、引き続き好調に推移しました。インバウンド関連事業においては、ところざわサクラタウンでの新規事業に向けた先行投資を行いました。MD事業においては、主に前期に販売されたアイドルCDの反動により減収となりました。
この結果、当事業の売上高は194億97百万円(前年同期比12.0%減)、セグメント損失(営業損失)は25億83百万円(前年同期 営業損失26億13百万円)となりました。
なお、2019年8月29日開催の取締役会における自己株式の取得に関する決議に基づき、2019年8月30日に、東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付けにより、1,892,700株、2,999,929,500円の自己株式の取得を実施しました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上等により、165億16百万円の収入(前年同期は58億64百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預け入れや有形固定資産及び無形固定資産の取得等により、299億8百万円の支出(前年同期は130億58百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得及び配当金の支払い等により、43億59百万円の支出(前年同期は42億36百万円の支出)となりました。
以上の結果、為替換算差額も含めて179億71百万円の支出となり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、381億51百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.金額は、仕入原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績については、受注高の販売高に対する割合が僅少であることから、記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、会計上の見積りが必要となる事項については、過去の実績や将来計画等を考慮し、「棚卸資産の評価に関する会計基準」「金融商品に関する会計基準」「固定資産の減損に係る会計基準」「資産除去債務に関する会計基準」「退職給付に関する会計基準」「税効果会計に係る会計基準」等の会計基準に基づいて会計処理を実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報) 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積り」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて29億23百万円増加し、2,429億95百万円となりました。これは主に建設中のところざわサクラタウンの固定資産が増加した一方、売上債権の回収等により受取手形及び売掛金等が減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて10億40百万円減少し、1,356億20百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が減少したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて39億63百万円増加し、1,073億75百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を計上した一方、配当金の支払等により利益剰余金が減少し、さらに自己株式の取得により株主資本が減少したことによるものであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
(a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)1.各指標の算出は、以下の算式を使用しております。
2.上記各指標は、連結ベースの財務数値により計算しております。3.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。また、利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(b)資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、製品の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備投資を目的とした資金需要の主なものは、出版事業における製造・物流拠点の建設費、自社電子書籍サイトの機能拡張等、その他事業におけるところざわサクラタウンの新規事業施設建設等によるものであります。
(c)財務政策
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は基本的に自己資金より充当し、設備投資資金や長期運転資金につきましては、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境を勘案の上、金融機関からの長期借入や社債発行及び株式発行により適宜調達を行っております。
なお、現金及び預金と有利子負債の推移は、以下のとおりであります。
(注)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、中長期的な持続的成長及び企業価値の向上を図るべく、書籍、映画、アニメ、ゲーム、及びUGC(User Generated Content)プラットフォーム等を通じて多彩なポートフォリオから成るIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、それらを世界に広く展開することを中核とする「グローバル・メディアミックス」の推進を基本戦略としております。
当連結会計年度における業績は、売上高2,046億53百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益80億87百万円(前年同期比198.7%増)、経常利益87億87百万円(前年同期比108.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益80億98百万円(前年同期 親会社株主に帰属する当期純損失40億85百万円)となりました。いずれのセグメントにおいても、新型コロナウイルス感染症拡大による売上減・利益減の影響がありましたが、Webサービス事業において構造改革を実施したことで、グループ全体の収益性は大きく改善しました。
当連結会計年度における各セグメントの業績は、以下のとおりです。
[出版事業]
出版事業では、書籍、雑誌及び電子書籍・電子雑誌の販売、雑誌広告・Web広告の販売、権利許諾等を行っております。当事業においては、メディアミックス展開の重要な源泉として年間5,000タイトルにおよぶ新作を継続的に発行しており、蓄積された紙書籍11万点、電子書籍6万点にもおよぶ作品アーカイブが、当社グループ成長の原動力となっております。
当期の主な新規刊行作品では、「ファイブスター物語(15)」「ダンジョン飯(8)」(コミックス)、「ソードアート・オンライン(22) キス・アンド・フライ」「魔法科高校の劣等生(28) 追跡編<上>」(ライトノベル)、「小説 天気の子」「AX アックス」(一般文庫)、「はじめてのやせ筋トレ」「世界一美味しい手抜きごはん 最速! やる気のいらない100レシピ」(一般書)等の販売が好調でした。
電子書籍・電子雑誌は、市場動向を踏まえた機動的なマーケティング施策が奏功し、これまでに引き続き好調に推移し、当期は過去最高の売上高となりました。
セグメント費用については、業界構造の変化により物流費が増加したほか、2019年7月1日に実施した会社分割によるグループ再編の影響により、従来は全社費用に計上していた費用約6億円を出版事業に計上しております。
この結果、当事業の売上高は1,173億3百万円(前年同期比1.2%増)、セグメント利益(営業利益)は62億48百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
なお、現在、埼玉県所沢市において、書籍製造・物流工場の稼働に向けて準備を進めております。これに先立ち、一部の文庫やライトノベル、新書、コミックにおいては、すでにデジタル印刷による商業生産を開始しております。その一例として、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が「化学への興味の原点」として挙げた書籍「ロウソクの科学」においては、製造納期を大幅に短縮することにより、受賞インタビューの2営業日後に書店に向け出荷し、従来よりも迅速に市場ニーズに応えることができました。このような、小ロット・適時製造及び適時配送体制の更なる拡充・強化を通じ、返品削減、製造コスト削減、利益率の向上に取り組んでまいります。
[映像・ゲーム事業]
映像・ゲーム事業では、映画の企画・製作・配給、映像配信権等の権利許諾、パッケージソフトの販売、ゲームソフトウエア及びネットワークゲームの企画・開発・販売、権利許諾等を行っております。
映像は、北米、中国に向けたアニメ「オーバーロード3」「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」「慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~」等の海外権利許諾による収入が、好調に推移しております。また、IPを活用し、他社が配信するオンラインゲームとのコラボレーションによる権利許諾等が収益貢献しました。一方で、2020年3月公開の映画「Fukushima50」は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、一部地域の映画館において休館等の影響を受けたことで、想定を下回りました。
ゲームは、「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」が、国内外共に引き続き好調に推移し大きく収益貢献しました。本作は、米国で毎年開催されるゲーム業界のアカデミー賞とも呼ばれる「The Game Awards 2019」(2019年12月12日開催)において、年間最優秀作品賞となる「Game of The Year」を受賞しております。一方で、一時的な費用増がありました。
この結果、当事業の売上高は483億14百万円(前年同期比0.04%増)、セグメント利益(営業利益)は34億1百万円(前年同期比13.2%減)となりました。
[Webサービス事業]
Webサービス事業では、動画コミュニティサービスの運営、各種イベントの企画・運営、モバイルコンテンツの配信等を行っております。
動画配信サービス「ニコニコ動画」の月額有料会員(プレミアム会員)は、当連結会計年度末には163万人(前連結会計年度末は180万人)となりました。他方、動画・生放送・ブログなどを配信できるプラットフォーム「ニコニコチャンネル」の有料会員数は当連結会計年度末には117万人(前連結会計年度末は95万人)まで増加し、順調に伸長しております。2019年4月開催のグループ最大のイベント「ニコニコ超会議2019」では、会場来場者数16万8,248人と過去最高を記録しました。8月から9月にかけて開催された、アニソンライブとしては世界最大規模の「Animelo Summer Live 2019 -STORY-」においては、3日間で前年を上回る8万4千人を集めました。
11月1日には池袋にサテライトスタジオ「ハレスタ」をオープンしました。これまでも目指していたネットとリアル、そしてバーチャルの融合を実現するべく、スタジオ技術・演出面で蓄積された制作ノウハウを集約し、最新鋭の技術とインターネットを駆使したバーチャルキャラクターによるライブパフォーマンスやアニメ・ゲーム関連のステージイベントなど幅広いコンテンツを発信していきます。
また、前期より㈱ドワンゴにおいて事業構造改革を推進し、外注費、通信費等を中心に費用が減少しました。
この結果、当事業の売上高は247億39百万円(前年同期比4.3%減)、セグメント利益(営業利益)は27億88百万円(前年同期 営業損失25億76百万円)となりました。
[その他事業]
その他事業では、教育事業、インバウンド関連事業、キャラクターグッズ及びアイドルCDの企画・販売等のMD事業を行っております。
教育事業は、スクール運営を行う㈱バンタン、㈱ドワンゴの収益貢献により、引き続き好調に推移しました。インバウンド関連事業においては、ところざわサクラタウンでの新規事業に向けた先行投資を行いました。MD事業においては、主に前期に販売されたアイドルCDの反動により減収となりました。
この結果、当事業の売上高は194億97百万円(前年同期比12.0%減)、セグメント損失(営業損失)は25億83百万円(前年同期 営業損失26億13百万円)となりました。
なお、2019年8月29日開催の取締役会における自己株式の取得に関する決議に基づき、2019年8月30日に、東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付けにより、1,892,700株、2,999,929,500円の自己株式の取得を実施しました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上等により、165億16百万円の収入(前年同期は58億64百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預け入れや有形固定資産及び無形固定資産の取得等により、299億8百万円の支出(前年同期は130億58百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得及び配当金の支払い等により、43億59百万円の支出(前年同期は42億36百万円の支出)となりました。
以上の結果、為替換算差額も含めて179億71百万円の支出となり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、381億51百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
出版事業 | (百万円) | 74,798 | 97.59 |
映像・ゲーム事業 | (百万円) | 34,726 | 103.58 |
Webサービス事業 | (百万円) | 15,438 | 74.91 |
その他 | (百万円) | 9,999 | 88.48 |
合計 | (百万円) | 134,962 | 94.99 |
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
出版事業 | (百万円) | 2,251 | 95.54 |
映像・ゲーム事業 | (百万円) | 849 | 38.81 |
Webサービス事業 | (百万円) | 100 | 36.20 |
その他 | (百万円) | 5,069 | 70.89 |
合計 | (百万円) | 8,269 | 69.08 |
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.金額は、仕入原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績については、受注高の販売高に対する割合が僅少であることから、記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
出版事業 | (百万円) | 117,303 | 101.16 |
映像・ゲーム事業 | (百万円) | 48,314 | 100.04 |
Webサービス事業 | (百万円) | 24,739 | 95.71 |
その他 | (百万円) | 19,497 | 88.05 |
合計 | (百万円) | 209,853 | 98.87 |
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
日本出版販売㈱ | 21,257 | 10.0 | 19,448 | 9.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、会計上の見積りが必要となる事項については、過去の実績や将来計画等を考慮し、「棚卸資産の評価に関する会計基準」「金融商品に関する会計基準」「固定資産の減損に係る会計基準」「資産除去債務に関する会計基準」「退職給付に関する会計基準」「税効果会計に係る会計基準」等の会計基準に基づいて会計処理を実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報) 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積り」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて29億23百万円増加し、2,429億95百万円となりました。これは主に建設中のところざわサクラタウンの固定資産が増加した一方、売上債権の回収等により受取手形及び売掛金等が減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて10億40百万円減少し、1,356億20百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が減少したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて39億63百万円増加し、1,073億75百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を計上した一方、配当金の支払等により利益剰余金が減少し、さらに自己株式の取得により株主資本が減少したことによるものであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
(a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
2016年 3月期 | 2017年 3月期 | 2018年 3月期 | 2019年 3月期 | 2020年 3月期 | |
自己資本比率 | 51.4% | 44.5% | 44.7% | 42.2% | 43.3% |
時価ベースの自己資本比率 | 58.3% | 43.8% | 30.0% | 30.7% | 34.5% |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 4.4年 | 5.7年 | 40.7年 | 11.2年 | 4.0年 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ | 68.9倍 | 115.3倍 | 16.2倍 | 59.0倍 | 167.4倍 |
(注)1.各指標の算出は、以下の算式を使用しております。
自己資本比率 | :自己資本 ÷ 総資産 |
時価ベースの自己資本比率 | :株式時価総額 ÷ 総資産 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | :有利子負債 ÷ 営業キャッシュ・フロー |
インタレスト・カバレッジ・レシオ | :営業キャッシュ・フロー ÷ 利払い |
2.上記各指標は、連結ベースの財務数値により計算しております。3.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。また、利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(b)資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、製品の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備投資を目的とした資金需要の主なものは、出版事業における製造・物流拠点の建設費、自社電子書籍サイトの機能拡張等、その他事業におけるところざわサクラタウンの新規事業施設建設等によるものであります。
(c)財務政策
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は基本的に自己資金より充当し、設備投資資金や長期運転資金につきましては、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境を勘案の上、金融機関からの長期借入や社債発行及び株式発行により適宜調達を行っております。
なお、現金及び預金と有利子負債の推移は、以下のとおりであります。
2016年 3月期 | 2017年 3月期 | 2018年 3月期 | 2019年 3月期 | 2020年 3月期 | |
現金及び預金 (百万円) | 60,804 | 105,542 | 85,962 | 73,597 | 74,880 |
有利子負債 (百万円) | 29,544 | 67,759 | 65,527 | 65,640 | 65,822 |
(注)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。