有価証券報告書-第7期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、中長期的な持続的成長及び企業価値の向上を図るべく、書籍、映画、アニメ、ゲーム、及びUGC(User Generated Content)プラットフォーム等を通じて多彩なポートフォリオから成るIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、それらを世界に広く展開することを中核とする「グローバル・メディアミックス」の推進を基本戦略としております。
当連結会計年度における業績は、売上高2,099億47百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益136億25百万円(前年同期比68.5%増)、経常利益143億69百万円(前年同期比63.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益95億84百万円(前年同期比18.4%増)となりました。
当連結会計年度における各セグメントの業績は、以下のとおりです。なお、中期経営方針における成長事業領域の位置付けに合わせ、当連結会計年度より、従来の「映像・ゲーム」セグメントを「映像」「ゲーム」に区分して記載する方法に変更しております。
[出版事業]
出版事業では、書籍、雑誌及び電子書籍・電子雑誌の販売、雑誌広告・Web広告の販売、権利許諾等を行っております。当事業においては、メディアミックス展開の重要な源泉として年間5,000タイトルにおよぶ新作を継続的に発行しており、蓄積された豊富な作品アーカイブが当社グループ成長の原動力となっております。
当期は、書籍市場全体で需要が高まっていることに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の環境下においても新刊点数を前期並みの水準に維持したことや、返品率が大幅に良化したことが収益貢献しました。また、「ダンジョン飯(9)」(コミックス)、「あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続」「青くて痛くて脆い」(一般文庫)、「あつまれ どうぶつの森 ザ・コンプリートガイド」「世界一美味しい手抜きごはん 最速! やる気のいらない100レシピ」(一般書)等の販売が好調に推移しました。
電子書籍・電子雑誌は、市場全体が伸長していることに加え、積極的なマーケティング施策により引き続き好調に推移し、第3四半期に引き続き、第4四半期においても四半期ベースで過去最高の売上高を更新いたしました。
この結果、当事業の売上高は1,295億76百万円(前年同期比10.5%増)、セグメント利益(営業利益)は128億41百万円(前年同期比105.5%増)となりました。
なお、さらなる返品削減、製造コスト削減、利益率の向上に向け、埼玉県所沢市において2021年4月に書籍製造ラインの稼働を一部開始し、文庫やライトノベル、新書、コミックス等のデジタル印刷による小ロット・適時製造を行っております。物流設備についても今後の稼働に向け、現在準備を進めております。
[映像事業]
映像事業では、映画の企画・製作・配給、映像配信権等の権利許諾、パッケージソフトの販売等を行っております。
当期においては、アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」「ひぐらしのなく頃に 業」「デカダンス」「くまクマ熊ベアー」等の海外権利許諾収入に加え、「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ」等、当社アニメIPの他社ゲームへの活用等による国内権利許諾が引き続き収益貢献しました。一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、映画館の席数制限や時短営業による映画配給、デジタル映画鑑賞券「ムビチケ」、スタジオ事業等への影響が見られました。
この結果、当事業の売上高は313億14百万円(前年同期比8.2%減)、セグメント利益(営業利益)は22億74百万円(前年同期比7.1%増)となりました。
[ゲーム事業]
ゲーム事業では、ゲームソフトウエア及びネットワークゲームの企画・開発・販売、権利許諾等を行っております。
当期においては、「ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX」や「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」「DARK SOULS」シリーズ等のリピート販売及び海外権利許諾に加え、共同・受託開発事業も収益に貢献しました。
この結果、当事業の売上高は166億36百万円(前年同期比16.9%増)、セグメント利益(営業利益)は27億44百万円(前年同期比114.6%増)となりました。
[Webサービス事業]
Webサービス事業では、動画コミュニティサービスの運営、各種イベントの企画・運営、モバイルコンテンツの配信等を行っております。
動画コミュニティサービスでは、動画配信サービス「ニコニコ」の月額有料会員(プレミアム会員)が本年3月末には153万人となり、前年3月末の163万人からは減少となっています。しかしながら、都度課金収益の拡大に努めるなど収益の多様化へ取り組んだことや、動画・生放送・ブログなどを配信できるプラットフォーム「ニコニコチャンネル」の有料会員数が前年3月末の117万人から本年3月末に119万人に増加したことで、前年並みの売上を維持しました。各種イベントの企画・運営は、4月開催の「ニコニコ超会議」及び8月開催の世界最大級のアニソンライブ「Animelo Summer Live」について、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえリアルイベントとしての開催を見送りましたが、インターネット上に特化した「ニコニコネット超会議2020」及び「ニコニコネット超会議2020夏」、「Animelo Summer Night in Billboard Live」等を開催し、好評を博しました。
この結果、当事業の売上高は220億8百万円(前年同期比11.0%減)、セグメント利益(営業利益)は20億96百万円(前年同期比24.8%減)となりました。
[その他事業]
その他事業では、教育事業、キャラクターグッズ及びイベント参加券付CDの企画・販売等のMD事業等を行っております。
MD事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、発売タイミングの延期等により減収となりました。一方、教育事業においては、インターネットによる通信制高校であるN高等学校で生徒数が順調に増加しており、同校等に教育コンテンツの提供を行う㈱ドワンゴの収益貢献により、引き続き好調に推移しました。また、角川武蔵野ミュージアム、アニメホテル、イベント事業、飲食事業などの商業施設を展開するところざわサクラタウンが11月6日にグランドオープンし、売上に寄与しました。
この結果、当事業の売上高は174億63百万円(前年同期比10.4%減)、セグメント損失(営業損失)は44億91百万円(前年同期 営業損失25億83百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上等により、155億86百万円の収入(前年同期は165億16百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出202億90百万円があった一方、定期預金の払い戻しによる収入があったこと等により、59億31百万円の支出(前年同期は299億8百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入99億55百万円があった一方、配当金の支払い(1株当たり10円増配)等により、79億33百万円の収入(前年同期は43億59百万円の支出)となりました。
以上の結果、為替換算差額も含めて174億90百万円の収入となり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、連結の範囲の変更を伴う増加額を含めて558億87百万円となりました。
当社グループの短期運転資金は基本的に自己資金より充当し、設備投資資金や長期運転資金につきましては、事
業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境を勘案の上、金融機関からの長期借入や社債発行及び株式発行に
より適宜調達を行っております。
また、複数の金融機関と総額150億円のコミットメントライン契約を締結し、流動性を補完しております。な
お、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.金額は、仕入原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績については、受注高の販売高に対する割合が僅少であることから、記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び当該見積に用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、会計上の見積りが必要となる事項については、過去の実績や将来計画等を考慮し、「棚卸資産の評価に関する会計基準」「金融商品に関する会計基準」「固定資産の減損に係る会計基準」「資産除去債務に関する会計基準」「退職給付に関する会計基準」「税効果会計に係る会計基準」等の会計基準に基づいて会計処理を実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報) 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積り」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて266億52百万円増加し、2,696億48百万円となりました。これは主に売上の伸長等による売上債権の増加、株式発行等による現金及び預金の増加、さらに保有株式の時価の上昇等により投資有価証券が増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて45億3百万円増加し、1,401億23百万円となりました。これは主に前受金及び賞与引当金等が増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて221億49百万円増加し、1,295億24百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び株式発行等により株主資本が増加し、保有株式の時価上昇によりその他有価証券評価差額金が増加したことによるものであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
(a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)1.各指標の算出は、以下の算式を使用しております。
2.上記各指標は、連結ベースの財務数値により計算しております。3.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。また、利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(b)資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、製品の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備投資を目的とした資金需要の主なものは、出版事業における製造・物流拠点の建設費、自社電子書籍サイトの機能拡張等、その他事業におけるところざわサクラタウンの新規事業施設建設等によるものであります。
(c)財務政策
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は基本的に自己資金より充当し、設備投資資金や長期運転資金につきましては、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境を勘案の上、金融機関からの長期借入や社債発行及び株式発行により適宜調達を行っております。
なお、現金及び預金と有利子負債の推移は、以下のとおりであります。
(注)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、中長期的な持続的成長及び企業価値の向上を図るべく、書籍、映画、アニメ、ゲーム、及びUGC(User Generated Content)プラットフォーム等を通じて多彩なポートフォリオから成るIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、それらを世界に広く展開することを中核とする「グローバル・メディアミックス」の推進を基本戦略としております。
当連結会計年度における業績は、売上高2,099億47百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益136億25百万円(前年同期比68.5%増)、経常利益143億69百万円(前年同期比63.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益95億84百万円(前年同期比18.4%増)となりました。
当連結会計年度における各セグメントの業績は、以下のとおりです。なお、中期経営方針における成長事業領域の位置付けに合わせ、当連結会計年度より、従来の「映像・ゲーム」セグメントを「映像」「ゲーム」に区分して記載する方法に変更しております。
[出版事業]
出版事業では、書籍、雑誌及び電子書籍・電子雑誌の販売、雑誌広告・Web広告の販売、権利許諾等を行っております。当事業においては、メディアミックス展開の重要な源泉として年間5,000タイトルにおよぶ新作を継続的に発行しており、蓄積された豊富な作品アーカイブが当社グループ成長の原動力となっております。
当期は、書籍市場全体で需要が高まっていることに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の環境下においても新刊点数を前期並みの水準に維持したことや、返品率が大幅に良化したことが収益貢献しました。また、「ダンジョン飯(9)」(コミックス)、「あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続」「青くて痛くて脆い」(一般文庫)、「あつまれ どうぶつの森 ザ・コンプリートガイド」「世界一美味しい手抜きごはん 最速! やる気のいらない100レシピ」(一般書)等の販売が好調に推移しました。
電子書籍・電子雑誌は、市場全体が伸長していることに加え、積極的なマーケティング施策により引き続き好調に推移し、第3四半期に引き続き、第4四半期においても四半期ベースで過去最高の売上高を更新いたしました。
この結果、当事業の売上高は1,295億76百万円(前年同期比10.5%増)、セグメント利益(営業利益)は128億41百万円(前年同期比105.5%増)となりました。
なお、さらなる返品削減、製造コスト削減、利益率の向上に向け、埼玉県所沢市において2021年4月に書籍製造ラインの稼働を一部開始し、文庫やライトノベル、新書、コミックス等のデジタル印刷による小ロット・適時製造を行っております。物流設備についても今後の稼働に向け、現在準備を進めております。
[映像事業]
映像事業では、映画の企画・製作・配給、映像配信権等の権利許諾、パッケージソフトの販売等を行っております。
当期においては、アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」「ひぐらしのなく頃に 業」「デカダンス」「くまクマ熊ベアー」等の海外権利許諾収入に加え、「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ」等、当社アニメIPの他社ゲームへの活用等による国内権利許諾が引き続き収益貢献しました。一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、映画館の席数制限や時短営業による映画配給、デジタル映画鑑賞券「ムビチケ」、スタジオ事業等への影響が見られました。
この結果、当事業の売上高は313億14百万円(前年同期比8.2%減)、セグメント利益(営業利益)は22億74百万円(前年同期比7.1%増)となりました。
[ゲーム事業]
ゲーム事業では、ゲームソフトウエア及びネットワークゲームの企画・開発・販売、権利許諾等を行っております。
当期においては、「ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX」や「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」「DARK SOULS」シリーズ等のリピート販売及び海外権利許諾に加え、共同・受託開発事業も収益に貢献しました。
この結果、当事業の売上高は166億36百万円(前年同期比16.9%増)、セグメント利益(営業利益)は27億44百万円(前年同期比114.6%増)となりました。
[Webサービス事業]
Webサービス事業では、動画コミュニティサービスの運営、各種イベントの企画・運営、モバイルコンテンツの配信等を行っております。
動画コミュニティサービスでは、動画配信サービス「ニコニコ」の月額有料会員(プレミアム会員)が本年3月末には153万人となり、前年3月末の163万人からは減少となっています。しかしながら、都度課金収益の拡大に努めるなど収益の多様化へ取り組んだことや、動画・生放送・ブログなどを配信できるプラットフォーム「ニコニコチャンネル」の有料会員数が前年3月末の117万人から本年3月末に119万人に増加したことで、前年並みの売上を維持しました。各種イベントの企画・運営は、4月開催の「ニコニコ超会議」及び8月開催の世界最大級のアニソンライブ「Animelo Summer Live」について、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえリアルイベントとしての開催を見送りましたが、インターネット上に特化した「ニコニコネット超会議2020」及び「ニコニコネット超会議2020夏」、「Animelo Summer Night in Billboard Live」等を開催し、好評を博しました。
この結果、当事業の売上高は220億8百万円(前年同期比11.0%減)、セグメント利益(営業利益)は20億96百万円(前年同期比24.8%減)となりました。
[その他事業]
その他事業では、教育事業、キャラクターグッズ及びイベント参加券付CDの企画・販売等のMD事業等を行っております。
MD事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、発売タイミングの延期等により減収となりました。一方、教育事業においては、インターネットによる通信制高校であるN高等学校で生徒数が順調に増加しており、同校等に教育コンテンツの提供を行う㈱ドワンゴの収益貢献により、引き続き好調に推移しました。また、角川武蔵野ミュージアム、アニメホテル、イベント事業、飲食事業などの商業施設を展開するところざわサクラタウンが11月6日にグランドオープンし、売上に寄与しました。
この結果、当事業の売上高は174億63百万円(前年同期比10.4%減)、セグメント損失(営業損失)は44億91百万円(前年同期 営業損失25億83百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上等により、155億86百万円の収入(前年同期は165億16百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出202億90百万円があった一方、定期預金の払い戻しによる収入があったこと等により、59億31百万円の支出(前年同期は299億8百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入99億55百万円があった一方、配当金の支払い(1株当たり10円増配)等により、79億33百万円の収入(前年同期は43億59百万円の支出)となりました。
以上の結果、為替換算差額も含めて174億90百万円の収入となり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、連結の範囲の変更を伴う増加額を含めて558億87百万円となりました。
当社グループの短期運転資金は基本的に自己資金より充当し、設備投資資金や長期運転資金につきましては、事
業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境を勘案の上、金融機関からの長期借入や社債発行及び株式発行に
より適宜調達を行っております。
また、複数の金融機関と総額150億円のコミットメントライン契約を締結し、流動性を補完しております。な
お、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) | |
出版事業 | (百万円) | 77,739 | 103.93 |
映像事業 | (百万円) | 22,307 | 88.63 |
ゲーム事業 | (百万円) | 10,385 | 108.22 |
Webサービス事業 | (百万円) | 13,430 | 87.00 |
その他 | (百万円) | 11,854 | 118.55 |
合計 | (百万円) | 135,717 | 100.53 |
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) | |
出版事業 | (百万円) | 2,588 | 115.01 |
映像事業 | (百万円) | 698 | 117.63 |
ゲーム事業 | (百万円) | 130 | 51.07 |
Webサービス事業 | (百万円) | 31 | 31.23 |
その他 | (百万円) | 1,371 | 27.06 |
合計 | (百万円) | 4,820 | 58.29 |
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.金額は、仕入原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績については、受注高の販売高に対する割合が僅少であることから、記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) | |
出版事業 | (百万円) | 129,576 | 110.46 |
映像事業 | (百万円) | 31,314 | 91.79 |
ゲーム事業 | (百万円) | 16,636 | 116.85 |
Webサービス事業 | (百万円) | 22,008 | 88.96 |
その他 | (百万円) | 17,463 | 89.57 |
合計 | (百万円) | 217,000 | 103.39 |
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び当該見積に用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、会計上の見積りが必要となる事項については、過去の実績や将来計画等を考慮し、「棚卸資産の評価に関する会計基準」「金融商品に関する会計基準」「固定資産の減損に係る会計基準」「資産除去債務に関する会計基準」「退職給付に関する会計基準」「税効果会計に係る会計基準」等の会計基準に基づいて会計処理を実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報) 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積り」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて266億52百万円増加し、2,696億48百万円となりました。これは主に売上の伸長等による売上債権の増加、株式発行等による現金及び預金の増加、さらに保有株式の時価の上昇等により投資有価証券が増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて45億3百万円増加し、1,401億23百万円となりました。これは主に前受金及び賞与引当金等が増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて221億49百万円増加し、1,295億24百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び株式発行等により株主資本が増加し、保有株式の時価上昇によりその他有価証券評価差額金が増加したことによるものであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
(a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
2017年 3月期 | 2018年 3月期 | 2019年 3月期 | 2020年 3月期 | 2021年 3月期 | |
自己資本比率 | 44.5% | 44.7% | 42.2% | 43.3% | 47.2% |
時価ベースの自己資本比率 | 43.8% | 30.0% | 30.7% | 34.5% | 102.7% |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 5.7年 | 40.7年 | 11.2年 | 4.0年 | 4.2年 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ | 115.3倍 | 16.2倍 | 59.0倍 | 167.4倍 | 161.6倍 |
(注)1.各指標の算出は、以下の算式を使用しております。
自己資本比率 | :自己資本 ÷ 総資産 |
時価ベースの自己資本比率 | :株式時価総額 ÷ 総資産 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | :有利子負債 ÷ 営業キャッシュ・フロー |
インタレスト・カバレッジ・レシオ | :営業キャッシュ・フロー ÷ 利払い |
2.上記各指標は、連結ベースの財務数値により計算しております。3.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。また、利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(b)資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、製品の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備投資を目的とした資金需要の主なものは、出版事業における製造・物流拠点の建設費、自社電子書籍サイトの機能拡張等、その他事業におけるところざわサクラタウンの新規事業施設建設等によるものであります。
(c)財務政策
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は基本的に自己資金より充当し、設備投資資金や長期運転資金につきましては、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境を勘案の上、金融機関からの長期借入や社債発行及び株式発行により適宜調達を行っております。
なお、現金及び預金と有利子負債の推移は、以下のとおりであります。
2017年 3月期 | 2018年 3月期 | 2019年 3月期 | 2020年 3月期 | 2021年 3月期 | |
現金及び預金 (百万円) | 105,542 | 85,962 | 73,597 | 74,880 | 79,042 |
有利子負債 (百万円) | 67,759 | 65,527 | 65,640 | 65,822 | 65,669 |
(注)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。