四半期報告書-第10期第1四半期(2023/04/01-2023/06/30)

【提出】
2023/08/10 12:00
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループは、中長期的な成長及び企業価値の向上を図るべく、出版、映像、ゲーム、Webサービス、教育事業等において、多彩なポートフォリオから成るIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、さらにテクノロジーをより一層活用することで、それらを世界に広く展開することを中核とする「グローバル・メディアミックス with Technology」の推進を基本戦略としております。
当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高588億35百万円(前年同期比8.4%減)、営業利益32億67百万円(前年同期比66.0%減)、経常利益61億1百万円(前年同期比50.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益38億43百万円(前年同期比49.7%減)となりました。
当第1四半期連結累計期間における各セグメントの業績は、以下のとおりです。
[出版事業]
出版事業では、書籍、雑誌及び電子書籍・電子雑誌の販売、雑誌広告・Web広告の販売、権利許諾等を行っております。当事業においては、メディアミックス展開の重要な源泉として年間約5,000タイトルにおよぶ新作を継続的に発行しており、蓄積された豊富な作品アーカイブが当社グループ成長の原動力となっております。
電子書籍・電子雑誌は、市場全体の成長に若干の鈍化が見られるものの、微増収となりました。
書籍・雑誌では、米国における直近数年間の急激な需要増の反動による書店の発注抑制・返品増等により、海外事業が減収となりました。国内では、新刊点数が増加したものの、市場全体の縮小影響が大きく、減収となりました。新刊では、『気になってる人が男じゃなかった VOL.1』、『光が死んだ夏(3)』、『山田くんとLv999の恋をする(7)』等の販売が売上高に貢献しました。また、権利許諾収入は増収となりました。
費用面では、中長期的な成長を見据えた人員増強、新物流設備への投資等が増加しました。
この結果、当事業の売上高は323億81百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益(営業利益)は10億28百万円(前年同期比60.0%減)となりました。
なお現在、さらなる返品削減、製造コスト削減、利益率の向上を目指し、文庫やライトノベル、新書、コミック等のデジタル印刷による小ロット・適時製造を行う書籍製造工場の稼働率を段階的に高めているところであります。物流設備についても今夏の稼働開始に向け準備を進めております。
[映像事業]
映像事業では、実写映像及びアニメの企画・製作・配給、映像配信権等の権利許諾、パッケージソフトの販売等を行っております。
アニメでは、『《推しの子》』(《》は隅付き括弧)や『この素晴らしい世界に爆焔を!』等、人気タイトルの国内外での配信向け収入及びその他権利許諾を中心に力強く成長しました。実写映像では、『わたしの幸せな結婚』が引き続き貢献し増収となりました。
この結果、当事業の売上高は106億63百万円(前年同期比15.2%増)、セグメント利益(営業利益)は14億97百万円(前年同期比120.2%増)となりました。
[ゲーム事業]
ゲーム事業では、ゲームソフトウエア及びネットワークゲームの企画・開発・販売、権利許諾等を行っております。
6月に発売した㈱スパイク・チュンソフトの新作『超探偵事件簿 レインコード』が売上高に貢献したものの、前期の『ELDEN RING』の業績貢献が大きかった影響により、当事業の売上高は43億8百万円(前年同期比65.8%減)、セグメント利益(営業利益)は11億56百万円(前年同期比82.4%減)となりました。
[Webサービス事業]
Webサービス事業では、動画コミュニティサービスの運営、各種イベントの企画・運営、モバイルコンテンツの配信等を行っております。
動画コミュニティサービスでは、動画配信サービス「ニコニコ」の月額有料会員(プレミアム会員)が6月末には130万人となり、前年6月末から減少となったことに加え、投資効果に鑑み一部広告関連サービスを縮小させたことで減収となりました。利益面では、この減収影響に加え、「アニメ」、「ゲーム」等の注力ジャンルへのコンテンツ制作費等の費用投下により、減益となりました。
この結果、当事業の売上高は54億27百万円(前年同期比5.2%減)、セグメント利益(営業利益)は1億6百万円(前年同期比71.2%減)となりました。
[教育事業]
教育事業では、専門校運営及びオンライン教育のための教育コンテンツ・システム提供等を行っております。
クリエイティブ分野の人材育成スクールを運営する㈱バンタンでは、展開地域拡大による生徒数増加や、生徒向け教材販売の貢献により、増収となりました。また、インターネットによる通信制高校であるN高等学校・S高等学校等に教育コンテンツ・システムの提供を行う㈱ドワンゴは、同校の通学コース向け新キャンパス開設等による生徒数増加を受け、引き続き好調に推移しました。
この結果、当事業の売上高は35億31百万円(前年同期比7.7%増)、セグメント利益(営業利益)は7億68百万円(前年同期比4.5%減)となりました。
[その他事業]
その他事業では、IP体験施設の運営、キャラクターグッズ等の企画・販売を行うMD事業等を行っております。
IP体験施設の運営では増収となったことに加え、一部事業撤退の効果により営業利益も改善しました。MD事業では、フィギュアのラインナップ拡充やオンラインくじの好調が同事業の成長をけん引しました。また、その他新規事業では一部サービスの拡大により増収となりました。
この結果、当事業の売上高は49億39百万円(前年同期比30.1%増)、セグメント損失(営業損失)は8億64百万円(前年同期 営業損失10億22百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
①資産、負債、純資産の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて136億16百万円減少し、3,692億82百万円となりました。これは主に現金及び預金が減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて126億27百万円減少し、1,470億99百万円となりました。これは主に未払金、未払法人税等及び賞与引当金が減少したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて9億88百万円減少し、2,221億83百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことにより利益剰余金が増加した一方、配当金の支払いにより利益剰余金が減少し、さらに自己株式の取得により株主資本が減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益を計上したものの、賞与及び法人税等の支払い等により、31億32百万円の支出(前年同期は39億34百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預け入れや有形固定資産及び無形固定資産の取得等により、50億10百万円の支出(前年同期は69億99百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い、自己株式の取得による支出及び自己株式の取得のための預け金の増加等により、103億47百万円の支出(前年同期は44億60百万円の支出)となりました。
以上の結果、為替換算差額も含めて171億39百万円の支出となり、現金及び現金同等物の当四半期末残高は、1,142億49百万円となりました。
当社グループの短期運転資金は基本的に自己資金より充当し、設備投資資金や長期運転資金につきましては、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境を勘案の上、金融機関からの長期借入や社債発行及び株式発行により適宜調達を行っております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当社グループでは、ゲーム事業において新規ゲーム等の研究開発をしております。当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は64百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。