訂正有価証券報告書-第5期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2022/09/27 16:10
【資料】
PDFをみる
【項目】
135項目
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)は、世界経済情勢において一部底打ち感が見られてきたものの、依然として不確実性の一段とした高まりを受け、わが国の株式市場は出遅れの様相から完全に脱却できない状況が続きました。こうしたなか、欧米を中心に活動してきた大手アクティビストが明確な意思を持ちわが国の株式市場でのプレゼンスを高めるとともに、伝統的機関投資家においても、強力な株主議決権を活用し上場企業に対して巧みな提案をつきつけるなど、アクティビズムの新時代が本格的に始まりました。一方、当社グループのお客様である上場企業にあっては、コーポレートガバナンス・コードの改訂により、政策保有株式の保有意義が厳しく問われるなか、旧来の安定株主対策は限界に近づいており、資本リスクに対する警戒感が急速に高まってまいりました。当社グループはこうした変動のなか、唯一無二のエクイティ(株式議決権)・コンサルティング会社として、IR・SRコンサルティング、投資銀行、証券代行を有機的に結合し、既存のサービスの受託を拡大するとともに、新たに開発したAIを活用した資本コンサルティングサービス、コーポレート・ガバナンス関連業務、さらには株式議決権、株主動向に関する圧倒的知見をもとに独立系FA(Financial Advisor)としての強みが活かされる案件の受託が増加しました。
当連結会計年度の売上高及び各段階利益は前年同期を大幅に上回り、5期連続の増収増益及び過去最高を達成しました。当連結会計年度の売上高は、前年同期比16.8%増加し4,827百万円、営業利益は投資銀行オフィスの開設やコンサルタント人員の拡充等の費用の増加も吸収し、同24.0%増加し1,434百万円、経常利益は同25.1%増加し1,447百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、同18.9%増加し976百万円となりました。
区 分前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額
(千円)
増減率
(%)
金額
(千円)
増減額
(千円)
増減率
(%)
売上高4,133,8987.74,827,639693,74016.8
営業利益1,156,70514.51,434,208277,50324.0
経常利益1,157,15914.71,447,823290,66425.1
親会社株主に帰属する
当期純利益
821,61018.2976,904155,29318.9

当社グループの事業領域は「IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業」であり、単一セグメントであります。サービス別に売上高の概要を示すと次のとおりであります。
サービス別前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
売上高
(千円)
増減率
(%)
売上高
(千円)
構成比
(%)
増減率
(%)
IR・SRコンサルティング3,429,37112.74,052,68284.018.2
ディスクロージャー
コンサルティング
491,522△11.7571,98011.816.4
データベース・その他213,004△9.9202,9764.2△4.7
合計4,133,8987.74,827,639100.016.8

① IR・SRコンサルティング
実質株主判明調査、議決権賛否シミュレーション、プロキシー・アドバイザリー(株主総会議案可決における総合的な戦略立案)、投資銀行業務、証券代行事業等を中心とする当社グループの中核的サービスです。
当連結会計年度のIR・SRコンサルティングの売上高は、前年同期に比べ18.2%の増加となりました。
日本の上場企業の最大の投資主体である海外機関株主並びに国内機関株主、すなわちスチュワードシップ・コードが影響を及ぼす純機関株主の持株数は過半数を超え、いよいよわが国の上場企業の支配権を決定するキャスティングボートを握る状況を呈しており、プロキシー(議決権)の判断が今後、一層重要度を増すと予想されます。世界で最も影響力の高い年金基金(運用資金提供者)のESG(環境・社会・ガバナンス)強化という大きな変動の基軸のなかで、とりわけ“G”に関しては、成長ドライバーの不足、事業ポートフォリオの選択と集中の曖昧さ、不祥事、高次元の内部留保と因習に囚われた株主還元など、あらためて日本企業の企業統治のあるべき姿が市場に問われる形となりました。こうした状況のなか、海外アクティビストの進出が加速するとともに、米国最大級のアクティビストが日本企業の取締役に就任するなど、アクティビズムの新時代が本格的に始まりました。また、アクティビストだけでなく、伝統的な機関投資家においてもアクティビストと同様の要求を企業につきつける事案も顕在化しつつあり、少数株主保護の観点やグローバルな株主還元強化を大義名分に、資本政策、M&A戦略、ガバナンス面など様々な観点から上場企業を追及し、経営の根幹を揺るがす要求を繰り出すケースが頻発しております。
一方、当社グループのお客様である上場企業にあっては、コーポレートガバナンス・コードの改訂により、金融機関並びに事業会社の持ち合い株式等政策保有株式の保有意義が厳しく問われるとともに、海外・国内機関株主の議決権行使の厳格化が進み、旧来の安定株主対策は限界に近づきつつあります。こうしたなか、唯一無二のエクイティ・コンサルティング会社である当社グループならではの全世界の機関株主の議決権情報の圧倒的精度やスピードが評価され、議決権の安定確保に関するSRコンサルティングサービスの受託が大幅に拡大しました。これらの既存のサービスに加え、企業防衛意識の高まりをうけ、AIを活用しアクティビストリスク分析を行う最先端の開発商品「アクティビスト・アナリティクス」がラージキャップ企業を中心に進むとともに、資本政策に関するコンサルティングサービスも伸長しました。また、当社グループが独自に開発した個人株主対応におけるコンサルティングサービス「株主倶楽部」(注)も順調に伸びております。
ガバナンスコンサルティングにおいては、機関株主における社外取締役の独立性判断基準の厳格化や、取締役会における社外取締役比率の増加や多様性を求める動きに後押しされ、社外取締役等人材紹介サービスの受託が増加しました。また、機関株主を中心に、取締役会の実効性について第三者機関の活用を求める声が高まっていることに加え、取締役会の有効性に対する公正性を担保することがアクティビスト対策の一つとなってきていることもあり、当社グループの取締役会評価サービスも受託が伸長しています。
投資銀行部門においては、唯一無二の実績を有する先鋭的PA(Proxy=議決権争奪 Advisor)コンサルティング体制に加え、法律、会計、財務等の専門家を拡充したFA(Financial Advisor)コンサルティング体制を強化し、株式議決権、株主動向、コーポレート・ガバナンスに関する圧倒的知見を活用した、唯一無二の独立系FAとして存在感が大きく高まってきております。当連結会計年度では、アクティビストから提案を受けた上場会社に対するFA・PAの大型案件、上場企業による未上場企業の買収時の買手FA、上場会社のグループ再編・ガバナンス変更に伴う大型SR案件等、当社グループならではの知見と経験が必要とされる難易度の高い案件を中心に、引き続き堅調にFA・PA業務の受託を伸ばしました。FA・PA業務につきましては、現時点でも新規のFA・PA案件が増加しており、引き続き豊富なパイプラインを有しております。
証券代行事業においては、受託決定済み企業は2019年5月14日時点で80社、管理株主数は359,983名となりました(前年同期の受託決定済み企業は60社、管理株主数は288,528名)。アクティビスト・敵対的買収からの企業防衛の観点からも、株主の前線に立つ証券代行機関の株主情報並びに機動的な株主対応能力の重要性が高まっており、企業防衛・株主の長期安定化・議決権の安定確保・機動的エクイティファイナンスへの対応など、当社グループの高度なソリューションを認知した大手上場企業からの委託替えやアーリーステージの企業からの新規受託が増加しており、この動きは今後もさらに加速していくことが予想されます。
(注)「株主倶楽部」は子会社アイ・アール ジャパンの登録商標です。
② ディスクロージャーコンサルティング
ツールコンサルティング(アニュアルレポート・統合報告書・株主通信等、IR活動において必要とする各種情報開示資料の企画・作成支援)及びリーガルドキュメンテーションサービス(企業再編やM&A時における各種英文開示書類の作成や和文資料の英訳等)を提供するサービスです。
当連結会計年度のディスクロージャーコンサルティングの売上高は、資金提供者や機関投資家のESGへの関心の高まりを受け、当社グループの強みである機関投資家の視点を活かしたESG開示に関するコンサルティングニーズを確実に捉えた結果、前年同期に比べ16.4%の増加となりました。
③ データベース・その他
大量保有報告書や国内・海外公募投信における株式の組み入れ状況等を提供するIR活動総合サポートシステム「IR-Pro」、IR説明会への参加受付や参加者の管理等を上場企業が一括実施することが可能な「アナリストネットワーク」等をWEB上で提供するサービスです。また、個人株主向けアンケートサービス「株主ひろば」を展開しております。
当連結会計年度のデータベース・その他の売上高は、前年同期に比べ4.7%の減少となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は「IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業」の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
① 生産実績
当社グループは、生産活動は行っていないため該当事項はありません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
サービス受注高
(千円)
前年同期比(%)受注残高
(千円)
前年同期比(%)
IR・SRコンサルティング4,474,05829.6682,170161.6
ディスクロージャーコンサルティング560,0813.3156,953△7.0
データベース・その他219,7246.152,63846.7
合計5,253,86525.0891,76391.6

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
サービス販売高(千円)前年同期比(%)
IR・SRコンサルティング4,052,68218.2
ディスクロージャーコンサルティング571,98016.4
データベース・その他202,976△4.7
合計4,827,63916.8

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 財政状態の分析
① 資産
当社グループの当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ461百万円増加し、5,051百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加433百万円、投資有価証券の増加165百万円等によるものであります。
② 負債
当社グループの当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ39百万円増加し、1,042百万円となりました。主な要因は、預り金の増加37百万円等によるものであります。
③ 純資産
当社グループの当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ421百万円増加し、4,008百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加976百万円、配当による利益剰余金の減少579百万円等によるものであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析
① キャッシュ・フロー
当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ433百万円(18.9%)増加し、2,726百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,352百万円(前年同期は1,225百万円の獲得)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,447百万円、減価償却費242百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額452百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は338百万円(前年同期は459百万円の使用)となりました。
支出の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出140百万円、投資有価証券の取得による支出170百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は580百万円(前年同期は344百万円の使用)となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払額579百万円によるものであります。
② 資金需要及び流動性の確保
当社グループの資金需要は、営業活動については、事業活動に必要な運転資金(主に人件費)が主な内容であります。投資活動については、事業拡大及び業務効率向上のためのシステム開発投資等の固定資産の取得及び投資有価証券の取得が主な内容であります。財務活動については、上記活動で獲得した資金を必要な内部留保を確保した上で、業績に応じた利益還元を行っております。なお、アイ・アール ジャパンの自己資本規制比率を維持するために、一定水準の現預金を確保しております。さらに、必要に応じて金融機関との当座貸越契約に基づき運転資金を確保しております。
(5) その他
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際し当連結会計年度末日における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っておりますが、これらの見積りは過去の実績や当社グループを取り巻く環境等に応じて、合理的と考えられる方法により計上しております。
特に当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼすと考えられる内容は以下のとおりであります。
(a) 貸倒引当金
売上債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(b) 繰延税金資産
繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の課税所得の見込み等を勘案し、回収可能性を慎重に検討し計上しております。回収可能性が低いと判断した場合には、適正と考えられる金額へ減額する可能性があります。
また、上記に記載した以外に見積りによる評価及び計上しているものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。