有価証券報告書-第12期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/12 13:14
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【項目】
126項目
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
区 分前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額
(百万円)
増減率
(%)
金額
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
売上高5,7832.16,1413586.2
営業利益1,005△6.21,28327827.7
経常利益1,017△4.71,30128327.8
親会社株主に帰属する
当期純利益
698△8.489819928.6

当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)は、2025年4月の米国による相互関税措置の発表を受け日経平均株価が一時急落したものの、その後の利下げや関税リスクの低下を背景に最高値を更新するなど、東京証券取引所による市場構造改革や資本効率改善への期待の高まりを追い風に、堅調に推移しました。中東情勢の不透明化、とりわけイランを巡る地政学的リスクが高まる中でも、日本株は相対的な底堅さを維持しております。また、高市政権の歴史的な大勝利を契機に、日本経済の構造改革への期待が急速に高まり、海外投資マネーの日本株市場への流入が一段と加速しております。こうした変化の中、日本企業をターゲットとするアクティビストの活動は一層活発化しており、株主提案やパブリックキャンペーン、公開買付け(TOB)への介入など、資本政策や企業再編を巡る攻防はかつてない緊張感を帯びています。
こうした中、当連結会計年度の売上高は、前年同期に比べ6.2%増加の6,141百万円、営業利益は同27.7%増加の1,283百万円、経常利益は同27.8%増加の1,301百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同28.6%増加の898百万円となりました。なお、EBITDAは同21.2%増加の1,639百万円となりました。
アクティビスト対応、支配権争奪、M&A対応等に係る有事対応案件*1については、アクティビスト対応案件を中心に有事対応案件の受託が増加し、前年同期に比べ14.0%増加の2,428百万円となりました。実質株主判明調査等の平時対応案件*2については、資本市場の信任獲得を目的とした株主対応、資本政策の見直し、中期経営計画の再構築、資本リスクマネジメントなど、企業価値向上に向けた主体的な取り組みを強化する上場企業の動きが広がる中、実質株主判明調査やエクイティ・コンサルティング業務の新規受託や既存顧客からの追加受託が増加し、前年同期に比べ1.6%増加の3,713百万円となりました。
我が国の資本市場では、政策保有株式の縮減、親子上場の解消、非公開化や業界再編の進展を背景に、企業を巡る資本の動きが一段と活発化しており、株主提案やTOB対応を含む企業と株主の関係は、より複雑かつ多様な局面を迎えています。近時もアクティビストによる投資や株主提案は増加傾向にあり、企業経営への関与は依然として高い水準を維持しています。
こうした状況のもと、経済産業省による「企業買収における行動指針」の見直し議論の再開や、金融商品取引法・コーポレートガバナンス・コードの改訂といった制度面の見直しも進行しており、買収提案を巡る取締役会の判断や説明責任の重要性は一層高まっており、中長期的な企業価値の視点に立脚した意思決定と、平時からの信頼ある株主対応体制の確立がこれまで以上に求められています。
まさに当社グループが基軸として掲げる「Power of Equity®*3(議決権の力、株式の力)」という基軸概念の通り、株主の圧力が企業の持続性や経営構造を大きく左右する局面がより一層顕在化している環境下において、有事対応における迅速性と実効性を兼ね備えた対応力、データオリエンティッドな唯一無二のデータベース、Proxy・TOB・M&Aに精通したプロフェッショナル集団など、金融グループに属さない完全独立系アドバイザーとして、当社グループの特長が発揮される局面が増加しており、専門性の高い唯一無二のコンサルティングサービスの必要性が、あらためて強く認識されつつあるものと捉えております。
当社グループは、引き続き議決権の力を軸に資本市場の健全な発展に貢献すべく、アクティビストサイドにつかないプロキシー・アドバイザリーを基盤に、独立系エクイティ・コンサルティングおよびフィナンシャル・アドバイザリーを両輪とする専門家集団として、上場企業の持続的成長と企業価値向上を支援してまいります。
*1 有事対応案件;アクティビスト対応、支配権争奪、M&A対応等の有事局面のPA業務やFA業務の対応を行う案件。
*2 平時対応案件;実質株主判明調査、議決権分析、企業防衛・企業価値向上等に関連する、平時局面のエクイティ・コンサルティング業務を行う案件。
*3 Power of Equity®;Power of Equityは、当社子会社アイ・アールジャパンの登録商標です(登録第6196294号)。
当社グループの事業領域は「IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業」であり、単一セグメントであります。サービス別に売上高の概要を示すと次のとおりであります。
サービス別前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
売上高
(百万円)
増減率
(%)
売上高
(百万円)
構成比
(%)
増減率
(%)
IR・SRコンサルティング5,4772.25,86495.57.1
ディスクロージャー
コンサルティング
2094.31913.1△8.7
データベース・その他97△5.0861.4△11.1
合計5,7832.16,141100.06.2

(a) 大型プロジェクト(50百万円以上)と通常プロジェクト(50百万円未満)内訳
(百万円)
大型プロジェクト
(50百万円以上)
通常プロジェクト
(50百万円未満)
2026年3月期1,4374,704
2025年3月期1,4424,340
増減△5363

(b) 大型プロジェクト(50百万円以上)の契約件数及び売上金額の推移
上期下期通期
件数
(件)
金額
(百万円)
件数
(件)
金額
(百万円)
件数
(件)
金額
(百万円)
2026年3月期5430131,007181,437
2025年3月期86766766141,442
増減△3△24672414△5


(c) 大型プロジェクト(50百万円以上)の種類、及び売上金額
(百万円)
プロジェクトの種類当連結会計年度
(2025年4月-2026年3月)
前連結会計年度
(2024年4月-2025年3月)
増減
支配権争奪PA・FA1629666
アクティビスト対応PA・FA1,01298823
企業側FA(M&A等)263358△95
合計1,4371,442△5

当連結会計年度の大型プロジェクト(50百万円以上)は、前年同期に比べ0.4%減少の1,437百万円となりました。通常プロジェクト(50百万円未満)は、お客様との強固な信頼関係に基づく実質株主判明調査や、外部環境の変化を踏まえたエクイティ・コンサルティングに関する新規・追加受託の増加により、前年同期に比べ8.4%増加の4,704百万円となりました。
(d) 当連結会計年度の有事対応案件と平時対応案件の内訳
(百万円)
有事対応案件平時対応案件
2026年3月期2,4283,713
2025年3月期2,1303,653
増減29760

当連結会計年度のアクティビスト対応、支配権争奪、M&A対応等に係る有事対応案件については、前年同期に比べ14.0%増加の2,428百万円となりました。アクティビスト対応、支配権争奪、M&A対応等に係る有事対応案件については、アクティビスト対応PA・FA案件を中心とした案件の受託が継続しています。企業再編、事業再編の活発化が予想される中、迫りくる資本リスクへの高まりもあり、企業支配権争奪等を中心としたPA業務とFA業務においても受託が増加しています。
当連結会計年度の実質株主判明調査等の平時対応案件においては、前年同期に比べ1.6%増加の3,713百万円となりました。お客様との強固な信頼関係にもとづく実質株主判明調査や、外部環境の変化をふまえたエクイティ・コンサルティングに関する新規・追加のプロジェクト受託が増加しています。
証券代行事業においては、受託決定済み企業は2026年3月31日時点で93社、管理株主数は570,372名となりました(前年同期の受託決定済み企業は76社、管理株主数は415,191名)。
① IR・SRコンサルティング
SRアドバイザリー(実質株主判明調査、議決権賛否シミュレーション、コーポレート・ガバナンス改善、取締役会実効性評価、株主還元を含む資本政策等)、プロキシー・アドバイザリー、フィナンシャル・アドバイザリー、証券代行事業等を中心とする当社グループの中核的サービスです。
当連結会計年度のIR・SRコンサルティングの売上高は、前年同期に比べ7.1%増加の5,864百万円となりました。
② ディスクロージャーコンサルティング
ツールコンサルティング(アニュアルレポート・統合報告書・株主通信等、IR活動において必要とする各種情報開示資料の企画・作成支援)及びリーガルドキュメンテーションサービス(企業再編やM&A時における各種英文開示書類の作成や和文資料の英訳等)を提供するサービスです。
当連結会計年度のディスクロージャーコンサルティングの売上高は、前年同期に比べ8.7%減少の191百万円となりました。
③ データベース・その他
大量保有報告書や国内・海外公募投信における株式の組み入れ状況等を提供する「Stock Watch」、IR活動総合サポートシステム「IR-Pro」、IR説明会への参加受付や参加者の管理等を上場企業が一括実施することが可能な「アナリストネットワーク」等をWEB上で提供するサービスです。また、個人株主向けアンケートサービス「株主ひろば」を展開しております。
当連結会計年度のデータベース・その他の売上高は、前年同期に比べ11.1%減少の86百万円となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は「IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業」の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
① 生産実績
当社グループは、生産活動は行っていないため該当事項はありません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
サービス受注高
(百万円)
増減率
(%)
受注残高
(百万円)
増減率
(%)
IR・SRコンサルティング5,598△8.52,923△8.3
ディスクロージャーコンサルティング20510.41699.2
データベース・その他64△33.565△25.1
合計5,868△8.33,157△8.0

③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
サービス販売高
(百万円)
増減率
(%)
IR・SRコンサルティング5,8647.1
ディスクロージャーコンサルティング191△8.7
データベース・その他86△11.1
合計6,1416.2

(3) 財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ602百万円増加し、7,503百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加834百万円及び売掛金の減少229百万円等によるものであります。
② 負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ94百万円増加し、1,381百万円となりました。主な要因は、契約負債の増加58百万円及び未払法人税等の増加48百万円等によるものであります。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ508百万円増加し、6,122百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加898百万円及び配当による利益剰余金の減少408百万円等によるものであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ834百万円増加し、4,988百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,548百万円(前年同期は773百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,301百万円、法人税等の支払額369百万円及び減価償却費336百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は303百万円(前年同期は271百万円の使用)となりました。
支出の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出279百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は408百万円(前年同期は444百万円の使用)となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払額408百万円であります。
② 資金需要及び流動性の確保
当社グループの資金需要は、営業活動については、事業活動に必要な運転資金(主に人件費)が主な内容であります。投資活動については、事業拡大及び業務効率向上のためのシステム開発投資等の固定資産の取得が主な内容であります。財務活動については、上記活動で獲得した資金を必要な内部留保を確保した上で、業績に応じた利益還元を行っております。なお、アイ・アールジャパンの自己資本規制比率を維持するために、一定水準の現預金を確保しております。さらに、必要に応じて金融機関との当座貸越契約に基づき運転資金を確保しております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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