訂正有価証券報告書-第7期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)は、事業会社ならびにアクティビストによる我が国上場企業に対する友好的ならびに敵対的な企業再編、事業再編の動きが、水面下での提案も含めて活発化し、我が国経済界における大再編時代突入への序幕が勢いよく上がりました。当社グループは、前連結会計年度同様、高い水準でのエクイティ・コンサルティングの受託を継続し、より一層高度なソリューションにより事業基盤を深耕・拡大する中で増収増益基調を継続しておりますが、当連結会計年度後半で予定していた大型案件の一部の業務の完了が次年度へ繰り越されたことや、株主総会に向けて議決権行使助言会社がコロナ禍を理由にROE基準の適用免除を行った影響などもあり、大幅な増収には届かず、売上高は飛躍的な増加には今一歩届かない状況で着地しました。一方、利益面では人件費増加を吸収し、前連結会計年度以上の売上高利益率の向上を果たし、引き続き二桁増加を維持いたしました。
こうした中、本年3月、日本を代表する上場企業においてアクティビストが開催を要請した臨時株主総会で、アクティビストの提案が一部可決されました。事態はその後ファンドによる買収提案が公になりましたが、まさに、いずれの上場会社(取締役会)においても、支配権リスクに関して、対岸の火事ではない状況が顕在化しつつあります。加えて、本年6月末の流通株式時価総額を基準とする東証市場区分の見直しが、上場企業に持ち合い株式(非流通株式)の解消判断を迫っており、コーポレートガバナンス・コードの改訂も相まって、上場企業におけるエクイティ・コンサルティングに対するニーズが、新年度に入って以降も急速に高まってきております。
当社グループの100%出資子会社である株式会社アイ・アール ジャパン(第一種金融商品取引業者)ならびに本年2月に新設した株式会社JOIB(Japan Originated Investment Bank, Inc.)は、唯一無二の完全独立系の金融コンサルティング会社として、迫る資本リスクへの感度の高い多種多様なお客様に徹頭徹尾寄り添いながら、高度な分析・ソリューションをご提供し、かつ実際の企業・事業再編(ディフェンス・オフェンス)のエグゼキューションを一貫して請け負うことのできる機動性の高いインベストメント・バンクとして、高度な専門人材を多数擁しながらエクイティ・コンサルティング契約を引き続き高水準で受託しております。加えて、前連結会計年度から当連結会計年度に引き続き委任状争奪戦、敵対的TOB、MBO等の企業支配権争奪、アクティビスト対応等の、PA業務*1とFA業務*2の大型プロジェクトに於いても圧倒的な実績を有しております。今後も、「Power of Equity®*3(株式議決権の力)」を自社の最大の武器とし、クロスボーダーなキャピタルマーケットの信頼を高めるファクトオリエンテッドな実践的ソリューションの提供を通じて、大再編時代の大型プロジェクトの受託を拡大させてまいります。
*1 PA業務;プロキシー・アドバイザリー業務:委任状争奪戦業務、圧倒的な勝利の実績を誇る。
*2 FA業務;フィナンシャル・アドバイザリー業務:アクティビスト対応、敵対的TOB対応、高度なMBO、M&Aにおいて日本最大級かつ先
鋭の専門集団を配備する。
*3 Power of Equity®;「Power of Equity」は、当社子会社株式会社アイ・アール ジャパンの登録商標です(登録第6196294号)。
当連結会計年度の売上高は、前年同期に比べ7.8%増加の8,284百万円、営業利益は同12.5%増加の4,080百万円、経常利益は同12.7%増加の4,070百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同14.6%増加の2,802百万円となり、6期連続の増収増益となり、いずれも過去最高を達成いたしました。
当社グループの事業領域は「IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業」であり、単一セグメントであります。サービス別に売上高の概要を示すと次のとおりであります。
① IR・SRコンサルティング
SRアドバイザリー(実質株主判明調査、議決権賛否シミュレーション、コーポレート・ガバナンス改善、取締役会実効性評価、株主還元を含む資本政策等)、プロキシー・アドバイザリー(PA:委任状争奪における全ての戦略立案と実行、臨時株主総会の招集と対応、委任状回収・集計等)、フィナンシャル・アドバイザリー(FA:敵対的TOB対応、自社株TOB、TOB応諾シミュレーション、プレースメント・エージェント(第三者割当増資)、M&A及びMBOの全ての戦略立案・エグゼキューション等)、証券代行事業等を中心とする当社グループの中核的サービスです。当連結会計年度のIR・SRコンサルティングの売上高は、前年同期に比べ9.2%増加の7,614百万円と過去最高となりました。
(a) 大型プロジェクト(50百万円以上)の契約件数および売上金額(実績)の推移
(b) 大型プロジェクト(50百万円以上)の種類、および売上金額
大型プロジェクト(50百万円以上)の通期受託合計は、3,446百万円(前年比6.4%増)を計上しました。下期に契約した一部の支配権争奪に関連する複数の大型プロジェクト(合計約1,100百万円)の業務完了が、4月以降へと延期したため、下期の受託額が昨年度下期受託額から785百万円減少いたしました。これらの延期したプロジェクトの業務は順調に進捗しており、翌期第1四半期以降に計上予定です。大再編時代圧倒的な実績を有する当社グループの支配権争奪ならびにアクティビスト対応に関連するPA・FAの要請は極めて高く、とりわけオフェンス側での受託が急速に増加することが見込まれます。さらに、企業再編・事業再編の最終局面である企業側FAエグゼキューション業務においても、新設した株式会社JOIBが第1四半期内で専門人員・組織体制が整うことで、大型プロジェクト受託増加に弾みがかかることを期待しています。
通常プロジェクト(50百万円未満)の通期受託合計は、4,838百万円(前期比8.9%増)を計上しました。SRアドバイザリー業務はコロナ禍による議決権判断基準の緩和により、一時的には低調な状況となりましたが、最近のアクティビストが勝利した臨時株主総会ならびにPEファンドによる買収提案等の動きもあり、緊張感がここにきて急速に高まり、受託増加に向けた動きが出てまいりました。とりわけ、従来の株主判明調査を機軸としたSRアドバイザリー業務から、企業・事業再編(オフェンス・ディフェンス)、資本政策、B/Sマネジメント、株主還元等に及ぶ当社グループならではの高度なエクイティ・コンサルティング業務への要請が大幅に増加しており、従来以上に密度の濃いお客様との関係が着実に構築されております。さらに、東証の上場区分の見直しに関連したコンサルティング業務の受託も大幅に増加しております。本年6月に金融庁はコーポレートガバナンス・コードを改訂し、東証一部からプライム市場へと移行を目指す企業にとっては、新たな行動基準が義務づけられる予定です。ガバナンス設計、株主総会、機関投資家との対話、ESG開示、ダイバーシティ等新たな行動基準の対応に向け多様なコンサルティング需要は、本年6月末の東証上場区分再編の時価総額基準日を視野に入れ今後急速に高まっていくものと想定しております。
証券代行事業においては、受託決定済み企業は2021年3月31日時点で72社、管理株主数は390,152名となりました(前年同期の受託決定済み企業は75社、管理株主数は359,285名)。従来の証券代行機関とは一線を画し、アクティビスト・敵対的TOBからの企業防衛の観点での戦略的な営業展開を継続して進めています。
② ディスクロージャーコンサルティング
ツールコンサルティング(アニュアルレポート・統合報告書・株主通信等、IR活動において必要とする各種情報開示資料の企画・作成支援)及びリーガルドキュメンテーションサービス(企業再編やM&A時における各種英文開示書類の作成や和文資料の英訳等)を提供するサービスです。ツールコンサルティング(アニュアルレポート・統合報告書・株主通信等、IR活動において必要とする各種情報開示資料の企画・作成支援)及びリーガルドキュメンテーションサービス(企業再編やM&A時における各種英文開示書類の作成や和文資料の英訳等)を提供するサービスです。
当連結会計年度のディスクロージャーコンサルティングの売上高は、資金提供者や機関投資家のESGへの関心の高まりを受け、ESG開示に関するコンサルティングサービスの受託が増加しておりますが、統合報告書等の企画制作案件においては、単独プロジェクトの受託からSRコンサルティング受託の一部としての案件を優先させたため、単独プロジェクトを主とする売上高は前年同期に比べ8.9%減少の475百万円となりました。
③ データベース・その他
大量保有報告書や国内・海外公募投信における株式の組み入れ状況等を提供する「Stock Watch」、IR活動総合サポートシステム「IR-Pro」、IR説明会への参加受付や参加者の管理等を上場企業が一括実施することが可能な「アナリストネットワーク」等をWEB上で提供するサービスです。また、個人株主向けアンケートサービス「株主ひろば」を展開しております。
当連結会計年度のデータベース・その他の売上高は、前年同期に比べ4.9%増加の194百万円となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は「IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業」の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
① 生産実績
当社グループは、生産活動は行っていないため該当事項はありません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ697百万円増加し、8,410百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加610百万円、その他(無形固定資産)の増加116百万円、繰延税金資産の減少36百万円等によるものであります。
② 負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ737百万円減少し、1,763百万円となりました。主な要因は、未払法人税等の減少341百万円、前受金の減少156百万円、その他(流動負債)の減少174百万円等によるものであります。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ1,434百万円増加し、6,647百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加2,802百万円、配当による利益剰余金の減少1,420百万円等によるものであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ610百万円増加し、5,388百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,398百万円(前年同期は3,512百万円の獲得)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益4,060百万円、減価償却費231百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額1,542百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は366百万円(前年同期は197百万円の使用)となりました。
支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出29百万円、無形固定資産の取得による支出290百万円、投資有価証券の取得による支出30百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,419百万円(前年同期は1,264百万円の使用)となりました。
支出の内訳は、配当金の支払額1,419百万円によるものであります。
② 資金需要及び流動性の確保
当社グループの資金需要は、営業活動については、事業活動に必要な運転資金(主に人件費)が主な内容であります。投資活動については、事業拡大及び業務効率向上のためのシステム開発投資等の固定資産の取得及び投資有価証券の取得が主な内容であります。財務活動については、上記活動で獲得した資金を必要な内部留保を確保した上で、業績に応じた利益還元を行っております。なお、アイ・アール ジャパンの自己資本規制比率を維持するために、一定水準の現預金を確保しております。さらに、必要に応じて金融機関との当座貸越契約に基づき運転資金を確保しております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、当社グループは、現時点において新型コロナウイルス感染症は重要な影響を与えるものではないと判断しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響は不確定要素が多く、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
| 区 分 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
| 金額 (百万円) | 増減率 (%) | 金額 (百万円) | 増減額 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 売上高 | 7,682 | 59.1 | 8,284 | 602 | 7.8 |
| 営業利益 | 3,626 | 152.8 | 4,080 | 454 | 12.5 |
| 経常利益 | 3,611 | 149.5 | 4,070 | 459 | 12.7 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 2,445 | 150.3 | 2,802 | 357 | 14.6 |
当社グループの当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)は、事業会社ならびにアクティビストによる我が国上場企業に対する友好的ならびに敵対的な企業再編、事業再編の動きが、水面下での提案も含めて活発化し、我が国経済界における大再編時代突入への序幕が勢いよく上がりました。当社グループは、前連結会計年度同様、高い水準でのエクイティ・コンサルティングの受託を継続し、より一層高度なソリューションにより事業基盤を深耕・拡大する中で増収増益基調を継続しておりますが、当連結会計年度後半で予定していた大型案件の一部の業務の完了が次年度へ繰り越されたことや、株主総会に向けて議決権行使助言会社がコロナ禍を理由にROE基準の適用免除を行った影響などもあり、大幅な増収には届かず、売上高は飛躍的な増加には今一歩届かない状況で着地しました。一方、利益面では人件費増加を吸収し、前連結会計年度以上の売上高利益率の向上を果たし、引き続き二桁増加を維持いたしました。
こうした中、本年3月、日本を代表する上場企業においてアクティビストが開催を要請した臨時株主総会で、アクティビストの提案が一部可決されました。事態はその後ファンドによる買収提案が公になりましたが、まさに、いずれの上場会社(取締役会)においても、支配権リスクに関して、対岸の火事ではない状況が顕在化しつつあります。加えて、本年6月末の流通株式時価総額を基準とする東証市場区分の見直しが、上場企業に持ち合い株式(非流通株式)の解消判断を迫っており、コーポレートガバナンス・コードの改訂も相まって、上場企業におけるエクイティ・コンサルティングに対するニーズが、新年度に入って以降も急速に高まってきております。
当社グループの100%出資子会社である株式会社アイ・アール ジャパン(第一種金融商品取引業者)ならびに本年2月に新設した株式会社JOIB(Japan Originated Investment Bank, Inc.)は、唯一無二の完全独立系の金融コンサルティング会社として、迫る資本リスクへの感度の高い多種多様なお客様に徹頭徹尾寄り添いながら、高度な分析・ソリューションをご提供し、かつ実際の企業・事業再編(ディフェンス・オフェンス)のエグゼキューションを一貫して請け負うことのできる機動性の高いインベストメント・バンクとして、高度な専門人材を多数擁しながらエクイティ・コンサルティング契約を引き続き高水準で受託しております。加えて、前連結会計年度から当連結会計年度に引き続き委任状争奪戦、敵対的TOB、MBO等の企業支配権争奪、アクティビスト対応等の、PA業務*1とFA業務*2の大型プロジェクトに於いても圧倒的な実績を有しております。今後も、「Power of Equity®*3(株式議決権の力)」を自社の最大の武器とし、クロスボーダーなキャピタルマーケットの信頼を高めるファクトオリエンテッドな実践的ソリューションの提供を通じて、大再編時代の大型プロジェクトの受託を拡大させてまいります。
*1 PA業務;プロキシー・アドバイザリー業務:委任状争奪戦業務、圧倒的な勝利の実績を誇る。
*2 FA業務;フィナンシャル・アドバイザリー業務:アクティビスト対応、敵対的TOB対応、高度なMBO、M&Aにおいて日本最大級かつ先
鋭の専門集団を配備する。
*3 Power of Equity®;「Power of Equity」は、当社子会社株式会社アイ・アール ジャパンの登録商標です(登録第6196294号)。
当連結会計年度の売上高は、前年同期に比べ7.8%増加の8,284百万円、営業利益は同12.5%増加の4,080百万円、経常利益は同12.7%増加の4,070百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同14.6%増加の2,802百万円となり、6期連続の増収増益となり、いずれも過去最高を達成いたしました。
当社グループの事業領域は「IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業」であり、単一セグメントであります。サービス別に売上高の概要を示すと次のとおりであります。
| サービス別 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
| 売上高 (百万円) | 増減率 (%) | 売上高 (百万円) | 構成比 (%) | 増減率 (%) | |
| IR・SRコンサルティング | 6,974 | 72.1 | 7,614 | 91.9 | 9.2 |
| ディスクロージャー コンサルティング | 522 | △8.7 | 475 | 5.7 | △8.9 |
| データベース・その他 | 185 | △8.7 | 194 | 2.4 | 4.9 |
| 合計 | 7,682 | 59.1 | 8,284 | 100.0 | 7.8 |
① IR・SRコンサルティング
SRアドバイザリー(実質株主判明調査、議決権賛否シミュレーション、コーポレート・ガバナンス改善、取締役会実効性評価、株主還元を含む資本政策等)、プロキシー・アドバイザリー(PA:委任状争奪における全ての戦略立案と実行、臨時株主総会の招集と対応、委任状回収・集計等)、フィナンシャル・アドバイザリー(FA:敵対的TOB対応、自社株TOB、TOB応諾シミュレーション、プレースメント・エージェント(第三者割当増資)、M&A及びMBOの全ての戦略立案・エグゼキューション等)、証券代行事業等を中心とする当社グループの中核的サービスです。当連結会計年度のIR・SRコンサルティングの売上高は、前年同期に比べ9.2%増加の7,614百万円と過去最高となりました。
(a) 大型プロジェクト(50百万円以上)の契約件数および売上金額(実績)の推移
| 上期 | 下期 | 通期 | ||||
| 件数 (件) | 金額 (百万円) | 件数 (件) | 金額 (百万円) | 件数 (件) | 金額 (百万円) | |
| 2021年3月期 | 13 | 1,694 | 12 | 1,751 | 25 | 3,446 |
| 2020年3月期 | 7 | 702 | 16 | 2,537 | 23 | 3,239 |
| 増減 | 6 | 993 | △4 | △785 | 2 | 207 |
(b) 大型プロジェクト(50百万円以上)の種類、および売上金額
| (百万円) | |||
| プロジェクトの種類 | 前連結会計年度 (2020年3月期) | 当連結会計年度 (2021年3月期) | 増減 |
| 支配権争奪PA・FA | 910 | 1,302 | 392 |
| アクティビスト対応PA・FA | 1,514 | 1,543 | 29 |
| MBO等企業側FA | 705 | 485 | ▲220 |
| 大型SR・PA | 110 | 114 | 4 |
| 計 | 3,239 | 3,446 | 207 |
大型プロジェクト(50百万円以上)の通期受託合計は、3,446百万円(前年比6.4%増)を計上しました。下期に契約した一部の支配権争奪に関連する複数の大型プロジェクト(合計約1,100百万円)の業務完了が、4月以降へと延期したため、下期の受託額が昨年度下期受託額から785百万円減少いたしました。これらの延期したプロジェクトの業務は順調に進捗しており、翌期第1四半期以降に計上予定です。大再編時代圧倒的な実績を有する当社グループの支配権争奪ならびにアクティビスト対応に関連するPA・FAの要請は極めて高く、とりわけオフェンス側での受託が急速に増加することが見込まれます。さらに、企業再編・事業再編の最終局面である企業側FAエグゼキューション業務においても、新設した株式会社JOIBが第1四半期内で専門人員・組織体制が整うことで、大型プロジェクト受託増加に弾みがかかることを期待しています。
通常プロジェクト(50百万円未満)の通期受託合計は、4,838百万円(前期比8.9%増)を計上しました。SRアドバイザリー業務はコロナ禍による議決権判断基準の緩和により、一時的には低調な状況となりましたが、最近のアクティビストが勝利した臨時株主総会ならびにPEファンドによる買収提案等の動きもあり、緊張感がここにきて急速に高まり、受託増加に向けた動きが出てまいりました。とりわけ、従来の株主判明調査を機軸としたSRアドバイザリー業務から、企業・事業再編(オフェンス・ディフェンス)、資本政策、B/Sマネジメント、株主還元等に及ぶ当社グループならではの高度なエクイティ・コンサルティング業務への要請が大幅に増加しており、従来以上に密度の濃いお客様との関係が着実に構築されております。さらに、東証の上場区分の見直しに関連したコンサルティング業務の受託も大幅に増加しております。本年6月に金融庁はコーポレートガバナンス・コードを改訂し、東証一部からプライム市場へと移行を目指す企業にとっては、新たな行動基準が義務づけられる予定です。ガバナンス設計、株主総会、機関投資家との対話、ESG開示、ダイバーシティ等新たな行動基準の対応に向け多様なコンサルティング需要は、本年6月末の東証上場区分再編の時価総額基準日を視野に入れ今後急速に高まっていくものと想定しております。
証券代行事業においては、受託決定済み企業は2021年3月31日時点で72社、管理株主数は390,152名となりました(前年同期の受託決定済み企業は75社、管理株主数は359,285名)。従来の証券代行機関とは一線を画し、アクティビスト・敵対的TOBからの企業防衛の観点での戦略的な営業展開を継続して進めています。
② ディスクロージャーコンサルティング
ツールコンサルティング(アニュアルレポート・統合報告書・株主通信等、IR活動において必要とする各種情報開示資料の企画・作成支援)及びリーガルドキュメンテーションサービス(企業再編やM&A時における各種英文開示書類の作成や和文資料の英訳等)を提供するサービスです。ツールコンサルティング(アニュアルレポート・統合報告書・株主通信等、IR活動において必要とする各種情報開示資料の企画・作成支援)及びリーガルドキュメンテーションサービス(企業再編やM&A時における各種英文開示書類の作成や和文資料の英訳等)を提供するサービスです。
当連結会計年度のディスクロージャーコンサルティングの売上高は、資金提供者や機関投資家のESGへの関心の高まりを受け、ESG開示に関するコンサルティングサービスの受託が増加しておりますが、統合報告書等の企画制作案件においては、単独プロジェクトの受託からSRコンサルティング受託の一部としての案件を優先させたため、単独プロジェクトを主とする売上高は前年同期に比べ8.9%減少の475百万円となりました。
③ データベース・その他
大量保有報告書や国内・海外公募投信における株式の組み入れ状況等を提供する「Stock Watch」、IR活動総合サポートシステム「IR-Pro」、IR説明会への参加受付や参加者の管理等を上場企業が一括実施することが可能な「アナリストネットワーク」等をWEB上で提供するサービスです。また、個人株主向けアンケートサービス「株主ひろば」を展開しております。
当連結会計年度のデータベース・その他の売上高は、前年同期に比べ4.9%増加の194百万円となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は「IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業」の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
① 生産実績
当社グループは、生産活動は行っていないため該当事項はありません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
| サービス | 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| IR・SRコンサルティング | 8,366 | 10.4 | 2,036 | 58.5 |
| ディスクロージャーコンサルティング | 396 | △42.8 | 247 | △24.3 |
| データベース・その他 | 186 | △23.3 | 103 | △6.8 |
| 合計 | 8,949 | 5.1 | 2,387 | 38.6 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
| サービス | 販売高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| IR・SRコンサルティング | 7,614 | 9.2 |
| ディスクロージャーコンサルティング | 475 | △8.9 |
| データベース・その他 | 194 | 4.9 |
| 合計 | 8,284 | 7.8 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ697百万円増加し、8,410百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加610百万円、その他(無形固定資産)の増加116百万円、繰延税金資産の減少36百万円等によるものであります。
② 負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ737百万円減少し、1,763百万円となりました。主な要因は、未払法人税等の減少341百万円、前受金の減少156百万円、その他(流動負債)の減少174百万円等によるものであります。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ1,434百万円増加し、6,647百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加2,802百万円、配当による利益剰余金の減少1,420百万円等によるものであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ610百万円増加し、5,388百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,398百万円(前年同期は3,512百万円の獲得)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益4,060百万円、減価償却費231百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額1,542百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は366百万円(前年同期は197百万円の使用)となりました。
支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出29百万円、無形固定資産の取得による支出290百万円、投資有価証券の取得による支出30百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,419百万円(前年同期は1,264百万円の使用)となりました。
支出の内訳は、配当金の支払額1,419百万円によるものであります。
② 資金需要及び流動性の確保
当社グループの資金需要は、営業活動については、事業活動に必要な運転資金(主に人件費)が主な内容であります。投資活動については、事業拡大及び業務効率向上のためのシステム開発投資等の固定資産の取得及び投資有価証券の取得が主な内容であります。財務活動については、上記活動で獲得した資金を必要な内部留保を確保した上で、業績に応じた利益還元を行っております。なお、アイ・アール ジャパンの自己資本規制比率を維持するために、一定水準の現預金を確保しております。さらに、必要に応じて金融機関との当座貸越契約に基づき運転資金を確保しております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、当社グループは、現時点において新型コロナウイルス感染症は重要な影響を与えるものではないと判断しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響は不確定要素が多く、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。