有価証券報告書-第64期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/28 10:03
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内の経済環境は、政府の経済対策を受け企業収益や雇用情勢は改善しつつある中、底堅く推移しました。一方で、世界経済においては、米中貿易摩擦の影響等により成長のペースに翳りが見え、欧州でも英国のEU離脱問題が懸念材料となり輸出が伸び悩み、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。
このような経済環境の中、当社グループを取り巻く市場動向は、期の半ばから半導体・液晶市場の急減速がありましたが、医療機器市場を中心に活況であり、その結果、売上高は過去最高の業績となりました。
こうした状況の下、国内においてはユーザーの囲い込み及び顧客要求に応じた製品開発を行い、「CS向上で勝つ」を基本方針に活動してまいりました。また、海外においては世界15カ国21社の関係会社と連携を図り、販売を拡大してまいりました。
その結果、市場別では医療機器市場、化学市場及び半導体・液晶市場は前年比増収で推移し、特に医療機器市場は、国内の人工透析装置等、中国の生化学分析装置向けの需要拡大に牽引され好調に推移しました。化学市場は二次電池向けの部材等の需要で順調に推移し、半導体・液晶市場も期の半ばから半導体関連の設備投資需要の急減速がありましたが、堅調に推移しました。
地域別では、国内は医療機器市場向けが牽引しました。その結果、売上高は181億63百万円(前年比4.1%増)となりました。欧州地域は、化学市場が伸び、売上高は26億57百万円(前年比4.6%増)となりました。米国は水処理市場向けを中心に伸び、売上高は38億6百万円(前年比10.5%増)となりました。韓国、台湾を中心とするアジア地域は半導体・液晶市場の落込みの影響を受け、売上高は23億48百万円(前年比13.3%減)となりました。また、中国は医療機器市場向け需要が旺盛で、売上高は12億26百万円(前年比20.1%増)となりました。
製品別では医療機器市場向けの回転容積ポンプ及びエアーポンプが順調に推移し、水処理市場向けの定量ポンプも堅調に推移しました。また、主力製品であるマグネットポンプも順調に推移しました。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度における売上高は291億71百万円(前年比3.9%増)となりました。
利益面では、売上の増加に伴う増収効果により、営業利益は23億37百万円(前年比11.0%増)、経常利益は28億47百万円(前年比4.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億63百万円(前年比5.1%増)となりました。
また、当社グループはケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
財政状態の分析について以下のとおりであります。
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は214億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億81百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が6億71百万円減少した一方で、商品及び製品が2億15百万円、原材料及び貯蔵品が5億12百万円増加したことによるものであります。固定資産は90億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億60百万円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が9億77百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、304億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億42百万円増加いたしました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は86億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億64百万円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が2億47百万円減少した一方で、短期借入金が2億93百万円、役員賞与引当金が41百万円増加したことによるものであります。固定負債は16億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億9百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が3億円、役員退職慰労引当金が99百万円、退職給付に係る負債が1億47百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、103億15百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億45百万円減少いたしました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は201億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億87百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が15億29百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は65.5%(前連結会計年度末は62.9%)となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は52億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億12百万円減少(前連結会計年度は1億46百万円の減少)いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果、資金は18億27百万円増加(前連結会計年度は18億30百万円の増加)いたしました。これは主に、税金等調整前当期純利益(28億45百万円)などによる資金増加要因が、たな卸資産の増加(8億1百万円)などによる資金減少要因を上回ったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果、資金は17億93百万円減少(前連結会計年度は14億59百万円の減少)いたしました。これは主に、有形固定資産の取得(16億28百万円)などによる資金減少要因が、定期預金の払戻(2億71百万円)などによる資金増加要因を上回ったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果、資金は7億24百万円減少(前連結会計年度は5億44百万円の減少)いたしました。これは主に、配当金の支払(6億32百万円)などによるものであります。
③資本の財源及び資金の流動性
a.資金需要
当社グループの資金需要は運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。
運転資金需要の主なものは、生産活動のための原材料仕入、外注費、人件費及び諸経費の支払によるもの及び販売費及び一般管理費によるものであります。
設備資金需要としては、主に機械装置等の固定資産購入、及び研究開発設備の建設等によるものであります。なお、これらに加え、企業買収を目的とした投資有価証券の取得による資金需要が発生する可能性があります。
b.財務政策
当社グループは運転資金、設備資金、及び投資有価証券取得資金とも、まず営業キャッシュフローで獲得した資金を投入し、不足する部分について有利子負債等による調達を実施しております。
長期借入金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境等を考慮の上、調達額や調達手段等を適宜判断して実施する方針であります。
また、取引銀行5行と総額6,250百万円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、流動性の補完にも対応可能となっております。
④経営上の目標の達成状況
当社グループの長期経営計画である「イワキグループ10年ビジョン」の定量目標である「2025年3月期売上高400億円、営業利益率10%」における第1期2017年3月期~2019年3月期(種蒔期)の最終年である当連結会計年度の達成・進捗状況は以下の通りです。
経営上の重要な指標である「売上高」は291億71百万円、前年比11億4百万円増加(前年比3.9%増)「営業利益率」は、8.0%(前年比0.5ポイント改善)となりました。これらの指標は引続き、増加または改善されるように取り組んでまいります。また、株主還元の目標として配当性向30%を重要な指標としており、当連結会計年度における配当性向は30.0%であります。
⑤生産、受注及び販売の実績
当社グループは、ケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の生産実績、受注実績、販売実績の記載はしておりません。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
品目当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
マグネットポンプ8,826,107105.9
定量ポンプ3,516,063106.5
空気駆動ポンプ2,854,856100.2
回転容積ポンプ2,833,336111.7
エアーポンプ2,167,628110.9
システム製品1,133,77984.3
その他3,088,004107.6
合計24,419,776105.3

(注)金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
品目受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
マグネットポンプ9,976,21999.41,452,41687.8
定量ポンプ4,979,58994.2696,33888.9
空気駆動ポンプ2,402,92769.7646,15763.4
回転容積ポンプ2,988,274110.2472,515133.8
エアーポンプ1,559,880105.9227,245116.2
システム製品1,298,688100.6120,14893.9
仕入商品2,394,78193.4209,876105.6
その他3,171,264108.6387,962137.9
合計28,771,62696.84,212,66391.3

(注)金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
品目当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
マグネットポンプ10,177,913108.2
定量ポンプ5,066,624101.5
空気駆動ポンプ2,775,38796.2
回転容積ポンプ2,868,952109.4
エアーポンプ1,528,234104.8
システム製品1,306,458101.5
仕入商品2,383,57691.7
その他3,064,627108.8
合計29,171,774103.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表作成にあたっては、当社グループが採用しております重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して11億4百万円増加し、291億71百万円となりました。
国内は医療機器市場向けが牽引しました。その結果、売上高は181億63百万円(前年比4.1%増)となりました。欧州地域は水処理市場と化学市場向けが伸び、売上高は26億57百万円(前年比4.6%増)となりました。米国地域もまた、水処理市場と化学市場向けが伸び、売上高は38億6百万円(前年比10.5%増)となりました。韓国、台湾を中心とするアジア地域は、半導体・液晶市場の期の半ばからの急減速の影響で、売上高は23億48百万円(前年比13.3%減)となりました。また、中国は医療機器市場向け需要が旺盛で、売上高は12億26百万円(前年比20.1%増)となりました。
(売上原価)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して1億39百万円増加し、187億97百万円となりました。売上高の増加に伴い材料費等の変動費が増加し、売上原価も増加しました。
(売上総利益)
上記の結果、売上総利益は103億74百万円(前年比9億64百万円増加)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して7億33百万円増加し、80億36百万円となりました。これは主に経営戦略的な人員増による人件費の増加の影響によります。
(営業利益)
上記の結果、前連結会計年度と比較して、当連結会計年度の営業利益は2億31百万円増加し、23億37百万円となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外損益は5億10百万円の利益となりました。これは主に、持分法による投資利益が堅調に推移したこと等によります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比較して1億4百万円増加し、21億63百万円となりました。
b.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
c.経営戦略の現状と見通し
当社グループでは、長期ビジョン(10年後のあるべき姿)「イワキグループ10年ビジョン」を策定し、定性目標「オールイワキで世界№1を提供する」を掲げ、2025年3月期に国内売上200億円、海外売上200億円を計画しています。その計画達成に向け、第1期2017年3月期~2019年3月期(種蒔期)、第2期2020年3月期~2022年3月期(育成期)、第3期2023年3月期~2025年3月期(収穫期)を定め、当年度は種蒔期の最終年度として、再構築・整備した収益基盤の本格運用を開始しました。また、翌年度は育成期の初年度として、再構築した収益基盤の継続運用と、必要に応じた改正の予定であります。
さて、当社グループが製造するケミカルポンプは、革新的技術に依拠する画期的な製品を開発することが難しい「成熟した製品」ではありますが、このような状況下においても当社グループでは、ケミカルポンプの世界的メーカとして、常に他社に先駆ける新製品開発に注力しております。その一方で、国内外の顧客から当社グループの製品が選ばれるのは、多岐に亘る様々な要望に対して、過去の経験等に基づき迅速且つ的確に対応できることが最大の理由であると考えております。
具体的には、システム提案及びユニット製品化、並びに各種ポンプの特注対応といったハードウェア面から、納期・コスト・サービス体制等のソフトウェア面まで、きめ細かに応えることであります。また、それぞれの顧客対応スキルをさらにレベルアップさせることが重要な課題であると認識し、「ソリューションカンパニー」として世界全市場の顧客から信頼を勝ち取ることを全社的テーマとして、重点的に取り組んでまいります。
なお、当社グループが注力すべき戦略市場と定めている「医療機器市場」・「水処理市場」・「新エネルギー市場」の各市場は、比較的経済情勢の変動を受けにくい成長市場であり、これらの市場に対して顧客対応力・技術力・販売力等の当社グループの力を結集して、日本国内のみならず欧州、米国、アセアン等の各重点強化地域においても、顧客からの多様なニーズに応えていくことが、今後、当社グループの持続的成長につながると考えております。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く経営環境は、競合他社が国内外を問わず生産コストが安価な地域に進出したことで、販売活動が激化しております。当社グループも早期から海外関係会社におけるノックダウン生産等、海外展開に取り組みコスト低減を進めておりますが、近年においては販売価格の競争が一層激しくなっております。また、価格競争のみならず、製品開発においても環境問題への意識の高まりにより、省電力・高効率製品の要望が強く、これら製品の優劣で今後の受注が左右されます。
一方で、急激な為替の変動による影響で素材価格の価格変動が続き、当社主要部品の原材料となる樹脂材料、鉄鋼及び非鉄金属等の調達コストの変動に合わせ適正な販売価格とすることができなければ、今後の経営成績に影響を与える可能性があります。
また、安全保障輸出管理上の不備により、一定期間輸出禁止等の行政処分を受けた場合、当社グループの海外事業における業績に重要な影響を与える可能性があります。
e.経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

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