有価証券報告書-第66期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、年度前半は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の自粛等の影響により急激に悪化いたしましたが、感染状況が下火になるとともに経済活動が再開されました。しかしながら、年度後半も依然として新型コロナウイルスによる不透明な状況が継続いたしましたが、市場によっては改善が見られる状況となりました。日本経済においても2020年5月の緊急事態宣言解除以降、経済活動の再開とともに設備投資も回復が見られる状況となりましたが、新型コロナウイルス再拡大の影響で不安定な状況が継続いたしました。
こうした状況の下、企業価値向上に向けた取り組みとして国内では「CS向上で勝つ」を基本方針にした活動を展開し、海外では世界15ヵ国21社の関係会社と連携して販売拡大を図るとともに、全世界で「イワキグループ10年ビジョン」の定量目標「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」達成に向けた各種施策の実行を加速させました。
加えて、当社グループはお客様への供給責任を果たすべく、新型コロナウイルス感染拡大抑制要請に対応したテレワークや社内外における感染防止策を講じつつ、安定した製品供給に全力を尽くしました。今後も同様の取り組みを継続してまいります。
その結果、市場別では半導体・液晶市場、表面処理装置市場は前年比増収となりましたが、それ以外の市場においては、コロナ禍による設備投資停滞の影響を受けた医療機器市場を中心に前年比減収となりました。
地域別では、国内は、通期を通して医療機器市場が振るわず、売上高は16,686百万円(前年比3.9%減)となりました。海外は回復基調にありますが、年度前半のコロナ禍による影響は大きく、米国の売上高は3,543百万円(前年比13.4%減)となりました。欧州は米国同様コロナ禍による影響を受けておりますが、今期より連結子会社となりましたイワキノルディックグループ4社(デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー)の損益を当第3四半期より取り込んだ結果、売上高は2,963百万円(前年比11.0%増)となりました。アジア地域は、台湾・韓国の半導体・液晶市場、表面処理装置市場向けが活況ですが、シンガポールの水処理市場向けを中心にコロナ禍による影響を受けた結果、売上高は2,186百万円(前年比3.6%減)となりました。中国は半導体・液晶市場、医療機器市場向け需要好調が継続しており、売上高は1,768百万円(前年比45.2%増)となりました。
製品別では、主力製品である定量ポンプは引き続き堅調に推移しております。マグネットポンプは回復基調にあり、当第4四半期の売上水準は従前水準並みに回復しておりますが、これまでの営業訪問制限等の影響が残り、通期では低調な結果となりました。半導体・液晶市場向け空気駆動ポンプは引き続き好調に推移しております。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度の連結売上高は28,162百万円(前年比1.7%減)となりました。
利益面では、売上減収、販管費増加の影響を受け、営業利益は1,706百万円(前年比19.3%減)、経常利益は2,222百万円(前年比13.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,091百万円(前年比1.5%減)となりました。
また、当社グループはケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
財政状態の分析について以下のとおりであります。
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は22,724百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,188百万円増加いたしました。これは主に、原材料及び貯蔵品が203百万円減少した一方で、現金及び預金が1,090百万円、商品及び製品が312百万円増加したことによるものであります。固定資産は9,486百万円となり、前連結会計年度末に比べ896百万円増加いたしました。これは主に、のれんが767百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、32,211百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,085百万円増加いたしました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は7,733百万円となり、前連結会計年度末に比べ72百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が876百万円減少した一方で、電子記録債務が675百万円、未払法人税等が177百万円増加したことによるものであります。固定負債は1,957百万円となり、前連結会計年度末に比べ16百万円増加いたしました。これは主に、退職給付に係る負債が647百万円減少した一方で、長期借入金が637百万円、リース債務が49百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、9,691百万円となり、前連結会計年度末に比べ88百万円増加いたしました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は22,520百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,996百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が1,529百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は69.7%(前連結会計年度末は68.0%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は6,936百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,229百万円増加(前連結会計年度は454百万円の増加)いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果、資金は2,089百万円増加(前連結会計年度は2,138百万円の増加)いたしました。これは主に、税金等調整前当期純利益(2,596百万円)などによる資金増加要因が、法人税等の支払額(277百万円)などによる資金減少要因を上回ったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果、資金は920百万円減少(前連結会計年度は77百万円の減少)いたしました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出(594百万円)などによる資金減少要因が、定期預金の払戻による収入(342百万円)などによる資金増加要因を上回ったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果、資金は149百万円増加(前連結会計年度は1,522百万円の減少)いたしました。これは主に、長期借入れによる収入(750百万円)などによる資金増加要因が、配当金の支払額(560百万円)などによる資金減少要因を上回ったためであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、ケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の生産実績、受注実績、販売実績の記載はしておりません。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して474百万円減少し、28,162百万円となりました。
国内は主に医療機器市場設備投資停滞の影響を受けた結果、売上高は16,686百万円(前年比3.9%減)となりました。欧州地域はイワキノルディックグループ4社(デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー)を新たに連結対象とし、売上高は2,963百万円(前年比11.0%増)となりました。米国地域は、水処理市場を中心にコロナ禍による影響を受け、売上高は3,543百万円(前年比13.4%減)となりました。アジア地域は半導体・液晶市場が活況ではありますが、シンガポールの水処理市場落込みの影響で、売上高は2,186百万円(前年比3.6%減)となりました。中国は半導体・液晶市場、医療機器市場を中心に売上が伸長し、売上高は1,768百万円(前年比45.2%増)となりました。
(売上原価)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して370百万円減少し、18,459百万円となりました。売上原価率は前連結会計年度とほぼ同水準となっており、売上高減少の結果、売上原価も減少となりました。
(売上総利益)
上記の結果、売上総利益は9,703百万円(前年比103百万円減少)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して304百万円増加し、7,996百万円となりました。コロナ禍による影響で旅費交通費をはじめとした各種活動費用が減少しましたが、イワキノルディックグループ4社の新規連結に伴う費用増や当該M&A費用、のれん償却費などが増加したためであります。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は1,706百万円(前年比407百万円減少)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外損益は515百万円の利益となりました。主に、持分法による投資利益によるものであります。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は374百万円の利益となりました。主に、段階取得に係る差益によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比較して31百万円減少し、2,091百万円となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.経営戦略の現状と見通し
当社グループでは、長期ビジョン(10年後のあるべき姿)「イワキグループ10年ビジョン」を策定し、定性目標「オールイワキで世界№1を提供する」を掲げ、2025年3月期連結売上高400億(国内売上200億円、海外売上200億円)を計画しています。その計画達成に向けた過程として、第1期を2017年3月期~2019年3月期(種蒔期)、第2期を2020年3月期~2022年3月期(育成期)、第3期を2023年3月期~2025年3月期(収穫期)として定めております。当連結会計年度は育成期2年目として、初年度に引き続き、長期ビジョンの進捗度を確認すると共に、育成期における重点テーマに取り組んでまいりました。
さて、当社グループが製造するケミカルポンプは、革新的技術に依拠する画期的な製品を開発することが難しい「成熟した製品」ではありますが、このような状況下においても当社グループでは、ケミカルポンプの世界的メーカとして、常に他社に先駆ける新製品開発に注力しております。国内外の顧客から当社グループの製品が選ばれるのは、多岐に亘る様々な要望に対して、過去の経験等に基づき迅速且つ的確に対応できることが最大の理由であると考えております。
具体的には、システム提案及びユニット製品化、並びに各種ポンプの特注対応といったハードウェア面から、納期・コスト・サービス体制等のソフトウェア面まで、きめ細かに応えることであります。また、それぞれの顧客対応スキルをさらにレベルアップさせることが重要な課題であると認識し、「ソリューションカンパニー」として世界全市場の顧客から信頼を勝ち取ることを全社的テーマとして、重点的に取り組んでまいります。
なお、当社グループが注力すべき戦略市場と定めている「医療機器市場」・「水処理市場」・「新エネルギー市場」の各市場に対して顧客対応力・技術力・販売力等の当社グループの力を結集し、日本国内のみならず欧州、米国、アセアン等の各重点強化地域においても、顧客からの多様なニーズに応えていくことが、今後、当社グループの持続的成長につながると考えております。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く経営環境は、競合他社が国内外を問わず生産コストが安価な地域に進出したことで、販売活動が激化しております。当社グループも早期から海外関係会社におけるノックダウン生産等、海外展開に取り組みコスト低減を進めておりますが、近年においては販売価格の競争が一層激しくなっております。また、価格競争のみならず、製品開発においても環境問題への意識の高まりにより、省電力・高効率製品の要望が強く、これら製品の優劣で今後の受注が左右されます。
一方で、急激な為替の変動による影響で素材価格の価格変動が続き、当社主要部品の原材料となる樹脂材料、鉄鋼及び非鉄金属等の調達コストの変動に合わせ適正な販売価格とすることができなければ、今後の経営成績に影響を与える可能性があります。
また、安全保障輸出管理上の不備により、一定期間輸出禁止等の行政処分を受けた場合、当社グループの海外事業における業績に重要な影響を与える可能性があります。
加えて、新型コロナウイルス感染症を含む感染症の発生及び拡大や自然災害等により、当社グループ又は顧客・調達先において事業継続に支障をきたす事象が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
f.経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
g.経営上の目標の達成状況
当社グループの長期ビジョンである「イワキグループ10年ビジョン」の定量目標である「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」に向けた第2期2020年3月期~2022年3月期(育成期)の2年目となる当連結会計年度の達成・進捗状況は以下の通りです。
経営上の重要な指標である「売上高」は28,162百万円、前年比474百万円減少(前年比1.7%減)「営業利益率」は6.1%(前年比1.3ポイント悪化)となりました。これらの指標は引続き、増加または改善されるように取り組んでまいります。また、株主還元の目標として配当性向30%超を重要な指標としており、当連結会計年度における配当性向は30.6%であります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(財務の基本方針)
当社グループは、財務構造の健全化及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っております。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入等により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、取引銀行とシンジケートコミットメントライン契約を締結しております。
(キャッシュ・フロー及び流動性の状況)
当連結会計年度においては主にIwaki Nordic A/S(イワキノルディック)株式追加取得及び維持更新投資を実施し、営業活動によるキャッシュ・フローは2,089百万円のキャッシュ・イン、投資活動によるキャッシュ・フローは 920百万円のキャッシュ・アウトとなり、フリー・キャッシュ・フローは1,169百万円を確保しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払(株式追加取得後の旧株主に対する金額を除く)566百万円、有利子負債の増減による支払765百万円など149百万円のキャッシュ・インとなり、期末における現金及び現金同等物は6,936百万円となりました。
資金の使途については、当連結会計年度は設備投資に839百万円、M&Aを含む投融資に454百万円、研究開発には757百万円の合計2,051百万円を支出しております。
(資本政策)
新型コロナウイルスの影響による金融環境の悪化に備え、前連結会計年度に引き続き手元資金を厚めに確保したこともあり有利子負債残高は増加しましたが、D/Eレシオは前連結会計年度末並みの0.11倍となり、自己資本比率は69.7%と前連結会計年度末よりさらに上昇いたしました。
2022年3月期は、依然として新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界経済や事業環境の先行きが極めて見通しづらい状況が継続するものと想定しております。こうした状況を踏まえ、引き続きキャッシュ・フローを重視しながら財務規律を堅持してまいります。また、事業拡大の投資判断においては、資本コストを意識し、原則としてこれを上回るリターンの実現を目指し、経営資源配分などにおいてROIC(投下資本利益率)をより意識するなど、資本効率の向上を図りながら持続的成長と企業価値向上を目指します。
当社では、株主還元の基本的な考え方として、安定的かつ持続的な配当を目指しております。これをより明確に表すために、配当性向30%超を重要な指標としております。
今後も上記方針のもと、成長投資や内部留保とのバランスをとりながら、株主還元のさらなる拡充を目指してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、年度前半は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の自粛等の影響により急激に悪化いたしましたが、感染状況が下火になるとともに経済活動が再開されました。しかしながら、年度後半も依然として新型コロナウイルスによる不透明な状況が継続いたしましたが、市場によっては改善が見られる状況となりました。日本経済においても2020年5月の緊急事態宣言解除以降、経済活動の再開とともに設備投資も回復が見られる状況となりましたが、新型コロナウイルス再拡大の影響で不安定な状況が継続いたしました。
こうした状況の下、企業価値向上に向けた取り組みとして国内では「CS向上で勝つ」を基本方針にした活動を展開し、海外では世界15ヵ国21社の関係会社と連携して販売拡大を図るとともに、全世界で「イワキグループ10年ビジョン」の定量目標「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」達成に向けた各種施策の実行を加速させました。
加えて、当社グループはお客様への供給責任を果たすべく、新型コロナウイルス感染拡大抑制要請に対応したテレワークや社内外における感染防止策を講じつつ、安定した製品供給に全力を尽くしました。今後も同様の取り組みを継続してまいります。
その結果、市場別では半導体・液晶市場、表面処理装置市場は前年比増収となりましたが、それ以外の市場においては、コロナ禍による設備投資停滞の影響を受けた医療機器市場を中心に前年比減収となりました。
地域別では、国内は、通期を通して医療機器市場が振るわず、売上高は16,686百万円(前年比3.9%減)となりました。海外は回復基調にありますが、年度前半のコロナ禍による影響は大きく、米国の売上高は3,543百万円(前年比13.4%減)となりました。欧州は米国同様コロナ禍による影響を受けておりますが、今期より連結子会社となりましたイワキノルディックグループ4社(デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー)の損益を当第3四半期より取り込んだ結果、売上高は2,963百万円(前年比11.0%増)となりました。アジア地域は、台湾・韓国の半導体・液晶市場、表面処理装置市場向けが活況ですが、シンガポールの水処理市場向けを中心にコロナ禍による影響を受けた結果、売上高は2,186百万円(前年比3.6%減)となりました。中国は半導体・液晶市場、医療機器市場向け需要好調が継続しており、売上高は1,768百万円(前年比45.2%増)となりました。
製品別では、主力製品である定量ポンプは引き続き堅調に推移しております。マグネットポンプは回復基調にあり、当第4四半期の売上水準は従前水準並みに回復しておりますが、これまでの営業訪問制限等の影響が残り、通期では低調な結果となりました。半導体・液晶市場向け空気駆動ポンプは引き続き好調に推移しております。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度の連結売上高は28,162百万円(前年比1.7%減)となりました。
利益面では、売上減収、販管費増加の影響を受け、営業利益は1,706百万円(前年比19.3%減)、経常利益は2,222百万円(前年比13.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,091百万円(前年比1.5%減)となりました。
また、当社グループはケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
財政状態の分析について以下のとおりであります。
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は22,724百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,188百万円増加いたしました。これは主に、原材料及び貯蔵品が203百万円減少した一方で、現金及び預金が1,090百万円、商品及び製品が312百万円増加したことによるものであります。固定資産は9,486百万円となり、前連結会計年度末に比べ896百万円増加いたしました。これは主に、のれんが767百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、32,211百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,085百万円増加いたしました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は7,733百万円となり、前連結会計年度末に比べ72百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が876百万円減少した一方で、電子記録債務が675百万円、未払法人税等が177百万円増加したことによるものであります。固定負債は1,957百万円となり、前連結会計年度末に比べ16百万円増加いたしました。これは主に、退職給付に係る負債が647百万円減少した一方で、長期借入金が637百万円、リース債務が49百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、9,691百万円となり、前連結会計年度末に比べ88百万円増加いたしました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は22,520百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,996百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が1,529百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は69.7%(前連結会計年度末は68.0%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は6,936百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,229百万円増加(前連結会計年度は454百万円の増加)いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果、資金は2,089百万円増加(前連結会計年度は2,138百万円の増加)いたしました。これは主に、税金等調整前当期純利益(2,596百万円)などによる資金増加要因が、法人税等の支払額(277百万円)などによる資金減少要因を上回ったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果、資金は920百万円減少(前連結会計年度は77百万円の減少)いたしました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出(594百万円)などによる資金減少要因が、定期預金の払戻による収入(342百万円)などによる資金増加要因を上回ったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果、資金は149百万円増加(前連結会計年度は1,522百万円の減少)いたしました。これは主に、長期借入れによる収入(750百万円)などによる資金増加要因が、配当金の支払額(560百万円)などによる資金減少要因を上回ったためであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、ケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の生産実績、受注実績、販売実績の記載はしておりません。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| マグネットポンプ | 7,126,065 | 86.2 |
| 定量ポンプ | 3,572,728 | 89.2 |
| 空気駆動ポンプ | 2,799,065 | 155.7 |
| 回転容積ポンプ | 2,316,547 | 91.3 |
| エアーポンプ | 1,866,767 | 88.7 |
| システム製品 | 1,225,054 | 91.6 |
| その他 | 3,644,433 | 115.0 |
| 合計 | 22,550,662 | 97.1 |
(注)金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| マグネットポンプ | 9,358,948 | 97.9 | 1,543,521 | 125.6 |
| 定量ポンプ | 5,252,958 | 102.6 | 671,184 | 106.5 |
| 空気駆動ポンプ | 3,130,761 | 178.7 | 888,050 | 199.8 |
| 回転容積ポンプ | 2,092,430 | 83.1 | 315,916 | 88.2 |
| エアーポンプ | 1,566,709 | 97.7 | 280,391 | 92.3 |
| システム製品 | 1,486,229 | 100.7 | 208,013 | 147.5 |
| 仕入商品 | 2,586,435 | 96.2 | 288,890 | 103.9 |
| その他 | 3,592,050 | 106.1 | 383,422 | 131.8 |
| 合計 | 29,066,524 | 103.4 | 4,579,391 | 124.6 |
(注)金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| マグネットポンプ | 9,044,181 | 92.5 |
| 定量ポンプ | 5,211,942 | 100.5 |
| 空気駆動ポンプ | 2,687,164 | 137.5 |
| 回転容積ポンプ | 2,134,797 | 81.1 |
| エアーポンプ | 1,589,987 | 104.1 |
| システム製品 | 1,419,265 | 97.6 |
| 仕入商品 | 2,575,477 | 98.2 |
| その他 | 3,499,577 | 100.5 |
| 合計 | 28,162,392 | 98.3 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して474百万円減少し、28,162百万円となりました。
国内は主に医療機器市場設備投資停滞の影響を受けた結果、売上高は16,686百万円(前年比3.9%減)となりました。欧州地域はイワキノルディックグループ4社(デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー)を新たに連結対象とし、売上高は2,963百万円(前年比11.0%増)となりました。米国地域は、水処理市場を中心にコロナ禍による影響を受け、売上高は3,543百万円(前年比13.4%減)となりました。アジア地域は半導体・液晶市場が活況ではありますが、シンガポールの水処理市場落込みの影響で、売上高は2,186百万円(前年比3.6%減)となりました。中国は半導体・液晶市場、医療機器市場を中心に売上が伸長し、売上高は1,768百万円(前年比45.2%増)となりました。
(売上原価)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して370百万円減少し、18,459百万円となりました。売上原価率は前連結会計年度とほぼ同水準となっており、売上高減少の結果、売上原価も減少となりました。
(売上総利益)
上記の結果、売上総利益は9,703百万円(前年比103百万円減少)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して304百万円増加し、7,996百万円となりました。コロナ禍による影響で旅費交通費をはじめとした各種活動費用が減少しましたが、イワキノルディックグループ4社の新規連結に伴う費用増や当該M&A費用、のれん償却費などが増加したためであります。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は1,706百万円(前年比407百万円減少)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外損益は515百万円の利益となりました。主に、持分法による投資利益によるものであります。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は374百万円の利益となりました。主に、段階取得に係る差益によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比較して31百万円減少し、2,091百万円となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.経営戦略の現状と見通し
当社グループでは、長期ビジョン(10年後のあるべき姿)「イワキグループ10年ビジョン」を策定し、定性目標「オールイワキで世界№1を提供する」を掲げ、2025年3月期連結売上高400億(国内売上200億円、海外売上200億円)を計画しています。その計画達成に向けた過程として、第1期を2017年3月期~2019年3月期(種蒔期)、第2期を2020年3月期~2022年3月期(育成期)、第3期を2023年3月期~2025年3月期(収穫期)として定めております。当連結会計年度は育成期2年目として、初年度に引き続き、長期ビジョンの進捗度を確認すると共に、育成期における重点テーマに取り組んでまいりました。
さて、当社グループが製造するケミカルポンプは、革新的技術に依拠する画期的な製品を開発することが難しい「成熟した製品」ではありますが、このような状況下においても当社グループでは、ケミカルポンプの世界的メーカとして、常に他社に先駆ける新製品開発に注力しております。国内外の顧客から当社グループの製品が選ばれるのは、多岐に亘る様々な要望に対して、過去の経験等に基づき迅速且つ的確に対応できることが最大の理由であると考えております。
具体的には、システム提案及びユニット製品化、並びに各種ポンプの特注対応といったハードウェア面から、納期・コスト・サービス体制等のソフトウェア面まで、きめ細かに応えることであります。また、それぞれの顧客対応スキルをさらにレベルアップさせることが重要な課題であると認識し、「ソリューションカンパニー」として世界全市場の顧客から信頼を勝ち取ることを全社的テーマとして、重点的に取り組んでまいります。
なお、当社グループが注力すべき戦略市場と定めている「医療機器市場」・「水処理市場」・「新エネルギー市場」の各市場に対して顧客対応力・技術力・販売力等の当社グループの力を結集し、日本国内のみならず欧州、米国、アセアン等の各重点強化地域においても、顧客からの多様なニーズに応えていくことが、今後、当社グループの持続的成長につながると考えております。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く経営環境は、競合他社が国内外を問わず生産コストが安価な地域に進出したことで、販売活動が激化しております。当社グループも早期から海外関係会社におけるノックダウン生産等、海外展開に取り組みコスト低減を進めておりますが、近年においては販売価格の競争が一層激しくなっております。また、価格競争のみならず、製品開発においても環境問題への意識の高まりにより、省電力・高効率製品の要望が強く、これら製品の優劣で今後の受注が左右されます。
一方で、急激な為替の変動による影響で素材価格の価格変動が続き、当社主要部品の原材料となる樹脂材料、鉄鋼及び非鉄金属等の調達コストの変動に合わせ適正な販売価格とすることができなければ、今後の経営成績に影響を与える可能性があります。
また、安全保障輸出管理上の不備により、一定期間輸出禁止等の行政処分を受けた場合、当社グループの海外事業における業績に重要な影響を与える可能性があります。
加えて、新型コロナウイルス感染症を含む感染症の発生及び拡大や自然災害等により、当社グループ又は顧客・調達先において事業継続に支障をきたす事象が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
f.経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
g.経営上の目標の達成状況
当社グループの長期ビジョンである「イワキグループ10年ビジョン」の定量目標である「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」に向けた第2期2020年3月期~2022年3月期(育成期)の2年目となる当連結会計年度の達成・進捗状況は以下の通りです。
経営上の重要な指標である「売上高」は28,162百万円、前年比474百万円減少(前年比1.7%減)「営業利益率」は6.1%(前年比1.3ポイント悪化)となりました。これらの指標は引続き、増加または改善されるように取り組んでまいります。また、株主還元の目標として配当性向30%超を重要な指標としており、当連結会計年度における配当性向は30.6%であります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(財務の基本方針)
当社グループは、財務構造の健全化及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っております。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入等により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、取引銀行とシンジケートコミットメントライン契約を締結しております。
(キャッシュ・フロー及び流動性の状況)
当連結会計年度においては主にIwaki Nordic A/S(イワキノルディック)株式追加取得及び維持更新投資を実施し、営業活動によるキャッシュ・フローは2,089百万円のキャッシュ・イン、投資活動によるキャッシュ・フローは 920百万円のキャッシュ・アウトとなり、フリー・キャッシュ・フローは1,169百万円を確保しました。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 営業キャッシュ・フロー | 2,138百万円 | 2,089百万円 |
| 投資キャッシュ・フロー | △77百万円 | △920百万円 |
| フリー・キャッシュ・フロー | 2,060百万円 | 1,169百万円 |
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払(株式追加取得後の旧株主に対する金額を除く)566百万円、有利子負債の増減による支払765百万円など149百万円のキャッシュ・インとなり、期末における現金及び現金同等物は6,936百万円となりました。
資金の使途については、当連結会計年度は設備投資に839百万円、M&Aを含む投融資に454百万円、研究開発には757百万円の合計2,051百万円を支出しております。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 設備投資 | 469百万円 | 839百万円 |
| 投融資(M&A含む) | 198百万円 | 454百万円 |
| 研究開発費 | 677百万円 | 757百万円 |
| 計 | 1,345百万円 | 2,051百万円 |
(資本政策)
新型コロナウイルスの影響による金融環境の悪化に備え、前連結会計年度に引き続き手元資金を厚めに確保したこともあり有利子負債残高は増加しましたが、D/Eレシオは前連結会計年度末並みの0.11倍となり、自己資本比率は69.7%と前連結会計年度末よりさらに上昇いたしました。
2022年3月期は、依然として新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界経済や事業環境の先行きが極めて見通しづらい状況が継続するものと想定しております。こうした状況を踏まえ、引き続きキャッシュ・フローを重視しながら財務規律を堅持してまいります。また、事業拡大の投資判断においては、資本コストを意識し、原則としてこれを上回るリターンの実現を目指し、経営資源配分などにおいてROIC(投下資本利益率)をより意識するなど、資本効率の向上を図りながら持続的成長と企業価値向上を目指します。
当社では、株主還元の基本的な考え方として、安定的かつ持続的な配当を目指しております。これをより明確に表すために、配当性向30%超を重要な指標としております。
今後も上記方針のもと、成長投資や内部留保とのバランスをとりながら、株主還元のさらなる拡充を目指してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。