有価証券報告書-第68期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、ウィズコロナ下で経済活動の正常化が進む中、設備投資も持ち直しており、当社グループにおける受注も好調に推移いたしました。一方で、原材料価格などの高騰や供給面での制約、海外景気下振れによる国内景気への影響懸念など、企業収益に与える影響については依然として先行き不透明な状況が継続しております。
こうした状況の下、企業価値向上に向けた取り組みとして、「CS向上で勝つ」を基本方針にした活動を国内では従前より展開、徹底した現場密着営業を実践してまいりました。また、海外においては世界15ヵ国21社の関係会社と連携し販売拡大を図るとともに、「イワキグループ10年ビジョン」の定量目標「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」達成に向け、「オールイワキで世界No.1を提供する」の方針のもと、各種施策の実行に取り組んでまいりました。
その結果、市場別では半導体・液晶市場、医療機器市場、水処理市場が全体を牽引しました。半導体市場全体の動向としては一服感あるものの、全体動向に比例した落ち込みは見られないことや、これまでの旺盛な需要による受注残もあることから、半導体・液晶市場の売上は好調に推移しました。医療機器市場は中国向けの復調及び新たに連結対象となった中国子会社の損益を当第4四半期連結会計期間より取り込んだ影響もあり、また、水処理市場は引き続き米国向けを中心に大きく伸長し、両市場ともに好調に推移しました。
地域別では、国内は、半導体・液晶市場をはじめ全市場が伸長し、売上高は19,419百万円(前年比7.9%増)となりました。海外では、米国は水処理市場が全体を大きく牽引、その他市場も伸長した結果、売上高は6,100百万円(前年比41.8%増)となりました。欧州は化学市場をはじめ、ノルディックグループ全体が好調に推移し、売上高は4,671百万円(前年比17.6%増)となりました。アジア地域は、韓国向け半導体・液晶市場、表面処理装置市場の売上などが好調に推移し、売上高は3,213百万円(前年比12.1%増)となりました。中国は医療機器市場の牽引や、新たに連結対象となった子会社の損益取り込み開始により、売上高は2,578百万円(前年比26.1%増)となりました。
製品別では、主力製品であるマグネットポンプ、定量ポンプ、半導体・液晶市場向け空気駆動ポンプが全体を牽引しております。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度の連結売上高は37,730百万円(前年比16.3%増)となりました。
増収効果の一方で、物流関連の製造経費増加をはじめ、賞与などの人件費の増加、海外展示会出展に伴う広告宣伝費の発生、行動制限の緩和による旅費交通費の増加、中国子会社のれん償却費などが増加した結果、営業利益は2,443百万円(前年比14.2%増)となりました。営業外収益において、持分法による投資利益の伸長や受取還付金の発生により、経常利益は3,933百万円(前年比31.5%増)となりました。また、特別利益において、段階取得に係る差益1,227百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は4,398百万円(前年比83.5%増)となりました。
また、当社グループはケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
財政状態の分析について以下のとおりであります。
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は32,187百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,816百万円増加いたしました。これは主に売掛金が639百万円、電子記録債権が600百万円、商品及び製品が2,376百万円、原材料及び貯蔵品が943百万円増加したことによるものであります。固定資産は13,122百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,530百万円増加いたしました。これは主にのれんが2,105百万円、繰延税金資産が331百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は45,310百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,346百万円増加いたしました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は13,717百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,682百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が1,194百万円、電子記録債務が422百万円、契約負債が607百万円増加したことによるものであります。固定負債は2,608百万円となり、前連結会計年度末に比べ930百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が605百万円、ASC第842号「リース」を適用したことなどにより、その他の固定負債が265百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は16,325百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,613百万円増加いたしました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は28,984百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,733百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が3,330百万円、為替換算調整勘定が480百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は63.6%(前連結会計年度末は66.3%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は8,692百万円となり、前連結会計年度末に比べ118百万円増加(前連結会計年度は1,637百万円の増加)いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果、資金は1,914百万円増加(前連結会計年度は2,710百万円の増加)いたしました。これは主に、税金等調整前当期純利益(5,166百万円)などによる資金増加要因が、法人税等の支払額(1,355百万円)などによる資金減少要因を上回ったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果、資金は1,518百万円減少(前連結会計年度は429百万円の減少)いたしました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得(1,294百万円)などによる資金減少要因が、投資有価証券の売却(138百万円)などによる資金増加要因を上回ったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果、資金は419百万円減少(前連結会計年度は579百万円の減少)いたしました。これは主に、配当金の支払額(1,062百万円)などによる資金減少要因が、長期借入れによる収入(800百万円)などによる資金増加要因を上回ったためであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、ケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の生産実績、受注実績、販売実績の記載はしておりません。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して5,290百万円増加し、37,730百万円となりました。
国内は、半導体・液晶市場をはじめ全市場が伸長し、売上高は19,419百万円(前年比7.9%増)となりました。海外では、米国は水処理市場が全体を大きく牽引、その他市場も伸長した結果、売上高は6,100百万円(前年比41.8%増)となりました。欧州は化学市場をはじめ、ノルディックグループ全体が好調に推移し、売上高は4,671百万円(前年比17.6%増)となりました。アジア地域は、韓国向け半導体・液晶市場、表面処理装置市場の売上などが好調に推移し、売上高は3,213百万円(前年比12.1%増)となりました。中国は医療機器市場の牽引や、新たに連結対象となった子会社の損益取り込み開始により、売上高は2,578百万円(前年比26.1%増)となりました。
(売上原価)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して3,396百万円増加し、24,806百万円となりました。比較的原価率の高い製品の売上構成比が高くなったことや、物流関連費用をはじめ、賞与などの製造経費の増加により、売上原価率は若干の改善にとどまる結果となりました。
(売上総利益)
上記の結果、売上総利益は12,923百万円(前年比1,894百万円増加)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して1,590百万円増加し、10,480百万円となりました。海外展示会出展に伴う広告宣伝費の発生、行動制限の緩和による旅費交通費の増加、売上高同様、新たに連結対象となった子会社の損益取り込みや、当該子会社ののれん償却費などによって費用が増加したためであります。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は2,443百万円(前年比303百万円増加)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外損益は1,490百万円の利益となりました。主に、営業外収益の持分法による投資利益によるものであります。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は1,232百万円の利益となりました。主に、特別利益の段階取得に係る差益によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比較して2,001百万円増加し、4,398百万円となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.経営戦略の現状と見通し
当社グループでは、長期ビジョン(10年後のあるべき姿)「イワキグループ10年ビジョン」を策定し、定性目標「オールイワキで世界№1を提供する」を掲げ、定量目標として2025年3月期連結売上高400億(国内売上200億円、海外売上200億円)を計画しています。その計画達成に向けた過程として、第1期を2017年3月期~2019年3月期(種蒔期)、第2期を2020年3月期~2022年3月期(育成期)、第3期を2023年3月期~2025年3月期(収穫期)として定めております。当連結会計年度は収穫期初年度として、「新たに連結子会社となった中国グループとのグループシナジーの最大化」、「強化市場の再定義」、「ソリューションビジネスの再定義」、「サステナビリティの観点を踏まえた次期長期ビジョンの策定」を新たな重点テーマとして取り組んでまいりました。引き続き、「イワキグループ10年ビジョン」定量目標達成に向けた取り組みを加速させてまいります。
さて、当社グループが製造するケミカルポンプは、革新的技術に依拠する画期的な製品を開発することが難しい「成熟した製品」ではありますが、このような状況下においても当社グループでは、ケミカルポンプの世界的メーカーとして、常に他社に先駆ける新製品開発に注力しております。国内外の顧客から当社グループの製品が選ばれるのは、多岐に亘る様々な要望に対して、過去の経験等に基づき迅速かつ的確に対応できることが最大の理由であると考えております。
具体的には、システム提案及びユニット製品化、並びに各種ポンプの特注対応といったハードウェア面から、納期・コスト・サービス体制等のソフトウェア面まで、きめ細かに応えることであります。また、それぞれの顧客対応スキルをさらにレベルアップさせることが重要な課題であると認識し、「ソリューションカンパニー」として世界全市場の顧客から信頼を勝ち取ることを全社的テーマとして、重点的に取り組んでまいります。
なお、当社グループが注力すべき強化市場(※)と定めている「医療機器市場」・「水処理市場」・「新エネルギー市場」の各市場に対して顧客対応力・技術力・販売力等の当社グループの力を結集し、日本国内のみならず欧州、米国、アセアン等の各重点強化地域においても、顧客からの多様なニーズに応えていくことが、今後、当社グループの持続的成長につながると考えております。
※翌連結会計年度より「半導体・液晶市場」を追加いたします。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く経営環境は、競合他社が国内外を問わず生産コストが安価な地域に進出したことで、販売活動が激化しております。当社グループも早期から海外関係会社におけるノックダウン生産等、海外展開に取り組みコスト低減を進めておりますが、近年においては販売価格の競争が一層激しくなっております。また、価格競争のみならず、製品開発においても環境問題への意識の高まりにより、省電力・高効率製品の要望が強く、これら製品の優劣で今後の受注が左右されます。
一方で、急激な為替の変動による影響で素材価格の価格変動が続き、当社主要部品の原材料となる樹脂材料、鉄鋼及び非鉄金属等の調達コストの変動に合わせ適正な販売価格とすることができなければ、今後の経営成績に影響を与える可能性があります。
また、安全保障輸出管理上の不備により、一定期間輸出禁止等の行政処分を受けた場合、当社グループの海外事業における業績に重要な影響を与える可能性があります。
f.経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
g.経営上の目標の達成状況
当社グループの長期ビジョンである「イワキグループ10年ビジョン」の定量目標である「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」に向けた第3期2023年3月期~2025年3月期(収穫期)の初年度となる当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
経営上の重要な指標である「売上高」は37,730百万円、前年比5,290百万円増加(前年比16.3%増)「営業利益率」は6.5%(前年比0.1ポイント悪化)となりました。これらの指標は引続き、増加または改善されるように取り組んでまいります。また、株主還元の目標として配当性向30%超を重要な指標としており、当連結会計年度における配当性向は30.4%であります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(財務の基本方針)
当社グループは、財務構造の健全化及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っております。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入等により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、取引銀行とシンジケートコミットメントライン契約を締結しております。
(キャッシュ・フロー及び流動性の状況)
当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローは1,914百万円のキャッシュ・イン、投資活動によるキャッシュ・フローは1,518百万円のキャッシュ・アウトとなり、フリー・キャッシュ・フローは396百万円を確保しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額1,062百万円、有利子負債の増減による収入732百万円などにより419百万円のキャッシュ・アウトとなり、期末における現金及び現金同等物は8,692百万円となりました。
資金の使途については、当連結会計年度は設備投資に948百万円、M&Aを含む投融資に318百万円、研究開発には875百万円の合計2,142百万円を支出しております。
(資本政策)
各種投資に掛かる費用や新型コロナウイルス影響による事業環境等の悪化に備え、前連結会計年度に引き続き手元資金を厚めに確保したこともあり有利子負債残高は増加しましたが、D/Eレシオは前連結会計年度末並みの0.11倍となり、自己資本比率は63.6%と業容拡大に伴う総資産残高の増加により前連結会計年度末より低下いたしました。
2024年3月期は、ウクライナ情勢の長期化による地政学リスクなどから先行きが不透明な状況が継続するものと想定しております。こうした状況を踏まえ、引き続きキャッシュ・フローを重視しながら財務規律を堅持してまいります。また、事業拡大の投資判断においては、資本コストを意識し、原則としてこれを上回るリターンの実現を目指し、経営資源配分などにおいてROIC(投下資本利益率)をより意識するなど、資本効率の向上を図りながら持続的成長と企業価値向上を目指します。
当社では、株主還元の基本的な考え方として、安定的かつ持続的な配当を目指しております。これをより明確に表すために、配当性向をKPIとして30 %超をターゲットとして掲げ、株主還元の方針としています。
今後も上記方針のもと、成長投資や内部留保とのバランスをとりながら、株主還元のさらなる拡充を目指してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、ウィズコロナ下で経済活動の正常化が進む中、設備投資も持ち直しており、当社グループにおける受注も好調に推移いたしました。一方で、原材料価格などの高騰や供給面での制約、海外景気下振れによる国内景気への影響懸念など、企業収益に与える影響については依然として先行き不透明な状況が継続しております。
こうした状況の下、企業価値向上に向けた取り組みとして、「CS向上で勝つ」を基本方針にした活動を国内では従前より展開、徹底した現場密着営業を実践してまいりました。また、海外においては世界15ヵ国21社の関係会社と連携し販売拡大を図るとともに、「イワキグループ10年ビジョン」の定量目標「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」達成に向け、「オールイワキで世界No.1を提供する」の方針のもと、各種施策の実行に取り組んでまいりました。
その結果、市場別では半導体・液晶市場、医療機器市場、水処理市場が全体を牽引しました。半導体市場全体の動向としては一服感あるものの、全体動向に比例した落ち込みは見られないことや、これまでの旺盛な需要による受注残もあることから、半導体・液晶市場の売上は好調に推移しました。医療機器市場は中国向けの復調及び新たに連結対象となった中国子会社の損益を当第4四半期連結会計期間より取り込んだ影響もあり、また、水処理市場は引き続き米国向けを中心に大きく伸長し、両市場ともに好調に推移しました。
地域別では、国内は、半導体・液晶市場をはじめ全市場が伸長し、売上高は19,419百万円(前年比7.9%増)となりました。海外では、米国は水処理市場が全体を大きく牽引、その他市場も伸長した結果、売上高は6,100百万円(前年比41.8%増)となりました。欧州は化学市場をはじめ、ノルディックグループ全体が好調に推移し、売上高は4,671百万円(前年比17.6%増)となりました。アジア地域は、韓国向け半導体・液晶市場、表面処理装置市場の売上などが好調に推移し、売上高は3,213百万円(前年比12.1%増)となりました。中国は医療機器市場の牽引や、新たに連結対象となった子会社の損益取り込み開始により、売上高は2,578百万円(前年比26.1%増)となりました。
製品別では、主力製品であるマグネットポンプ、定量ポンプ、半導体・液晶市場向け空気駆動ポンプが全体を牽引しております。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度の連結売上高は37,730百万円(前年比16.3%増)となりました。
増収効果の一方で、物流関連の製造経費増加をはじめ、賞与などの人件費の増加、海外展示会出展に伴う広告宣伝費の発生、行動制限の緩和による旅費交通費の増加、中国子会社のれん償却費などが増加した結果、営業利益は2,443百万円(前年比14.2%増)となりました。営業外収益において、持分法による投資利益の伸長や受取還付金の発生により、経常利益は3,933百万円(前年比31.5%増)となりました。また、特別利益において、段階取得に係る差益1,227百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は4,398百万円(前年比83.5%増)となりました。
また、当社グループはケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
財政状態の分析について以下のとおりであります。
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は32,187百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,816百万円増加いたしました。これは主に売掛金が639百万円、電子記録債権が600百万円、商品及び製品が2,376百万円、原材料及び貯蔵品が943百万円増加したことによるものであります。固定資産は13,122百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,530百万円増加いたしました。これは主にのれんが2,105百万円、繰延税金資産が331百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は45,310百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,346百万円増加いたしました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は13,717百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,682百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が1,194百万円、電子記録債務が422百万円、契約負債が607百万円増加したことによるものであります。固定負債は2,608百万円となり、前連結会計年度末に比べ930百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が605百万円、ASC第842号「リース」を適用したことなどにより、その他の固定負債が265百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は16,325百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,613百万円増加いたしました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は28,984百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,733百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が3,330百万円、為替換算調整勘定が480百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は63.6%(前連結会計年度末は66.3%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は8,692百万円となり、前連結会計年度末に比べ118百万円増加(前連結会計年度は1,637百万円の増加)いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果、資金は1,914百万円増加(前連結会計年度は2,710百万円の増加)いたしました。これは主に、税金等調整前当期純利益(5,166百万円)などによる資金増加要因が、法人税等の支払額(1,355百万円)などによる資金減少要因を上回ったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果、資金は1,518百万円減少(前連結会計年度は429百万円の減少)いたしました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得(1,294百万円)などによる資金減少要因が、投資有価証券の売却(138百万円)などによる資金増加要因を上回ったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果、資金は419百万円減少(前連結会計年度は579百万円の減少)いたしました。これは主に、配当金の支払額(1,062百万円)などによる資金減少要因が、長期借入れによる収入(800百万円)などによる資金増加要因を上回ったためであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、ケミカルポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の生産実績、受注実績、販売実績の記載はしておりません。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| マグネットポンプ | 9,930,214 | 108.5 |
| 定量ポンプ | 4,924,484 | 128.2 |
| 空気駆動ポンプ | 5,161,373 | 128.7 |
| 回転容積ポンプ | 2,162,024 | 103.7 |
| エアーポンプ | 1,823,659 | 76.6 |
| システム製品 | 1,166,780 | 99.2 |
| その他 | 4,913,242 | 139.3 |
| 合計 | 30,081,778 | 114.9 |
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| マグネットポンプ | 14,846,008 | 120.9 | 5,849,670 | 195.5 |
| 定量ポンプ | 6,684,637 | 110.6 | 1,499,564 | 121.8 |
| 空気駆動ポンプ | 5,022,338 | 91.4 | 2,024,352 | 94.7 |
| 回転容積ポンプ | 2,317,086 | 107.7 | 653,484 | 187.4 |
| エアーポンプ | 2,011,497 | 122.9 | 492,557 | 140.1 |
| システム製品 | 2,161,183 | 120.5 | 586,386 | 155.8 |
| 仕入商品 | 2,972,016 | 104.6 | 539,559 | 142.5 |
| その他 | 5,952,863 | 139.7 | 1,227,762 | 149.8 |
| 合計 | 41,967,631 | 115.0 | 12,873,337 | 149.1 |
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| マグネットポンプ | 11,988,379 | 110.7 |
| 定量ポンプ | 6,416,349 | 117.0 |
| 空気駆動ポンプ | 5,135,913 | 121.0 |
| 回転容積ポンプ | 2,012,269 | 95.0 |
| エアーポンプ | 1,870,536 | 119.4 |
| システム製品 | 1,951,083 | 120.1 |
| 仕入商品 | 2,811,215 | 102.2 |
| その他 | 5,544,660 | 145.0 |
| 合計 | 37,730,407 | 116.3 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して5,290百万円増加し、37,730百万円となりました。
国内は、半導体・液晶市場をはじめ全市場が伸長し、売上高は19,419百万円(前年比7.9%増)となりました。海外では、米国は水処理市場が全体を大きく牽引、その他市場も伸長した結果、売上高は6,100百万円(前年比41.8%増)となりました。欧州は化学市場をはじめ、ノルディックグループ全体が好調に推移し、売上高は4,671百万円(前年比17.6%増)となりました。アジア地域は、韓国向け半導体・液晶市場、表面処理装置市場の売上などが好調に推移し、売上高は3,213百万円(前年比12.1%増)となりました。中国は医療機器市場の牽引や、新たに連結対象となった子会社の損益取り込み開始により、売上高は2,578百万円(前年比26.1%増)となりました。
(売上原価)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して3,396百万円増加し、24,806百万円となりました。比較的原価率の高い製品の売上構成比が高くなったことや、物流関連費用をはじめ、賞与などの製造経費の増加により、売上原価率は若干の改善にとどまる結果となりました。
(売上総利益)
上記の結果、売上総利益は12,923百万円(前年比1,894百万円増加)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して1,590百万円増加し、10,480百万円となりました。海外展示会出展に伴う広告宣伝費の発生、行動制限の緩和による旅費交通費の増加、売上高同様、新たに連結対象となった子会社の損益取り込みや、当該子会社ののれん償却費などによって費用が増加したためであります。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は2,443百万円(前年比303百万円増加)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外損益は1,490百万円の利益となりました。主に、営業外収益の持分法による投資利益によるものであります。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は1,232百万円の利益となりました。主に、特別利益の段階取得に係る差益によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比較して2,001百万円増加し、4,398百万円となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.経営戦略の現状と見通し
当社グループでは、長期ビジョン(10年後のあるべき姿)「イワキグループ10年ビジョン」を策定し、定性目標「オールイワキで世界№1を提供する」を掲げ、定量目標として2025年3月期連結売上高400億(国内売上200億円、海外売上200億円)を計画しています。その計画達成に向けた過程として、第1期を2017年3月期~2019年3月期(種蒔期)、第2期を2020年3月期~2022年3月期(育成期)、第3期を2023年3月期~2025年3月期(収穫期)として定めております。当連結会計年度は収穫期初年度として、「新たに連結子会社となった中国グループとのグループシナジーの最大化」、「強化市場の再定義」、「ソリューションビジネスの再定義」、「サステナビリティの観点を踏まえた次期長期ビジョンの策定」を新たな重点テーマとして取り組んでまいりました。引き続き、「イワキグループ10年ビジョン」定量目標達成に向けた取り組みを加速させてまいります。
さて、当社グループが製造するケミカルポンプは、革新的技術に依拠する画期的な製品を開発することが難しい「成熟した製品」ではありますが、このような状況下においても当社グループでは、ケミカルポンプの世界的メーカーとして、常に他社に先駆ける新製品開発に注力しております。国内外の顧客から当社グループの製品が選ばれるのは、多岐に亘る様々な要望に対して、過去の経験等に基づき迅速かつ的確に対応できることが最大の理由であると考えております。
具体的には、システム提案及びユニット製品化、並びに各種ポンプの特注対応といったハードウェア面から、納期・コスト・サービス体制等のソフトウェア面まで、きめ細かに応えることであります。また、それぞれの顧客対応スキルをさらにレベルアップさせることが重要な課題であると認識し、「ソリューションカンパニー」として世界全市場の顧客から信頼を勝ち取ることを全社的テーマとして、重点的に取り組んでまいります。
なお、当社グループが注力すべき強化市場(※)と定めている「医療機器市場」・「水処理市場」・「新エネルギー市場」の各市場に対して顧客対応力・技術力・販売力等の当社グループの力を結集し、日本国内のみならず欧州、米国、アセアン等の各重点強化地域においても、顧客からの多様なニーズに応えていくことが、今後、当社グループの持続的成長につながると考えております。
※翌連結会計年度より「半導体・液晶市場」を追加いたします。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く経営環境は、競合他社が国内外を問わず生産コストが安価な地域に進出したことで、販売活動が激化しております。当社グループも早期から海外関係会社におけるノックダウン生産等、海外展開に取り組みコスト低減を進めておりますが、近年においては販売価格の競争が一層激しくなっております。また、価格競争のみならず、製品開発においても環境問題への意識の高まりにより、省電力・高効率製品の要望が強く、これら製品の優劣で今後の受注が左右されます。
一方で、急激な為替の変動による影響で素材価格の価格変動が続き、当社主要部品の原材料となる樹脂材料、鉄鋼及び非鉄金属等の調達コストの変動に合わせ適正な販売価格とすることができなければ、今後の経営成績に影響を与える可能性があります。
また、安全保障輸出管理上の不備により、一定期間輸出禁止等の行政処分を受けた場合、当社グループの海外事業における業績に重要な影響を与える可能性があります。
f.経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
g.経営上の目標の達成状況
当社グループの長期ビジョンである「イワキグループ10年ビジョン」の定量目標である「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」に向けた第3期2023年3月期~2025年3月期(収穫期)の初年度となる当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
経営上の重要な指標である「売上高」は37,730百万円、前年比5,290百万円増加(前年比16.3%増)「営業利益率」は6.5%(前年比0.1ポイント悪化)となりました。これらの指標は引続き、増加または改善されるように取り組んでまいります。また、株主還元の目標として配当性向30%超を重要な指標としており、当連結会計年度における配当性向は30.4%であります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(財務の基本方針)
当社グループは、財務構造の健全化及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っております。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入等により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、取引銀行とシンジケートコミットメントライン契約を締結しております。
(キャッシュ・フロー及び流動性の状況)
当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローは1,914百万円のキャッシュ・イン、投資活動によるキャッシュ・フローは1,518百万円のキャッシュ・アウトとなり、フリー・キャッシュ・フローは396百万円を確保しました。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 営業キャッシュ・フロー | 2,710百万円 | 1,914百万円 |
| 投資キャッシュ・フロー | △429百万円 | △1,518百万円 |
| フリー・キャッシュ・フロー | 2,281百万円 | 396百万円 |
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額1,062百万円、有利子負債の増減による収入732百万円などにより419百万円のキャッシュ・アウトとなり、期末における現金及び現金同等物は8,692百万円となりました。
資金の使途については、当連結会計年度は設備投資に948百万円、M&Aを含む投融資に318百万円、研究開発には875百万円の合計2,142百万円を支出しております。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 設備投資 | 611百万円 | 948百万円 |
| 投融資(M&A含む) | 0百万円 | 318百万円 |
| 研究開発費 | 875百万円 | 875百万円 |
| 計 | 1,487百万円 | 2,142百万円 |
(資本政策)
各種投資に掛かる費用や新型コロナウイルス影響による事業環境等の悪化に備え、前連結会計年度に引き続き手元資金を厚めに確保したこともあり有利子負債残高は増加しましたが、D/Eレシオは前連結会計年度末並みの0.11倍となり、自己資本比率は63.6%と業容拡大に伴う総資産残高の増加により前連結会計年度末より低下いたしました。
2024年3月期は、ウクライナ情勢の長期化による地政学リスクなどから先行きが不透明な状況が継続するものと想定しております。こうした状況を踏まえ、引き続きキャッシュ・フローを重視しながら財務規律を堅持してまいります。また、事業拡大の投資判断においては、資本コストを意識し、原則としてこれを上回るリターンの実現を目指し、経営資源配分などにおいてROIC(投下資本利益率)をより意識するなど、資本効率の向上を図りながら持続的成長と企業価値向上を目指します。
当社では、株主還元の基本的な考え方として、安定的かつ持続的な配当を目指しております。これをより明確に表すために、配当性向をKPIとして30 %超をターゲットとして掲げ、株主還元の方針としています。
今後も上記方針のもと、成長投資や内部留保とのバランスをとりながら、株主還元のさらなる拡充を目指してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。