有価証券報告書-第15期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/29 9:34
【資料】
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【項目】
88項目
(業績等の概要)
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との対比の記載はしておりません。
(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、政府・日銀の経済・金融政策による雇用情勢の改善に加え、訪日外国人旅行客の増加等により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。ただし、海外の政治情勢の不確実性の高まりから海外経済全体への影響が懸念される等、依然として先行きは不透明な状況にあります。
飲食業界におきましては、原材料価格の高騰や人手不足に伴う人件費等のコスト上昇等があるものの、客数や客単価が前年を上回ったことにより、全体の売上高は前年をやや上回る水準で堅調に推移しております。(出所:一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査平成29年年間結果報告」)
このような事業環境のもと、当社グループは、「食の世界をつなぎ、食の未来をつくる」を経営理念として、出店開業・運営支援サイトである「飲食店.COM」をはじめとするインターネットメディア事業を運営してまいりました。「飲食店.COM店舗物件探し」においては、東海版のサービス提供を開始、「求人@飲食店.COM」においては、九州版、北海道・東北版をリリースする等、積極的なエリア拡大により、平成30年3月末時点における登録ユーザー数が129,069件(前事業年度比14.9%増)と順調に増加するとともに、重要な経営指標である有料ユ-ザ-数(注1)についても、7,350件(前事業年度比10.1%増)と順調に増加しております。また、「飲食店.COM」に対してサービス提供する不動産事業者や食材仕入事業者等の関連事業者(注2)についても、3,732社(前事業年度比8.3%増)と、順調に増加しております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は1,377,304千円、営業利益は595,497千円、経常利益は570,411千円、親会社株主に帰属する当期純利益は364,066千円となりました。
なお、当社グループはインターネットメディア事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。サービス別の売上高の内訳は、運営サービス1,069,412千円、出退店サービス210,059千円、その他サービス97,832千円であります。
また、ユーザーからの売上高は1,099,576千円となり、関連事業者等からの売上高は277,728千円となりました。
(注) 1.当該事業年度において、「飲食店.COM 店舗物件探し」「求人@飲食店.COM」「飲食店.COM 厨房備品購入」の有料サービスを利用したユニークユーザー数を記載しております。
2.当該事業年度末時点において、不動産事業者、内装事業者、食材仕入事業者として登録している事業者数を記載しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動によって獲得した資金444,221千円から投資活動によって支出した資金153,081千円及び財務活動によって支出した資金17,002千円を差し引いた結果、前期末に比べ274,137千円増加し、当連結会計年度末には2,173,546千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、444,221千円となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益570,411千円の計上等があったこと、主な減少要因は、法人税等の支払い187,025千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、153,081千円となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入50,042千円等があったこと、主な減少要因は、定期預金の預入による支出72,046千円、子会社株式取得による支出123,833千円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、17,002千円となりました。この増加要因は、ストックオプションの行使による収入7,445千円等があったこと、主な減少要因は、東京証券取引所市場第一部への市場変更に伴う上場費用の支出24,659千円等であります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2) 受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービスごとに示すと、以下のとおりであります。なお、当社グループの事業はインターネットメディア事業の単一セグメントでありセグメント情報を記載していないため、サービス別に記載しております。
サービスの名称販売高(千円)構成比(%)前年同期比(%)
インターネットメディア事業1,377,304100.0-
運営サ-ビス1,069,41277.6-
出退店サ-ビス210,05915.3-
その他サ-ビス97,8327.1-

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
2.当社は当連結会計年度が連結財務諸表の作成初年度であるため、前年同期比との対比は行っておりません。。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関するの分析・検討内容)
以下の記載のうち将来性に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる当社の会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。なお、この連結財務諸表の作成にあたっては、一部の箇所に過去の実績や状況等を基に、合理的と考えられる見積り及び判断を用いておりますが、実際の結果は見積りの不確実性によりこれらの見積りと異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,321,124千円となりました。主な内訳は、現金及び預金2,223,593千円、売掛金67,920千円であります。また固定資産は240,563千円となりました。主な内訳は、のれん130,430千円、敷金及び保証金43,744千円になります。以上の結果、総資産は2,561,687千円となっております。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は387,180千円となりました。主な内訳は、前受金101,412千円、未払法人税146,925千円であります。また固定負債は11,959千円となりました。主な内訳は、資産除去債務9,283千円になります。以上の結果、総負債は399,139千円となっております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,162,547千円となりました。主な内訳は、資本金503,552千円、資本剰余金491,552千円、利益剰余金1,167,339千円になります。
(3)経営成績の分析
(売上高)
売上高は、1,377,304千円となりました。運営サービスにおいては、「求人@飲食店.COM」「飲食店.COM 食材仕入先探し」等の主要サイトにおいて、コンテンツを拡充するとともに、ユ-ザ-及び関連事業者の増加に繋がる施策を積極展開してまいりました。特に、「求人@飲食店.COM」では、九州版、北海道・東北版をリリースする等、積極的なエリア拡大を実施した結果、運営サービスの売上高は、1,069,412千円となりました。出退店サ-ビスにおいては、「飲食店.COM」「店舗デザイン.COM」等の主要サイトにおいて、コンテンツを拡充するとともに、ユ-ザ-及び関連事業者の増加に繋がる施策を積極展開してまいりました。この結果、出退店サービスの売上高は、210,059千円となりました。その他サ-ビスにおいては、「飲食店.COM」「求人@インテリアデザイン」において、インターネット広告種類の増加等により、広告出稿が増加しました。この結果、その他サービスの売上高は、97,832千円となりました。
(売上総利益)
売上原価は、143,088千円となりました。これは主に、自社サービスの開発や制作に係る人件費等が微増に留まったことによるものであります。この結果、売上総利益は、1,234,216千円となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、638,718千円となりました。これは主に、支払報酬や広告宣伝費等の増加によるものであります。この結果、営業利益は、595,497千円となりました。
(経常利益)
当事業年度における営業外費用は、東京証券取引所市場第一部への上場関連費用等が計上された結果、25,110千円となりました。この結果、経常利益は、570,411千円となりました。
(当期純利益)
法人税等合計は、206,344千円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、364,066千円となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は4,644千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,173,546千円となっております。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、主要サイトである「飲食店.COM」や「求人@飲食店.COM」等を運営しており、飲食店の出店開業・運営に特化した機能やサービスを提供しております。当社の事業は「飲食店.COM」や「求人@飲食店.COM」等のサイトを基盤としたものとなっており、ユーザー数、不動産事業者や食材仕入事業者等の各事業者数及び各サイトの利用度合いは当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、ユーザーや各事業者に求められる機能やサービスを提供し続けていくとともに、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、平成15年4月の会社設立以来、当社の主要サイトである「飲食店.COM」をはじめとするインターネットメディア事業を運営してまいりました。平成30年3月31日時点で当社サービスを利用している登録ユーザー数は129千件であり、不動産事業者や食材仕入事業者等の各事業者数の合計は3,732社となっております。また、当社グループ求人応募サービスを利用している求職者数は、平成30年3月31日時点で93千人であります。
しかしながら、全国の飲食店の事業所数は51.6万件(注)であり(出所:総務省「平成26年経済センサス基礎調査」)、また、宿泊業、飲食サービス業における就業者数は387万人(出所:総務省「平成26年雇用動向調査結果の概況」)となっております。さらに、飲食店に関わる不動産事業者や食材仕入事業者等の関連事業者を考慮すると、当社の活動領域の裾野には、潜在的利用者の層が広がっていると考えております。
当社グループは、ユーザー数及びユーザーにサービスを提供する各事業者数をともに拡大させ、当社グループサイトのプラットフォームとしての価値をより一層高め、ユーザー及び各事業者から選ばれるサイトを目指してまいります。そのためには、継続的なサービス改善、新たなサービス企画・開発及びサービス展開エリアの拡大を推進することが重要であると認識しており、会社設立以来15期に渡るインターネットメディア事業の運営経験から得たノウハウとインターネット、テクノロジーの力を最大限に生かし、さらなる成長の拡大、企業価値の向上に努める方針であります。
また、労働集約型産業と呼ばれる飲食業界において、今後想定される技術革新(IoT、AI、VR/AR等)を見据え、インターネットや未来の新しいテクノロジーを駆使した役立つ・便利なサービスを提供し続けることで、飲食店に関わる人々をつなげ、飲食業界の労働生産性を向上させ、業界全体のさらなる発展、成長に貢献したいと考えております。
このため、経営者は、常に外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施してまいります。
(注) 全国の飲食店事業所数は、「バー、キャバレー、ナイトクラブ」に該当する事業所数を除外しております。