有価証券報告書-第16期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 10:32
【資料】
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【項目】
127項目
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、雇用情勢・所得環境の改善に加え、訪日外国人旅行客の増加等により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。ただし、米国の通商政策に基づく貿易摩擦の長期化等により、依然として先行きは不透明な状況にあります。
飲食業界におきましては、夏の天候不順による一時的な落ち込みや、原材料価格の高騰及び人手不足に伴う人件費等のコスト上昇等があるものの、客数や客単価が前年を上回ったことにより、全体の売上高は前年をやや上回る水準で堅調に推移しております。(出所:一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査 2018年年間結果報告」)
このような事業環境のもと、当社グループは、「食の世界をつなぎ、食の未来をつくる」を経営理念として、出店開業・運営支援サイトである「飲食店.COM」をはじめとするインターネットメディア事業を運営してまいりました。「飲食店.COM店舗物件探し」においては、九州版のサービス提供を開始する等、積極的なエリア拡大を進めております。また、外国人向け求人情報サイトである「Food Job Japan」のサービス提供の開始や、食材発注ツールである「PlaceOrders」の有料化を開始する等、サービス領域を拡大したことにより、2019年3月末時点における登録ユーザー数が152,321件(前連結会計年度比18.0%増)と順調に増加するとともに、重要な経営指標である有料ユーザー数(注1)についても、8,764件(前連結会計年度比19.2%増)と順調に増加しております。また、「飲食店.COM」に対してサービス提供する不動産事業者や食材仕入事業者等の関連事業者(注2)についても、3,970社(前連結会計年度比6.4%増)と、順調に増加しております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は1,787,527千円(前連結会計年度比29.8%増)、営業利益は687,800千円(前連結会計年度比15.5%増)、経常利益は687,288千円(前連結会計年度比20.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は438,596千円(前連結会計年度比20.5%増)となりました。
なお、当社グループはインターネットメディア事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。サービス別の売上高の内訳は、運営サービス1,329,140千円(前連結会計年度比24.3%増)、出退店サービス321,685千円(前連結会計年度比53.1%増)、その他サービス136,701千円(前連結会計年度比39.7%増)であります。
(注) 1.当連結会計年度において、「飲食店.COM 店舗物件探し」「求人@飲食店.COM」「飲食店.COM 厨房備品購入」「Food Job Japan」「PlaceOrders」の有料サービスを利用したユーザーアカウント数を記載しております。
2.当連結会計年度末時点において、不動産事業者、内装事業者、食材仕入事業者として登録している事業者数を記載しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動によって獲得した資金449,774千円から投資活動によって支出した資金103,239千円及び財務活動によって支出した資金198,857千円を差し引いた結果、前期末に比べ147,678千円増加し、当連結会計年度末には2,321,224千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、449,774千円(前連結会計年度より5,553千円増)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益687,288千円の計上等があったこと、主な減少要因は、法人税等の支払い245,267千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、103,239千円(前連結会計年度より49,842千円減)となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入50,046千円等があったこと、主な減少要因は、定期預金の預入による支出74,050千円、敷金及び保証金の差入による支出69,235千円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、198,857千円(前連結会計年度より181,855千円増)となりました。この増加要因は、ストックオプションの行使による収入4,421千円があったこと、主な減少要因は、自己株式の取得による支出201,310千円等であります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2) 受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービスごとに示すと、以下のとおりであります。なお、当社グループの事業はインターネットメディア事業の単一セグメントでありセグメント情報を記載していないため、サービス別に記載しております。
サービスの名称販売高(千円)構成比(%)前年同期比(%)
インターネットメディア事業1,787,527100.0129.8
運営サ-ビス1,329,14074.4124.3
出退店サ-ビス321,68518.0153.1
その他サ-ビス136,7017.6139.7

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
以下の記載のうち将来性に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる当社グループの会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。なお、この連結財務諸表の作成にあたっては、一部の箇所に過去の実績や状況等を基に、合理的と考えられる見積り及び判断を用いておりますが、実際の結果は見積りの不確実性によりこれらの見積りと異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,487,322千円(前連結会計年度より193,476千円増)となりました。主な内訳は、現金及び預金2,371,275千円、売掛金125,571千円であります。また固定資産は348,871千円となりました。主な内訳は、のれん104,344千円、敷金及び保証金112,979千円になります。以上の結果、総資産は2,836,193千円(前連結会計年度より274,506千円増)となっております。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は409,571千円(前連結会計年度より22,391千円増)となりました。主な内訳は、前受金152,882千円、未払法人税141,534千円であります。また固定負債は21,098千円となりました。主な内訳は、資産除去債務20,390千円になります。以上の結果、総負債は430,670千円(前連結会計年度より31,530千円増)となっております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,405,523千円(前連結会計年度242,976千円増)となりました。主な内訳は、資本金505,763千円、資本剰余金493,763千円、利益剰余金1,605,935千円になります。
(3)経営成績の分析
(売上高)
売上高は、1,787,527千円(前連結会計年度比29.8%増)となりました。運営サービスにおいては、夏の天候不順による一時的な影響を受けたものの、特に「求人@飲食店.COM」において積極的な営業活動を実施した結果、運営サービスの売上高は、1,329,140千円(前連結会計年度比24.3%増)となりました。出退店サ-ビスにおいては、「飲食店.COM」「店舗デザイン.COM」等の主要サイトにおいて、ユ-ザ-及び関連事業者の増加に繋がる施策等を実施した結果、出退店サービスの売上高は、321,685千円(前連結会計年度比53.1%増)となりました。その他サ-ビスにおいては、「飲食店.COM」「求人@インテリアデザイン」におけるインターネット広告出稿の増加や「飲食店リサーチ」の関連事業者からの引き合いが増加した結果、その他サービスの売上高は、136,701千円(前連結会計年度比39.7%増)となりました。
(売上総利益)
売上原価は、205,570千円(前連結会計年度比43.7%増)となりました。この結果、売上総利益は、1,581,957千円(前連結会計年度比28.2%増)となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、894,156千円(前連結会計年度比40.0%増)となりました。これは主に、人員規模の拡大による人件費や広告宣伝費等の増加によるものであります。この結果、営業利益は、687,800千円(前連結会計年度比15.5%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外費用は、自己株式取得費用が計上された結果、1,339千円(前連結会計年度比94.7%減)となりました。この結果、経常利益は、687,288千円(前連結会計年度比20.5%増)となりました。
(当期純利益)
法人税等合計は、248,692千円(前連結会計年度比20.5%増)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、438,596千円(前連結会計年度比20.5%増)となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は2,676千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,321,224千円(前連結会計年度147,678千円増)となっております。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、主要サイトである「飲食店.COM」や「求人@飲食店.COM」等を運営しており、飲食店の出店開業・運営に特化した機能やサービスを提供しております。当社グループの事業は「飲食店.COM」や「求人@飲食店.COM」等のサイトを基盤としたものとなっており、ユーザー数、不動産事業者や食材仕入事業者等の各事業者数及び各サイトの利用度合いは当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、ユーザーや各事業者に求められる機能やサービスを提供し続けていくとともに、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、2003年4月の会社設立以来、当社グループの主要サイトである「飲食店.COM」をはじめとするインターネットメディア事業を運営してまいりました。2019年3月31日時点で当社グループのサービスを利用している登録ユーザー数は152千件であり、不動産事業者や食材仕入事業者等の各事業者数の合計は3,970社となっております。また、当社グループの求人応募サービスを利用している求職者数は、2019年3月31日時点で117千人であります。
しかしながら、全国の飲食店の事業所数は51.6万件(注)であり(出所:総務省「2014年経済センサス基礎調査」)、また、宿泊業、飲食サービス業における就業者数は387万人(出所:総務省「2014年雇用動向調査結果の概況」)となっております。さらに、飲食店に関わる不動産事業者や食材仕入事業者等の関連事業者を考慮すると、当社グループの活動領域の裾野には、潜在的利用者の層が広がっていると考えております。
当社グループは“食の世界をつなぎ、食の未来をつくる”を経営理念として、革新的な「食のプラットフォーム」になることを目指し、利用者の求めるサービスを提供し続けることで、飲食業界の発展・成長へ貢献してまいります。
(注) 全国の飲食店事業所数は、「バー、キャバレー、ナイトクラブ」に該当する事業所数を除外しております。