四半期報告書-第32期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/08/09 15:01
【資料】
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【項目】
25項目
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国の経済は、世界経済の着実な成長を受けて輸出や生産が増加基調にあるほか、雇用・所得環境の着実な改善を背景に個人消費が底堅さを増すなど、緩やかに拡大しました。
このような状況のなか、当社グループは「JR九州グループ中期経営計画2016-2018」のもと、「やさしくて力持ちの“総合的なまちづくり企業グループ”」を目指し、すべての事業において安全を基盤に、より一層のサービス向上に努め、各事業において積極的な事業展開による収益の拡大を図るとともに、より効率的な業務運営と徹底的なコスト削減を推進してきました。
この結果、当第1四半期連結累計期間における営業収益は前年同期比4.5%増の989億9百万円となりました。営業利益は前年同期比4.0%減の160億67百万円、EBITDAは前年同期比1.4%増の210億94百万円、経常利益は前年同期比0.6%増の172億92百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比0.5%減の134億31百万円となりました。
(注) 当第1四半期連結累計期間におけるEBITDAは、営業利益に減価償却費を加えた数値(転貸を目的としたリース資産に係る減価償却費を除く)であります。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 運輸サービスグループ
鉄道事業においては、安全とサービスを基盤とした事業運営を行うとともに、九州新幹線を基軸としたネットワークを最大限に活用し、お客さまの視点に立った営業施策を実施することにより収入確保に努めました。
安全面では、JR九州グループ全体の安全風土をつくるべく「それ、大丈夫?!これ、大丈夫?!」をスローガンとした安全創造運動を展開しました。また安全投資では、老朽設備の取替等を着実に実施しました。
サービス面では、基本となる「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を当たり前に実践し、「笑顔」と「あいさつ」でお客さまをお迎えできるよう取り組みを進めました。
営業面では、九州新幹線を中心とした鉄道利用促進を図るべく、「九州新幹線2枚きっぷ」や新幹線定期券「新幹線エクセルパス」などの各種商品の販売促進に努めるとともに、NHK大河ドラマ「西郷どん」にあわせた「答えは、鹿児島にある。」プロモーションを展開しました。「JR九州インターネット列車予約サービス」については、インターネット限定商品の充実のほか、「ネット予約チャンス!JRキューポチャンス!」プロモーションによる販売促進を図りました。また、本年3月より新ルートにて運行を開始したクルーズトレイン「ななつ星in九州」や11のD&S(デザイン&ストーリー)列車をはじめ、九州の自然・食・温泉・歴史文化・沿線地域の方々によるおもてなしなど、九州ブランドの認知度向上と九州への誘客促進に努めました。地域の元気をつくる取り組みでもある「駅長おすすめのJR九州ウォーキング」については、地元の方々と連携した魅力あるコース設定に努め、多くのお客さまにご利用いただきました。さらに、海外からのお客さま向けの主力商品である「JR九州レールパス」についても、当社ホームページにおける直接販売及び指定席事前予約サービスのほか、韓国、台湾、香港、中国を中心としたそれぞれの国及び地域に適した情報発信や販売促進を図りました。
輸送面では、きめ細かな輸送施策を展開し、各線区の需要動向に応じた効率的な輸送体系の構築に努めるとともに、九州新幹線を中心とした輸送ネットワークのさらなる充実を図ることで利用促進に努めました。なお、昨年7月に発生した「平成29年7月九州北部豪雨」及び9月に発生した「平成29年台風第18号」の影響により、久大本線及び日田彦山線の一部区間において代行輸送を実施しました。また、「平成28年熊本地震」の影響により運転を見合わせている豊肥本線肥後大津~阿蘇間については、「豊肥本線復旧事務所」を中心に、国や関係自治体による砂防や治山、道路の復旧事業と調整しながら、早期復旧に向け取り組んでおります。
船舶事業においては、高速船「ビートル」の一部の便で福岡~対馬間を国内航路としてご利用いただける国内初の混乗便運航開始に向けた観光交流に関する連携協定について、4者(当社、JR九州高速船株式会社、九州郵船株式会社及び長崎県対馬市)間で締結し、高速船利用の旅行需要拡大に取り組みました。
バス事業においては、九州新幹線と接続する高速バス「B&Sみやざき」などの高速バス路線において期間限定の割引キャンペーンを展開し、収益確保に努めました。
この結果、営業収益は前年同期比0.1%減の436億37百万円、営業利益は前年同期比4.7%減の93億25百万円、EBITDAは前年同期比0.2%増の109億35百万円となりました。
② 建設グループ
建設業においては、鉄道高架化工事、新幹線関連工事、マンション工事等を受注するとともに、工事の着実な遂行と経費の節減に努めました。
この結果、営業収益は前年同期比12.7%増の124億43百万円、営業損失は前年同期より52百万円改善し2億43百万円、EBITDAは前年同期より87百万円改善し△11百万円となりました。
③ 駅ビル・不動産グループ
不動産賃貸業においては、本年3月に開業した高架下商業施設「肥後よかモン市場」における熊本駅のにぎわいづくりのほか、各駅ビルにおいて駅前広場等を活用した積極的なイベント展開を行い収益拡大に努めました。
不動産販売業においては、分譲マンション「MJRザ・ガーデン大江」等を売上に計上したほか、「MJRザ・ガーデン鹿児島中央」等の販売に取り組みました。
この結果、営業収益は前年同期比21.9%減の144億56百万円、営業利益は前年同期比10.9%減の56億12百万円、EBITDAは前年同期比6.4%減の78億95百万円となりました。
④ 流通・外食グループ
小売業においては、ドラッグストアやコンビニエンスストアの新規出店を進めました。
飲食業においては、本年4月にライセンス契約をした「スターバックスコーヒー」の初出店や創作お茶漬け専門店「こめらく」九州1号店の出店など新たな業態への取り組みを積極的に進めました。
この結果、営業収益は前年同期比2.3%増の254億93百万円、営業利益は前年同期比16.4%減の7億16百万円、EBITDAは前年同期比10.8%減の11億13百万円となりました。
⑤ その他グループ
ホテル業においては、昨年開業した「JR九州ホテル ブラッサム那覇」や「奥日田温泉 うめひびき」の営業活動を積極的に行ったほか、既存ホテルのレベニューマネジメントを強化し、収益拡大に努めました。
シニア事業においては、住宅型有料老人ホーム「SJR高取」で訪問看護サービスの提供を開始するとともに、お客さまに選ばれる施設を目指し、サービス向上に取り組みました。
建設機械販売・レンタル事業においては、情報通信技術(ICT)を活用した建設機械の展示会を行うなど新規受注獲得を図りました。
この結果、営業収益は前年同期比52.2%増の202億64百万円、営業利益は前年同期比313.2%増の8億12百万円、EBITDAは前年同期比201.7%増の13億70百万円となりました。
(注) セグメント別のEBITDAは、各セグメントにおける営業利益に減価償却費を加えた数値(セグメント間取引消去前、転貸を目的としたリース資産に係る減価償却費を除く)であります。
(参考)当社の鉄道事業の営業実績
①輸送実績
区分単位第32期第1四半期累計期間
(自 2018年4月1日
至 2018年6月30日)
前年同期比(%)
営業日数91100.0
営業キロ新幹線キロ288.9100.0
在来線1,984.1100.0
2,273.0100.0
輸送人員定期千人58,086100.9
定期外29,33299.2
87,418100.3
輸送人キロ新幹線定期千人キロ51,653100.1
定期外432,726102.9
484,379102.6
在来線幹線定期941,358100.3
定期外710,21697.7
1,651,57599.2
地方
交通線
定期140,21398.7
定期外65,47885.0
205,69293.9
定期1,081,572100.1
定期外775,69596.5
1,857,26798.6
合計定期1,133,225100.1
定期外1,208,42198.7
2,341,64799.4

②収入実績
区分単位第32期第1四半期累計期間
(自 2018年4月1日
至 2018年6月30日)
前年同期比(%)
旅客運輸収入新幹線定期百万円690101.0
定期外12,468102.0
13,159102.0
在来線定期7,692100.4
定期外16,01797.1
23,70998.1
合計定期8,382100.4
定期外28,48599.2
36,86899.5
荷物収入0101.1
合計36,86899.5
鉄道線路使用料収入157108.1
運輸雑収3,57499.7
収入合計40,60099.5

(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産の部の合計額は、前連結会計年度末に比べ2.3%減少し、7,322億23百万円となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金や未収金の回収等により前連結会計年度末に比べ12.8%減少し、1,747億7百万円となりました。固定資産は、有形固定資産の取得等により前連結会計年度末に比べ1.6%増加し、5,575億16百万円となりました。
一方、負債の部の合計額は、前連結会計年度末に比べ7.0%減少し、3,406億49百万円となりました。流動負債は、支払手形及び買掛金や未払金の支払等により前連結会計年度末に比べ14.0%減少し、1,416億85百万円となりました。固定負債は、退職給付に係る負債の減少等により前連結会計年度末に比べ1.2%減少し、1,989億63百万円となりました。
また、純資産の部の合計額は、前連結会計年度末に比べ2.2%増加し、3,915億74百万円となりました。これは、利益剰余金の増加等によるものです。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1億97百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。