四半期報告書-第35期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)」及び「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国の経済は、国内外における新型コロナウイルス感染症の影響により、景気下押し圧力に直面しました。本年4月より感染の再拡大が生じたことにより、福岡県を含む10都道府県にて3回目の緊急事態宣言が発出されるなど、景気回復の時期や程度等については依然として不確実性が高く、当面厳しい状況が続くと考えられます。
当社グループにおきましても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い鉄道事業をはじめとした各事業において、移動需要の減少及び個人消費の低迷による影響を受けております。このような状況のなか、当社グループは、基幹事業である鉄道における「安全」は最大の使命であるとの認識のもと、鉄道の安全への投資を着実に行うとともに、拠点地域の戦略的まちづくりの一環として、本年4月に熊本駅ビルを開業しました。さらに、新型コロナウイルス感染症の収束を願って九州の元気を発信する「その日まで、ともにがんばろう」プロジェクトの展開や地域特化型ファンドの設立等、「地域を元気に」する取り組みも行いました。また、先行き不透明な経営環境の変化に備え、従業員の一時帰休を含め、鉄道事業を中心としたコスト削減の取り組みを実施しました。
この結果、営業収益は前年同期比16.6%増の720億97百万円、営業損失は13億33百万円(前年同期の営業損失は157億3百万円)、EBITDAは50億41百万円(前年同期のEBITDAは△91億44百万円)、経常利益は3億85百万円(前年同期の経常損失は152億34百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9億27百万円(前年同期の親会社株主に帰属する四半期純損失は51億19百万円)となりました。
(注) 当第1四半期連結累計期間におけるEBITDAは、営業利益に減価償却費を加えた数値(転貸を目的としたリース資産に係る減価償却費を除く)であります。
当社グループの業績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1 調整額は、セグメント間取引消去によるものです。
2 連結EBITDA=営業利益+減価償却費(セグメント間取引消去後、転貸を目的としたリース資産に係る減価
償却費除く)、セグメント別EBITDA=各セグメント営業利益+各セグメント減価償却費(セグメント間取
引消去前、転貸を目的としたリース資産に係る減価償却費除く)
① 運輸サービスグループ
鉄道事業においては、安全を確保し、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を講じたうえで収入の確保に努めるとともに、固定費の高い鉄道事業の収支改善の取り組みとして、コスト削減を進めました。
安全面では、当社グループ全体のゆるぎなき安全をつくりだすために、「命を守る!!ルールを理解し、実践する」をスローガンに、安全創造運動に取り組みました。また、車両の新製や老朽設備の取替等の安全投資を着実に実施しました。
サービス面では、新型コロナウイルス感染症の感染防止に配慮しながら、お客さま一人ひとりのニーズを汲み取り、期待に応えスピーディーに行動することに努めました。また、ライオン株式会社とタイアップしたD&S列車での衛生プロモーションやシェアオフィス新幹線の試験的な運転等、新しい生活様式に合わせた安全で安心してご利用いただけるサービスの提供にも努めました。
営業面では、九州新幹線全線開業10周年を記念した熊本、鹿児島を対象とした観光キャンペーンや、HKT48をパートナーに「もっと!みんなの九州プロジェクト」を実施しました。また、「列車こそ、ネットでね!」をキャッチコピーに、インターネット列車予約サービスのご利用拡大に向けたプロモーションを実施しました。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うお客さまのご利用減少に合わせ、一部の割引きっぷの発売終了または価格改定を実施するとともに、新たな収益機会の獲得を目指した新幹線荷物輸送の事業を開始しました。
輸送面では、駅や車両における感染防止対策を講じつつ、交通ネットワークという社会インフラの維持に努めました。「平成29年7月九州北部豪雨」の影響により添田~夜明間で代行輸送を行っている日田彦山線においては、バス高速輸送システム(BRT)の導入による復旧について関係自治体と合意し、復旧に向けた準備を進めています。また、昨年7月に発生した「令和2年7月豪雨」の影響により、肥薩線の鉄道施設に被害が生じ、一部区間において代行輸送を行っております。
船舶事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための水際対策として、日本政府から旅客運送停止要請を受け、昨年3月からの定期航路全便の運航休止を継続しました。また、定期航路の運航休止中の取り組みとして、本年3月から新型高速船「QUEEN BEETLE」での国内遊覧運航を実施しておりましたが、福岡県にまん延防止等重点措置と同等の措置が実施されたことを受け、国内遊覧運航についても5月6日から運航を休止しました。
バス事業においては、感染拡大防止の取り組みを通してお客さまに安心してご乗車いただける環境づくりに努めつつ、ご利用状況に応じた減便を行いました。
新たなモビリティサービス(MaaS)の分野においては、第一交通産業株式会社及び西日本鉄道株式会社との連携を軸に、持続可能な公共交通ネットワークの構築に向けた取り組みを推進しました。2020年度にMaaSの取り組みを開始した宮崎地区においては、多様な交通モードの連携によるシームレスな交通サービスの実現や、「アミュプラザみやざき」等の商業施設及び観光施設と連携した来街促進と中心市街地の回遊性向上を目指した取り組みを引き続き実施しました。また、新型コロナウイルス感染症の影響でMaaSに関する取り組みを延期していた由布院地区においても、観光客の利便性向上と観光客・地元住民の双方が活用できる持続可能な交通サービスの実現を目標に、MaaSに関する取り組みの検討を再開しました。さらに、西日本旅客鉄道株式会社が提供するMaaSアプリを通じ、当社管内の駅に関する情報を提供することに合意し、サービスの提供を開始するなど、他の交通事業者との連携による取り組みを推進しました。
この結果、営業収益は前年同期比39.7%増の241億70百万円、営業損失は52億15百万円(前年同期の営業損失は139億84百万円)、EBITDAは△31億36百万円(前年同期のEBITDAは△113億71百万円)となりました。
② 建設グループ
建設業においては、鉄道の専門技術を活かし、鉄道に係る土木・軌道・建築工事やメンテナンス事業、車両機械設備工事業を通して鉄道事業の安全・安定輸送に貢献しました。鉄道工事については、昨年度に引き続き、西九州新幹線や北陸新幹線関連工事の着実な遂行に努めました。
さらに、鉄道高架化工事、新幹線関連工事、マンション工事等、官公庁工事や民間工事の受注やコスト削減に努めました。
この結果、営業収益は前年同期比6.3%増の179億28百万円、営業利益は前年同期比30.5%減の1億83百万円、EBITDAは前年同期比16.3%減の4億22百万円となりました。
③ 不動産・ホテルグループ
不動産賃貸業においては、本年4月に「アミュプラザくまもと」を開業しました。一方で、地方自治体からの要請に従い、駅ビルにおいては、営業時間短縮や、一部テナントの店舗休業を実施しました。
不動産販売業においては、モデルルームの感染防止対策を講じつつ、分譲マンション「MJR堺筋本町タワー」、「MJR平尾駅前」や「MJRザ・ガーデン鹿児島中央」等を売上に計上したほか、「MJRザ・ガーデン下大利」、「MJRザ・ガーデン香椎」や「MJR熊本ザ・タワー」等の販売に取り組みました。
ホテル業においては、本年4月に「THE BLOSSOM KUMAMOTO」を開業しました。さらに、テレワークプランの販売等、限られた需要の取り込みを図りました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う移動の自粛やイベントの中止、インバウンド需要の消滅等の影響を受けました。
この結果、営業収益は前年同期比119.2%増の252億50百万円、営業利益は40億34百万円(前年同期の営業損失は3億53百万円)、EBITDAは前年同期比184.7%増の75億5百万円となりました。
④ 流通・外食グループ
小売業においては、コンビニエンスストアのリニューアルを行うとともに、本年4月に開業した「アミュプラザくまもと」に「ハンズビーアミュプラザくまもと店」を出店しました。また、JR東日本グループのECサイト「JRE MALL」における「銘品蔵」及び「博多運盛」のオンラインショップ出店や、限定商品の販売企画の実施など、需要創出に努めました。
飲食業においては、本年4月に開業した「アミュプラザくまもと」にシナモンロール専門店「シナボン」を出店するなど新規出店の拡大に努めました。また、九州新幹線を活用した荷物輸送サービス「はやっ!便」を利用して、鹿児島限定販売の駅弁当を博多駅の店舗で販売する取り組みを開始したほか、博多駅のホームの店舗をポップアップショップとして活用する取り組みを継続するなど、新たな需要の創出に向けた取り組みを行いました。さらに、不採算店舗の閉店など一層の経営効率化にも努めました。
しかしながら、駅構内店舗や既存の飲食店舗で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う移動需要の減少および消費需要の低迷による影響を受けるとともに、昨年5月にJR九州ドラッグイレブン株式会社の株式の一部を株式会社ツルハホールディングスへ譲渡し、同社を前年第1四半期連結会計期間末より連結の範囲から除外したことの影響を受けました。
この結果、営業収益は前年同期比51.8%減の94億54百万円、営業損失は8億25百万円(前年同期の営業損失は15億11百万円)、EBITDAは△5億43百万円(前年同期のEBITDAは△10億96百万円)となりました。
⑤ その他グループ
建設機械販売・レンタル事業においては、積極的な営業活動を行い収益の確保に努めました。
この結果、営業収益は前年同期比4.5%減の136億79百万円、営業利益は前年同期比327.1%増の5億78百万円、EBITDAは前年同期比89.5%増の9億66百万円となりました。
(注) セグメント別のEBITDAは、各セグメントにおける営業利益に減価償却費を加えた数値(セグメント間取引
消去前、転貸を目的としたリース資産に係る減価償却費を除く)であります。
(参考)当社の鉄道事業の営業実績
①輸送実績
②収入実績
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産の部の合計額は、前連結会計年度末に比べ3.2%減少し、8,628億67百万円となりました。流動資産は、売掛金の回収等により前連結会計年度末に比べ27.8%減少し、1,451億40百万円となりました。固定資産は、有形固定資産の取得等により前連結会計年度末に比べ3.9%増加し、7,177億27百万円となりました。
一方、負債の部の合計額は、前連結会計年度末に比べ2.8%減少し、4,819億26百万円となりました。流動負債は、買掛金や未払金の支払等により前連結会計年度末に比べ22.7%減少し、1,118億63百万円となりました。固定負債は、社債の発行等により前連結会計年度末に比べ5.3%増加し、3,700億63百万円となりました。
また、純資産の部の合計額は、前連結会計年度末に比べ3.7%減少し、3,809億40百万円となりました。これは、配当金の支払等による利益剰余金の減等によるものです。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、85百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)」及び「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国の経済は、国内外における新型コロナウイルス感染症の影響により、景気下押し圧力に直面しました。本年4月より感染の再拡大が生じたことにより、福岡県を含む10都道府県にて3回目の緊急事態宣言が発出されるなど、景気回復の時期や程度等については依然として不確実性が高く、当面厳しい状況が続くと考えられます。
当社グループにおきましても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い鉄道事業をはじめとした各事業において、移動需要の減少及び個人消費の低迷による影響を受けております。このような状況のなか、当社グループは、基幹事業である鉄道における「安全」は最大の使命であるとの認識のもと、鉄道の安全への投資を着実に行うとともに、拠点地域の戦略的まちづくりの一環として、本年4月に熊本駅ビルを開業しました。さらに、新型コロナウイルス感染症の収束を願って九州の元気を発信する「その日まで、ともにがんばろう」プロジェクトの展開や地域特化型ファンドの設立等、「地域を元気に」する取り組みも行いました。また、先行き不透明な経営環境の変化に備え、従業員の一時帰休を含め、鉄道事業を中心としたコスト削減の取り組みを実施しました。
この結果、営業収益は前年同期比16.6%増の720億97百万円、営業損失は13億33百万円(前年同期の営業損失は157億3百万円)、EBITDAは50億41百万円(前年同期のEBITDAは△91億44百万円)、経常利益は3億85百万円(前年同期の経常損失は152億34百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9億27百万円(前年同期の親会社株主に帰属する四半期純損失は51億19百万円)となりました。
(注) 当第1四半期連結累計期間におけるEBITDAは、営業利益に減価償却費を加えた数値(転貸を目的としたリース資産に係る減価償却費を除く)であります。
当社グループの業績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(単位:百万円)
セグメントの名称 | 営業収益 | 営業利益又は営業損失(△) | EBITDA(注2) | ||||||
当第1四半期 連結累計期間 | 前期比 増減 | 前期比 増減率 | 当第1四半期 連結累計期間 | 前期比 増減 | 前期比 増減率 | 当第1四半期 連結累計期間 | 前期比 増減 | 前期比 増減率 | |
運輸サービス | 24,170 | 6,866 | 39.7% | △5,215 | 8,768 | ― | △3,136 | 8,235 | ― |
建設 | 17,928 | 1,066 | 6.3% | 183 | △80 | △30.5% | 422 | △81 | △16.3% |
不動産・ホテル | 25,250 | 13,733 | 119.2% | 4,034 | 4,387 | ― | 7,505 | 4,869 | 184.7% |
不動産賃貸業 | 13,920 | 3,718 | 36.5% | 4,008 | 2,348 | 141.4% | 6,929 | 2,880 | 71.2% |
不動産販売業 | 9,687 | 9,205 | ― | 1,510 | 1,714 | ― | 1,513 | 1,715 | ― |
ホテル業 | 1,642 | 809 | 97.2% | △1,484 | 324 | ― | △937 | 273 | ― |
流通・外食 | 9,454 | △10,164 | △51.8% | △825 | 685 | ― | △543 | 553 | ― |
その他 | 13,679 | △638 | △4.5% | 578 | 443 | 327.1% | 966 | 456 | 89.5% |
合計 | 90,482 | 10,862 | 13.6% | △1,245 | 14,204 | ― | 5,214 | 14,032 | ― |
調整額(注1) | △18,384 | △613 | ― | △88 | 164 | ― | △172 | 154 | ― |
連結数値 | 72,097 | 10,249 | 16.6% | △1,333 | 14,369 | ― | 5,041 | 14,186 | ― |
(注)1 調整額は、セグメント間取引消去によるものです。
2 連結EBITDA=営業利益+減価償却費(セグメント間取引消去後、転貸を目的としたリース資産に係る減価
償却費除く)、セグメント別EBITDA=各セグメント営業利益+各セグメント減価償却費(セグメント間取
引消去前、転貸を目的としたリース資産に係る減価償却費除く)
① 運輸サービスグループ
鉄道事業においては、安全を確保し、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を講じたうえで収入の確保に努めるとともに、固定費の高い鉄道事業の収支改善の取り組みとして、コスト削減を進めました。
安全面では、当社グループ全体のゆるぎなき安全をつくりだすために、「命を守る!!ルールを理解し、実践する」をスローガンに、安全創造運動に取り組みました。また、車両の新製や老朽設備の取替等の安全投資を着実に実施しました。
サービス面では、新型コロナウイルス感染症の感染防止に配慮しながら、お客さま一人ひとりのニーズを汲み取り、期待に応えスピーディーに行動することに努めました。また、ライオン株式会社とタイアップしたD&S列車での衛生プロモーションやシェアオフィス新幹線の試験的な運転等、新しい生活様式に合わせた安全で安心してご利用いただけるサービスの提供にも努めました。
営業面では、九州新幹線全線開業10周年を記念した熊本、鹿児島を対象とした観光キャンペーンや、HKT48をパートナーに「もっと!みんなの九州プロジェクト」を実施しました。また、「列車こそ、ネットでね!」をキャッチコピーに、インターネット列車予約サービスのご利用拡大に向けたプロモーションを実施しました。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うお客さまのご利用減少に合わせ、一部の割引きっぷの発売終了または価格改定を実施するとともに、新たな収益機会の獲得を目指した新幹線荷物輸送の事業を開始しました。
輸送面では、駅や車両における感染防止対策を講じつつ、交通ネットワークという社会インフラの維持に努めました。「平成29年7月九州北部豪雨」の影響により添田~夜明間で代行輸送を行っている日田彦山線においては、バス高速輸送システム(BRT)の導入による復旧について関係自治体と合意し、復旧に向けた準備を進めています。また、昨年7月に発生した「令和2年7月豪雨」の影響により、肥薩線の鉄道施設に被害が生じ、一部区間において代行輸送を行っております。
船舶事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための水際対策として、日本政府から旅客運送停止要請を受け、昨年3月からの定期航路全便の運航休止を継続しました。また、定期航路の運航休止中の取り組みとして、本年3月から新型高速船「QUEEN BEETLE」での国内遊覧運航を実施しておりましたが、福岡県にまん延防止等重点措置と同等の措置が実施されたことを受け、国内遊覧運航についても5月6日から運航を休止しました。
バス事業においては、感染拡大防止の取り組みを通してお客さまに安心してご乗車いただける環境づくりに努めつつ、ご利用状況に応じた減便を行いました。
新たなモビリティサービス(MaaS)の分野においては、第一交通産業株式会社及び西日本鉄道株式会社との連携を軸に、持続可能な公共交通ネットワークの構築に向けた取り組みを推進しました。2020年度にMaaSの取り組みを開始した宮崎地区においては、多様な交通モードの連携によるシームレスな交通サービスの実現や、「アミュプラザみやざき」等の商業施設及び観光施設と連携した来街促進と中心市街地の回遊性向上を目指した取り組みを引き続き実施しました。また、新型コロナウイルス感染症の影響でMaaSに関する取り組みを延期していた由布院地区においても、観光客の利便性向上と観光客・地元住民の双方が活用できる持続可能な交通サービスの実現を目標に、MaaSに関する取り組みの検討を再開しました。さらに、西日本旅客鉄道株式会社が提供するMaaSアプリを通じ、当社管内の駅に関する情報を提供することに合意し、サービスの提供を開始するなど、他の交通事業者との連携による取り組みを推進しました。
この結果、営業収益は前年同期比39.7%増の241億70百万円、営業損失は52億15百万円(前年同期の営業損失は139億84百万円)、EBITDAは△31億36百万円(前年同期のEBITDAは△113億71百万円)となりました。
② 建設グループ
建設業においては、鉄道の専門技術を活かし、鉄道に係る土木・軌道・建築工事やメンテナンス事業、車両機械設備工事業を通して鉄道事業の安全・安定輸送に貢献しました。鉄道工事については、昨年度に引き続き、西九州新幹線や北陸新幹線関連工事の着実な遂行に努めました。
さらに、鉄道高架化工事、新幹線関連工事、マンション工事等、官公庁工事や民間工事の受注やコスト削減に努めました。
この結果、営業収益は前年同期比6.3%増の179億28百万円、営業利益は前年同期比30.5%減の1億83百万円、EBITDAは前年同期比16.3%減の4億22百万円となりました。
③ 不動産・ホテルグループ
不動産賃貸業においては、本年4月に「アミュプラザくまもと」を開業しました。一方で、地方自治体からの要請に従い、駅ビルにおいては、営業時間短縮や、一部テナントの店舗休業を実施しました。
不動産販売業においては、モデルルームの感染防止対策を講じつつ、分譲マンション「MJR堺筋本町タワー」、「MJR平尾駅前」や「MJRザ・ガーデン鹿児島中央」等を売上に計上したほか、「MJRザ・ガーデン下大利」、「MJRザ・ガーデン香椎」や「MJR熊本ザ・タワー」等の販売に取り組みました。
ホテル業においては、本年4月に「THE BLOSSOM KUMAMOTO」を開業しました。さらに、テレワークプランの販売等、限られた需要の取り込みを図りました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う移動の自粛やイベントの中止、インバウンド需要の消滅等の影響を受けました。
この結果、営業収益は前年同期比119.2%増の252億50百万円、営業利益は40億34百万円(前年同期の営業損失は3億53百万円)、EBITDAは前年同期比184.7%増の75億5百万円となりました。
④ 流通・外食グループ
小売業においては、コンビニエンスストアのリニューアルを行うとともに、本年4月に開業した「アミュプラザくまもと」に「ハンズビーアミュプラザくまもと店」を出店しました。また、JR東日本グループのECサイト「JRE MALL」における「銘品蔵」及び「博多運盛」のオンラインショップ出店や、限定商品の販売企画の実施など、需要創出に努めました。
飲食業においては、本年4月に開業した「アミュプラザくまもと」にシナモンロール専門店「シナボン」を出店するなど新規出店の拡大に努めました。また、九州新幹線を活用した荷物輸送サービス「はやっ!便」を利用して、鹿児島限定販売の駅弁当を博多駅の店舗で販売する取り組みを開始したほか、博多駅のホームの店舗をポップアップショップとして活用する取り組みを継続するなど、新たな需要の創出に向けた取り組みを行いました。さらに、不採算店舗の閉店など一層の経営効率化にも努めました。
しかしながら、駅構内店舗や既存の飲食店舗で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う移動需要の減少および消費需要の低迷による影響を受けるとともに、昨年5月にJR九州ドラッグイレブン株式会社の株式の一部を株式会社ツルハホールディングスへ譲渡し、同社を前年第1四半期連結会計期間末より連結の範囲から除外したことの影響を受けました。
この結果、営業収益は前年同期比51.8%減の94億54百万円、営業損失は8億25百万円(前年同期の営業損失は15億11百万円)、EBITDAは△5億43百万円(前年同期のEBITDAは△10億96百万円)となりました。
⑤ その他グループ
建設機械販売・レンタル事業においては、積極的な営業活動を行い収益の確保に努めました。
この結果、営業収益は前年同期比4.5%減の136億79百万円、営業利益は前年同期比327.1%増の5億78百万円、EBITDAは前年同期比89.5%増の9億66百万円となりました。
(注) セグメント別のEBITDAは、各セグメントにおける営業利益に減価償却費を加えた数値(セグメント間取引
消去前、転貸を目的としたリース資産に係る減価償却費を除く)であります。
(参考)当社の鉄道事業の営業実績
①輸送実績
区分 | 単位 | 第35期第1四半期累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) | ||||
前年同期比(%) | ||||||
営業日数 | 日 | 91 | 100.0 | |||
営業キロ | 新幹線 | キロ | 288.9 | 100.0 | ||
在来線 | 〃 | 1,984.1 | 100.0 | |||
計 | 〃 | 2,273.0 | 100.0 | |||
輸送人員 | 定期 | 千人 | 51,560 | 115.1 | ||
定期外 | 〃 | 17,251 | 151.7 | |||
計 | 〃 | 68,811 | 122.5 | |||
輸送人キロ | 新幹線 | 定期 | 千人キロ | 47,631 | 106.5 | |
定期外 | 〃 | 153,937 | 168.7 | |||
計 | 〃 | 201,569 | 148.3 | |||
在来線 | 幹線 | 定期 | 〃 | 821,279 | 117.5 | |
定期外 | 〃 | 315,903 | 164.2 | |||
計 | 〃 | 1,137,183 | 127.5 | |||
地方 交通線 | 定期 | 〃 | 124,222 | 116.2 | ||
定期外 | 〃 | 33,159 | 156.9 | |||
計 | 〃 | 157,381 | 123.0 | |||
計 | 定期 | 〃 | 945,502 | 117.3 | ||
定期外 | 〃 | 349,063 | 163.5 | |||
計 | 〃 | 1,294,565 | 127.0 | |||
合計 | 定期 | 〃 | 993,133 | 116.7 | ||
定期外 | 〃 | 503,000 | 165.0 | |||
計 | 〃 | 1,496,134 | 129.5 |
②収入実績
区分 | 単位 | 第35期第1四半期累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) | |||
前年同期比(%) | |||||
旅客運輸収入 | 新幹線 | 定期 | 百万円 | 647 | 106.8 |
定期外 | 〃 | 4,717 | 177.2 | ||
計 | 〃 | 5,364 | 164.2 | ||
在来線 | 定期 | 〃 | 6,591 | 119.3 | |
定期外 | 〃 | 7,717 | 174.9 | ||
計 | 〃 | 14,309 | 144.0 | ||
合計 | 定期 | 〃 | 7,239 | 118.0 | |
定期外 | 〃 | 12,434 | 175.8 | ||
計 | 〃 | 19,674 | 149.0 | ||
荷物収入 | 〃 | 0 | 813.1 | ||
合計 | 〃 | 19,674 | 149.0 | ||
鉄道線路使用料収入 | 〃 | 120 | 91.4 | ||
運輸雑収 | 〃 | 3,022 | 104.8 | ||
収入合計 | 〃 | 22,818 | 140.6 |
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産の部の合計額は、前連結会計年度末に比べ3.2%減少し、8,628億67百万円となりました。流動資産は、売掛金の回収等により前連結会計年度末に比べ27.8%減少し、1,451億40百万円となりました。固定資産は、有形固定資産の取得等により前連結会計年度末に比べ3.9%増加し、7,177億27百万円となりました。
一方、負債の部の合計額は、前連結会計年度末に比べ2.8%減少し、4,819億26百万円となりました。流動負債は、買掛金や未払金の支払等により前連結会計年度末に比べ22.7%減少し、1,118億63百万円となりました。固定負債は、社債の発行等により前連結会計年度末に比べ5.3%増加し、3,700億63百万円となりました。
また、純資産の部の合計額は、前連結会計年度末に比べ3.7%減少し、3,809億40百万円となりました。これは、配当金の支払等による利益剰余金の減等によるものです。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、85百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。