有価証券報告書-第12期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/26 15:00
【資料】
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【項目】
113項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの名称を「インターネットメディア事業」から「成約支援事業」に変更しております。また、「就職領域」を「人材支援サービス」に、「エネルギー領域」、「ファイナンス領域」、及び「リフォーム領域」を「販促支援サービス」に変更しております。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、社会経済活動を維持しながら新型コロナウイルス感染症拡大を防止する新たな局面に入り、本格的な経済活動の再開に向け動きはじめました。しかしながら、旅行や観光・飲食等コロナ禍で大打撃を受けた産業の回復の兆しが見えている一方で、ウクライナ情勢の緊迫化やそれに伴う原油などの資源価格の高騰などもあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループの主要市場である新卒採用支援市場においては、企業の新卒・若手人材に対する採用意欲の回復や採用活動の早期化・長期化により2023年度の市場規模は1,401億円(前期比106.8%※矢野経済研究所「新卒採用支援市場の現状と展望2023年度版」)と、2020年のコロナ禍と比較し回復に転じております。また、今後においても、採用競争の激化に加えて、リスキリングの活用や成長産業への人材の流動化が加速化し、企業における若手人材の需要の高まりにより新卒及び若年層採用支援サービスは拡大基調であると推測しております。
このような環境の中、当社グループにおいては、「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスに掲げ、社会課題に対して、テクノロジー×リアルで解決していくことを目指し、人材採用、販促における成約支援事業を展開しております。
人材支援サービスでは、国内最大級の就活ノウハウ情報プロダクト「キャリアパーク!」や、国内最大級就活生向け企業口コミ情報プロダクト「就活会議」を運営しており、新卒層の75%以上が会員となっております。
販促支援サービスでは、エネルギー領域、カードローン領域、リフォーム領域に展開し、企業における販促活動支援サービスを提供しており、2022年3月期第4四半期に株式会社INEの連結子会社化を通じたエネルギー市場への参入や各市場におけるパートナー企業との業務提携等を積極的に行っております。
各サービスにおいて2023年3月期では以下の取組を進めてまいりました。
人材支援サービスでは、求人全体の数は2023年3月期においては未だ回復しきっていないものの、採用継続中の企業の求人ニーズが底堅く、採用競争が激化している中で、インバウンド回復等、外部環境が良好な状況において、新卒層の約75%となる会員数を基盤にアライアンス、人材紹介とも前年同期比、計画比で好調な推移となり、大幅な増収増益を達成しております。
販促支援サービスでは、中心となるエネルギー領域においては電力事業者の新規顧客獲得余力は低下傾向にあるものの、ユーザーの電力見直しニーズの高まりがある中で、成約率を高い水準で維持し、ガス等のクロスセル強化の効果も出ており、前年同水準で見込んでいた電力成約件数が前年同期を上回る推移となっております。
こうした施策の成果もあり、人材支援サービスが好調な推移で業績を牽引し、また厳しい外部環境においても販促支援サービスにおけるエネルギー領域が善戦していることで、売上収益11,364百万円(前年同期比62.5%増)、営業利益1,699百万円(前年同期比183.3%増)、税引前当期利益1,658百万円(前年同期比193.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,074百万円(前年同期比223.3%増)となりました。
なお、当社グループの事業セグメントは成約支援事業のみの単一セグメントであるため、記載を省略しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は5,872百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円減少しました。これは主に、営業債権及びその他の債権が238百万円増加した一方、その他の金融資産が244百万円減少したことによるものであります。
また、非流動資産は5,562百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,118百万円増加しました。これは主に、使用権資産が342百万円、その他の金融資産が281百万円、有形固定資産が253百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は11,435百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,112百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は3,023百万円となり、前連結会計年度末に比べ37百万円減少しました。これは主に、リース負債が47百万円、営業債務及びその他の債務が41百万円、社債及び借入金が31百万円増加した一方、その他の金融負債が157百万円減少したことによるものであります。
また、非流動負債は4,392百万円となり、前連結会計年度末に比べ117百万円増加しました。これは主に、リース負債が327百万円増加した一方、社債及び借入金が261百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は7,415百万円となり、前連結会計年度末に比べ80百万円増加しました。
(資本)
当連結会計年度末における資本は4,019百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,032百万円増加しました。これは主に、当期利益1,232百万円の計上及び自己株式の取得△200百万円によるものであります。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は、28.4%(前連結会計年度末は22.9%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ89百万円減少し、当連結会計年度末には3,872百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,339百万円(前連結会計年度比724百万円増)となりました。これは主に、税引前当期利益の計上1,658百万円、減価償却費及び償却費の計上299百万円、営業債権及びその他の債権の増加244百万円、営業債務及びその他の債務の増加235百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は507百万円(前連結会計年度比38百万円増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出309百万円、投資有価証券の取得による支出221百万円、定期預金の払戻による収入250百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は921百万円(前連結会計年度は1,406百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入491百万円、長期借入金の返済による支出861百万円、割賦未払金の返済による支出350百万円、自己株式の取得による支出201百万円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業別に示すと、次のとおりであります。なお、当社グループの事業セグメントは成約支援事業のみの単一セグメントであるため、記載を省略しております。
事業の名称販売額(百万円)前年同期比(%)
成約支援事業11,364162.5
合計11,364162.5

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
株式会社レントラックス1,09015.61,22210.8
Performance Horizon
Group株式会社
78111.2--

(注) 当連結会計年度における総販売実績に占めるPerformance Horizon Group株式会社の割合は10%未満であるため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。成長のための重要ポイントである成約社数と一社当たり単価の拡大のため、成約支援に係わる人材の増員を図るとともに生産性を維持、向上させることで、人材支援サービスが著しい成長を実現し、外部環境が厳しい中で販促支援サービスエネルギー領域が善戦したこともあり2020年9月に公表した中期経営計画の最終年度目標の売上収益、EBITDA目標を上回る着地となりました。
今後も当社グループを取り巻く経営環境等に常に留意しつつ、2024年3月期予想の売上収益138億円、EBITDA23億円の達成に向けて、各領域ともに更なる事業成長を目指してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。また、持続的な成長を図るため就活領域をはじめとした既存事業の拡大と新規メディア開発を行っており、これらに必要な資金については必要に応じて多様な資金調達を実施しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債(社債及び借入金)残高は4,703百万円、現金及び現金同等物の残高は3,872百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。