有価証券報告書-第10期(2023/10/01-2024/09/30)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
2023年12月8日公表の中計の3つの改革、ⅰ)事業構造改革、ⅱ) コスト構造改革、ⅲ)組織体制・企業風土構造改革の取り組みにつき、初年度にあたる当連結会計年度では、主に以下に記載の取り組みを行いました。
ⅰ)事業構造改革
当社グループの成長事業であるテストセンター事業をさらに事業拡大するため、2つの組織再編を行いました。まず2023年12月25日付でサクセススペース株式会社および有限会社システムアンドコンサルティング(現 株式会社システムアンドコンサルティング)の株式を取得し、これにより、テストセンター運営業務を一貫して行うことにより迅速かつ効率的なサービス提供が可能となりました。2024年7月には、株式会社教育測定研究所からの新設分割により株式会社EdTech RISEを設立し、株式会社Z会(以下、「Z会」といいます。)に株式会社EdTech RISEの株式の49%を譲渡しました。このZ会の資本参加によって、テストセンター事業の拡大及び安定的運用のための一層の運営体制及び資金調達力の強化を図ることが可能となりました。
また、不採算のプラットフォーム事業からの撤退やその他不採算の一部サービスの停止により、原価構造のスリム化を行いました。
ⅱ)コスト構造改革
国内においては、2024年2月に本社を渋谷から品川に移転させたことにより、グループとしての家賃負担(販売費及び一般管理費)の大幅な削減を実現させると共に、管理部門の業務内容の見直しとスリム化を行い、人件費を削減させました。
海外においては、当社グループの海外子会社間の取引仲介および管理業務を行っていたシンガポール連結子会社のEduTech Lab AP Private Limitedの清算手続きに入り、同社が行っていた業務を、当社管理部門で一元管理することとしました。また、以上の海外の法人整理に加えて、ボストンの連結子会社のEduLab Capital Mnagement Company, LLCにおいても人員縮小と管理費の削減を行いました。
ⅲ) 組織体制・企業風土改革
中計に基づく営業組織体制の変更、人事評価制度の再構築は、当連結会計年度期初から予定通り実行し、事業運営に大きく寄与しています。
以上の中計の3つの改革の取り組みの結果、当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高7,141,884千円(前期比1.1%増)、営業損失325,746千円(前期は540,391千円の営業損失)、経常損失492,616千円(前期は経常損失616,056千円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,273,591千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失3,105,217千円)となりました。
経常損失と親会社株主に帰属する当期純損失との乖離の主な要因は、将来に損失を繰り延べないためのソフトウエア等の固定資産の減損損失、投資有価証券の評価損及び事業構造改革引当金繰入等による特別損失合計547,589千円が発生したことや、さらに新設分割子会社の株式会社EdTech RISEにおける法人税等の計上や、当社における過年度に係る法人税等の計上により、法人税等合計250,215千円が発生したことによるものです。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
a. テスト等ライセンス事業
テスト等ライセンス事業においては、英語スピーキングテストのライセンス収入やオンライン英語テスト「CASEC」の売上減少等により、当該セグメントの売上高は774,133千円(前期比16.3%減)となりましたが、前期に計上したソフトウエアの減損損失に伴う減価償却費の減少や、不採算サービスの停止等に伴う販売費及び一般管理費等の減少により、セグメント利益は93,372千円(同14.7%増)となりました。
b. 教育プラットフォーム事業
教育プラットフォーム事業につきましては、主に当社子会社が特定の顧客に対して提供する語学ラーニングツールの利用に関するライセンス契約が、期間満了日である2023年3月31日付けで終了したことにより不採算となったため、当社グループは、2024年3月末をもって当該事業から撤退しました。このような状況の下で、サービスを継続した広告事業が順調に推移した一方で、英語学習サービスのライセンス収入が受験者数の減少にともない売上減少となり、その結果、当該セグメントの売上高は477,061千円(前期比67.8%減)、セグメント損失は86,212千円(前期はセグメント利益117,271千円)にとどまりました。
c. テストセンター事業
テストセンター事業においては、テストセンター利用者数が増加基調に推移したことに加え、2023年12月25日付で株式を取得したサクセススペース株式会社(以下、「SS社」と言います。)及び株式会社システムサポート(以下、「SAC社」といいます。)の業績が寄与し、当該セグメントの売上高は3,214,069千円(前期比10.4%増)、セグメント利益は368,716千円(同10.0%増)となりました。
d. AI事業
AI事業においては、自動採点に関連したライセンス収入が増加しましたが、手書き文字認識エンジン(AI-OCR)「DEEP READ」にて特定顧客向けの一部プロジェクトの終了に伴い、前年同期比で減収となりました。費用面では、減価償却費等の増加があり、結果として当該セグメントの売上高は335,067千円(前期比4.4%減)、セグメント利益は25,901千円(前期比77.4%減)となりました。
e. テスト運営・受託事業
テスト運営・受託事業においては、前年度に文部科学省による全国学力・学習状況調査(小学校事業)を再委託機関として受託しましたが、当連結会計年度は、単独で受託したこと等により前期比増収となりました。結果として、当該セグメントの売上高2,443,786千円(前期比70.5%増)、セグメント利益は217,737千円(前期はセグメント損失24,817千円)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における財政状態は、資産は3,644,354千円(前連結会計年度末比2,377,225千円減)、負債は1,877,090千円(前連結会計年度末比2,259,636千円減)、純資産は1,767,263千円(前連結会計年度末比117,588千円減)となりました。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて2,312,088千円減少し、2,981,753千円となりました。これは、借入金の返済等により、現金及び預金が2,173,436千円減少したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて64,200千円減少し、661,385千円となりました。これは、有形固定資産が、141,150千円増加したことや、敷金及び保証金が172,374千円減少したことなどによります。
繰延資産は、前連結会計年度末に比べ936千円減少し、1,214千円となりました。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて2,377,225千円減少し、3,644,354千円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,997,777千円減少し、1,662,013千円となりました。これは、借入金の返済等により、借入金及び社債が1,426,156千円減少したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて261,859千円減少し、215,077千円となりました。これは、借入金及び社債が201,234千円減少したことなどによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて2,259,636千円減少し、1,877,090千円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて117,588千円減少し、1,767,263千円となりました。これは、当期純損失の計上による利益剰余金の減少や為替換算調整勘定の減少がありましたが、一方、子会社の一部株式譲渡による資本剰余金の増加などの増減要因によります。(連結株主資本等変動計算書ご参照。)
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、1,571,435千円(前連結会計年度末比1,050,932千円減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,227,116千円の支出(前連結会計年度は336,612千円の収入)となり、前期比大幅な支出増となりました。これは、税金等調整前当期純損失1,040,206千円(前連結会計年度は3,189,669千円)などの減少要因があるものの、主に減損損失202,584千円(前連結会計年度は2,032,254千円)などの非資金支出、前受金の減少額339,550千円等の減少要因の影響によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは997,152千円の収入(前連結会計年度は1,434,256千円の収入)となりました。これは、定期預金の払戻による収入1,122,503千円(前連結会計年度は4,496,021千円)、ソフトウエア開発による無形固定資産の取得による支出244,287千円(前連結会計年度は330,654千円)などの影響によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは900,150千円の支出(前連結会計年度は2,560,846千円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済による支出1,317,468千円(前連結会計年度は1,630,686千円)などの影響によります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)テスト運営・受託事業以外のセグメントについては事業の性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り・仮定設定を必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高7,141,884千円(前年同期比1.1%増)となりました。これはテストセンター事業の売上高が3,214,069千円(前年同期比10.4%増)、テスト運営・受託事業の売上高が2,443,786千円(前期比70.5%増)と増加しましたが、テスト等ライセンス事業774,133千円(前年同期比16.3%減)、教育プラットフォーム事業の売上高が477,061千円(前年同期比67.8%減)、AI事業の売上高が335,067千円(前年同期比4.4%減)、減少したこと等によります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は5,422,902千円(前年同期比5.7%増)となりました。その結果、売上総利益は1,718,982千円(前年同期比35.5%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,044,728千円(前年同期比17.2%減)となりました。これは業務委託費や人件費が削減されたこと等によります。その結果、営業損失は325,746千円(前連結会計年度は、540,391千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は受取利息30,405千円、事業撤退益86,4960千円等により172,171千円となり、営業外費用は投資事業組合管理費151,562千円、支払利息13,724千円等により339,042千円となりました。その結果、経常損失は492,616千円(前連結会計年度は、616,056千円の経常損失)となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損失は減損損失202,584千円、投資有価証券評価損107,593千円、訴訟関連費用引当金繰入額97,000千円、事業構造改革引当金繰入額32,000千円等により547,589千円となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失1,273,591千円(前連結会計年度は、3,105,217千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
b. 財政状態
財政状態の状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照ください。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要につきましては、売上原価並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
設備資金需要の主なものは、テスト及びラーニングツール開発のためのソフトウエア開発及びコンテンツ開発費であります。当連結会計年度においては、299,399円の設備投資となりました。
翌連結会計年度の資金需要については、ソフトウエア開発及びコンテンツ開発による設備投資を中心に235百万円を予定しております。
運転資金につきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて金融機関から短期借入を実施しております。設備投資資金につきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて長期借入の実施、社債発行を行っております。
今後も収益構造の強化と成長性の維持のため継続的な設備投資が必要となりますので、安定的な自己資金の確保を目指してまいります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業運営体制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズにあったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行っていく予定でおります。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、持続的な成長を目指した体制構築に向け、2024年9月期から2026年9月期までの3年間を期間とする、「中期経営計画 -事業計画及び成長可能性に関する事項-」を2023年12月8日に公表いたしました。
当社は、以下に記載する3つの改革に取り組み、2025年9月期に、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の黒字化を目指します。
i) 事業構造改革
事業ポートフォリオの見直しを行い、高付加価値事業及び成長事業に対して経営資源を積極的に投下するとともに、不採算事業からの撤退を行い、高収益な企業体制を目指します。具体的には、テスト等ライセンス事業及びテスト運営・受託事業で、より付加価値を高めていくとともに、テストセンター事業及びAI事業を成長事業として育成します。一方で、教育プラットフォーム事業については、上記に記載の通り、撤退することで、他事業へ資源を再配分してまいります。
ii) コスト構造改革
早期のコスト削減、人員の再配置を行い、筋肉質な組織体制を目指します。具体的には、海外子会社の運営体制の見直しによるスリム化、外注費の最適化、オフィス移転を含めた徹底的な販管費の削減に取り組むとともに、一部事業・サービス撤退による、成長事業への人員の再配置を行います。
iii) 組織体制・企業風土改革
これまでの事業部制を廃止し、顧客軸とプロダクト軸を明確にし、顧客ニーズに応じた適切なソリューションを提供する組織へ移行することで複合的なサービス展開を行い、更なる販売拡大を目指します。また、これまで取り組んできたガバナンス体制強化に引き続き注力していきます。さらに、人事評価制度を再構築することで、変革に挑戦できる組織を目指してまいります。
⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について
国内教育市場においては、児童・生徒1人に1台端末が整備され、学校のICT環境の更新、データ利活用など更なる進化が必要なフェーズに入っております。テスト市場全体においては、従来型のペーパー(紙)ベースのテストからコンピュータベースのテスト(CBT:Computer Based Testing)への移行が進みつつあり、学習のオンライン化及びテストのCBT化が加速する傾向が続いております。また、英語教育の低年齢化、リスキリング需要の高まり及びデジタル化により、英語に対する教育とテスト需要の拡大も見込まれております。当社グループはこれを事業機会と捉え、経営資源を投入してまいります。
海外においては、海外子会社の運営体制の見直しによるスリム化を図り、早期のコスト削減を目指してまいります。選択と集中を意識した経営資源投入を行い、事業を展開してまいります。
経営者の問題認識については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
2023年12月8日公表の中計の3つの改革、ⅰ)事業構造改革、ⅱ) コスト構造改革、ⅲ)組織体制・企業風土構造改革の取り組みにつき、初年度にあたる当連結会計年度では、主に以下に記載の取り組みを行いました。
ⅰ)事業構造改革
当社グループの成長事業であるテストセンター事業をさらに事業拡大するため、2つの組織再編を行いました。まず2023年12月25日付でサクセススペース株式会社および有限会社システムアンドコンサルティング(現 株式会社システムアンドコンサルティング)の株式を取得し、これにより、テストセンター運営業務を一貫して行うことにより迅速かつ効率的なサービス提供が可能となりました。2024年7月には、株式会社教育測定研究所からの新設分割により株式会社EdTech RISEを設立し、株式会社Z会(以下、「Z会」といいます。)に株式会社EdTech RISEの株式の49%を譲渡しました。このZ会の資本参加によって、テストセンター事業の拡大及び安定的運用のための一層の運営体制及び資金調達力の強化を図ることが可能となりました。
また、不採算のプラットフォーム事業からの撤退やその他不採算の一部サービスの停止により、原価構造のスリム化を行いました。
ⅱ)コスト構造改革
国内においては、2024年2月に本社を渋谷から品川に移転させたことにより、グループとしての家賃負担(販売費及び一般管理費)の大幅な削減を実現させると共に、管理部門の業務内容の見直しとスリム化を行い、人件費を削減させました。
海外においては、当社グループの海外子会社間の取引仲介および管理業務を行っていたシンガポール連結子会社のEduTech Lab AP Private Limitedの清算手続きに入り、同社が行っていた業務を、当社管理部門で一元管理することとしました。また、以上の海外の法人整理に加えて、ボストンの連結子会社のEduLab Capital Mnagement Company, LLCにおいても人員縮小と管理費の削減を行いました。
ⅲ) 組織体制・企業風土改革
中計に基づく営業組織体制の変更、人事評価制度の再構築は、当連結会計年度期初から予定通り実行し、事業運営に大きく寄与しています。
以上の中計の3つの改革の取り組みの結果、当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高7,141,884千円(前期比1.1%増)、営業損失325,746千円(前期は540,391千円の営業損失)、経常損失492,616千円(前期は経常損失616,056千円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,273,591千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失3,105,217千円)となりました。
経常損失と親会社株主に帰属する当期純損失との乖離の主な要因は、将来に損失を繰り延べないためのソフトウエア等の固定資産の減損損失、投資有価証券の評価損及び事業構造改革引当金繰入等による特別損失合計547,589千円が発生したことや、さらに新設分割子会社の株式会社EdTech RISEにおける法人税等の計上や、当社における過年度に係る法人税等の計上により、法人税等合計250,215千円が発生したことによるものです。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
a. テスト等ライセンス事業
テスト等ライセンス事業においては、英語スピーキングテストのライセンス収入やオンライン英語テスト「CASEC」の売上減少等により、当該セグメントの売上高は774,133千円(前期比16.3%減)となりましたが、前期に計上したソフトウエアの減損損失に伴う減価償却費の減少や、不採算サービスの停止等に伴う販売費及び一般管理費等の減少により、セグメント利益は93,372千円(同14.7%増)となりました。
b. 教育プラットフォーム事業
教育プラットフォーム事業につきましては、主に当社子会社が特定の顧客に対して提供する語学ラーニングツールの利用に関するライセンス契約が、期間満了日である2023年3月31日付けで終了したことにより不採算となったため、当社グループは、2024年3月末をもって当該事業から撤退しました。このような状況の下で、サービスを継続した広告事業が順調に推移した一方で、英語学習サービスのライセンス収入が受験者数の減少にともない売上減少となり、その結果、当該セグメントの売上高は477,061千円(前期比67.8%減)、セグメント損失は86,212千円(前期はセグメント利益117,271千円)にとどまりました。
c. テストセンター事業
テストセンター事業においては、テストセンター利用者数が増加基調に推移したことに加え、2023年12月25日付で株式を取得したサクセススペース株式会社(以下、「SS社」と言います。)及び株式会社システムサポート(以下、「SAC社」といいます。)の業績が寄与し、当該セグメントの売上高は3,214,069千円(前期比10.4%増)、セグメント利益は368,716千円(同10.0%増)となりました。
d. AI事業
AI事業においては、自動採点に関連したライセンス収入が増加しましたが、手書き文字認識エンジン(AI-OCR)「DEEP READ」にて特定顧客向けの一部プロジェクトの終了に伴い、前年同期比で減収となりました。費用面では、減価償却費等の増加があり、結果として当該セグメントの売上高は335,067千円(前期比4.4%減)、セグメント利益は25,901千円(前期比77.4%減)となりました。
e. テスト運営・受託事業
テスト運営・受託事業においては、前年度に文部科学省による全国学力・学習状況調査(小学校事業)を再委託機関として受託しましたが、当連結会計年度は、単独で受託したこと等により前期比増収となりました。結果として、当該セグメントの売上高2,443,786千円(前期比70.5%増)、セグメント利益は217,737千円(前期はセグメント損失24,817千円)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における財政状態は、資産は3,644,354千円(前連結会計年度末比2,377,225千円減)、負債は1,877,090千円(前連結会計年度末比2,259,636千円減)、純資産は1,767,263千円(前連結会計年度末比117,588千円減)となりました。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて2,312,088千円減少し、2,981,753千円となりました。これは、借入金の返済等により、現金及び預金が2,173,436千円減少したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて64,200千円減少し、661,385千円となりました。これは、有形固定資産が、141,150千円増加したことや、敷金及び保証金が172,374千円減少したことなどによります。
繰延資産は、前連結会計年度末に比べ936千円減少し、1,214千円となりました。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて2,377,225千円減少し、3,644,354千円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,997,777千円減少し、1,662,013千円となりました。これは、借入金の返済等により、借入金及び社債が1,426,156千円減少したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて261,859千円減少し、215,077千円となりました。これは、借入金及び社債が201,234千円減少したことなどによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて2,259,636千円減少し、1,877,090千円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて117,588千円減少し、1,767,263千円となりました。これは、当期純損失の計上による利益剰余金の減少や為替換算調整勘定の減少がありましたが、一方、子会社の一部株式譲渡による資本剰余金の増加などの増減要因によります。(連結株主資本等変動計算書ご参照。)
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、1,571,435千円(前連結会計年度末比1,050,932千円減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,227,116千円の支出(前連結会計年度は336,612千円の収入)となり、前期比大幅な支出増となりました。これは、税金等調整前当期純損失1,040,206千円(前連結会計年度は3,189,669千円)などの減少要因があるものの、主に減損損失202,584千円(前連結会計年度は2,032,254千円)などの非資金支出、前受金の減少額339,550千円等の減少要因の影響によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは997,152千円の収入(前連結会計年度は1,434,256千円の収入)となりました。これは、定期預金の払戻による収入1,122,503千円(前連結会計年度は4,496,021千円)、ソフトウエア開発による無形固定資産の取得による支出244,287千円(前連結会計年度は330,654千円)などの影響によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは900,150千円の支出(前連結会計年度は2,560,846千円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済による支出1,317,468千円(前連結会計年度は1,630,686千円)などの影響によります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | |||
| 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| テスト運営・受託事業 | 2,075,261 | 146.8 | 334,947 | 83.2 |
(注)テスト運営・受託事業以外のセグメントについては事業の性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| テスト等ライセンス事業 | 774,133 | 83.7 |
| 教育プラットフォーム事業 | 477,061 | 32.2 |
| テストセンター事業 | 3,153,315 | 110.4 |
| AI事業 | 293,587 | 95.6 |
| テスト運営・受託事業 | 2,443,786 | 170.5 |
| 合計 | 7,141,884 | 101.1 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) | 当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 公益財団法人日本英語検定協会 | 3,818,144 | 54.1 | 2,400,983 | 40.4 |
| 文部科学省 | 205,387 | 2.9 | 1,941,945 | 32.7 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り・仮定設定を必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高7,141,884千円(前年同期比1.1%増)となりました。これはテストセンター事業の売上高が3,214,069千円(前年同期比10.4%増)、テスト運営・受託事業の売上高が2,443,786千円(前期比70.5%増)と増加しましたが、テスト等ライセンス事業774,133千円(前年同期比16.3%減)、教育プラットフォーム事業の売上高が477,061千円(前年同期比67.8%減)、AI事業の売上高が335,067千円(前年同期比4.4%減)、減少したこと等によります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は5,422,902千円(前年同期比5.7%増)となりました。その結果、売上総利益は1,718,982千円(前年同期比35.5%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,044,728千円(前年同期比17.2%減)となりました。これは業務委託費や人件費が削減されたこと等によります。その結果、営業損失は325,746千円(前連結会計年度は、540,391千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は受取利息30,405千円、事業撤退益86,4960千円等により172,171千円となり、営業外費用は投資事業組合管理費151,562千円、支払利息13,724千円等により339,042千円となりました。その結果、経常損失は492,616千円(前連結会計年度は、616,056千円の経常損失)となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損失は減損損失202,584千円、投資有価証券評価損107,593千円、訴訟関連費用引当金繰入額97,000千円、事業構造改革引当金繰入額32,000千円等により547,589千円となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失1,273,591千円(前連結会計年度は、3,105,217千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
b. 財政状態
財政状態の状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照ください。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要につきましては、売上原価並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
設備資金需要の主なものは、テスト及びラーニングツール開発のためのソフトウエア開発及びコンテンツ開発費であります。当連結会計年度においては、299,399円の設備投資となりました。
翌連結会計年度の資金需要については、ソフトウエア開発及びコンテンツ開発による設備投資を中心に235百万円を予定しております。
運転資金につきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて金融機関から短期借入を実施しております。設備投資資金につきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて長期借入の実施、社債発行を行っております。
今後も収益構造の強化と成長性の維持のため継続的な設備投資が必要となりますので、安定的な自己資金の確保を目指してまいります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業運営体制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズにあったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行っていく予定でおります。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、持続的な成長を目指した体制構築に向け、2024年9月期から2026年9月期までの3年間を期間とする、「中期経営計画 -事業計画及び成長可能性に関する事項-」を2023年12月8日に公表いたしました。
当社は、以下に記載する3つの改革に取り組み、2025年9月期に、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の黒字化を目指します。
i) 事業構造改革
事業ポートフォリオの見直しを行い、高付加価値事業及び成長事業に対して経営資源を積極的に投下するとともに、不採算事業からの撤退を行い、高収益な企業体制を目指します。具体的には、テスト等ライセンス事業及びテスト運営・受託事業で、より付加価値を高めていくとともに、テストセンター事業及びAI事業を成長事業として育成します。一方で、教育プラットフォーム事業については、上記に記載の通り、撤退することで、他事業へ資源を再配分してまいります。
ii) コスト構造改革
早期のコスト削減、人員の再配置を行い、筋肉質な組織体制を目指します。具体的には、海外子会社の運営体制の見直しによるスリム化、外注費の最適化、オフィス移転を含めた徹底的な販管費の削減に取り組むとともに、一部事業・サービス撤退による、成長事業への人員の再配置を行います。
iii) 組織体制・企業風土改革
これまでの事業部制を廃止し、顧客軸とプロダクト軸を明確にし、顧客ニーズに応じた適切なソリューションを提供する組織へ移行することで複合的なサービス展開を行い、更なる販売拡大を目指します。また、これまで取り組んできたガバナンス体制強化に引き続き注力していきます。さらに、人事評価制度を再構築することで、変革に挑戦できる組織を目指してまいります。
⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について
国内教育市場においては、児童・生徒1人に1台端末が整備され、学校のICT環境の更新、データ利活用など更なる進化が必要なフェーズに入っております。テスト市場全体においては、従来型のペーパー(紙)ベースのテストからコンピュータベースのテスト(CBT:Computer Based Testing)への移行が進みつつあり、学習のオンライン化及びテストのCBT化が加速する傾向が続いております。また、英語教育の低年齢化、リスキリング需要の高まり及びデジタル化により、英語に対する教育とテスト需要の拡大も見込まれております。当社グループはこれを事業機会と捉え、経営資源を投入してまいります。
海外においては、海外子会社の運営体制の見直しによるスリム化を図り、早期のコスト削減を目指してまいります。選択と集中を意識した経営資源投入を行い、事業を展開してまいります。
経営者の問題認識については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。