有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/01/25 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
95項目
(1) 経営成績等の状況の概況
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
第13期連結会計年度(自 平成29年5月1日 至 平成30年4月30日)
販売高前年同期比
販売実績販売高(千円)前年同期比(%)
クラウドサービス月額利用料等721,949164.5
クラウドサービス関連機器販売等664,819141.0
その他6,49923.1
合計1,393,268148.5

当連結会計年度(平成29年5月1日から平成30年4月30日まで)におけるわが国経済は、個人消費、輸出及び設備投資が緩やかな持ち直しを続けており、回復基調が続いております。近年の第四次産業革命にはじまり、AI等のテクノロジーのめざましい発達や、働き方をはじめとする社会構造の変化、EC市場における従来のB to Cの取引に加えてC to Cの取引の拡大等、社会環境やライフスタイルの変革にも注視し、対応して参る所存でございます。
海外経済におきましては、平成29年後半も引き続き世界的な投資と貿易の拡大が続いており、今後も先進国及び地域各国共に成長が継続されるものと考えております。一方で足元では世界全体の勢力図として米中二大大国を中心としたものに変わってきており、今後も拡大する中国の経済及び政治的勢力の拡大と米国の覇権争いに伴い、その副作用として過度な保護主義や地政学的なリスクに警戒が必要であると考えており、我が国の動向と併せて引き続き注視していく必要があるものと考えております。
当社では、平成29年7月に当社サービス「スマレジ」のメジャーアップデート版である「スマレジ3.0」をリリース致しました。当該アップデートにより、操作性、機能性及びセキュリティ面での大幅な改善を実現し、サービス内容がより充実したものとなりました。このような取り組みと併せ、「スマレジ」を軸に「スマレジ・タイムカード」及び「スマレジ・ウェイター」をはじめとする様々な外部機能と連携できる特色と、自社開発ゆえの一貫した操作性と明快さを魅力として、平成30年1月には「スマレジ」の登録店舗数(注1)が50,000店舗を突破し、引き続き登録店舗数は増加を続けております。また、有料サービスの利用店舗数は当連結会計年度末で7,541店舗(前年同期比43.2%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は1,393百万円(前年同期比48.5%増)、営業利益は303百万円(前年同期比91.9%増)、経常利益は302百万円(前年同期比93.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は216百万円(前年同期比88.3%増)となりました。
なお、当社グループはクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(注1)登録店舗数
有料無料契約に関わらず、実際に「スマレジ」でサインアップを行い、登録された店舗数です。
第14期第2四半期累計期間(自 平成30年5月1日 至 平成30年10月31日)
当第2四半期累計期間(平成30年5月1日から平成30年10月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されますが、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。また、当該期間に発生した自然災害の経済に与える影響にも十分留意する必要があると考えており、引き続き注視して参る所存でございます。
POSレジ市場におきましては、同業他社や、他業態との競争激化が進む中、POSレジ導入に伴う軽減税率対策補助金の申請期間の延長に伴い、引き続き成長が見込まれ、競合他社との競争も激しさを増してゆくものと思慮しております。
このような市場環境のもと、軽減税率対策補助金制度の代理申請事業者として、より厳格で円滑な申請業務の実現に向け、8月より「軽減税率対策補助金申請申し込みフォーム」の実装と運用を開始いたしました。
以上の結果、当第2四半期累計期間の業績につきましては、売上高は875百万円、営業利益は176百万円、経常利益は176百万円、四半期純利益は124百万円となりました。
なお、当社はクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
第13期連結会計年度(自 平成29年5月1日 至 平成30年4月30日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ57百万円増加し、429百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は325百万円(前年同期は139百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益302百万円を計上し、減価償却費29百万円の計上及び長期前払費用償却4百万円の計上があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は137百万円(前年同期は73百万円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出64百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は130百万円(前年同期は165百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出22百万円及び長期借入金の返済による支出107百万円があったこと等によるものであります。
第14期第2四半期累計期間(自 平成30年5月1日 至 平成30年10月31日)
当第2四半期累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、605百万円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は121百万円となりました。これは主に、税引前四半期純利益176百万円を計上し、減価償却費24百万円の計上及び賞与引当金22百万円の増加があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は79百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出51百万円及び無形固定資産の取得による支出22百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は135百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入100百万円があったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、受注生産形態をとる事業を行っていないため、生産規模及び受注規模を金額及び数量で示す記載をしておりません。
また、販売の実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第13期連結会計年度(自 平成29年5月1日 至 平成30年4月30日)
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べて454百万円増加し、1,393百万円(前年同期比48.5%増)となりました。この主な要因は、当社サービス「スマレジ」及び「スマレジ・タイムカード」のユーザー数が増加したこと及び「スマレジ」等導入に伴うレジ周辺機器の販売が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べて170百万円増加し、559百万円(前年同期比44.0%増)となりました。この主な要因は、当社サービス「スマレジ」等の開発、メンテナンスにかかる技術者(ソフトウェアエンジニア)の人件費の増加及びクラウドサービス関連機器販売等の売上増加に伴い機器仕入高が増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べて284百万円増加し、834百万円(前年同期比51.7%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて138百万円増加し、530百万円(前年同期比35.4%増)となりました。この主な要因は、カスタマーサポートの内製化に伴い業務委託費が減少したものの、事業の拡大に伴い人件費が増加したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べて145百万円増加し、303百万円(前年同期比91.9%増)となりました。
また、当社グループでは売上高営業利益率を重要な経営指標の一つとしており、当連結会計年度においては21.8%となりました。本業における競争力を示す収益性指標である売上高営業率は、売上高の増加に伴い向上しており一定水準の効率を維持することができております。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べて146百万円増加し、302百万円(前年同期比93.7%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて101百万円増加し、216百万円(前年同期比88.3%増)となりました。
第14期第2四半期累計期間(自 平成30年5月1日 至 平成30年10月31日)
(売上高)
当第2四半期累計期間の売上高は、875百万円となりました。この主な要因は、前期に引き続き当社サービス「スマレジ」及び「スマレジ・タイムカード」のユーザー数が順調に推移したこと及び「スマレジ」等導入に伴うレジ周辺機器の販売が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当第2四半期累計期間における売上原価は、366百万円となりました。この主な要因は、当社サービス「スマレジ」等の開発、メンテナンスにかかる技術者(ソフトウェアエンジニア)の人件費の増加及びクラウドサービス関連機器販売等の売上増加に伴い機器仕入高が増加したことによるものであります。
この結果、当第2四半期累計期間における売上総利益は、509百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第2四半期累計期間における販売費及び一般管理費は、332百万円となりました。この主な要因は、事業の拡大に伴う人件費の増加及び大阪本社移転に伴う地代家賃の増加等によるものであります。
この結果、当第2四半期累計期間の営業利益は、176百万円となりました。
また、当社では売上高営業利益率を重要な経営指標の一つとしており、当第2四半期累計期間においては20.2%となりました。事業の拡大に伴う人件費の増加や大阪本社移転に伴う地代家賃の増加等により費用が増加しておりますが、売上高は予想通りに進捗しており、一定水準の効率を維持することができております。
(経常利益)
当第2四半期累計期間における経常利益は、176百万円となりました。
(四半期純利益)
当第2四半期累計期間における四半期純利益は、124百万円となりました。
③ 財政状態の分析
第13期連結会計年度(自 平成29年5月1日 至 平成30年4月30日)
(総資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて176百万円増加し、796百万円(前年同期比28.4%増)となりました。この主な要因は、現金及び預金が57百万円及びソフトウエア54百万円が増加したこと等によるものであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて63百万円増加し、558百万円(前年同期比12.9%増)となりました。この主な要因は、現金及び預金57百万円の増加、繰延税金資産6百万円の増加等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて112百万円増加し、237百万円(前年同期比89.8%増)となりました。この主な要因は、無形固定資産において自社開発に伴いソフトウエア54百万円の増加、本社移転に伴う敷金48百万円の増加等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて39百万円減少し、297百万円(前年同期比11.8%減)となりました。この主な要因は、未払法人税等が46百万円増加したものの、長期借入金が91百万円減少したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度における流動負債は、前連結会計年度末に比べて59百万円増加して276百万円(前年同期比27.4%増)となりました。この主な要因は、未払法人税等46百万円の増加、資産除去債務7百万円の増加等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べて99百万円減少して21百万円(前年同期比82.4%減)となりました。この主な要因は、借入金を早期返済したことにより長期借入金が91百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて215百万円増加して498百万円(前年同期比76.3%増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を216百万円計上したことによるものであります。
第14期第2四半期累計期間(自 平成30年5月1日 至 平成30年10月31日)
(資産)
当第2四半期会計期間末における流動資産は、前事業年度末に比べて196百万円増加し、746百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が177百万円、前払費用が11百万円増加したこと等によるものであります。当第2四半期会計期間末における固定資産は、前事業年度末に比べて76百万円増加し、322百万円となりました。この主な要因は、繰延税金資産が12百万円減少したものの、有形固定資産が80百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ273百万円増加し、1,068百万円となりました。
(負債)
当第2四半期会計期間末における流動負債は、前事業年度末に比べて9百万円減少し、267百万円となりました。この主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が19百万円、賞与引当金が22百万円増加したものの、未払法人税等が36百万円減少したこと等によるものであります。当第2四半期会計期間末における固定負債は、前事業年度末に比べて108百万円増加し、129百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が66百万円、資産除去債務が41百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ99百万円増加し、396百万円となりました。
(純資産)
当第2四半期会計期間末における純資産合計は、前事業年度末に比べて174百万円増加して671百万円となりました。これは、資本金及び資本剰余金がそれぞれ24百万円増加したこと、四半期純利益を124百万円計上したことによるものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号平成30年2月16日)等を第1四半期会計期間の期首から適用しており、財政状態については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
④ 資本の財源及び資金の流動性について
当社の資金需要のうち主なものは、商品仕入やソフトウエア開発に係る人件費の他、販売費及び一般管理費(主に、人件費とそれに伴う営業経費等)であります。
当社は、経常的な運転資金や事業規模拡大による設備投資等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により調達された資金を財源としております。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
(5) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社では、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営戦略を立案し、実行するよう努力しておりますが、当社の属するクラウドサービス事業は、開発技術のライフサイクルが早く、内容も多様化しております。また、提供するサービスについても、先端技術や市況の変化を捉え柔軟な事業展開が必要となり、競合他社との競争が激化することも予想されます。
そのような事業環境の中で、当社は、優秀な人材の確保と育成、商品力の強化等をもって、提供先数を拡大するとともに、サービスのクオリティも向上させるよう努力してまいります。