有価証券報告書-第15期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当社は第1四半期連結会計期間末に、投資信託に特化したSaaS型情報ベンダーのロボット投信株式会社の株式を取得し、同社を連結子会社化いたしました。これにより、当連結会計年度末日現在の当社グループは、当社、不動産投資信託(REIT)等の不動産情報ベンダーのProp Tech plus株式会社(前第3四半期連結会計期間末より連結子会社化)及びロボット投信株式会社の3社により構成されております。なお、ロボット投信株式会社の株式取得は第1四半期連結会計期間末であることから、第2四半期連結会計期間より損益計算書を連結しております。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,875,210千円となり、前連結会計年度末に比べ157,951千円の増加となりました。これは主に、売掛金が322,986千円、その他流動資産が63,812千円増加した一方で、現金及び預金が216,736千円減少したことを要因としたものであります。
固定資産は4,114,544千円となり、前連結会計年度末に比べ965,061千円の増加となりました。これは主に、ロボット投信株式会社の株式取得等を要因として、のれんが186,548千円増加したこと、ソフトウエア開発投資により、ソフトウエアが395,735千円増加したこと、資本業務提携の実施等により投資有価証券が617,684千円増加したことを要因としたものであります。
これらの結果、資産合計は、6,989,754千円となり、前連結会計年度末の5,866,742千円から1,123,012千円の増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,251,328千円となり、前連結会計年度末に比べ482,691千円の増加となりました。これは主に、コミットメントラインの実行による借入を要因として短期借入金が500,000千円増加したことを要因としたものであります。
固定負債は1,523,104千円となり、前連結会計年度末に比べ195,196千円の増加となりました。これは主に、長期借入金が201,812千円増加した一方で、社債が20,000千円減少したことを要因としたものであります。
これらの結果、負債合計は2,774,433千円となり、前連結会計年度末の2,096,544千円から677,888千円の増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は4,215,321千円となり、前連結会計年度末に比べ445,123千円の増加となりました。これは主に、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益564,497千円を計上したことにより利益剰余金が564,497千円増加した一方で、前連結会計年度末を基準日とした特別配当の実施等により、資本剰余金が200,570千円減少したことを要因としたものであります。
これらの結果、自己資本比率は56.0%(前連結会計年度末は59.9%)となりました。なお、2021年5月31日に実行いたしましたQUICK及び日本経済新聞社への第三者割当増資により、本書提出日現在の資本金の額は、当連結会計年度末の1,762,268千円から1,749,762千円増加し、3,512,030千円となっております。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におきましては、前連結会計年度から続く新型コロナウイルス感染症拡大の影響により不透明な市場環境が続いたものの、メディア事業では課金収益が拡大、ソリューション事業では、新規顧客の獲得と既存サービスの拡販に加え、Prop Tech plus株式会社の通年寄与が業績を牽引いたしました。また、複数の企業へのマイノリティ出資を実行し、シナジー効果により競争力を強化するとともに、当社コア・アセットの非金融情報分野での活用を推進し、業績面での拡張性を実現いたしました。また、ロボット投信株式会社の子会社化により、投資信託の運用会社及び販売会社などの新たな法人顧客層を獲得いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高が4,158,862千円(前期比49.0%増)、営業利益は759,502千円(前期比45.1%増)、経常利益は734,276千円(前期比45.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は564,497千円(前期比26.1%増)、また、当社において継続的な成長の指標の一つとして重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は1,280,309千円(前期比48.6%増)となりました。
また、特別損益といたしまして、投資有価証券の売却益を特別利益に計上する一方、サービス終了に伴うソフトウエアの減損損失及び新型コロナウイルス感染症拡大に関連する損失としてグループの本社統合費用等を特別損失に計上いたしました。加えて、法人税等調整額といたしまして、当社の継続した利益獲得体制の確立に伴う税金資産の今後の回収可能性を見積り、34,291千円を計上いたしました。
当連結会計年度における報告セグメント別の状況は次のとおりであります。
(メディア事業)
メディア事業は、「みんなの株式」や「Kabutan(株探)」等、当社グループが提供を行う投資家向け情報サイト及び当社グループが業務提携によりサイト運営の一翼を担うサービスから得られる広告収益、並びに一部サイトにおいて提供する有料サービスから得られる課金収益を計上しております。なお、「みんなの株式」は2021年4月25日にシリーズメディア7媒体を統合し、1.05億人の資産形成層(出典:総務省統計局「人口推移」20歳以上の人口合計)をターゲットとする資産形成メディア「MINKABU(みんかぶ)」としてリブランドいたしました。一方、「Kabutan(株探)」におきましては、有料サービス「Kabutan(株探)Premium」に米国株版を導入し、投資家層へのサービスの深掘を推進することを決定しております。
当連結会計年度におきましては、既存の情報サイトへの追加機能の継続的なリリースに加え、2020年7月には日本取引所グループの協力のもと、先物・オプション情報サイト「みんかぶ先物」(注)をリリースし、当社グループが運営するメディアサイト合計の月間平均ユニークユーザー数は前期比143万人増の922万人、同訪問ユーザー数は549万人増の2,789万人と伸長いたしました。広告収益は、コロナ禍での外部環境低迷の長期化から一部広告単価が軟調に推移したものの、第4四半期連結会計期間において、純広告が好調に収益貢献した結果、前年を上回る着地となりました。また、課金収益は「Kabutan(株探)Premium」が順調に成長し、大きく拡大いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,535,020千円(前期比13.6%増)、セグメント利益は530,904千円(前期比2.8%減)となりました。
(注)「みんかぶ先物」は、2021年4月25日、株式等情報メディアから、資産形成情報メディア「MINKABU(みんかぶ)」へのリブランドに伴い、「みんなの株式」をはじめとする、みんかぶメディアシリーズとともに、統合いたしました。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、メディア事業で培ったノウハウを活用したAIにより自動生成させる様々なソフトウエアや、サイト上で収集したクラウドインプットデータ等に加工を施した情報系フィンテックソリューションを第三者に提供するASPサービスの初期導入や月額利用料による収益を中心に事業を展開しております。
当連結会計年度におきましては、自律的成長の継続に加え、第4四半期連結会計期間には2020年9月に締結した株式会社QUICKとの業務提携の推進並びに非金融情報分野での収益化が貢献いたしました。また、前第3四半期連結会計期間末に子会社化し、当連結会計年度は通年寄与となったProp Tech plus株式会社は月額利用料収入を中心に順調に収益貢献いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は2,635,319千円(前期比81.9%増)、セグメント利益は738,039千円(前期比80.2%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ216,736千円減少し、1,847,041千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動のキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、913,971千円の収入(前期は715,178千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が740,723千円となったことに加え、成長投資に伴うソフトウエアの減価償却を中心とした減価償却費合計が436,978千円、のれん償却額が83,827千円となった一方で、売掛債権が327,661千円増加したことを要因としたものであります。
(投資活動のキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,115,437千円の支出(前期は1,620,384千円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式取得による収入が124,292千円となった一方で、ソフトウエア開発投資を中心とした無形固定資産の取得による支出が643,250千円、投資有価証券の取得による支出が604,725千円となったことを要因としたものであります。
(財務活動のキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、15,269千円の支出(前期は933,810千円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増額が400,000千円、長期借入れによる収入が200,000千円、株式の発行による収入が37,949千円となった一方で、長期借入金の返済による支出が383,308千円、社債の償還による支出が50,000千円、配当金の支払額が219,910千円となったことを要因としたものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは受託開発を行っておりますが、受注から開発・納品までの期間が短いため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性のある見積りや予測を行っており、見積りの不確実性による実績との差異が生じる場合があります。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、現時点において、限定的と判断していることに加え、影響がある場合においても、その影響には不確定要素が多く、現時点で見通すことが困難なため、見積りには含んでおりません。
当連結会計年度における当社グループの連結財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、連結財務諸表作成の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。なお、詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におきましては、2020年6月末に、SaaS型投資信託情報ベンダーのロボット投信株式会社の発行済株式数の50.1%を取得して連結子会社化し、連結子会社2社を有する企業集団となりました。また、日本取引所グループや株式会社QUICKなど大手企業との協業や、技術力や企画力を有し当社との事業上のシナジーが高いスタートアップとの資本業務提携を通じた連携を積極的に行い、金融・経済情報分野での事業領域やB2Bの顧客層、プロダクトの拡大、加えて、当社コア・アセットの非金融情報分野での活用として、選挙情報、音楽情報分野への展開を実現し、課題として認識する収益基盤の一層の強化拡大を図ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高が前連結会計年度比49.0%増の4,158,862千円、営業利益は同45.1%増の759,502千円となりました。また、当社グループのビジネスモデルは、コア・アセットが有するデータの網羅性、正確性、速報性という強みから、業績面では再現性の高いものとなっておりますが、当連結会計年度におきましては、中でも頑健な収益基盤となり得るサブスクリプション型売上(メディア事業における月額課金収入及びソリューション事業における月額利用料収入の合計)が全売上高の48.7%に達し、強固な売上構成の構築につながる結果となり、当連結会計年度における経営成績面での発展であったと分析しております。
その他、特別損益といたしまして、投資有価証券の売却益を特別利益に計上する一方、サービス終了に伴うソフトウエアの減損損失及び新型コロナウイルス感染症拡大に関連する損失としてグループの本社統合費用等を特別損失に計上いたしました。加えて、法人税等調整額といたしまして、当社の継続した利益獲得体制の確立に伴う税金資産の今後の回収可能性を見積り、34,291千円を計上いたしました。
また、当社グループは、現在の事業領域においては、変動費を抑制し、減価償却費を含む固定費を中心とした費用構造の構築と、再現性の高いストック型の収益獲得を志向しており、重要視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は、当連結会計年度において1,280,309千円となりました。今後も継続的なEBITDAの拡大を目指し、事業運営を遂行しております。
なお、一層の収益基盤の強化拡大に向け、当連結会計年度において、メディア事業においては、2つの主要メディアのうち「みんなの株式」を、従前の投資家向けメディアから資産形成層向け「MINKABU(みんかぶ)」へとリブランドしTAMを拡大すること、もう一方の、投資経験者向け「Kabutan(株探)」はニーズの高い米国株情報を追加して深掘を進めるとともに、サブスクリプション型収益の拡大を図ることを決定し順次サービスの提供を開始してまいります。更に、当連結会計年度に業務提携を開始した株式会社QUICKとは、一層の関係強化を目的に、同社親会社である株式会社日本経済新聞社を含めた資本業務提携を2021年5月14日に締結し、国内の金融・経済情報におけるデファクト構築に向けた、双方のコンテンツやサービスの連携等の取り組みを開始いたしました。なお、本資本提携により調達した約35億円のうち、25億円については、資本提携等への投資に充当する予定であり、デファクト構築の一環として、現在の当社の事業領域の主軸である金融情報分野を中心に高い事業シナジーが期待できる企業等を対象に、連結子会社化も含め、良好な資本提携等の機会を探ってまいります。

以下、参考情報といたしまして、2020年4月1日から2021年3月31日までを計算期間とした2021年3月期の個別損益は、売上高が3,104,210千円、営業利益は614,641千円、経常利益は598,664千円、当期純利益は557,340千円となっております。また、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は、1,006,334千円となっております。また、2020年3月期に連結子会社化いたしました、Prop Tech plus株式会社は月額利用料収入を中心に順調に収益貢献し、当連結会計年度中に連結子会社化いたしましたロボット投信株式会社につきましても、概ね計画どおりの進捗をいたしております。
財務戦略による資本効率の向上、株主還元への取り組みに関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
当社は、自動生成技術を中核に多種多様な自社利用ソフトウエアの開発投資を行っており、それら自社の知的財産を活用し、投資家や資産形成層に資する情報サービスを提供し、自社メディアの拡大並びに外部へのソリューション提供による再現性の高い収益の獲得を志向しております。また、これらの基盤となる開発技術やデータ資産、ノウハウは、収益面においても成長過程にあり、収益基盤や財務体質の強化が必要な段階にあるとの認識を持っております。同時に、株主に対する利益還元は経営の重要課題の一つであるとの認識しております。
このため、引続き成長期にあるとの認識から、内部留保を充実させ、これら内部留保を活用した成長投資を行い、企業価値を高めることを最優先としつつ、株主還元策の一つとして安定的配当を実施し、成長と還元の両立を果たすことを目指しております。こうした方針のもと、前連結会計年度には特別配当を実施、また、当連結会計年度におきましても、業績が順調に推移し、サブスクリプション型売上の伸長を中心とした収益の拡大等を実現したことに加え、以降の継続した売上成長志向をできる状態にあること等に鑑み、前連結会計年度から2円増配の1株当たり18円の配当を、普通配当として実施いたしました。今後も、業績動向及び投資の進捗状況等に鑑み決定してまいりますが、高成長の維持のための成長投資の継続と、株主優待並びに配当による株主還元の双方を並立させ、企業価値の向上を目指してまいります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。
定常的に発生するメディア事業並びにソリューション事業の自社利用ソフトウエアへの開発投資に対しては、一部金融機関からの借入等を行い対応しております。また、当社は、長期借入金並びに社債等の負債に加え、銀行融資枠(コミットメントライン)を設けており、都度の資金需要により、これらの活用を行っております。その他、資金需要について大きな季節変動はありません。
その他キャッシュ・フローの状況につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、2021年5月14日の契約に基づき、2021年5月31日付にて、株式会社QUICK及び株式会社日本経済新聞社への第三者割当増資を実行しており、総額約35億円の資金を調達しております。これら資金につきましては25億円を資本提携等のための待機資金として、5億円を事業拡大に伴う運転資金の増強として、約5億円を自社利用ソフトウエアの開発及び既存自社利用ソフトウエアの維持更新に充当する予定であります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,875,210千円となり、前連結会計年度末に比べ157,951千円の増加となりました。これは主に、売掛金が322,986千円、その他流動資産が63,812千円増加した一方で、現金及び預金が216,736千円減少したことを要因としたものであります。
固定資産は4,114,544千円となり、前連結会計年度末に比べ965,061千円の増加となりました。これは主に、ロボット投信株式会社の株式取得等を要因として、のれんが186,548千円増加したこと、ソフトウエア開発投資により、ソフトウエアが395,735千円増加したこと、資本業務提携の実施等により投資有価証券が617,684千円増加したことを要因としたものであります。
これらの結果、資産合計は、6,989,754千円となり、前連結会計年度末の5,866,742千円から1,123,012千円の増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,251,328千円となり、前連結会計年度末に比べ482,691千円の増加となりました。これは主に、コミットメントラインの実行による借入を要因として短期借入金が500,000千円増加したことを要因としたものであります。
固定負債は1,523,104千円となり、前連結会計年度末に比べ195,196千円の増加となりました。これは主に、長期借入金が201,812千円増加した一方で、社債が20,000千円減少したことを要因としたものであります。
これらの結果、負債合計は2,774,433千円となり、前連結会計年度末の2,096,544千円から677,888千円の増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は4,215,321千円となり、前連結会計年度末に比べ445,123千円の増加となりました。これは主に、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益564,497千円を計上したことにより利益剰余金が564,497千円増加した一方で、前連結会計年度末を基準日とした特別配当の実施等により、資本剰余金が200,570千円減少したことを要因としたものであります。
これらの結果、自己資本比率は56.0%(前連結会計年度末は59.9%)となりました。なお、2021年5月31日に実行いたしましたQUICK及び日本経済新聞社への第三者割当増資により、本書提出日現在の資本金の額は、当連結会計年度末の1,762,268千円から1,749,762千円増加し、3,512,030千円となっております。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におきましては、前連結会計年度から続く新型コロナウイルス感染症拡大の影響により不透明な市場環境が続いたものの、メディア事業では課金収益が拡大、ソリューション事業では、新規顧客の獲得と既存サービスの拡販に加え、Prop Tech plus株式会社の通年寄与が業績を牽引いたしました。また、複数の企業へのマイノリティ出資を実行し、シナジー効果により競争力を強化するとともに、当社コア・アセットの非金融情報分野での活用を推進し、業績面での拡張性を実現いたしました。また、ロボット投信株式会社の子会社化により、投資信託の運用会社及び販売会社などの新たな法人顧客層を獲得いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高が4,158,862千円(前期比49.0%増)、営業利益は759,502千円(前期比45.1%増)、経常利益は734,276千円(前期比45.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は564,497千円(前期比26.1%増)、また、当社において継続的な成長の指標の一つとして重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は1,280,309千円(前期比48.6%増)となりました。
また、特別損益といたしまして、投資有価証券の売却益を特別利益に計上する一方、サービス終了に伴うソフトウエアの減損損失及び新型コロナウイルス感染症拡大に関連する損失としてグループの本社統合費用等を特別損失に計上いたしました。加えて、法人税等調整額といたしまして、当社の継続した利益獲得体制の確立に伴う税金資産の今後の回収可能性を見積り、34,291千円を計上いたしました。
当連結会計年度における報告セグメント別の状況は次のとおりであります。
(メディア事業)
メディア事業は、「みんなの株式」や「Kabutan(株探)」等、当社グループが提供を行う投資家向け情報サイト及び当社グループが業務提携によりサイト運営の一翼を担うサービスから得られる広告収益、並びに一部サイトにおいて提供する有料サービスから得られる課金収益を計上しております。なお、「みんなの株式」は2021年4月25日にシリーズメディア7媒体を統合し、1.05億人の資産形成層(出典:総務省統計局「人口推移」20歳以上の人口合計)をターゲットとする資産形成メディア「MINKABU(みんかぶ)」としてリブランドいたしました。一方、「Kabutan(株探)」におきましては、有料サービス「Kabutan(株探)Premium」に米国株版を導入し、投資家層へのサービスの深掘を推進することを決定しております。
当連結会計年度におきましては、既存の情報サイトへの追加機能の継続的なリリースに加え、2020年7月には日本取引所グループの協力のもと、先物・オプション情報サイト「みんかぶ先物」(注)をリリースし、当社グループが運営するメディアサイト合計の月間平均ユニークユーザー数は前期比143万人増の922万人、同訪問ユーザー数は549万人増の2,789万人と伸長いたしました。広告収益は、コロナ禍での外部環境低迷の長期化から一部広告単価が軟調に推移したものの、第4四半期連結会計期間において、純広告が好調に収益貢献した結果、前年を上回る着地となりました。また、課金収益は「Kabutan(株探)Premium」が順調に成長し、大きく拡大いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,535,020千円(前期比13.6%増)、セグメント利益は530,904千円(前期比2.8%減)となりました。
(注)「みんかぶ先物」は、2021年4月25日、株式等情報メディアから、資産形成情報メディア「MINKABU(みんかぶ)」へのリブランドに伴い、「みんなの株式」をはじめとする、みんかぶメディアシリーズとともに、統合いたしました。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、メディア事業で培ったノウハウを活用したAIにより自動生成させる様々なソフトウエアや、サイト上で収集したクラウドインプットデータ等に加工を施した情報系フィンテックソリューションを第三者に提供するASPサービスの初期導入や月額利用料による収益を中心に事業を展開しております。
当連結会計年度におきましては、自律的成長の継続に加え、第4四半期連結会計期間には2020年9月に締結した株式会社QUICKとの業務提携の推進並びに非金融情報分野での収益化が貢献いたしました。また、前第3四半期連結会計期間末に子会社化し、当連結会計年度は通年寄与となったProp Tech plus株式会社は月額利用料収入を中心に順調に収益貢献いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は2,635,319千円(前期比81.9%増)、セグメント利益は738,039千円(前期比80.2%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ216,736千円減少し、1,847,041千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動のキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、913,971千円の収入(前期は715,178千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が740,723千円となったことに加え、成長投資に伴うソフトウエアの減価償却を中心とした減価償却費合計が436,978千円、のれん償却額が83,827千円となった一方で、売掛債権が327,661千円増加したことを要因としたものであります。
(投資活動のキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,115,437千円の支出(前期は1,620,384千円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式取得による収入が124,292千円となった一方で、ソフトウエア開発投資を中心とした無形固定資産の取得による支出が643,250千円、投資有価証券の取得による支出が604,725千円となったことを要因としたものであります。
(財務活動のキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、15,269千円の支出(前期は933,810千円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増額が400,000千円、長期借入れによる収入が200,000千円、株式の発行による収入が37,949千円となった一方で、長期借入金の返済による支出が383,308千円、社債の償還による支出が50,000千円、配当金の支払額が219,910千円となったことを要因としたものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは受託開発を行っておりますが、受注から開発・納品までの期間が短いため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| メディア事業 | 1,534,967 | 114.4 |
| ソリューション事業 | 2,623,894 | 181.1 |
| 合計 | 4,158,862 | 149.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社インタースペース | 661,875 | 23.7 | 661,682 | 15.91 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性のある見積りや予測を行っており、見積りの不確実性による実績との差異が生じる場合があります。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、現時点において、限定的と判断していることに加え、影響がある場合においても、その影響には不確定要素が多く、現時点で見通すことが困難なため、見積りには含んでおりません。
当連結会計年度における当社グループの連結財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、連結財務諸表作成の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。なお、詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におきましては、2020年6月末に、SaaS型投資信託情報ベンダーのロボット投信株式会社の発行済株式数の50.1%を取得して連結子会社化し、連結子会社2社を有する企業集団となりました。また、日本取引所グループや株式会社QUICKなど大手企業との協業や、技術力や企画力を有し当社との事業上のシナジーが高いスタートアップとの資本業務提携を通じた連携を積極的に行い、金融・経済情報分野での事業領域やB2Bの顧客層、プロダクトの拡大、加えて、当社コア・アセットの非金融情報分野での活用として、選挙情報、音楽情報分野への展開を実現し、課題として認識する収益基盤の一層の強化拡大を図ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高が前連結会計年度比49.0%増の4,158,862千円、営業利益は同45.1%増の759,502千円となりました。また、当社グループのビジネスモデルは、コア・アセットが有するデータの網羅性、正確性、速報性という強みから、業績面では再現性の高いものとなっておりますが、当連結会計年度におきましては、中でも頑健な収益基盤となり得るサブスクリプション型売上(メディア事業における月額課金収入及びソリューション事業における月額利用料収入の合計)が全売上高の48.7%に達し、強固な売上構成の構築につながる結果となり、当連結会計年度における経営成績面での発展であったと分析しております。
その他、特別損益といたしまして、投資有価証券の売却益を特別利益に計上する一方、サービス終了に伴うソフトウエアの減損損失及び新型コロナウイルス感染症拡大に関連する損失としてグループの本社統合費用等を特別損失に計上いたしました。加えて、法人税等調整額といたしまして、当社の継続した利益獲得体制の確立に伴う税金資産の今後の回収可能性を見積り、34,291千円を計上いたしました。
また、当社グループは、現在の事業領域においては、変動費を抑制し、減価償却費を含む固定費を中心とした費用構造の構築と、再現性の高いストック型の収益獲得を志向しており、重要視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は、当連結会計年度において1,280,309千円となりました。今後も継続的なEBITDAの拡大を目指し、事業運営を遂行しております。
なお、一層の収益基盤の強化拡大に向け、当連結会計年度において、メディア事業においては、2つの主要メディアのうち「みんなの株式」を、従前の投資家向けメディアから資産形成層向け「MINKABU(みんかぶ)」へとリブランドしTAMを拡大すること、もう一方の、投資経験者向け「Kabutan(株探)」はニーズの高い米国株情報を追加して深掘を進めるとともに、サブスクリプション型収益の拡大を図ることを決定し順次サービスの提供を開始してまいります。更に、当連結会計年度に業務提携を開始した株式会社QUICKとは、一層の関係強化を目的に、同社親会社である株式会社日本経済新聞社を含めた資本業務提携を2021年5月14日に締結し、国内の金融・経済情報におけるデファクト構築に向けた、双方のコンテンツやサービスの連携等の取り組みを開始いたしました。なお、本資本提携により調達した約35億円のうち、25億円については、資本提携等への投資に充当する予定であり、デファクト構築の一環として、現在の当社の事業領域の主軸である金融情報分野を中心に高い事業シナジーが期待できる企業等を対象に、連結子会社化も含め、良好な資本提携等の機会を探ってまいります。

以下、参考情報といたしまして、2020年4月1日から2021年3月31日までを計算期間とした2021年3月期の個別損益は、売上高が3,104,210千円、営業利益は614,641千円、経常利益は598,664千円、当期純利益は557,340千円となっております。また、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は、1,006,334千円となっております。また、2020年3月期に連結子会社化いたしました、Prop Tech plus株式会社は月額利用料収入を中心に順調に収益貢献し、当連結会計年度中に連結子会社化いたしましたロボット投信株式会社につきましても、概ね計画どおりの進捗をいたしております。
財務戦略による資本効率の向上、株主還元への取り組みに関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
当社は、自動生成技術を中核に多種多様な自社利用ソフトウエアの開発投資を行っており、それら自社の知的財産を活用し、投資家や資産形成層に資する情報サービスを提供し、自社メディアの拡大並びに外部へのソリューション提供による再現性の高い収益の獲得を志向しております。また、これらの基盤となる開発技術やデータ資産、ノウハウは、収益面においても成長過程にあり、収益基盤や財務体質の強化が必要な段階にあるとの認識を持っております。同時に、株主に対する利益還元は経営の重要課題の一つであるとの認識しております。
このため、引続き成長期にあるとの認識から、内部留保を充実させ、これら内部留保を活用した成長投資を行い、企業価値を高めることを最優先としつつ、株主還元策の一つとして安定的配当を実施し、成長と還元の両立を果たすことを目指しております。こうした方針のもと、前連結会計年度には特別配当を実施、また、当連結会計年度におきましても、業績が順調に推移し、サブスクリプション型売上の伸長を中心とした収益の拡大等を実現したことに加え、以降の継続した売上成長志向をできる状態にあること等に鑑み、前連結会計年度から2円増配の1株当たり18円の配当を、普通配当として実施いたしました。今後も、業績動向及び投資の進捗状況等に鑑み決定してまいりますが、高成長の維持のための成長投資の継続と、株主優待並びに配当による株主還元の双方を並立させ、企業価値の向上を目指してまいります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。
定常的に発生するメディア事業並びにソリューション事業の自社利用ソフトウエアへの開発投資に対しては、一部金融機関からの借入等を行い対応しております。また、当社は、長期借入金並びに社債等の負債に加え、銀行融資枠(コミットメントライン)を設けており、都度の資金需要により、これらの活用を行っております。その他、資金需要について大きな季節変動はありません。
その他キャッシュ・フローの状況につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、2021年5月14日の契約に基づき、2021年5月31日付にて、株式会社QUICK及び株式会社日本経済新聞社への第三者割当増資を実行しており、総額約35億円の資金を調達しております。これら資金につきましては25億円を資本提携等のための待機資金として、5億円を事業拡大に伴う運転資金の増強として、約5億円を自社利用ソフトウエアの開発及び既存自社利用ソフトウエアの維持更新に充当する予定であります。