有価証券報告書-第13期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当社は、第8期(2013年10月)に実施したドイツ法人(sharewise GmbH)の買収を機に、メディア事業の海外展開を成長戦略の主軸の一つに据え、第11期には海外市場への上場を志向しておりました。しかしながら、当該海外IPO市場の停滞を受け、資本コストが当初の想定から悪化したことに加え、国内ソリューション事業の急成長により国内市場における成長可能性の確度が高まったことを受け、第11期末に海外市場への上場準備を中止し、国内市場を軸とした事業展開へと方針を転換いたしました。
本方針転換に伴い、第11期及び第12期において海外子会社及び海外事業を整理するとともに、第12期におきましては効率化を目的に国内連結子会社を当社へ吸収合併又は清算する統廃合を進め、同第3四半期(2017年11月)に、当社グループ内にて国内ソリューション事業の基幹を担っていた当社完全子会社の株式会社エムサーフを吸収合併、更に、同期末(2018年3月)にその他完全子会社の清算を決定し、当社は第12期末に連結子会社を有さない、個別決算会社となっております。
こうした経緯から、第11期及び第12期には、海外展開整理損失及び海外展開用ソフトウエア資産の減損損失等を認識して特別損失を計上し、当期純損失となっております。なお、海外展開については、投資フェイズにあったことから、これら方針転換による収益面での減少は軽微であります。また、業績インパクトが大きかった株式会社エムサーフの当社への吸収合併が第12期第3四半期であることから、以下、経営成績に関する記載におきましては、参考値として第12期連結損益計算書に基づく記載しております。ただし、当社は第12期末に連結子会社を有さない、個別決算会社となっておりますため、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前事業年度末の数値で比較をおこなっております。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は2,395,877千円となり、前事業年度末に比べ1,580,381千円の増加となりました。これは主に、東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う株式発行による現金及び預金1,574,751千円の増加によるものであります。固定資産は1,530,901千円となり、前事業年度末に比べ360,697千円の増加となりました。これは主に、ソフトウエア開発投資等により無形固定資産が219,006千円増加したこと、本社事務所増床に伴い建物附属設備及び工具、器具及び備品等の取得により有形固定資産が50,918千円増加したこと、差入保証金及び繰延税金資産の増加等により投資その他の資産が90,772千円増加したことを要因としたものであります。
これらの結果、資産合計は3,926,779千円となり前事業年度末の1,985,701千円から1,941,078千円の増加となりました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は958,100千円となり、前事業年度末に比べ397,715千円の増加となりました。これは主に、コミットメントラインの実行による借入を要因として短期借入金が270,000千円増加したこと、買掛金が50,697千円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が73,846千円増加したこと、及び資本金増加により外形標準課税額が増加したことに伴い未払法人税等が14,830千円増加したことを要因としたものであります。一方、固定負債は281,840千円となり、前事業年度末に比べ224,578千円の減少となりました。これは、社債50,000千円の減少並びに長期借入金174,578千円の減少によるものであります。
これらの結果、負債合計は1,239,940千円となり、前事業年度末の1,066,803千円から173,137千円の増加となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,686,839千円となり、前事業年度末に比べ1,767,941千円の増加となりました。これは主に、株式発行による増資により資本金757,228千円並びに資本準備金757,228千円が増加したこと、当事業年度の当期純利益253,141千円を計上したことにより利益剰余金が253,141千円増加したことを要因としたものであります。なお、資本準備金を800,000千円減少し、その他資本剰余金へ同額振替を行っております。
これらの結果、自己資本比率は68.4%(前事業年度末は46.3%)となりました。
② 経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、雇用や所得環境の改善が続き、概ね緩やかな回復基調が続きました。世界経済につきましては、米国景気は堅調が維持された一方で、米中通商摩擦や、中国、欧州の景気下振れが警戒されました。
また、当社を取り巻く経営環境といたしましては、国内の株式市場は上期堅調に推移したものの年末にかけて大きく下落、その後、年度末に向けて持ち直すなど、一年を通して変動の大きな状況となりました。
このような環境のもと、当社は、第12期末にメディア事業、ソリューション事業の連携強化による効率化の推進を目的にグループの組織再編を完了し、当事業年度におきましては、期首より、効率的な経営資源の投下を実行し、メディア事業、ソリューション事業の双方において複数の新サービスをリリースいたしました。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高が2,032,532千円(前期比48.3%増加)、営業利益は256,944千円(前期比80.1%増加)、経常利益は208,434千円(前期比91.2%増加)、当期純利益は253,141千円(前期は126,731千円の損失)、また、当社において継続的な成長の指標の一つとして重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は494,277千円(前期比78.8%増加)となり、増収増益を達成いたしました。
なお、当事業年度特有の事項といたしまして、東京証券取引所マザーズ市場上場に伴う上場関連費用及び本社増床等にかかる固定資産除却損を、それぞれ、営業外費用及び特別損失に含めて計上しております。また、当社の安定的な利益体質の確立に伴い、税金資産の今後の回収可能性を見積もり、△54,454千円の法人税等調整額を計上いたしました。
また、当社は2018年3月期に実施した組織再編によりグループを当社に統合し、2018年3月期末において連結対象子会社を有さない非連結会社となっております。従いまして、2018年3月末時点での連結貸借対照表が存在しないことから、2018年3月期の連結財務諸表にかかる会計監査は実施されておりません。
参考情報といたしまして、2017年4月1日から2018年3月31日までを計算期間とした2018年3月期の連結損益計算書(未監査数値)は、売上高が1,681,050千円、営業利益は110,644千円、経常利益は71,270千円、親会社株主に帰属する当期純損失は200,229千円となりました。また、同参考情報である未監査数値のEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は291,182千円、減価償却費は170,728千円、のれん償却額は9,809千円、自社利用ソフトウエアの開発を主な目的とした設備投資額は258,535千円となっております。
当事業年度における報告セグメント別の状況は次のとおりであります。
(メディア事業)
メディア事業は、「みんなの株式」、「株探(Kabutan)」等、当社が提供を行う投資家向け情報サイト及び当社が業務提携によりサイト運営の一翼を担うサービスから得られる広告収益、並びに一部サイトにおいて提供する有料サービスから得られる課金収益を計上しております。
当事業年度におきましては、既存サイトに対する機能追加やコンテンツ増強の他、新たな情報サイトとして「みんかぶ保険」(https://ins.minkabu.jp/)、「みんかぶ不動産」(https://re.minkabu.jp/)をリリースし、金融・経済分野における事業領域を拡大いたしました。当事業年度における各サイト合計の月間平均ユニークユーザー数は前期比51万人増加の約577万人、同訪問ユーザー数は前期比320万人増加の約1,870万人と順調に伸長し、これら利用者の拡大に伴い、広告収益は好調に推移いたしました。課金収益は、2018年3月期にリリースした「株探プレミアム」を中心に順調に成長いたしました。
これらの結果、当事業年度の売上高は953,550千円(前期比25.2%増加)、セグメント利益は294,711千円(前期比79.4%増加)となりました。
なお、参考情報といたしまして、2017年4月1日から2018年3月31日までを計算期間とした2018年3月期の連結損益計算書(未監査数値)におけるメディア事業の外部顧客への売上高は763,238千円、セグメント利益は141,276千円となっております。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、メディア事業で培ったノウハウを活用したAIにより自動生成させる様々なソフトウエアや、サイト上で収集したクラウドインプットデータ等に加工を施した情報系フィンテックソリューションを第三者に提供するASPサービスの初期導入や月額利用料による収益を中心に事業を展開しております。
当事業年度におきましては、これまでのB2B2Cを中心としたサービス提供に加え、顧客の社内利用を目的としたB2Bソリューションとして上場企業の情報を安価に取得・分析・可視化するリアルタイム情報サービス「MINKABU Corporate-Cue」のサービスを開始いたしました。
また、地域金融機関を主な顧客としたソリューションとしてメディア事業で展開する「みんかぶ保険」のホワイトラベル版の提供を開始し、既存プロダクトの拡販に加え、新規案件の初期導入売上及び月額利用料にかかる収益を拡大いたしました。
これらの結果、当事業年度の売上高は1,078,982千円(前期比77.3%増加)、セグメント利益は340,802千円(前期比36.2%増加)となりました。
なお、参考情報といたしまして、2017年4月1日から2018年3月31日までを計算期間とした2018年3月期の連結損益計算書(未監査数値)におけるソリューション事業の外部顧客への売上高は917,812千円、セグメント利益は237,415千円となっております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べて1,574,751千円増加し、2,035,173千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、480,014千円の収入(前事業年度は197,485千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益が203,819千円となったことに加え、成長に伴うソフトウエアの減価償却を中心とした減価償却費合計が227,523千円となったことを要因としたものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、525,398千円の支出(前事業年度は980,855千円の収入)となりました。これは主に、ソフトウエアの開発投資を中心とした無形固定資産の取得による支出が434,892千円、増床等に伴う有形固定資産の取得による支出及び敷金及び保証金の差入による支出がそれぞれが76,491千円、52,428千円となったことを要因としたものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,620,135千円の収入(前事業年度は363,784千円の支出)となりました。これは主に、株式の発行による収入が1,501,969千円、短期借入金の純増額が270,000千円、長期借入れによる収入が100,000千円となった一方で、長期借入金の返済による支出が200,732千円、社債の償還による支出が50,000千円となったことを要因としたものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社は受託開発を行っておりますが、受注から開発・納品までの期間が短いため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前事業年度の株式会社インタースペースに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
4.当事業年度の株式会社ジェーピーツーワンに対する販売実績は、当該販売実績がないため記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性のある見積りや予測を行っており、見積りの不確実性による実績との差異が生じる場合があります。
当事業年度における当社の財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析
当事業年度におきまして前事業年度末までに完了したグループ再編により、期首より非連結会社として現在の事業環境下での成長領域への取組みに社内資源を集中してまいりました。
具体的に、メディア事業においては、株式を中心とした既存サイトの安定成長に加え、保険や不動産の新サイトをリリースし、金融・経済情報分野での事業領域を拡大し、ソリューション事業においては、証券会社を中心としたB2B2Cの既存サービスの拡販に加え、地域金融機関や事業法人向け新サービスのリリースにより、顧客層を拡大いたしました。
これらの結果、当事業年度の経営成績は、売上高が2,032,532千円(前期比48.3%増加)、営業利益は256,944千円(前期比80.1%増加)となりました。営業外費用には有利子負債に係る支払利息の他、東京証券取引所マザーズ市場上場に伴う上場関連費を含む総額57,021千円を計上し、経常利益は208,434千円(前期比91.2%増加)となりました。
また、特別損失といたしまして、本社事務所増床に係る固定資産除却損等の総額4,645千円を計上したことにより、当期純利益は253,141千円(前事業年度は126,731千円の損失)となりました。
また、当社は、現在の事業領域においては、変動費を抑制し、減価償却費を含む固定費を中心とした費用構造の構築と、再現性の高いストック型の収益獲得を志向しており、重要視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は、当事業年度において494,277千円(前期比78.8%増加)となりました。今後も継続的な調整EBITDAの拡大を目指し、事業運営を遂行しております。
なお、参考情報といたしまして、2017年4月1日から2018年3月31日までを計算期間とした2018年3月期の連結損益計算書(未監査数値)は、売上高が1,681,050千円、営業利益は110,644千円、経常利益は71,270千円、親会社株主に帰属する当期純損失は200,229千円となっております。また、同参考情報である未監査数値のEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は291,182千円となっております。
財務戦略による資本効率の向上、株主還元への取り組みに関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
当社は、自動生成技術を中核に多種多様な自社利用ソフトウエアの開発投資を行っており、それら自社の知的財産を活用し、投資家に資する情報サービスを提供し、自社メディアの拡大並びに外部へのソリューション提供による再現性の高い収益の獲得を志向しておりますが、収益面においても成長過程にあり、収益基盤や財務体質の強化が必要な段階にあるとの認識を持っております。
このため、現時点では、内部留保を充実し、人材育成を含む成長のための投資とこれらの強化を行う方針であります。将来的には、当社を取り巻く事業環境を勘案の上、内部留保の充実状況に鑑み、株主の皆様に対して安定的かつ継続的な利益還元を検討してまいりますが、現時点においては配当実施の可能性及び実施時期等については未定であります。なお、当社株式を継続保有してくださる株主の皆様へのインセンティブとなるものであることを前提に、株主優待については早期に導入の検討を行うこととしております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社の資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。
定常的に発生するメディア事業並びにソリューション事業の自社利用ソフトウエアへの開発投資に対しては、一部金融機関からの借入等を行い対応しております。また、当社は、長期借入金並びに社債等の負債に加え、銀行融資枠(コミットメントライン)を設けており、都度の資金需要により、これらの活用を行っております。その他、資金需要について大きな季節変動はありません。
本方針転換に伴い、第11期及び第12期において海外子会社及び海外事業を整理するとともに、第12期におきましては効率化を目的に国内連結子会社を当社へ吸収合併又は清算する統廃合を進め、同第3四半期(2017年11月)に、当社グループ内にて国内ソリューション事業の基幹を担っていた当社完全子会社の株式会社エムサーフを吸収合併、更に、同期末(2018年3月)にその他完全子会社の清算を決定し、当社は第12期末に連結子会社を有さない、個別決算会社となっております。
こうした経緯から、第11期及び第12期には、海外展開整理損失及び海外展開用ソフトウエア資産の減損損失等を認識して特別損失を計上し、当期純損失となっております。なお、海外展開については、投資フェイズにあったことから、これら方針転換による収益面での減少は軽微であります。また、業績インパクトが大きかった株式会社エムサーフの当社への吸収合併が第12期第3四半期であることから、以下、経営成績に関する記載におきましては、参考値として第12期連結損益計算書に基づく記載しております。ただし、当社は第12期末に連結子会社を有さない、個別決算会社となっておりますため、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前事業年度末の数値で比較をおこなっております。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は2,395,877千円となり、前事業年度末に比べ1,580,381千円の増加となりました。これは主に、東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う株式発行による現金及び預金1,574,751千円の増加によるものであります。固定資産は1,530,901千円となり、前事業年度末に比べ360,697千円の増加となりました。これは主に、ソフトウエア開発投資等により無形固定資産が219,006千円増加したこと、本社事務所増床に伴い建物附属設備及び工具、器具及び備品等の取得により有形固定資産が50,918千円増加したこと、差入保証金及び繰延税金資産の増加等により投資その他の資産が90,772千円増加したことを要因としたものであります。
これらの結果、資産合計は3,926,779千円となり前事業年度末の1,985,701千円から1,941,078千円の増加となりました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は958,100千円となり、前事業年度末に比べ397,715千円の増加となりました。これは主に、コミットメントラインの実行による借入を要因として短期借入金が270,000千円増加したこと、買掛金が50,697千円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が73,846千円増加したこと、及び資本金増加により外形標準課税額が増加したことに伴い未払法人税等が14,830千円増加したことを要因としたものであります。一方、固定負債は281,840千円となり、前事業年度末に比べ224,578千円の減少となりました。これは、社債50,000千円の減少並びに長期借入金174,578千円の減少によるものであります。
これらの結果、負債合計は1,239,940千円となり、前事業年度末の1,066,803千円から173,137千円の増加となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,686,839千円となり、前事業年度末に比べ1,767,941千円の増加となりました。これは主に、株式発行による増資により資本金757,228千円並びに資本準備金757,228千円が増加したこと、当事業年度の当期純利益253,141千円を計上したことにより利益剰余金が253,141千円増加したことを要因としたものであります。なお、資本準備金を800,000千円減少し、その他資本剰余金へ同額振替を行っております。
これらの結果、自己資本比率は68.4%(前事業年度末は46.3%)となりました。
② 経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、雇用や所得環境の改善が続き、概ね緩やかな回復基調が続きました。世界経済につきましては、米国景気は堅調が維持された一方で、米中通商摩擦や、中国、欧州の景気下振れが警戒されました。
また、当社を取り巻く経営環境といたしましては、国内の株式市場は上期堅調に推移したものの年末にかけて大きく下落、その後、年度末に向けて持ち直すなど、一年を通して変動の大きな状況となりました。
このような環境のもと、当社は、第12期末にメディア事業、ソリューション事業の連携強化による効率化の推進を目的にグループの組織再編を完了し、当事業年度におきましては、期首より、効率的な経営資源の投下を実行し、メディア事業、ソリューション事業の双方において複数の新サービスをリリースいたしました。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高が2,032,532千円(前期比48.3%増加)、営業利益は256,944千円(前期比80.1%増加)、経常利益は208,434千円(前期比91.2%増加)、当期純利益は253,141千円(前期は126,731千円の損失)、また、当社において継続的な成長の指標の一つとして重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は494,277千円(前期比78.8%増加)となり、増収増益を達成いたしました。
なお、当事業年度特有の事項といたしまして、東京証券取引所マザーズ市場上場に伴う上場関連費用及び本社増床等にかかる固定資産除却損を、それぞれ、営業外費用及び特別損失に含めて計上しております。また、当社の安定的な利益体質の確立に伴い、税金資産の今後の回収可能性を見積もり、△54,454千円の法人税等調整額を計上いたしました。
また、当社は2018年3月期に実施した組織再編によりグループを当社に統合し、2018年3月期末において連結対象子会社を有さない非連結会社となっております。従いまして、2018年3月末時点での連結貸借対照表が存在しないことから、2018年3月期の連結財務諸表にかかる会計監査は実施されておりません。
参考情報といたしまして、2017年4月1日から2018年3月31日までを計算期間とした2018年3月期の連結損益計算書(未監査数値)は、売上高が1,681,050千円、営業利益は110,644千円、経常利益は71,270千円、親会社株主に帰属する当期純損失は200,229千円となりました。また、同参考情報である未監査数値のEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は291,182千円、減価償却費は170,728千円、のれん償却額は9,809千円、自社利用ソフトウエアの開発を主な目的とした設備投資額は258,535千円となっております。
当事業年度における報告セグメント別の状況は次のとおりであります。
(メディア事業)
メディア事業は、「みんなの株式」、「株探(Kabutan)」等、当社が提供を行う投資家向け情報サイト及び当社が業務提携によりサイト運営の一翼を担うサービスから得られる広告収益、並びに一部サイトにおいて提供する有料サービスから得られる課金収益を計上しております。
当事業年度におきましては、既存サイトに対する機能追加やコンテンツ増強の他、新たな情報サイトとして「みんかぶ保険」(https://ins.minkabu.jp/)、「みんかぶ不動産」(https://re.minkabu.jp/)をリリースし、金融・経済分野における事業領域を拡大いたしました。当事業年度における各サイト合計の月間平均ユニークユーザー数は前期比51万人増加の約577万人、同訪問ユーザー数は前期比320万人増加の約1,870万人と順調に伸長し、これら利用者の拡大に伴い、広告収益は好調に推移いたしました。課金収益は、2018年3月期にリリースした「株探プレミアム」を中心に順調に成長いたしました。
これらの結果、当事業年度の売上高は953,550千円(前期比25.2%増加)、セグメント利益は294,711千円(前期比79.4%増加)となりました。
なお、参考情報といたしまして、2017年4月1日から2018年3月31日までを計算期間とした2018年3月期の連結損益計算書(未監査数値)におけるメディア事業の外部顧客への売上高は763,238千円、セグメント利益は141,276千円となっております。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、メディア事業で培ったノウハウを活用したAIにより自動生成させる様々なソフトウエアや、サイト上で収集したクラウドインプットデータ等に加工を施した情報系フィンテックソリューションを第三者に提供するASPサービスの初期導入や月額利用料による収益を中心に事業を展開しております。
当事業年度におきましては、これまでのB2B2Cを中心としたサービス提供に加え、顧客の社内利用を目的としたB2Bソリューションとして上場企業の情報を安価に取得・分析・可視化するリアルタイム情報サービス「MINKABU Corporate-Cue」のサービスを開始いたしました。
また、地域金融機関を主な顧客としたソリューションとしてメディア事業で展開する「みんかぶ保険」のホワイトラベル版の提供を開始し、既存プロダクトの拡販に加え、新規案件の初期導入売上及び月額利用料にかかる収益を拡大いたしました。
これらの結果、当事業年度の売上高は1,078,982千円(前期比77.3%増加)、セグメント利益は340,802千円(前期比36.2%増加)となりました。
なお、参考情報といたしまして、2017年4月1日から2018年3月31日までを計算期間とした2018年3月期の連結損益計算書(未監査数値)におけるソリューション事業の外部顧客への売上高は917,812千円、セグメント利益は237,415千円となっております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べて1,574,751千円増加し、2,035,173千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、480,014千円の収入(前事業年度は197,485千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益が203,819千円となったことに加え、成長に伴うソフトウエアの減価償却を中心とした減価償却費合計が227,523千円となったことを要因としたものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、525,398千円の支出(前事業年度は980,855千円の収入)となりました。これは主に、ソフトウエアの開発投資を中心とした無形固定資産の取得による支出が434,892千円、増床等に伴う有形固定資産の取得による支出及び敷金及び保証金の差入による支出がそれぞれが76,491千円、52,428千円となったことを要因としたものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,620,135千円の収入(前事業年度は363,784千円の支出)となりました。これは主に、株式の発行による収入が1,501,969千円、短期借入金の純増額が270,000千円、長期借入れによる収入が100,000千円となった一方で、長期借入金の返済による支出が200,732千円、社債の償還による支出が50,000千円となったことを要因としたものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社は受託開発を行っておりますが、受注から開発・納品までの期間が短いため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| メディア事業 | 953,550 | 125.2 |
| ソリューション事業 | 1,078,982 | 177.3 |
| 合計 | 2,032,532 | 148.3 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| Google Inc. | 219,097 | 16.0 | 220,540 | 10.9 |
| 株式会社ジェーピーツーワン | 204,239 | 14.9 | - | - |
| 株式会社インタースペース | - | - | 374,564 | 18.4 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前事業年度の株式会社インタースペースに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
4.当事業年度の株式会社ジェーピーツーワンに対する販売実績は、当該販売実績がないため記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性のある見積りや予測を行っており、見積りの不確実性による実績との差異が生じる場合があります。
当事業年度における当社の財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析
当事業年度におきまして前事業年度末までに完了したグループ再編により、期首より非連結会社として現在の事業環境下での成長領域への取組みに社内資源を集中してまいりました。
具体的に、メディア事業においては、株式を中心とした既存サイトの安定成長に加え、保険や不動産の新サイトをリリースし、金融・経済情報分野での事業領域を拡大し、ソリューション事業においては、証券会社を中心としたB2B2Cの既存サービスの拡販に加え、地域金融機関や事業法人向け新サービスのリリースにより、顧客層を拡大いたしました。
これらの結果、当事業年度の経営成績は、売上高が2,032,532千円(前期比48.3%増加)、営業利益は256,944千円(前期比80.1%増加)となりました。営業外費用には有利子負債に係る支払利息の他、東京証券取引所マザーズ市場上場に伴う上場関連費を含む総額57,021千円を計上し、経常利益は208,434千円(前期比91.2%増加)となりました。
また、特別損失といたしまして、本社事務所増床に係る固定資産除却損等の総額4,645千円を計上したことにより、当期純利益は253,141千円(前事業年度は126,731千円の損失)となりました。
また、当社は、現在の事業領域においては、変動費を抑制し、減価償却費を含む固定費を中心とした費用構造の構築と、再現性の高いストック型の収益獲得を志向しており、重要視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は、当事業年度において494,277千円(前期比78.8%増加)となりました。今後も継続的な調整EBITDAの拡大を目指し、事業運営を遂行しております。
なお、参考情報といたしまして、2017年4月1日から2018年3月31日までを計算期間とした2018年3月期の連結損益計算書(未監査数値)は、売上高が1,681,050千円、営業利益は110,644千円、経常利益は71,270千円、親会社株主に帰属する当期純損失は200,229千円となっております。また、同参考情報である未監査数値のEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は291,182千円となっております。
財務戦略による資本効率の向上、株主還元への取り組みに関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
当社は、自動生成技術を中核に多種多様な自社利用ソフトウエアの開発投資を行っており、それら自社の知的財産を活用し、投資家に資する情報サービスを提供し、自社メディアの拡大並びに外部へのソリューション提供による再現性の高い収益の獲得を志向しておりますが、収益面においても成長過程にあり、収益基盤や財務体質の強化が必要な段階にあるとの認識を持っております。
このため、現時点では、内部留保を充実し、人材育成を含む成長のための投資とこれらの強化を行う方針であります。将来的には、当社を取り巻く事業環境を勘案の上、内部留保の充実状況に鑑み、株主の皆様に対して安定的かつ継続的な利益還元を検討してまいりますが、現時点においては配当実施の可能性及び実施時期等については未定であります。なお、当社株式を継続保有してくださる株主の皆様へのインセンティブとなるものであることを前提に、株主優待については早期に導入の検討を行うこととしております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社の資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。
定常的に発生するメディア事業並びにソリューション事業の自社利用ソフトウエアへの開発投資に対しては、一部金融機関からの借入等を行い対応しております。また、当社は、長期借入金並びに社債等の負債に加え、銀行融資枠(コミットメントライン)を設けており、都度の資金需要により、これらの活用を行っております。その他、資金需要について大きな季節変動はありません。