四半期報告書-第17期第3四半期(2022/10/01-2022/12/31)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は4,964,015千円となり、前連結会計年度末に比べ138,282千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が552,138千円減少したこと、貸倒引当金が204,852千円増加した一方で、株式会社ライブドアの連結子会社化を主因として、売掛金及びその他流動資産がそれぞれ438,884千円、414,889千円増加したこと、仕掛品が41,542千円増加したことに要因としたものであります。
固定資産は11,861,927千円となり、前連結会計年度末に比べ6,929,823千円の増加となりました。これは主に、株式会社ライブドア及び株式会社ALISの連結子会社化を主因として、のれんが4,429,371千円増加したこと、ソフトウエア開発投資により、ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定が合計で383,412千円増加したこと、株式会社ライブドアが非適格分割された際に発生した資産調整勘定に対する税効果等を計上したことにより繰延税金資産が2,271,945千円増加したことを要因としたものであります。
これらの結果、資産合計は16,825,943千円となり、前連結会計年度末の9,757,836千円から7,068,106千円の増加となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は1,694,058千円となり、前連結会計年度末に比べ751,895千円の増加となりました。これは主に、株式会社ライブドアの連結子会社化を目的としたシンジケートローン契約に基づく借入実行を主因として、1年内返済予定の長期借入金が547,283千円増加したこと、株式会社ライブドアの連結子会社化を主因として、その他流動負債が274,978千円増加したことを要因としたものであります。
固定負債は8,114,644千円となり、前連結会計年度末に比べ6,742,474千円の増加となりました。これは主に、株式会社ライブドアの連結子会社化を目的としたシンジケートローン契約に基づく借入実行を主因として、長期借入金が6,748,380千円増加したことを要因としたものであります。
これらの結果、負債合計は9,808,702千円となり、前連結会計年度末の2,314,332千円から7,494,370千円の増加となりました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は7,017,240千円となり、前連結会計年度末の7,443,504千円から426,264千円の減少となりました。これは主に、資本剰余金を原資とする普通配当により資本剰余金が357,784千円減少したこと、及び、当第3四半期連結累計期間に親会社株主に帰属する四半期純損失234,928千円を計上した一方で、役職員による新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ17,725千円増加したこと、その他有価証券評価差額金が21,843千円増加したこと、非支配株主持分が110,159千円増加したことを要因としたものであります。
これらの結果、自己資本比率は40.5%(前連結会計年度末は75.2%)となりました。
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高が4,285,495千円(前年同期比18.6%増)、営業利益は167,190千円(前年同期比59.2%減)、経常損失は113,763千円(前第3四半期連結累計期間は367,314千円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は234,928千円(前第3四半期連結累計期間は203,757千円の親会社株主に帰属する四半期純利益)、また当社グループにおいて継続的な成長の指標の一つとして重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は740,913千円(前年同期比17.4%減)となりました。
売上高につきまして、メディア事業においては世界的な広告市場の減速感に加え、ウェブ検索エンジンの仕様変更等に関連して成果報酬型広告売上が悪影響を受けた一方で、ソリューション事業につきましては前年同期比で順調に成長を継続し、概ね期首計画どおり進捗いたしましたが、セールスミックスの悪化に加え、中期的な成長の加速に向けた人員の拡大や新規サービスの投入及びサービス拡張に伴う初期開発、データ・ライセンス費用等の先行投資等により、短期的な期間利益圧迫要因が発生しております。
また当第3四半期連結会計期間におきましては、2022年10月4日付で株式会社ALISを連結子会社化するとともに、2022年12月28日付で株式会社ライブドアの連結子会社化が完了し、当社は当社の既存ユーザーと合わせて8,000万人規模のユーザー基盤を有する国内有数のネットメディアグループとなりました。なお、当第3四半期連結会計期間におきまして、株式会社ライブドアの連結子会社化に付随して発生したアドバイザリー費用及び当該株式取得資金調達のためのシンジケートローン組成手数料を営業外費用に計上しております。また、株式会社ライブドア及び株式会社ALISのみなし取得日は2022年12月31日となります。
報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間におきましては、2022年5月1日付で株式会社ミンカブWeb3ウォレットを連結子会社化しております。
(メディア事業)
メディア事業は、資産形成情報メディア「MINKABU(みんかぶ)」、株式情報専門メディア「Kabutan(株探)」及び当社グループが業務提携によりサイト運営の一翼を担うサービスから得られる広告収益、並びに有料サービスから得られる課金収益を計上しております。
当社が運営する既存の金融系情報メディアサイトの当第3四半期連結累計期間における合計月間平均ユニークユーザー数は829万人、同訪問ユーザー数は2,565万人、前年同期比ではそれぞれ64万人(7.2%)減、207万人(7.4%)減となり、市況等の外部環境の影響が継続しておりますが、株式会社ライブドアの月間平均ユニークユーザー数(※)は約7,000万人規模となり、グループ全体の月間平均ユニークユーザー数は約8,000万人規模となります。また、企業から得る純広告収入は前年同期比で堅調に推移したものの、当第3四半期連結会計期間においては、ウェブ検索エンジンの仕様変更等に関連して、主力アフィリエイト2サイト(minkabu.co.jpとminkabu.jp内で展開)の間にカニバリゼーションが発生したことにより、両サイトともに検索順位が大幅に低下したことで、高利益率の成果報酬型広告売上が悪影響を受け、前年同期を下回る水準で推移いたしました。なお、2022年12月よりライフスタイル全般を対象としたアフィリエイトサイト「livedoor Choice」を立ち上げ、minkabu.co.jpで展開していたアフィリエイトを「livedoor Choice」に移管することにより当該カニバリゼーションの解消に向けた対策を講じ、既にその効果が確認できております。課金収入では、課金有料サービスから得るサブスクリプション型収入による月額利用料が堅調に推移したことに加え、資産形成管理ツール「MINKABU ASSET PLANNER」の法人向けOEM提供による初期導入売上を計上いたしました。一方で、中長期的な成長に向けた人的基盤の整備のための人件費、米国株情報をはじめとした新規機能やサービスの開発による自社資産ソフトウエアの減価償却費及び運用費等を中心とした固定費が増加し、これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,485,768千円(前年同期比4.1%減)、セグメント利益は197,457千円(前年同期比58.4%減)となりました。
(※)「ライブドアブログ」「ライブドアニュース」「Kstyle」3サービスの2022年4月~12月の平均利用者数合計値。「ライブドアブログ」については同期間におけるデイリー閲覧者数の平均値、「ライブドアニュース」「Kstyle」については同期間における月間利用者数の平均値。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、メディア事業で培ったノウハウを活用したAIにより自動生成させる様々なソフトウエアや、サイト上で収集したクラウドインプットデータ等に加工を施した情報系ソリューションを第三者に提供するASPサービスの初期導入や月額利用料、及び情報系ソリューションを通じ提供を行っている金融機関等を中心とした顧客基盤に対し、当社のアセットを活用したシステム系ソリューションとしてのコンサルティング及び初期導入、並びにその後の保守等の月額利用料による収益を中心に事業を展開しております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、自律的成長の継続に加え、第1四半期連結累計期間より提供を開始したシステム系ソリューションにおけるコンサルティング大型案件の獲得及び連結子会社のProp Tech plus株式会社が引き続き順調に収益増へ貢献いたしました。一方で、情報系ソリューションサービスにつきましては、米国株ソリューション等新規サービス開始に伴う減価償却費、データ購入費・ライセンス料、外注費の増加といった先行投資が継続する一方、顧客金融機関の業績悪化等を背景に、顧客への導入が想定よりも遅れたことにより、システム系ソリューションが売上牽引するも、情報系ソリューションに比較して粗利率が低いため、期中でのセールスミックスが悪化し、一時的に利益率が低下しております。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,832,641千円(前年同期比36.2%増)、セグメント利益は552,855千円(前年同期比35.1%増)となりました。
(2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業環境に関する認識及び再成長に向けた今後の事業戦略は次のとおりであります。
1.金融業界に関する認識
2022年6月7日に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」及び「経済財政運営と改革の基本方針2022」を受け、2022年11月28日に内閣官房に設置された新しい資本主義実現会議によって「資産所得倍増プラン」の具体プランが取り纏められ、貯蓄から投資への流れを後押しする少額投資非課税制度(NISA)の恒久化や抜本的拡充を中心に、新たな資産形成層の拡大とともに、我が国における家計の資産形成が大きく前進することが期待されております。当社もこの趣旨に賛同し、企業におけるイノベーション・成長を促進する環境の整備や、家計における金融リテラシーの向上、資産形成の取り組みを支援する目的で金融経済教育におけるデジタルプラットフォームを開発し、企業並びに経済団体等へASP型サービスとして2023年初頭から順次機能提供を開始する予定であり、資産形成層のすそ野拡大に応じた新たな情報ソリューションサービスのニーズが高まると考えております。
同時に、今後大手オンライン証券会社を軸とした国内における株式売買手数料の無料化加速に向けた動きが活発化することで、顧客の囲い込みに向けた更なる競争激化が予想されます。一方、NISA恒久化等による新たな資産形成層拡大策に加え、手数料無料化による顧客獲得競争が激しくなるにつれ、1顧客当たりの収益性の悪化が顧客当たりの獲得コスト低下を招き、成果報酬型広告を始めとする当社メディア事業の広告収益への影響が懸念されます。なお、株式売買手数料の無料化はある意味でそのコストが投資家に還元されるため、個人投資家の課金余力は一定程度回復することが期待されます。このため、サブスクリプション型サービスにつきましては今後改めて成長戦略が描けるものと想定しております。また、証券会社各社による収益性の多様化やシステム運用・システム構築の効率化、といった費用対効果に向けた認識が一層高まることが予想され、ソリューション事業においては堅調にニーズが拡大する傾向が当面継続するものと考えております。
2.インターネット業界に関する認識
世界的な経済環境の悪化や消費者物価の高騰、これに伴う個人消費活動の減少等、不透明な状況が継続している環境下、デジタル広告市場も中期的に成長減速が予想されております。インフレ率の向上や金利上昇等の影響はグローバルな巨大ハイテク企業にも及び、業績悪化傾向が顕著になるとともに、大幅な人員削減によるリストラが進行しています。一方で、競争環境の激化や世界的な個人情報保護に関する法整備の拡大に加え、ブロックチェーン技術を利用したいわゆる「Web3」と呼ばれる分散型インターネットへのシフトが注目されており、今後様々な分野で幅広い新たなネットサービスの展開が見込まれております。
現在、コロナ禍でインターネットの利用時間が増加し、これまで視聴者の立場だったネットユーザーが、クリエイターとして発信者となり、デジタル空間上での情報発信や行動によって付加価値を生み出すトレンドが顕著となっています。これらはクリエイターエコノミー(個人がインターネット上でクリエイターとして商品・サービス等を提供し、収益を上げるデジタル市場をいう)として新たな経済活動がネットメディア上で急速に拡大しています。こういったクリエイターエコノミーはWeb3の世界においても「x to Earn」(xすることで経済的価値を得る)としてネット上での行動の対価として暗号資産を獲得するといった新たなWeb3.0経済圏を創出することが期待されています。
3.当社グループの今後の事業戦略
①メディア事業
当社は2022年12月28日付で株式会社ライブドアを完全子会社化し、当社グループは資産形成情報メディア「MINKABU(みんかぶ)」、株式情報専門メディア「Kabutan(株探)」と合わせ、月間利用者数8,000万人規模の国内有数のネットメディアグループとなりました。株式会社ライブドアは「ライブドアブログ」を中心としたUGC(User Generated Content)メディア、「ライブドアニュース」「Peachy」「Kstyle」を中心としたPGC(Professionally Generated Content)メディアが一体となったネットメディアサービスを展開しており、3,000万人を超えるSNSフォロワーも有しております。今後、このUGCメディアとPGCメディア一体型モデルとSNS拡散力によってメディアビジネスの成長戦略上の相乗効果が期待できるライブドアメディアを当社グループメディア事業の中核に位置付け、資産形成・エンタメ・グルメ・スポーツといった各専門メディアをバーティカルメディアとし、「ライブドアニュース」のコンテンツ拡散力を各バーティカルメディアに展開することを当社グループのメディア事業の基本戦略として位置付けてまいります。
上記戦略のもと、当社は2023年2月14日付で、株式会社コーエーテクモホールディングスの子会社で、スポーツ情報メディア「超WORLDサッカー!(https://web.ultra-soccer.jp/)」を運営するCWS Brains株式会社の株式会社ライブドアによる完全子会社化並びに同社による株式会社GINKANが運営するWeb3グルメSNS事業「シンクロライフ(https://www.synchrolife.org/)」の譲受についてそれぞれ基本合意をいたしました。(詳細は本日公表の「子会社等における孫会社の異動を伴う株式の取得に関する基本合意のお知らせ~スポーツ専門WEBメディア運営会社をグループ化~」及び「当社子会社における事業の譲受に関する基本合意のお知らせ~Web3グルメアプリ事業「シンクロライフ」をグループ事業化~」をご参照ください。)上記案件により、当社グループメディア事業の月間利用者数は9,000万人規模となります。
当社グループのメディア事業は、インプレッション課金型の企画広告を中心とした純広告と、金融機関の口座開設等の個人の投資意欲に紐づく成果報酬型広告による広告収入が主体であり、かつ当該収益はウェブ検索エンジンの最適化を通じた安定的な高位置掲載施策によるユーザー獲得数等に影響を受ける事業モデルとなっておりました。ライブドア事業につきましても広告収入が主体となりますが、比較的安定したアドネットワーク広告が中心となっております。またライブドア事業の9,000万人規模のTAM(Total Addressable Market)を自社グループメディアとして利活用できることから、今後の当社メディア事業の広告収益は、ライブドア事業の上積みによって規模の拡大・収益性の安定化とともに、グループメディア内誘導の積極化によりウェブ検索エンジンのアルゴリズムの変更の影響を受けにくい収益モデルとなります。
また、ライブドア事業の広告収益は当社グループの既存メディア事業の広告収益と比較すると、1ユニークユーザー当たりの広告単価が低い状況にあります。これは当社が得意とする比較的高単価の企画広告や成果型報酬広告の投入を始めとする収益拡大化策の余地が大きいと考えております。すでに前述の既存アフィリエイトサイトのカニバリゼーション解消に向けた対策として、2022年12月よりライフスタイル全般を対象とした比較サイト「livedoor Choice」を立ち上げるなど、収益拡大策を講じているほか、今後更なる収益性向上に努めてまいります。
さらに当社グループは、広告収益のみに依存しない、UGC・PGCの連携とSNS発信力によってクリエイターエコノミーに必要不可欠な、情報発信者のメジャー化のための育成プロセスを確立し、クリエイタープラットフォームとしての事業展開を図ってまいります。当社は2022年10月4日付でトークン発行及びトークンエコノミー運営ノウハウを有する株式会社ALISの子会社化を行っており、今後トークンを利用した優良なコンテンツ投稿者に対するユーザー間インセンティブや、配信されたニュースをSNS等にシェアした際のデジタルインセンティブの導入といったP2Pインセンティブ、あるいはC2B、B2Cのインセンティブによるクリエイターエコノミーの活性化とメディア及びクリエイターのスティックネス強化といったWeb3ビジネスモデル戦略を推進するとともに、スポーツ・グルメ情報メディアといったWeb3.0との親和性の高いバーティカルメディアとの更なる連携を進めてまいります。
②ソリューション事業
金融業界においては、世界的な市況低迷による個人投資家の投資意欲の減退や景気後退懸念、不安定な市場環境の影響等によって証券各社の業績が悪化しております。一方で日本株売買手数料無料化や収益力の多様化、さらに一層のコスト削減やシステム投資・運用の効率化等に向けた動きが活発化することが予想されます。当社は、このような環境認識のもと、情報系ソリューションサービスにおいては米国株情報ソリューションの提供や日本株投資総合情報ツールの投入等、収益力の多様化及び一層のコスト削減や運用効率化に向けた取り組みを行っております。
また、既存のITシステムが異なる組織単位毎に構築され、全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがなされている等により複雑化されていたりと、過去のデジタル投資の負の資産を解消すべく、金融業界に限らずデジタルトランスフォーメーション(DX)の動きは引き続き顕著となっている環境下、情報系ソリューションサービスに加え、金融各社のDX化に向けたシステム系ソリューションサービスの取り組みを強化しております。当事業年度におきましては、オンライン証券会社やオンライン銀行系の金融機関向けに、API(Application Programming Interface)を活用したシステム構築等に関するコンサルテーションの取り組みから開始いたしましたが、当社想定を超える業界ニーズがあり、すでにAPI連携によるマーケットプレイス開発やそのマーケティング支援さらにはデジタルペイメント基盤システム開発等、コンサルテーションに加えて開発・運用支援段階のソリューション提供を開始するなど、システム系ソリューションサービスの提供領域拡大を行っております。
加えて、2022年12月に当社子会社である株式会社ミンカブアセットパートナーズにおいて、金融商品仲介業登録が完了いたしました。今後、政府の施策でもある「資産所得倍増プラン」のもと、当社グループが資産形成層並びに投資家向け情報メディア事業及び金融情報ソリューション事業を通じて構築した400社を超える金融機関主体の顧客基盤と、株式会社ライブドア等を加えた9,000万人規模の個人ユーザー基盤を活用した金融商品仲介業を展開予定です。
以上のとおり、ソリューション事業領域におきまして、情報系ソリューションサービスはコスト削減や収益性の多様化等のニーズを背景に、またシステム系ソリューションサービスは引き続きDX化ニーズのトレンドのもと、引き続き安定成長を図る他、資産形成層のすそ野拡大に向けたB2Cソリューションサービスを新たに展開してまいります。
さらに当社は2022年5月に、ブロックチェーンを基盤としたネットワークであるWeb3を活用したNFTソリューションの展開等を目的に、株式会社ミンカブWeb3ウォレットを連結子会社化しており、Web3時代に対応した新たなソリューションサービス展開を図っており、今後はソリューション事業におきましても総合メディアグループとしての新たなメディア事業とソリューション事業のシナジーを追及しつつ、金融業界に限定しない幅広い領域に向けた事業展開を図ってまいります。
4.成長を可能とするグループ推進体制と収益改善シナリオ
このような環境認識及び事業戦略に基づき、メディア事業においては圧倒的なトラフィックやSNS発信力といった規模を活用した事業展開、ソリューション事業においては情報系ソリューション・システム系ソリューションの更なる進化に加え、資産形成層拡大に寄与するための新規金融サービスといった深堀り展開を効率的に推進するため、グループ体制の再構築を図ってまいります。
メディア事業につきましては、ライブドアメディアを当社グループメディア事業の中核に位置付け、金融・エンターテイメント・グルメ・スポーツといった各専門メディアをバーティカルメディアとし、「ライブドアニュース」のコンテンツ拡散力を各バーティカルメディアに展開することを当社グループのメディア事業の基本戦略として位置付けてまいります。この基本戦略を推進するため、まずは株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのメディア事業部門を株式会社ライブドアに統合するとともに、今後予定している各バーティカルメディアを運営する事業会社につきましても株式会社ライブドアにその運営を一本化いたします。ソリューション事業につきましては、新たに設立する予定の準備会社を軸としたグループ組織再編を進めることを基本方針とし、今後再編スキームを調整の上、早期の体制整備を実施します。
また、来期以降の収益性の改善策につきまして、メディア事業におきましては株式会社ライブドアの収益貢献が通期に亘ることによる大幅増収・大幅増益、カニバリゼーション解消施策によるアフィリエイトサイトの収益性改善、ソリューション事業においては当第2四半期連結会計期間に獲得した情報系ソリューションサービス大口契約の通期貢献、根強いDXトレンドを背景としたシステム系ソリューションサービスの進展等をベースとし、前述のグループ組織再編基本方針に基づくグループ全体の人的リソースの再配置や各種の最適化を行うことで大幅コスト削減を実施いたします。具体的には、金融メディア事業の人的リソースのグループ内リバランス施策による将来の人員増抑制、約9,000万規模のメディアパワーを活かしたグループ内マーケティング・プロモーション展開による広告宣伝コストの大幅削減、グループ内資産の機能統合や再整理によるデータ・ライセンスコストの圧縮及び金融メディア事業の開発投資抑制による将来の減価償却費削減を始めとした徹底的な収益性改善策を即座に実行いたします。これら一連の対応により、来年度以降のV字回復を確実なものといたします。
またグループ全体のweb3戦略を統括する専任部門をCEO直下の組織として設置し、メディア事業・ソリューション事業の両輪をWeb3テクノロジーで最大化を図る戦略的推進体制を構築いたしました。今後当社グループは、金融業界にとどまらない多様なフィールドで「情報の価値を具現化する仕組みを提供」することで、Next Stageへとその成長フェーズをシフトさせるとともに、企業価値の更なる増大を図ってまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は4,964,015千円となり、前連結会計年度末に比べ138,282千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が552,138千円減少したこと、貸倒引当金が204,852千円増加した一方で、株式会社ライブドアの連結子会社化を主因として、売掛金及びその他流動資産がそれぞれ438,884千円、414,889千円増加したこと、仕掛品が41,542千円増加したことに要因としたものであります。
固定資産は11,861,927千円となり、前連結会計年度末に比べ6,929,823千円の増加となりました。これは主に、株式会社ライブドア及び株式会社ALISの連結子会社化を主因として、のれんが4,429,371千円増加したこと、ソフトウエア開発投資により、ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定が合計で383,412千円増加したこと、株式会社ライブドアが非適格分割された際に発生した資産調整勘定に対する税効果等を計上したことにより繰延税金資産が2,271,945千円増加したことを要因としたものであります。
これらの結果、資産合計は16,825,943千円となり、前連結会計年度末の9,757,836千円から7,068,106千円の増加となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は1,694,058千円となり、前連結会計年度末に比べ751,895千円の増加となりました。これは主に、株式会社ライブドアの連結子会社化を目的としたシンジケートローン契約に基づく借入実行を主因として、1年内返済予定の長期借入金が547,283千円増加したこと、株式会社ライブドアの連結子会社化を主因として、その他流動負債が274,978千円増加したことを要因としたものであります。
固定負債は8,114,644千円となり、前連結会計年度末に比べ6,742,474千円の増加となりました。これは主に、株式会社ライブドアの連結子会社化を目的としたシンジケートローン契約に基づく借入実行を主因として、長期借入金が6,748,380千円増加したことを要因としたものであります。
これらの結果、負債合計は9,808,702千円となり、前連結会計年度末の2,314,332千円から7,494,370千円の増加となりました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は7,017,240千円となり、前連結会計年度末の7,443,504千円から426,264千円の減少となりました。これは主に、資本剰余金を原資とする普通配当により資本剰余金が357,784千円減少したこと、及び、当第3四半期連結累計期間に親会社株主に帰属する四半期純損失234,928千円を計上した一方で、役職員による新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ17,725千円増加したこと、その他有価証券評価差額金が21,843千円増加したこと、非支配株主持分が110,159千円増加したことを要因としたものであります。
これらの結果、自己資本比率は40.5%(前連結会計年度末は75.2%)となりました。
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高が4,285,495千円(前年同期比18.6%増)、営業利益は167,190千円(前年同期比59.2%減)、経常損失は113,763千円(前第3四半期連結累計期間は367,314千円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は234,928千円(前第3四半期連結累計期間は203,757千円の親会社株主に帰属する四半期純利益)、また当社グループにおいて継続的な成長の指標の一つとして重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は740,913千円(前年同期比17.4%減)となりました。
売上高につきまして、メディア事業においては世界的な広告市場の減速感に加え、ウェブ検索エンジンの仕様変更等に関連して成果報酬型広告売上が悪影響を受けた一方で、ソリューション事業につきましては前年同期比で順調に成長を継続し、概ね期首計画どおり進捗いたしましたが、セールスミックスの悪化に加え、中期的な成長の加速に向けた人員の拡大や新規サービスの投入及びサービス拡張に伴う初期開発、データ・ライセンス費用等の先行投資等により、短期的な期間利益圧迫要因が発生しております。
また当第3四半期連結会計期間におきましては、2022年10月4日付で株式会社ALISを連結子会社化するとともに、2022年12月28日付で株式会社ライブドアの連結子会社化が完了し、当社は当社の既存ユーザーと合わせて8,000万人規模のユーザー基盤を有する国内有数のネットメディアグループとなりました。なお、当第3四半期連結会計期間におきまして、株式会社ライブドアの連結子会社化に付随して発生したアドバイザリー費用及び当該株式取得資金調達のためのシンジケートローン組成手数料を営業外費用に計上しております。また、株式会社ライブドア及び株式会社ALISのみなし取得日は2022年12月31日となります。
報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間におきましては、2022年5月1日付で株式会社ミンカブWeb3ウォレットを連結子会社化しております。
(メディア事業)
メディア事業は、資産形成情報メディア「MINKABU(みんかぶ)」、株式情報専門メディア「Kabutan(株探)」及び当社グループが業務提携によりサイト運営の一翼を担うサービスから得られる広告収益、並びに有料サービスから得られる課金収益を計上しております。
当社が運営する既存の金融系情報メディアサイトの当第3四半期連結累計期間における合計月間平均ユニークユーザー数は829万人、同訪問ユーザー数は2,565万人、前年同期比ではそれぞれ64万人(7.2%)減、207万人(7.4%)減となり、市況等の外部環境の影響が継続しておりますが、株式会社ライブドアの月間平均ユニークユーザー数(※)は約7,000万人規模となり、グループ全体の月間平均ユニークユーザー数は約8,000万人規模となります。また、企業から得る純広告収入は前年同期比で堅調に推移したものの、当第3四半期連結会計期間においては、ウェブ検索エンジンの仕様変更等に関連して、主力アフィリエイト2サイト(minkabu.co.jpとminkabu.jp内で展開)の間にカニバリゼーションが発生したことにより、両サイトともに検索順位が大幅に低下したことで、高利益率の成果報酬型広告売上が悪影響を受け、前年同期を下回る水準で推移いたしました。なお、2022年12月よりライフスタイル全般を対象としたアフィリエイトサイト「livedoor Choice」を立ち上げ、minkabu.co.jpで展開していたアフィリエイトを「livedoor Choice」に移管することにより当該カニバリゼーションの解消に向けた対策を講じ、既にその効果が確認できております。課金収入では、課金有料サービスから得るサブスクリプション型収入による月額利用料が堅調に推移したことに加え、資産形成管理ツール「MINKABU ASSET PLANNER」の法人向けOEM提供による初期導入売上を計上いたしました。一方で、中長期的な成長に向けた人的基盤の整備のための人件費、米国株情報をはじめとした新規機能やサービスの開発による自社資産ソフトウエアの減価償却費及び運用費等を中心とした固定費が増加し、これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,485,768千円(前年同期比4.1%減)、セグメント利益は197,457千円(前年同期比58.4%減)となりました。
(※)「ライブドアブログ」「ライブドアニュース」「Kstyle」3サービスの2022年4月~12月の平均利用者数合計値。「ライブドアブログ」については同期間におけるデイリー閲覧者数の平均値、「ライブドアニュース」「Kstyle」については同期間における月間利用者数の平均値。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、メディア事業で培ったノウハウを活用したAIにより自動生成させる様々なソフトウエアや、サイト上で収集したクラウドインプットデータ等に加工を施した情報系ソリューションを第三者に提供するASPサービスの初期導入や月額利用料、及び情報系ソリューションを通じ提供を行っている金融機関等を中心とした顧客基盤に対し、当社のアセットを活用したシステム系ソリューションとしてのコンサルティング及び初期導入、並びにその後の保守等の月額利用料による収益を中心に事業を展開しております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、自律的成長の継続に加え、第1四半期連結累計期間より提供を開始したシステム系ソリューションにおけるコンサルティング大型案件の獲得及び連結子会社のProp Tech plus株式会社が引き続き順調に収益増へ貢献いたしました。一方で、情報系ソリューションサービスにつきましては、米国株ソリューション等新規サービス開始に伴う減価償却費、データ購入費・ライセンス料、外注費の増加といった先行投資が継続する一方、顧客金融機関の業績悪化等を背景に、顧客への導入が想定よりも遅れたことにより、システム系ソリューションが売上牽引するも、情報系ソリューションに比較して粗利率が低いため、期中でのセールスミックスが悪化し、一時的に利益率が低下しております。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,832,641千円(前年同期比36.2%増)、セグメント利益は552,855千円(前年同期比35.1%増)となりました。
(2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業環境に関する認識及び再成長に向けた今後の事業戦略は次のとおりであります。
1.金融業界に関する認識
2022年6月7日に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」及び「経済財政運営と改革の基本方針2022」を受け、2022年11月28日に内閣官房に設置された新しい資本主義実現会議によって「資産所得倍増プラン」の具体プランが取り纏められ、貯蓄から投資への流れを後押しする少額投資非課税制度(NISA)の恒久化や抜本的拡充を中心に、新たな資産形成層の拡大とともに、我が国における家計の資産形成が大きく前進することが期待されております。当社もこの趣旨に賛同し、企業におけるイノベーション・成長を促進する環境の整備や、家計における金融リテラシーの向上、資産形成の取り組みを支援する目的で金融経済教育におけるデジタルプラットフォームを開発し、企業並びに経済団体等へASP型サービスとして2023年初頭から順次機能提供を開始する予定であり、資産形成層のすそ野拡大に応じた新たな情報ソリューションサービスのニーズが高まると考えております。
同時に、今後大手オンライン証券会社を軸とした国内における株式売買手数料の無料化加速に向けた動きが活発化することで、顧客の囲い込みに向けた更なる競争激化が予想されます。一方、NISA恒久化等による新たな資産形成層拡大策に加え、手数料無料化による顧客獲得競争が激しくなるにつれ、1顧客当たりの収益性の悪化が顧客当たりの獲得コスト低下を招き、成果報酬型広告を始めとする当社メディア事業の広告収益への影響が懸念されます。なお、株式売買手数料の無料化はある意味でそのコストが投資家に還元されるため、個人投資家の課金余力は一定程度回復することが期待されます。このため、サブスクリプション型サービスにつきましては今後改めて成長戦略が描けるものと想定しております。また、証券会社各社による収益性の多様化やシステム運用・システム構築の効率化、といった費用対効果に向けた認識が一層高まることが予想され、ソリューション事業においては堅調にニーズが拡大する傾向が当面継続するものと考えております。
2.インターネット業界に関する認識
世界的な経済環境の悪化や消費者物価の高騰、これに伴う個人消費活動の減少等、不透明な状況が継続している環境下、デジタル広告市場も中期的に成長減速が予想されております。インフレ率の向上や金利上昇等の影響はグローバルな巨大ハイテク企業にも及び、業績悪化傾向が顕著になるとともに、大幅な人員削減によるリストラが進行しています。一方で、競争環境の激化や世界的な個人情報保護に関する法整備の拡大に加え、ブロックチェーン技術を利用したいわゆる「Web3」と呼ばれる分散型インターネットへのシフトが注目されており、今後様々な分野で幅広い新たなネットサービスの展開が見込まれております。
現在、コロナ禍でインターネットの利用時間が増加し、これまで視聴者の立場だったネットユーザーが、クリエイターとして発信者となり、デジタル空間上での情報発信や行動によって付加価値を生み出すトレンドが顕著となっています。これらはクリエイターエコノミー(個人がインターネット上でクリエイターとして商品・サービス等を提供し、収益を上げるデジタル市場をいう)として新たな経済活動がネットメディア上で急速に拡大しています。こういったクリエイターエコノミーはWeb3の世界においても「x to Earn」(xすることで経済的価値を得る)としてネット上での行動の対価として暗号資産を獲得するといった新たなWeb3.0経済圏を創出することが期待されています。
3.当社グループの今後の事業戦略
①メディア事業
当社は2022年12月28日付で株式会社ライブドアを完全子会社化し、当社グループは資産形成情報メディア「MINKABU(みんかぶ)」、株式情報専門メディア「Kabutan(株探)」と合わせ、月間利用者数8,000万人規模の国内有数のネットメディアグループとなりました。株式会社ライブドアは「ライブドアブログ」を中心としたUGC(User Generated Content)メディア、「ライブドアニュース」「Peachy」「Kstyle」を中心としたPGC(Professionally Generated Content)メディアが一体となったネットメディアサービスを展開しており、3,000万人を超えるSNSフォロワーも有しております。今後、このUGCメディアとPGCメディア一体型モデルとSNS拡散力によってメディアビジネスの成長戦略上の相乗効果が期待できるライブドアメディアを当社グループメディア事業の中核に位置付け、資産形成・エンタメ・グルメ・スポーツといった各専門メディアをバーティカルメディアとし、「ライブドアニュース」のコンテンツ拡散力を各バーティカルメディアに展開することを当社グループのメディア事業の基本戦略として位置付けてまいります。
上記戦略のもと、当社は2023年2月14日付で、株式会社コーエーテクモホールディングスの子会社で、スポーツ情報メディア「超WORLDサッカー!(https://web.ultra-soccer.jp/)」を運営するCWS Brains株式会社の株式会社ライブドアによる完全子会社化並びに同社による株式会社GINKANが運営するWeb3グルメSNS事業「シンクロライフ(https://www.synchrolife.org/)」の譲受についてそれぞれ基本合意をいたしました。(詳細は本日公表の「子会社等における孫会社の異動を伴う株式の取得に関する基本合意のお知らせ~スポーツ専門WEBメディア運営会社をグループ化~」及び「当社子会社における事業の譲受に関する基本合意のお知らせ~Web3グルメアプリ事業「シンクロライフ」をグループ事業化~」をご参照ください。)上記案件により、当社グループメディア事業の月間利用者数は9,000万人規模となります。
当社グループのメディア事業は、インプレッション課金型の企画広告を中心とした純広告と、金融機関の口座開設等の個人の投資意欲に紐づく成果報酬型広告による広告収入が主体であり、かつ当該収益はウェブ検索エンジンの最適化を通じた安定的な高位置掲載施策によるユーザー獲得数等に影響を受ける事業モデルとなっておりました。ライブドア事業につきましても広告収入が主体となりますが、比較的安定したアドネットワーク広告が中心となっております。またライブドア事業の9,000万人規模のTAM(Total Addressable Market)を自社グループメディアとして利活用できることから、今後の当社メディア事業の広告収益は、ライブドア事業の上積みによって規模の拡大・収益性の安定化とともに、グループメディア内誘導の積極化によりウェブ検索エンジンのアルゴリズムの変更の影響を受けにくい収益モデルとなります。
また、ライブドア事業の広告収益は当社グループの既存メディア事業の広告収益と比較すると、1ユニークユーザー当たりの広告単価が低い状況にあります。これは当社が得意とする比較的高単価の企画広告や成果型報酬広告の投入を始めとする収益拡大化策の余地が大きいと考えております。すでに前述の既存アフィリエイトサイトのカニバリゼーション解消に向けた対策として、2022年12月よりライフスタイル全般を対象とした比較サイト「livedoor Choice」を立ち上げるなど、収益拡大策を講じているほか、今後更なる収益性向上に努めてまいります。
さらに当社グループは、広告収益のみに依存しない、UGC・PGCの連携とSNS発信力によってクリエイターエコノミーに必要不可欠な、情報発信者のメジャー化のための育成プロセスを確立し、クリエイタープラットフォームとしての事業展開を図ってまいります。当社は2022年10月4日付でトークン発行及びトークンエコノミー運営ノウハウを有する株式会社ALISの子会社化を行っており、今後トークンを利用した優良なコンテンツ投稿者に対するユーザー間インセンティブや、配信されたニュースをSNS等にシェアした際のデジタルインセンティブの導入といったP2Pインセンティブ、あるいはC2B、B2Cのインセンティブによるクリエイターエコノミーの活性化とメディア及びクリエイターのスティックネス強化といったWeb3ビジネスモデル戦略を推進するとともに、スポーツ・グルメ情報メディアといったWeb3.0との親和性の高いバーティカルメディアとの更なる連携を進めてまいります。
②ソリューション事業
金融業界においては、世界的な市況低迷による個人投資家の投資意欲の減退や景気後退懸念、不安定な市場環境の影響等によって証券各社の業績が悪化しております。一方で日本株売買手数料無料化や収益力の多様化、さらに一層のコスト削減やシステム投資・運用の効率化等に向けた動きが活発化することが予想されます。当社は、このような環境認識のもと、情報系ソリューションサービスにおいては米国株情報ソリューションの提供や日本株投資総合情報ツールの投入等、収益力の多様化及び一層のコスト削減や運用効率化に向けた取り組みを行っております。
また、既存のITシステムが異なる組織単位毎に構築され、全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがなされている等により複雑化されていたりと、過去のデジタル投資の負の資産を解消すべく、金融業界に限らずデジタルトランスフォーメーション(DX)の動きは引き続き顕著となっている環境下、情報系ソリューションサービスに加え、金融各社のDX化に向けたシステム系ソリューションサービスの取り組みを強化しております。当事業年度におきましては、オンライン証券会社やオンライン銀行系の金融機関向けに、API(Application Programming Interface)を活用したシステム構築等に関するコンサルテーションの取り組みから開始いたしましたが、当社想定を超える業界ニーズがあり、すでにAPI連携によるマーケットプレイス開発やそのマーケティング支援さらにはデジタルペイメント基盤システム開発等、コンサルテーションに加えて開発・運用支援段階のソリューション提供を開始するなど、システム系ソリューションサービスの提供領域拡大を行っております。
加えて、2022年12月に当社子会社である株式会社ミンカブアセットパートナーズにおいて、金融商品仲介業登録が完了いたしました。今後、政府の施策でもある「資産所得倍増プラン」のもと、当社グループが資産形成層並びに投資家向け情報メディア事業及び金融情報ソリューション事業を通じて構築した400社を超える金融機関主体の顧客基盤と、株式会社ライブドア等を加えた9,000万人規模の個人ユーザー基盤を活用した金融商品仲介業を展開予定です。
以上のとおり、ソリューション事業領域におきまして、情報系ソリューションサービスはコスト削減や収益性の多様化等のニーズを背景に、またシステム系ソリューションサービスは引き続きDX化ニーズのトレンドのもと、引き続き安定成長を図る他、資産形成層のすそ野拡大に向けたB2Cソリューションサービスを新たに展開してまいります。
さらに当社は2022年5月に、ブロックチェーンを基盤としたネットワークであるWeb3を活用したNFTソリューションの展開等を目的に、株式会社ミンカブWeb3ウォレットを連結子会社化しており、Web3時代に対応した新たなソリューションサービス展開を図っており、今後はソリューション事業におきましても総合メディアグループとしての新たなメディア事業とソリューション事業のシナジーを追及しつつ、金融業界に限定しない幅広い領域に向けた事業展開を図ってまいります。
4.成長を可能とするグループ推進体制と収益改善シナリオ
このような環境認識及び事業戦略に基づき、メディア事業においては圧倒的なトラフィックやSNS発信力といった規模を活用した事業展開、ソリューション事業においては情報系ソリューション・システム系ソリューションの更なる進化に加え、資産形成層拡大に寄与するための新規金融サービスといった深堀り展開を効率的に推進するため、グループ体制の再構築を図ってまいります。
メディア事業につきましては、ライブドアメディアを当社グループメディア事業の中核に位置付け、金融・エンターテイメント・グルメ・スポーツといった各専門メディアをバーティカルメディアとし、「ライブドアニュース」のコンテンツ拡散力を各バーティカルメディアに展開することを当社グループのメディア事業の基本戦略として位置付けてまいります。この基本戦略を推進するため、まずは株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのメディア事業部門を株式会社ライブドアに統合するとともに、今後予定している各バーティカルメディアを運営する事業会社につきましても株式会社ライブドアにその運営を一本化いたします。ソリューション事業につきましては、新たに設立する予定の準備会社を軸としたグループ組織再編を進めることを基本方針とし、今後再編スキームを調整の上、早期の体制整備を実施します。
また、来期以降の収益性の改善策につきまして、メディア事業におきましては株式会社ライブドアの収益貢献が通期に亘ることによる大幅増収・大幅増益、カニバリゼーション解消施策によるアフィリエイトサイトの収益性改善、ソリューション事業においては当第2四半期連結会計期間に獲得した情報系ソリューションサービス大口契約の通期貢献、根強いDXトレンドを背景としたシステム系ソリューションサービスの進展等をベースとし、前述のグループ組織再編基本方針に基づくグループ全体の人的リソースの再配置や各種の最適化を行うことで大幅コスト削減を実施いたします。具体的には、金融メディア事業の人的リソースのグループ内リバランス施策による将来の人員増抑制、約9,000万規模のメディアパワーを活かしたグループ内マーケティング・プロモーション展開による広告宣伝コストの大幅削減、グループ内資産の機能統合や再整理によるデータ・ライセンスコストの圧縮及び金融メディア事業の開発投資抑制による将来の減価償却費削減を始めとした徹底的な収益性改善策を即座に実行いたします。これら一連の対応により、来年度以降のV字回復を確実なものといたします。
またグループ全体のweb3戦略を統括する専任部門をCEO直下の組織として設置し、メディア事業・ソリューション事業の両輪をWeb3テクノロジーで最大化を図る戦略的推進体制を構築いたしました。今後当社グループは、金融業界にとどまらない多様なフィールドで「情報の価値を具現化する仕組みを提供」することで、Next Stageへとその成長フェーズをシフトさせるとともに、企業価値の更なる増大を図ってまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。