四半期報告書-第13期第2四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

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2018/11/12 10:03
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(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が続く中、個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調で推移いたしましたが、通商問題の動向や相次ぐ自然災害が経済に与える影響や海外経済の不確実性等、先行き不透明な状況にあります。
当社グループの業績に大きな影響を及ぼす国際原油価格について、4月はブレント原油(国際的な原油指標)期近物の終値ベースで67.64米ドルから始まり、欧米等6カ国とイランが結んだ核合意から米国が離脱すること表明し、イラン情勢が緊迫化することによってイランの原油輸出が減少して需給が逼迫するとの観測が広まったことから、5月23日には79.80米ドルまで上昇しました。その後、需給逼迫観測の緩和を受け、6月21日は73.05米ドルまで下落したものの、米国がイラン原油の輸入停止を世界各国に要請したこと、6月22日のOPEC総会におけるOPEC及び非OPEC加盟国の減産緩和合意による増産幅が限定的であったことを背景に、再び供給不安が高まり、6月29日には79.44米ドルまで上昇しました。7月以降は、米国の原油生産量の増加による需給緩和観測から、70米ドル台前半にて推移しましたが、一時、米ドルが主要通貨に対し上昇し、ドル建てで取引される原油の割高さが意識されたこと等により、8月15日には70.76米ドルまで下落したものの、その後は、イランからの原油輸出量減少とそれを補うOPECの増産余地が想定よりも乏しいとの思惑が浮上したこと及び米国産シェールオイルの増産が鈍るという需給逼迫観測が広がったこと等から、9月28日に82.72米ドルまで上昇し、当第2四半期を終えました。なお、当第2四半期連結累計期間の原油の当社グループ販売平均価格は、73.16米ドルとなりました。
一方、業績に重要な影響を与えるもう一つの要因である為替相場ですが、当期は1米ドル106円台で始まりました。欧州及び東アジアの政治情勢に端を発したリスク回避の動きが見られる中でも、米国を中心とした堅調な経済指標・企業業績並びに6月上旬には米朝首脳会談が実現したことを受けて円安ドル高基調が強まり、7月には一時113円台を付けました。その後、米国と世界各国との貿易・政治摩擦の激化とそれに伴う新興国市場の混乱、日本銀行による緩和政策修正への思惑等から109円台まで円高が進行する場面もありましたが、9月に入り貿易・政治摩擦による混乱が落ち着きを取り戻すと円売り・ドル買いが再び強まり、期末公示仲値(TTM)は、前期末から7円31銭円安の113円58銭となりました。なお、当社グループ売上の期中平均レートは、前年同期に比べ、1円73銭円高の1米ドル109円59銭となりました。
このような事業環境の中、当第2四半期連結累計期間は油価が上昇したものの、販売数量が減少したことにより、売上高は前年同期比97億円、2.2%減の4,382億円となりました。このうち原油売上高は前年同期比420億円、12.7%増の3,729億円、天然ガス売上高は前年同期比528億円、47.7%減の579億円となりました。当第2四半期連結累計期間の販売数量は、原油が前年同期比11,068千バレル、19.2%減の46,462千バレルとなりました。天然ガスは、前年同期比82,325百万立方フィート、54.4%減の69,026百万立方フィートとなりました。このうち、海外天然ガスは、前年同期比84,375百万立方フィート、71.9%減の32,971百万立方フィートとなり、国内天然ガスは、前年同期比55百万立方メートル、6.0%増の966百万立方メートル、立方フィート換算では36,055百万立方フィートとなっております。販売価格は、海外原油売上の平均価格が1バレル当たり73.16米ドルとなり、前年同期比21.91米ドル、42.8%の上昇となりました。海外天然ガス売上の平均価格は千立方フィート当たり2.67米ドルとなり、前年同期比2.47米ドル、48.1%の下落となりました。また、国内天然ガスの平均価格は立方メートル当たり49円85銭となり、前年同期比4円21銭、9.2%の上昇となっております。売上高の平均為替レートは1米ドル109円59銭となり、前年同期比1円73銭、1.6%の円高となりました。
売上高の減少額97億円を要因別に分析しますと、原油及び天然ガスの売上高に関し、販売数量の減少により1,109億円の減収、平均単価の上昇により1,066億円の増収、売上の平均為替レートが円高となったことにより65億円の減収、その他の売上高が10億円の増収となりました。
一方、売上原価は前年同期比461億円、20.8%減の1,760億円、探鉱費は前年同期比0億円、6.7%増の10億円、販売費及び一般管理費は前年同期比42億円、10.9%減の347億円となりました。以上の結果、営業利益は前年同期比406億円、21.9%増の2,264億円となりました。
営業外収益は、持分法による投資利益の増加等により、前年同期比179億円、114.7%増の336億円となりました。営業外費用は前年同期比69億円、115.4%増の130億円となりました。この結果、経常利益及び税金等調整前四半期純利益は前年同期比515億円、26.4%増の2,469億円となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は前年同期比443億円、27.4%増の2,059億円となり、四半期純利益は前年同期比72億円、21.4%増の410億円となりました。非支配株主に帰属する四半期純利益は70億円となり、以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比38億円、12.9%増の340億円となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
① 日本
販売数量の増加、ガス価の上昇により、売上高は前年同期比81億円、16.0%増の586億円となり、営業利益は前年同期比20億円、16.5%増の142億円となりました。
② アジア・オセアニア
油価は上昇したものの、販売数量の減少により、売上高は前年同期比789億円、84.3%減の147億円となり、前年同期の営業利益253億円に対し、当期は3億円の営業損失となりました。
③ ユーラシア(欧州・NIS諸国)
販売数量の増加、油価の上昇により、売上高は前年同期比247億円、70.1%増の601億円となり、営業利益は前年同期比110億円、131.5%増の194億円となりました。
④ 中東・アフリカ
販売数量は減少したものの、油価の上昇により、売上高は前年同期比364億円、13.9%増の2,986億円となり、営業利益は前年同期比553億円、37.1%増の2,046億円となりました。
⑤ 米州
油価は上昇したものの、販売数量の減少により、売上高は前年同期比1億円、1.7%減の60億円となり、営業損失は前年同期比4億円、16.1%減の21億円となりました。
当第2四半期連結会計期間末における総資産は4兆7,940億円となり、前連結会計年度末の4兆2,523億円と比較して、5,416億円の増加となりました。流動資産は6,460億円で、現金及び預金の増加等により前連結会計年度末と比較して1,797億円の増加となりました。固定資産は4兆1,480億円で、有形固定資産及び投資その他の資産の増加等により前連結会計年度末と比較して3,619億円の増加となりました。
一方、負債は1兆5,212億円となり、前連結会計年度末の1兆935億円と比較して4,277億円の増加となりました。このうち流動負債は4,612億円で、前連結会計年度末比1,558億円の増加、固定負債は1兆599億円で、前連結会計年度末比2,718億円の増加となりました。
純資産は3兆2,728億円となり、前連結会計年度末比1,139億円の増加となりました。このうち、株主資本は2兆5,889億円で、前連結会計年度末比207億円の増加となりました。その他の包括利益累計額は4,381億円で、前連結会計年度末比897億円の増加、非支配株主持分は2,457億円で、前連結会計年度末比35億円の増加となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(2)連結キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は、期首の2,760億円から当第2四半期中に減少した資金150億円を差し引いた2,610億円となりました。
当第2四半期連結累計期間における営業活動、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前年同期比303億円減の1,108億円となりました。これは主に、法人税等の支払額が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前年同期比2,294億円増の4,577億円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入が減少したことや長期貸付けによる支出が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、前年同期比2,828億円増の3,251億円となりました。これは主に、長期借入れによる収入が増加したことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
①基本方針の内容
当社グループは、バランスの取れた資産ポートフォリオ、国際的な有力中堅企業としてのプレゼンス及び高い水準のオペレーターとしての技術力等を最大限に活かし、既発見の大規模油ガス田の早期商業生産を達成するとともに、今後とも優良な油ガス田を積極的に獲得するための投資強化を通じ、国際競争力のある我が国の中核的企業として、我が国向けエネルギーの安定供給の効率的な実現及び企業価値のさらなる向上を目指して積極的な事業展開に努めてまいります。
②財産の有効な活用及び不適切な支配の防止のための取り組み
当社グループは、健全な財務体質のさらなる強化を図りつつ、石油・天然ガス資源の安定的かつ効率的な供給を可能とするために事業基盤の拡大を目指し、探鉱・開発活動及び供給インフラの整備・拡充等に積極的な投資を行います。当社は、これらの活動を通じた石油・天然ガスの保有埋蔵量及び生産量の維持・拡大による持続的な企業価値の向上と配当による株主の皆様への直接的な利益還元との調和を、中長期的な視点を踏まえつつ図ってまいります。
また、当社は、上記①の基本方針に基づき、投機的な買収や外資による経営支配等により、中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われること又は否定的な影響が及ぶことがないよう、経済産業大臣に対し甲種類株式を発行しております。
その内容としては、ⅰ)取締役の選解任、ⅱ)重要な資産の全部又は一部の処分等、ⅲ)当社の目的及び当社普通株式以外の株式への議決権(甲種類株式に既に付与された種類株主総会における議決権を除く。)の付与に係る定款変更、ⅳ)統合、ⅴ)資本金の額の減少、ⅵ)解散、に際し、当社の株主総会又は取締役会の決議に加え、甲種類株式の株主による種類株主総会(以下、「甲種類株主総会」という)の決議が必要とされております。ただし、ⅰ)取締役の選解任及びⅳ)統合については、定款に定める一定の要件を充たす場合に限り、甲種類株主総会の決議が必要とされております。
甲種類株主総会における議決権の行使に関しては、甲種類株主が平成20年経済産業省告示第220号に定める甲種類株式の議決権行使の基準に則り、議決権を行使できるものとしております。当該基準では、上記ⅰ)及びⅳ)に係る決議については、「中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われていく蓋然性が高いと判断される場合」、上記ⅲ)の当社普通株式以外の株式への議決権(甲種類株式に既に付与された種類株主総会における議決権を除く。)の付与に係る定款変更の決議については、「甲種類株式の議決権行使に影響を与える可能性のある場合」、上記ⅱ)、ⅲ)当社の目的に係る定款変更、ⅴ)及びⅵ)に係る決議については、「中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に否定的な影響が及ぶ蓋然性が高いと判断される場合」のみ否決するものとされております。
さらに、当社の子会社定款においても子会社が重要な資産処分等を行う際に、上記ⅱ)の重要な資産の全部又は一部の処分等に該当する場合には、当該子会社の株主総会決議を要する旨を定めており、この場合も当社取締役会の決議に加え、甲種類株主総会の決議を必要としています。なお、当社の取締役会は、甲種類株主による甲種類株式の議決権行使を通じた拒否権の行使に関して権能を有しておらず、したがって甲種類株式は当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
③上記②の取り組みについての取締役会の判断
上記②の取り組みは、我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現及び持続的な企業価値の向上を目指すものであり、上記①の基本方針に沿うものであります。
また、上記②の甲種類株式は、拒否権の対象が限定され、その議決権行使も平成20年経済産業省告示第220号に定める経済産業大臣による甲種類株式の議決権行使の基準に則り行われることから、経営の効率性・柔軟性を不当に阻害しないよう透明性を高くし、また、その影響が必要最小限にとどまるよう設計されておりますので、上記①の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないと考えております。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は240百万円であります。