四半期報告書-第15期第1四半期(令和2年1月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/05/13 12:01
【資料】
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【項目】
36項目
(1)財政状態及び経営成績の状況
前連結会計年度より当社及び従来3月決算であった国内連結子会社の決算日を3月31日から12月31日に変更し、当社と連結子会社の決算日を12月31日に統一しました。
以下、増減については「前年同一期間」との比較で記載しています。(前年同一期間とは、当第1四半期連結累計期間(2020年1月1日から3月31日)に対応する期間(2019年1月1日から3月31日)を指します。)
(単位:百万円)
前年同一期間当第1四半期
連結累計期間
増減額増減率(%)
売上高269,200249,669△19,530△7.3
営業利益120,771100,878△19,892△16.5
経常利益134,248107,728△26,519△19.8
親会社株主に帰属する四半期純利益49,29233,572△15,720△31.9

当第1四半期連結会計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、足下で大幅に下押しされており、厳しい状況にあります。先行きについては、感染症の影響による厳しい状況が見込まれ、感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクに十分注意する必要があり、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
当社グループの業績に大きな影響を及ぼす国際原油価格について、1月はブレント原油(国際的な原油指標)期近物の終値ベースで66.25米ドルから始まり、米国防総省が1月2日に、イラン革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を空爆で殺害したと発表すると、中東情勢が悪化するとの懸念を背景に原油先物の買いを誘い、1月6日には68.91米ドルまで上昇しました。その後、1月下旬から中国武漢を震源とする新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の中国国内での感染拡大が顕在化したことで世界経済への悪影響が意識され、1月31日には58.16米ドルまで下落しました。2月は54.45米ドルから始まり、12日から20日かけて中国の感染者数の増加ペースが鈍化していることや3月のOPEC及びOPEC非加盟国間協議にて追加減産が検討されていることが市場に伝わり、需給が引き締まるとの観測から2月20日には59.31米ドルまで上昇しました。その後、同月下旬にかけて韓国やイタリアなど中国国外での新型コロナウィルスの感染拡大が報じられたことに加え、ロシアが追加減産に消極的な姿勢を示していることが市場に伝わると、2月28日には50.52米ドルまで下落しました。3月6日には、OPEC及びOPEC非加盟国間協議の決裂を受け、前日比4.72米ドル安の45.27米ドルまで下落し、更に週を跨いで9日には、サウジアラビアとロシアが4月の原油生産量を増加させる計画であることが伝わると、各国における新型コロナウィルスの蔓延に伴う経済の停滞から需要が大幅に減退傾向にある中において、供給過剰状態が継続するとの見方が強まり、前日比10.91米ドル安の34.36米ドルまで急落しました。その後、米国トランプ大統領が、新型コロナウィルスの感染拡大防止策として米国民に求めている行動制限の期限を本年3月末から同年4月末までに延長すると、米経済の停滞などで世界における原油需要が一段と落ち込むとの観測から、3月31日には22.74米ドルまで下落し、第1四半期を終えました。なお、当第1四半期連結累計期間の原油の当社グループ販売平均価格は、52.81米ドルとなりました。
一方、業績に重要な影響を与えるもう一つの要因である為替相場ですが、当第1四半期連結累計期間は1米ドル108円台で始まりました。1月には米中貿易交渉協議の進展を受けて、ドル買いが進み一時110円台へと上昇しました。2月には好調な米経済指標を受けてドル買いが進み、一時的に112円台まで上昇したものの、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて米国経済への懸念が高まると、ドル売りが進み107円台まで下落しました。期末にかけては、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた世界的な金融市場の混乱から大きく乱高下する展開が続きましたが、期末公示仲値(TTM)は、前期末から72銭円高の108円83銭となりました。なお、当社グループ売上の期中平均レートは、前年同一期間に比べ、1円24銭円高の1米ドル109円16銭となりました。
このような事業環境の中、当第1四半期連結累計期間は、販売数量は増加したものの、油価の下落により、売上高は前年同一期間比195億円、7.3%減の2,496億円となりました。このうち原油売上高は前年同一期間比361億円、18.1%減の1,630億円、天然ガス売上高は前年同一期間比179億円、27.9%増の821億円です。当第1四半期連結累計期間の販売数量は、原油が前年同一期間比87千バレル、0.3%減の28,261千バレルとなり、天然ガスは前年同一期間比34,231百万立方フィート、39.3%増の121,252百万立方フィートとなりました。このうち、海外天然ガスは、前年同一期間比34,717百万立方フィート、55.0%増の97,797百万立方フィート、国内天然ガスは、前年同一期間比13百万立方メートル、2.0%減の628百万立方メートル、立方フィート換算では23,455百万立方フィートとなっております。販売価格は、海外原油売上の平均価格が1バレル当たり52.81米ドルとなり、前年同一期間比10.84米ドル、17.0%下落、海外天然ガス売上の平均価格は千立方フィート当たり4.63米ドルとなり、前年同一期間比0.85米ドル、22.5%上昇、また、国内天然ガスの平均価格は立方メートル当たり50円69銭となり、前年同一期間比7円42銭、12.8%下落しております。売上高の平均為替レートは1米ドル109円16銭となり、前年同一期間比1円24銭、1.1%の円高となりました。
売上高の減少額195億円を要因別に分析しますと、販売数量の増加により135億円の増収、平均単価の下落により293億円の減収、売上の平均為替レートが円高となったことにより24億円の減収、その他の売上高が13億円の減収となりました。
一方、売上原価は前年同一期間比71億円、5.8%増の1,292億円、探鉱費は前年同一期間比72億円、89.0%減の9億円、販売費及び一般管理費は前年同一期間比4億円、2.7%増の185億円です。以上の結果、営業利益は前年同一期間比198億円、16.5%減の1,008億円となりました。
営業外収益は前年同一期間比26億円、11.4%増の257億円、営業外費用は投資有価証券評価損の増加等により、前年同一期間比92億円、96.0%増の189億円となりました。この結果、経常利益は前年同一期間比265億円、19.8%減の1,077億円となりました。
特別損失は、前年同一期間の減損損失が剥落したことにより前年同一期間比55億円の減少、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は前年同一期間比123億円、14.1%減の753億円、非支配株主に帰属する四半期期純損失は11億円です。以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同一期間比157億円、31.9%減の335億円となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメント売上高セグメント損益
前年
同一期間
当第1四半期連結累計期間増減率(%)前年
同一期間
当第1四半期連結累計期間増減率(%)
日本44,48237,629△15.47,6077,278△4.3
アジア・オセアニア45,82474,94963.620,03630,73753.4
ユーラシア(欧州・NIS諸国)28,27816,529△41.55,901△2,098-
中東・アフリカ148,101115,174△22.290,73268,702△24.3
米州2,5125,386114.4△1,531△25△98.4
報告セグメント計269,200249,669△7.3122,746104,595△14.8
調整額---△1,974△3,71688.2
合計269,200249,669△7.3120,771100,878△16.5

①日本
ガス価の下落により、売上高は前年同一期間比68億円、15.4%減の376億円となり、営業利益は前年同一期間比3億円、4.3%減の72億円となりました。
②アジア・オセアニア
販売数量の増加により、売上高は前年同一期間比291億円、63.6%増の749億円となり、営業利益は前年同一期間比107億円、53.4%増の307億円となりました。
③ユーラシア(欧州・NIS諸国)
油価の下落により、売上高は前年同一期間比117億円、41.5%減の165億円となり、前年同一期間の営業利益59億円に対し、当第1四半期連結累計期間は20億円の営業損失となりました。
④中東・アフリカ
油価の下落により、売上高は前年同一期間比329億円、22.2%減の1,151億円となり、営業利益は前年同一期間比220億円、24.3%減の687億円となりました。
⑤米州
販売数量の増加により、売上高は前年同一期間比28億円、114.4%増の53億円となり、営業損失は前年同一期間比15億円、98.4%減の2千万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は4兆7,227億円となり、前連結会計年度末の4兆8,499億円と比較して1,272億円の減少となりました。流動資産は3,862億円で、受取手形及び売掛金の減少等により前連結会計年度末と比較して335億円の減少となりました。固定資産は4兆3,364億円で、有形固定資産及び投資その他の資産の減少等により前連結会計年度末と比較して937億円の減少となりました。 一方、負債は1兆4,839億円となり、前連結会計年度末の1兆5,528億円と比較して688億円の減少となりました。このうち流動負債は3,613億円で、前連結会計年度末比401億円の減少、固定負債は1兆1,226億円で、前連結会計年度末比286億円の減少となりました。 純資産は3兆2,387億円となり、前連結会計年度末比584億円の減少となりました。このうち、株主資本は2兆7,300億円で、前連結会計年度末比72億円の増加となりました。その他の包括利益累計額は2,560億円で、前連結会計年度末比619億円の減少、非支配株主持分は2,526億円で、前連結会計年度末比37億円の減少となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は、次のとおりであります。
①基本方針の内容
当社グループは、バランスの取れた資産ポートフォリオ、国際的な有力中堅企業としてのプレゼンス及び高い水準のオペレーターとしての技術力等を最大限に活かし、既発見の大規模油ガス田の早期商業生産を達成するとともに、今後とも優良な油ガス田を積極的に獲得するための投資強化を通じ、国際競争力のある我が国の中核的企業として、我が国向けエネルギーの安定供給の効率的な実現及び企業価値のさらなる向上を目指して積極的な事業展開に努めてまいります。
②財産の有効な活用及び不適切な支配の防止のための取り組み
当社グループは、健全な財務体質のさらなる強化を図りつつ、石油・天然ガス資源の安定的かつ効率的な供給を可能とするために事業基盤の拡大を目指し、探鉱・開発活動及び供給インフラの整備・拡充等に積極的な投資を行います。当社は、これらの活動を通じた石油・天然ガスの保有埋蔵量及び生産量の維持・拡大による持続的な企業価値の向上と配当による株主の皆様への直接的な利益還元との調和を、中長期的な視点を踏まえつつ図ってまいります。
また、当社は、上記①の基本方針に基づき、投機的な買収や外資による経営支配等により、中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われること又は否定的な影響が及ぶことがないよう、経済産業大臣に対し甲種類株式を発行しております。
その内容としては、ⅰ)取締役の選解任、ⅱ)重要な資産の全部又は一部の処分等、ⅲ)当社の目的及び当社普通株式以外の株式への議決権(甲種類株式に既に付与された種類株主総会における議決権を除く。)の付与に係る定款変更、ⅳ)統合、ⅴ)資本金の額の減少、ⅵ)解散、に際し、当社の株主総会又は取締役会の決議に加え、甲種類株式の株主による種類株主総会(以下、「甲種類株主総会」という)の決議が必要とされております。ただし、ⅰ)取締役の選解任及びⅳ)統合については、定款に定める一定の要件を充たす場合に限り、甲種類株主総会の決議が必要とされております。甲種類株主総会における議決権の行使に関しては、甲種類株主が令和元年経済産業省告示第37号に定める甲種類株式の議決権行使の基準に則り、議決権を行使できるものとしております。
当該基準では、上記ⅰ)及びⅳ)に係る決議については、「中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われていく蓋然性が高いと判断される場合」、上記ⅲ)の当社普通株式以外の株式への議決権(甲種類株式に既に付与された種類株主総会における議決権を除く。)の付与に係る定款変更の決議については、「甲種類株式の議決権行使に影響を与える可能性のある場合」、上記ⅱ)、ⅲ)当社の目的に係る定款変更、ⅴ)及びⅵ)に係る決議については、「中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に否定的な影響が及ぶ蓋然性が高いと判断される場合」のみ否決するものとされております。
さらに、当社の子会社定款においても子会社が重要な資産処分等を行う際に、上記ⅱ)の重要な資産の全部又は一部の処分等に該当する場合には、当該子会社の株主総会決議を要する旨を定めており、この場合も当社取締役会の決議に加え、甲種類株主総会の決議を必要としています。なお、当社の取締役会は、甲種類株主による甲種類株式の議決権行使を通じた拒否権の行使に関して権能を有しておらず、したがって甲種類株式は当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
③上記②の取り組みについての取締役会の判断
上記②の取り組みは、我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現及び持続的な企業価値の向上を目指すものであり、上記①の基本方針に沿うものであります。
また、上記②の甲種類株式は、拒否権の対象が限定され、その議決権行使も令和元年経済産業省告示第37号に定める経済産業大臣による甲種類株式の議決権行使の基準に則り行われることから、経営の効率性・柔軟性を不当に阻害しないよう透明性を高くし、また、その影響が必要最小限にとどまるよう設計されておりますので、上記①の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないと考えております。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は122百万円であります。