四半期報告書-第17期第1四半期(令和4年1月1日-令和4年3月31日)
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結会計期間における我が国経済は、持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、一部に弱さがみられます。先行きについては、感染対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かう中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されます。ただし、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスクに十分注意する必要があり、また、感染症による影響を注視する必要があります。
当社グループの業績に大きな影響を及ぼす国際原油価格について、代表的指標のひとつであるブレント原油(期近物終値ベース)で当期は1バレル当たり78.98米ドルから始まりました。1月4日に開催されたOPEC及びOPEC非加盟国(OPEC+)間閣僚級会合では2021年7月に開催された第19回OPEC+閣僚級会合で合意された通り本年2月においてもOPEC+全体で日量40万バレルの減産幅縮小を再確認したこと、1月19日には国際エネルギー機関(IEA)が月報にて2022年の原油需要見通しを上方修正したこと、また1月後半においては中東域やウクライナにおける地政学リスクの高まりが意識されたこと等により原油価格は上昇トレンドを描き、1月31日には91.21米ドルまで上昇しました。2月は89.16米ドルから始まり、2月前半はイランの核合意における同国の義務履行への復帰に向けた進展からイラン産原油が国際マーケットにおいて早期に流通するとの観測等により原油価格が若干弱含むも概ね横ばいで推移しましたが、ロシアによるウクライナ侵攻に向けた準備の進捗等から開戦が強く意識され、2月14日には96.48米ドルまで上昇しました。その後、ロシア軍のウクライナ国境からの一部撤収等の動きがあり一時期90米ドル台前半で推移していたものの、2月24日のロシア軍のウクライナ侵攻によって同日には99.08米ドルと上昇しました。3月に入ってからもEUを中心とした対ロ経済制裁、ロシア軍によるウクライナ南部の原子力発電所の制圧を始めとする戦況の悪化、また欧米主要国によるロシア産エネルギーの輸入禁止の動き等から3月8日には127.98米ドルと急騰しました。その後はウクライナ・ロシア間における停戦協議の進展がマーケットで意識される等、3月16日には98.02米ドルと大幅に下落しました。しかしながら、その後は停戦協議の不調、国際原油マーケットにおけるロシア産原油の供給が減少するとの見方等を背景に3月23日には121.60米ドルまで上昇しました。3月末にかけては中国における新型コロナウイルスの再拡大と同国政府によるロックダウンから原油需要が伸び悩むとの観測等もあり、3月31日には107.91米ドルまで下落して当期を終えました。なお、当第1四半期連結累計期間の原油の当社グループ販売平均価格は、86.92米ドルとなりました。
一方、業績に重要な影響を与えるもう一つの要因である為替相場ですが、当第1四半期連結累計期間は1米ドル115円台で始まり、円安基調で推移しました。3月には、米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利見通しを引き上げた一方で、日銀が指し値オペレーションで金利上昇を抑制するスタンスを示したこと等を受けて、一時125円台へ大幅なドル高・円安が進行しました。月末にかけては、米金利の低下などから反落し、期末公示仲値(TTM)は前期末から7円39銭円安の122円41銭となりました。なお、当社グループ売上の期中平均レートは、前年同期に比べ、9円90銭円安の1米ドル116円03銭となりました。
このような事業環境の中、当第1四半期連結累計期間は、原油及び天然ガスの販売価格の上昇により、売上高は前年同期比2,416億円、99.2%増の4,853億円となりました。このうち、原油売上高は前年同期比1,809億円、103.7%増の3,554億円、天然ガス売上高は前年同期比592億円、91.6%増の1,239億円です。当第1四半期連結累計期間の販売数量は、原油が前年同期比7,935千バレル、29.1%増の35,176千バレルとなり、天然ガスは前年同期比5,430百万立方フィート、4.5%増の125,785百万立方フィートとなりました。このうち、海外天然ガスは、前年同期比3,922百万立方フィート、4.1%増の99,215百万立方フィート、国内天然ガスは、前年同期比40百万立方メートル、6.0%増の712百万立方メートル、立方フィート換算では26,570百万立方フィートとなっております。販売価格は、海外原油売上の平均価格が1バレル当たり86.92米ドルとなり、前年同期比26.54米ドル、44.0%上昇、海外天然ガス売上の平均価格は千立方フィート当たり6.58米ドルとなり、前年同期比2.84米ドル、75.9%上昇、また、国内天然ガスの平均価格は立方メートル当たり66円98銭となり、前年同期比28円69銭、74.9%上昇しております。売上高の平均為替レートは1米ドル116円03銭となり、前年同期比9円90銭、9.3%の円安となりました。
売上高の増加額2,416億円を要因別に分析しますと、販売数量の増加により531億円の増収、平均単価の上昇により1,503億円の増収、売上の平均為替レートが円安となったことにより367億円の増収、その他の売上高が14億円の増収となりました。
一方、売上原価は前年同期比1,092億円、93.9%増の2,255億円、探鉱費は前年同期比51億円、404.3%増の64億円、販売費及び一般管理費は前年同期比50億円、25.0%増の250億円です。以上の結果、営業利益は前年同期比1,222億円、115.3%増の2,283億円となりました。
営業外収益は持分法による投資利益の計上等により、前年同期比392億円、181.2%増の608億円、営業外費用は為替差損の減少等により、前年同期比103億円、47.7%減の113億円となりました。この結果、経常利益は前年同期比1,718億円、162.0%増の2,778億円となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は前年同期比1,038億円、129.1%増の1,842億円、非支配株主に帰属する四半期純損失は4億円です。以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比559億円、146.4%増の940億円となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
① 日本
ガス価の上昇により、売上高は前年同期比232億円、73.7%増の546億円となりましたが、売上原価の増加により、前年同期の営業利益31億円に対し、当期は106億円の営業損失となりました。
② アジア・オセアニア
油価・ガス価の上昇により、売上高は前年同期比554億円、82.1%増の1,230億円となり、営業利益は前年同期比367億円、121.6%増の668億円となりました。
③ ユーラシア(欧州・NIS諸国)
販売数量の増加及び油価の上昇により、売上高は前年同期比645億円、286.2%増の871億円となり、営業利益は前年同期比396億円増の432億円となりました。
④ 中東・アフリカ
販売数量の増加及び油価の上昇により、売上高は前年同期比967億円、82.9%増の2,133億円となり、営業利益は前年同期比573億円、80.9%増の1,282億円となりました。
⑤ 米州
油価の上昇により、売上高は前年同期比17億円、32.0%増の71億円となり、営業利益は前年同期比18億円、65.5%増の45億円となりました。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は5兆7,597億円となり、前連結会計年度末の5兆1,581億円と比較して6,015億円の増加となりました。このうち、流動資産は7,634億円で、現金及び預金の増加等により前連結会計年度末と比較して2,445億円の増加となりました。固定資産は4兆9,963億円で、有形固定資産及び投資その他の資産の増加等により前連結会計年度末と比較して3,569億円の増加となりました。
一方、負債は2兆1,575億円となり、前連結会計年度末の1兆8,117億円と比較して3,458億円の増加となりました。このうち、流動負債は4,857億円で、前連結会計年度末比1,368億円の増加、固定負債は1兆6,718億円で、前連結会計年度末比2,089億円の増加となりました。
純資産は3兆6,021億円となり、前連結会計年度末比2,557億円の増加となりました。このうち、株主資本は2兆7,364億円で、前連結会計年度末比558億円の増加となりました。その他の包括利益累計額は6,174億円で、前連結会計年度末比1,739億円の増加、非支配株主持分は2,482億円で、前連結会計年度末比259億円の増加となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は、次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社グループは、今後も増加する我が国及び世界のエネルギー需要に応え、長期にわたり引き続き、エネルギー開発・安定供給の責任を果たしつつ、2050年ネットゼロカーボン社会の実現に向けたエネルギー構造の変革に積極的に取り組みます。具体的には、石油・天然ガス分野を引き続き基盤事業と位置づけ、事業の強靭化とクリーン化を進めることにより、エネルギーの安定供給と気候変動への責任ある対応という二つの社会的責任を果たしてまいります。さらに、ネットゼロカーボン社会に向け、気候変動対応目標を定めるとともに、水素事業、石油・天然ガス分野のCO2低減(CCUS他)、再生可能エネルギーの強化と重点化、カーボンリサイクルの推進と新分野事業の開拓、森林保全の推進のネットゼロ5分野を推進します。
② 財産の有効な活用及び不適切な支配の防止のための取り組み
当社グループは、資本効率性・財務健全性を意識しつつ、強固な財務体質を活かして、石油・天然ガス資源の安定的かつ効率的な供給を可能とするために事業基盤の拡大を目指し、探鉱・開発活動及び供給インフラの整備・拡充等への成長投資を行います。当社グループは、プロジェクトが生み出すキャッシュを、成長投資と株主還元にバランスよく配分することで、新たなキャッシュの創出と株主価値の増大を図り、持続的な企業価値の向上を目指します。
また、当社は、上記①の方針に基づき、投機的な買収や外資による経営支配等により、中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われること又は否定的な影響が及ぶことがないよう、経済産業大臣に対し甲種類株式を発行しております。
その内容としては、ⅰ)取締役の選解任、ⅱ)重要な資産の全部又は一部の処分等、ⅲ)当社の目的及び当社普通株式以外の株式への議決権(甲種類株式に既に付与された種類株主総会における議決権を除く。)の付与に係る定款変更、ⅳ)統合、ⅴ)資本金の額の減少、ⅵ)解散、に際し、当社の株主総会又は取締役会の決議に加え、甲種類株式の株主による種類株主総会(以下、「甲種類株主総会」という)の決議が必要とされております。ただし、ⅰ)取締役の選解任及びⅳ)統合については、定款に定める一定の要件を充たす場合に限り、甲種類株主総会の決議が必要とされております。甲種類株主総会における議決権の行使に関しては、甲種類株主が令和4年経済産業省告示第54号に定める甲種類株式の議決権行使の基準に則り、議決権を行使できるものとしております。
当該基準では、上記ⅰ)及びⅳ)に係る決議については、「中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われていく蓋然性が高いと判断される場合」、上記ⅲ)の当社普通株式以外の株式への議決権(甲種類株式に既に付与された種類株主総会における議決権を除く。)の付与に係る定款変更の決議については、「甲種類株式の議決権行使に影響を与える可能性のある場合」、上記ⅱ)、ⅲ)当社の目的に係る定款変更、ⅴ)及びⅵ)に係る決議については、「中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に否定的な影響が及ぶ蓋然性が高いと判断される場合」のみ否決するものとされております。
さらに、当社の子会社定款においても子会社が重要な資産処分等を行う際に、上記ⅱ)の重要な資産の全部又は一部の処分等に該当する場合には、当該子会社の株主総会決議を要する旨を定めており、この場合も当社取締役会の決議に加え、甲種類株主総会の決議を必要としています。なお、当社の取締役会は、甲種類株主による甲種類株式の議決権行使を通じた拒否権の行使に関して権能を有しておらず、従って甲種類株式は当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
③ 上記②の取り組みについての取締役会の判断
上記②の取り組みは、我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現及び持続的な企業価値の向上を目指すものであり、上記①の方針に沿うものであります。
また、上記②の甲種類株式は、拒否権の対象が限定され、その議決権行使も令和4年経済産業省告示第54号に定める経済産業大臣による甲種類株式の議決権行使の基準に則り行われることから、経営の効率性・柔軟性を不当に阻害しないよう透明性を高くし、その影響が必要最小限にとどまるよう設計されておりますので、上記①の方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないと考えております。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は335百万円であります。
当第1四半期連結会計期間における我が国経済は、持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、一部に弱さがみられます。先行きについては、感染対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かう中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されます。ただし、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスクに十分注意する必要があり、また、感染症による影響を注視する必要があります。
当社グループの業績に大きな影響を及ぼす国際原油価格について、代表的指標のひとつであるブレント原油(期近物終値ベース)で当期は1バレル当たり78.98米ドルから始まりました。1月4日に開催されたOPEC及びOPEC非加盟国(OPEC+)間閣僚級会合では2021年7月に開催された第19回OPEC+閣僚級会合で合意された通り本年2月においてもOPEC+全体で日量40万バレルの減産幅縮小を再確認したこと、1月19日には国際エネルギー機関(IEA)が月報にて2022年の原油需要見通しを上方修正したこと、また1月後半においては中東域やウクライナにおける地政学リスクの高まりが意識されたこと等により原油価格は上昇トレンドを描き、1月31日には91.21米ドルまで上昇しました。2月は89.16米ドルから始まり、2月前半はイランの核合意における同国の義務履行への復帰に向けた進展からイラン産原油が国際マーケットにおいて早期に流通するとの観測等により原油価格が若干弱含むも概ね横ばいで推移しましたが、ロシアによるウクライナ侵攻に向けた準備の進捗等から開戦が強く意識され、2月14日には96.48米ドルまで上昇しました。その後、ロシア軍のウクライナ国境からの一部撤収等の動きがあり一時期90米ドル台前半で推移していたものの、2月24日のロシア軍のウクライナ侵攻によって同日には99.08米ドルと上昇しました。3月に入ってからもEUを中心とした対ロ経済制裁、ロシア軍によるウクライナ南部の原子力発電所の制圧を始めとする戦況の悪化、また欧米主要国によるロシア産エネルギーの輸入禁止の動き等から3月8日には127.98米ドルと急騰しました。その後はウクライナ・ロシア間における停戦協議の進展がマーケットで意識される等、3月16日には98.02米ドルと大幅に下落しました。しかしながら、その後は停戦協議の不調、国際原油マーケットにおけるロシア産原油の供給が減少するとの見方等を背景に3月23日には121.60米ドルまで上昇しました。3月末にかけては中国における新型コロナウイルスの再拡大と同国政府によるロックダウンから原油需要が伸び悩むとの観測等もあり、3月31日には107.91米ドルまで下落して当期を終えました。なお、当第1四半期連結累計期間の原油の当社グループ販売平均価格は、86.92米ドルとなりました。
一方、業績に重要な影響を与えるもう一つの要因である為替相場ですが、当第1四半期連結累計期間は1米ドル115円台で始まり、円安基調で推移しました。3月には、米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利見通しを引き上げた一方で、日銀が指し値オペレーションで金利上昇を抑制するスタンスを示したこと等を受けて、一時125円台へ大幅なドル高・円安が進行しました。月末にかけては、米金利の低下などから反落し、期末公示仲値(TTM)は前期末から7円39銭円安の122円41銭となりました。なお、当社グループ売上の期中平均レートは、前年同期に比べ、9円90銭円安の1米ドル116円03銭となりました。
このような事業環境の中、当第1四半期連結累計期間は、原油及び天然ガスの販売価格の上昇により、売上高は前年同期比2,416億円、99.2%増の4,853億円となりました。このうち、原油売上高は前年同期比1,809億円、103.7%増の3,554億円、天然ガス売上高は前年同期比592億円、91.6%増の1,239億円です。当第1四半期連結累計期間の販売数量は、原油が前年同期比7,935千バレル、29.1%増の35,176千バレルとなり、天然ガスは前年同期比5,430百万立方フィート、4.5%増の125,785百万立方フィートとなりました。このうち、海外天然ガスは、前年同期比3,922百万立方フィート、4.1%増の99,215百万立方フィート、国内天然ガスは、前年同期比40百万立方メートル、6.0%増の712百万立方メートル、立方フィート換算では26,570百万立方フィートとなっております。販売価格は、海外原油売上の平均価格が1バレル当たり86.92米ドルとなり、前年同期比26.54米ドル、44.0%上昇、海外天然ガス売上の平均価格は千立方フィート当たり6.58米ドルとなり、前年同期比2.84米ドル、75.9%上昇、また、国内天然ガスの平均価格は立方メートル当たり66円98銭となり、前年同期比28円69銭、74.9%上昇しております。売上高の平均為替レートは1米ドル116円03銭となり、前年同期比9円90銭、9.3%の円安となりました。
売上高の増加額2,416億円を要因別に分析しますと、販売数量の増加により531億円の増収、平均単価の上昇により1,503億円の増収、売上の平均為替レートが円安となったことにより367億円の増収、その他の売上高が14億円の増収となりました。
一方、売上原価は前年同期比1,092億円、93.9%増の2,255億円、探鉱費は前年同期比51億円、404.3%増の64億円、販売費及び一般管理費は前年同期比50億円、25.0%増の250億円です。以上の結果、営業利益は前年同期比1,222億円、115.3%増の2,283億円となりました。
営業外収益は持分法による投資利益の計上等により、前年同期比392億円、181.2%増の608億円、営業外費用は為替差損の減少等により、前年同期比103億円、47.7%減の113億円となりました。この結果、経常利益は前年同期比1,718億円、162.0%増の2,778億円となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は前年同期比1,038億円、129.1%増の1,842億円、非支配株主に帰属する四半期純損失は4億円です。以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比559億円、146.4%増の940億円となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
① 日本
ガス価の上昇により、売上高は前年同期比232億円、73.7%増の546億円となりましたが、売上原価の増加により、前年同期の営業利益31億円に対し、当期は106億円の営業損失となりました。
② アジア・オセアニア
油価・ガス価の上昇により、売上高は前年同期比554億円、82.1%増の1,230億円となり、営業利益は前年同期比367億円、121.6%増の668億円となりました。
③ ユーラシア(欧州・NIS諸国)
販売数量の増加及び油価の上昇により、売上高は前年同期比645億円、286.2%増の871億円となり、営業利益は前年同期比396億円増の432億円となりました。
④ 中東・アフリカ
販売数量の増加及び油価の上昇により、売上高は前年同期比967億円、82.9%増の2,133億円となり、営業利益は前年同期比573億円、80.9%増の1,282億円となりました。
⑤ 米州
油価の上昇により、売上高は前年同期比17億円、32.0%増の71億円となり、営業利益は前年同期比18億円、65.5%増の45億円となりました。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は5兆7,597億円となり、前連結会計年度末の5兆1,581億円と比較して6,015億円の増加となりました。このうち、流動資産は7,634億円で、現金及び預金の増加等により前連結会計年度末と比較して2,445億円の増加となりました。固定資産は4兆9,963億円で、有形固定資産及び投資その他の資産の増加等により前連結会計年度末と比較して3,569億円の増加となりました。
一方、負債は2兆1,575億円となり、前連結会計年度末の1兆8,117億円と比較して3,458億円の増加となりました。このうち、流動負債は4,857億円で、前連結会計年度末比1,368億円の増加、固定負債は1兆6,718億円で、前連結会計年度末比2,089億円の増加となりました。
純資産は3兆6,021億円となり、前連結会計年度末比2,557億円の増加となりました。このうち、株主資本は2兆7,364億円で、前連結会計年度末比558億円の増加となりました。その他の包括利益累計額は6,174億円で、前連結会計年度末比1,739億円の増加、非支配株主持分は2,482億円で、前連結会計年度末比259億円の増加となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は、次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社グループは、今後も増加する我が国及び世界のエネルギー需要に応え、長期にわたり引き続き、エネルギー開発・安定供給の責任を果たしつつ、2050年ネットゼロカーボン社会の実現に向けたエネルギー構造の変革に積極的に取り組みます。具体的には、石油・天然ガス分野を引き続き基盤事業と位置づけ、事業の強靭化とクリーン化を進めることにより、エネルギーの安定供給と気候変動への責任ある対応という二つの社会的責任を果たしてまいります。さらに、ネットゼロカーボン社会に向け、気候変動対応目標を定めるとともに、水素事業、石油・天然ガス分野のCO2低減(CCUS他)、再生可能エネルギーの強化と重点化、カーボンリサイクルの推進と新分野事業の開拓、森林保全の推進のネットゼロ5分野を推進します。
② 財産の有効な活用及び不適切な支配の防止のための取り組み
当社グループは、資本効率性・財務健全性を意識しつつ、強固な財務体質を活かして、石油・天然ガス資源の安定的かつ効率的な供給を可能とするために事業基盤の拡大を目指し、探鉱・開発活動及び供給インフラの整備・拡充等への成長投資を行います。当社グループは、プロジェクトが生み出すキャッシュを、成長投資と株主還元にバランスよく配分することで、新たなキャッシュの創出と株主価値の増大を図り、持続的な企業価値の向上を目指します。
また、当社は、上記①の方針に基づき、投機的な買収や外資による経営支配等により、中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われること又は否定的な影響が及ぶことがないよう、経済産業大臣に対し甲種類株式を発行しております。
その内容としては、ⅰ)取締役の選解任、ⅱ)重要な資産の全部又は一部の処分等、ⅲ)当社の目的及び当社普通株式以外の株式への議決権(甲種類株式に既に付与された種類株主総会における議決権を除く。)の付与に係る定款変更、ⅳ)統合、ⅴ)資本金の額の減少、ⅵ)解散、に際し、当社の株主総会又は取締役会の決議に加え、甲種類株式の株主による種類株主総会(以下、「甲種類株主総会」という)の決議が必要とされております。ただし、ⅰ)取締役の選解任及びⅳ)統合については、定款に定める一定の要件を充たす場合に限り、甲種類株主総会の決議が必要とされております。甲種類株主総会における議決権の行使に関しては、甲種類株主が令和4年経済産業省告示第54号に定める甲種類株式の議決権行使の基準に則り、議決権を行使できるものとしております。
当該基準では、上記ⅰ)及びⅳ)に係る決議については、「中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に背反する形での経営が行われていく蓋然性が高いと判断される場合」、上記ⅲ)の当社普通株式以外の株式への議決権(甲種類株式に既に付与された種類株主総会における議決権を除く。)の付与に係る定款変更の決議については、「甲種類株式の議決権行使に影響を与える可能性のある場合」、上記ⅱ)、ⅲ)当社の目的に係る定款変更、ⅴ)及びⅵ)に係る決議については、「中核的企業として我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現に果たすべき役割に否定的な影響が及ぶ蓋然性が高いと判断される場合」のみ否決するものとされております。
さらに、当社の子会社定款においても子会社が重要な資産処分等を行う際に、上記ⅱ)の重要な資産の全部又は一部の処分等に該当する場合には、当該子会社の株主総会決議を要する旨を定めており、この場合も当社取締役会の決議に加え、甲種類株主総会の決議を必要としています。なお、当社の取締役会は、甲種類株主による甲種類株式の議決権行使を通じた拒否権の行使に関して権能を有しておらず、従って甲種類株式は当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
③ 上記②の取り組みについての取締役会の判断
上記②の取り組みは、我が国向けエネルギー安定供給の効率的な実現及び持続的な企業価値の向上を目指すものであり、上記①の方針に沿うものであります。
また、上記②の甲種類株式は、拒否権の対象が限定され、その議決権行使も令和4年経済産業省告示第54号に定める経済産業大臣による甲種類株式の議決権行使の基準に則り行われることから、経営の効率性・柔軟性を不当に阻害しないよう透明性を高くし、その影響が必要最小限にとどまるよう設計されておりますので、上記①の方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないと考えております。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は335百万円であります。