四半期報告書-第65期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間については、前年同四半期比で大幅に売上高が増加し、増収増益となりました。新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響は継続しているものの、国・地域により異なります。特に日本では、10月後半以降新型コロナによる影響は小さくなり、販売店への来店客数が増加するなど比較的良好なビジネス環境の下、売上高は前年から順調に回復しました。韓国では、当第3四半期連結会計期間(7月から9月)においても引き続き新型コロナの感染拡大が続いておりますが、前年同四半期比で増収となりました。中国では、新型コロナ感染再拡大に伴う政府からの規制が出された地域があったものの、当第3四半期連結会計期間(7月から9月)においては前年同四半期比増収となりました。結果として、当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同四半期比15.1%増の76,681百万円となりました。売上高の増加に加え、引き続き日本での販売ロスの抑制をしたことで、売上総利益は前年同四半期比23.1%増の43,424百万円となりました。
販管費は、前年同四半期比3.5%増の39,044百万円となりました。日本において前年度に実施した希望退職およびベンゼネラル株式会社の事業譲渡に伴う人件費の削減や、新型コロナの影響を踏まえた契約や販促活動の見直しによる広告販促費の削減を行った一方で、DTC事業拡大戦略に伴う店舗の新規出店による地代家賃やEC販売の拡大に伴う支払手数料が増加しました。韓国においては、売上回復に伴い、売上に連動する販売手数料と地代家賃、前年より多くのマーケティング活動を実施したことにより広告販促費が増加しました。しかしながら連結では、売上総利益の増加が販管費の増加を上回り、営業利益は4,380百万円(前年同四半期は2,454百万円の営業損失)と前年同四半期比で6,835百万円増加しました。
中国の持分法適用関連会社である、「LE COQ SPORTIF(NINGBO)CO., LTD.」(以下、LCN)および「ARENA(SHANGHAI)INDUSTRIAL CO., LTD.」(以下、ASH)について、当第3四半期連結累計期間ではLCNは前年から業績が回復し、ASHでは新型コロナ感染拡大前である一昨年の水準まで売上高が回復しております。加えて、「Descente China Holding Limited」(以下、DCH)の寄与もあり、営業外収益が増加し、経常利益は5,832百万円(前年同四半期は1,775百万円の経常損失)と前年同四半期比で7,607百万円増加しました。
前年同四半期にはDCHの再編による持分変動利益等7,535百万円の特別利益を計上したのに対し、当第3四半期連結会計期間の特別利益は大阪の本社事務所の売却に伴う売却益1,819百万円となりました。特別利益の減少はあったものの、売上高および営業利益、経常利益の増加が寄与し、法人税等2,687百万円を差し引いた親会社株主に帰属する四半期純利益は4,952百万円(前年同四半期比2.6%増)と前年同四半期比で123百万円増加しました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は76,681百万円(前年同四半期比15.1%増)、営業利益は4,380百万円(前年同四半期は2,454百万円の営業損失)、経常利益は5,832百万円(前年同四半期は1,775百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,952百万円(前年同四半期比2.6%増)となりました。
報告セグメントの業績は次のとおりであります。主要な在外子会社の決算期は12月であり、各セグメントの業績には持分法適用関連会社の数値は含まれておりません。
(日本)
日本において、『デサント』では、12月から気温が低い日が続いたこともありブランドの象徴的アイテムである「水沢ダウン」の売上高が前年から大幅に増加しました。また『マンシングウェア』では、ダウンジャケット「ARTECH SHELL(アーテックシェル)」の販売が、主な流通である百貨店において好調に推移しました。新型コロナによる影響としては、ベトナムでのロックダウンの発令に伴い生産工場が稼働を停止し、9月から10月にかけての商品不足による販売機会の損失が発生しましたが、影響は軽微に留まりました。さらに10月後半以降の大幅なコロナ感染者減少に伴う制限緩和により、消費者の購買行動が活発となり、当セグメント売上高は前年同四半期比12.7%増の37,345百万円となり、棚卸資産は前年同四半期比で約3,716百万円減少しました。
加えて、継続的に取り組んでいる返品や値引きの削減による販売ロスを抑制したことで物販粗利額が前年から大幅に増加しました。広告販促費の削減や前年度に実施した希望退職による人件費の削減などにより販管費が減少した結果、当セグメント利益は前年から大幅に伸長し韓国セグメントの利益を上回る2,699百万円となりました。
これらの結果、日本での売上高は37,345百万円(前年同四半期比12.7%増)、セグメント利益は2,699百万円(前年同四半期は1,807百万円のセグメント損失)となりました。
(韓国)
当第3四半期連結会計期間(7月から9月)において、韓国国内では新型コロナ感染者数が増加し続ける等、依然として新型コロナによる消費者の購買行動への影響がありました。
しかしながら、『デサント』では、当社が商品提供を行っているスイスアルペンスキーナショナルチームのインスパイアモデル商品が好調、秋から春まで着用できる汎用性の高さや、特に多彩なカラー展開は女性のお客様から好評を博し、新規顧客が増加しました。また、ランニングシューズ「ENERZITE(エナザイト)」、ゴルフシューズ「R-90(アールナインティ)」等シューズ商品も好調な売上を維持しており、韓国での売上高増加に寄与しています。『アンブロ』は、10代から20代の若年層ユーザーをターゲットに、韓国国内でのニーズが高い織物素材を活用したアパレル商品や、スニーカー「TOBY(トビー)」やサンダル「BUMPY THONG(バンピートング)」等が好調に推移し、アパレル、シューズ共に引き続き売上が拡大しております。主に『デサント』および『アンブロ』が売上をけん引したこともあり、第3四半期連結累計期間では増収、セグメント利益は1,292百万円(前年同四半期は643百万円の営業損失)となり、収益も回復しました。
これらの結果、韓国での売上高は36,213百万円(前年同四半期比19.1%増)、セグメント利益は1,292百万円(前年同四半期は643百万円のセグメント損失)となりました。
(中国)
セグメント損益に計上される連結子会社の上海デサント商業有限公司は、当第3四半期連結会計期間(7月から9月)において、新型コロナ感染再拡大による規制の影響を受け、セール、イベントの開催が減少したものの、特に『アリーナ』の業績回復が要因となり、増収増益となりました。香港デサント貿易有限公司は、当期から東南アジアへの卸事業を日本に移管したことに伴い、売上高は前年同四半期から減少となりました。しかしながら、香港でのセールやキャンペーン施策による集客力の向上や、政府施策によるクーポンの供給による消費意欲の向上により、計画を上回る水準で売上が推移しました。以上の結果、中国セグメントは増収増益となりました。
なお、セグメント損益には含まれませんが、持分法適用関連会社であるLCN、ASH、DCHはいずれも第3四半期連結累計期間では増収増益となりました。
この結果、中国での売上高は3,122百万円(前年同四半期比9.0%増)、セグメント利益は386百万円(前年同四半期は32百万円のセグメント利益)となりました。
品目別売上高の状況は次のとおりであります。
(アスレチックウェア及びその関連商品)
日本では新型コロナの影響が当第3四半期連結会計期間(10月から12月)では緩和され、『デサント』を中心に売上が回復しました。また、韓国においては新型コロナの影響が継続しているものの、『デサント』および『アンブロ』において前年同四半期比で売上が増加し、結果として、アスレチックウェアカテゴリーの売上高は、47,227百万円(前年同四半期比10.2%増)となりました。
(ゴルフウェア及びその関連商品)
日本における新型コロナの影響低下と、コロナ禍でのゴルフ人気の高まりにより、ゴルフウェアカテゴリーの売上高は24,307百万円(前年同四半期比25.4%増)となりました。特に日本国内の『デサント』(ゴルフ)、および『マンシングウェア』の売上高が前年同四半期比増収、日本におけるゴルフ関連商品売上高は前年同四半期比35.7%増で、グループ全体におけるゴルフ関連商品売上高の構成比増加に寄与しました。
(全社的な取り組み)
当社は、中期経営計画「D-Summit 2023」において、「Ⅰ.日本・韓国・中国 地域別戦略の実行」「Ⅱ.日本事業の収益改善」「Ⅲ.モノづくりの強化」を重点戦略として掲げ、3つの市場で安定的に収益を上げることを目指しております。
日本事業では、引き続きDTC事業の強化を進めており、10月にはアウトレット業態の店舗を3店舗新規出店しました。また、店舗と自社ECの在庫共有化による店頭での売上ロスの低減や、外部ECプラットフォームでの店舗展開および当社契約選手を活用したキャンペーンの実施等オンラインでの売上拡大を図る各種取り組みを進めております。今後も直営店、ECともに強化し、「D-Summit 2023」で掲げているDTC事業国内売上構成比50%の達成を目指します。
モノづくりの面では、『デサント』の「水沢ダウン」が進化した新しいモデルとして、「DESCENTE MIZUSAWA DOWN JACKET “ALPINE”(デサント水沢ダウンジャケット“アルパイン”)」を当社研究開発拠点であるDISC OSAKAにて開発、自社工場の1つであるデサントアパレル株式会社水沢工場にて製造し、数量限定で販売しました。当商品は、『デサント』のブランドアイデンティティである「ハイパフォーマンス&プレミアムクオリティ」にこだわり、海外のアルペンスキー競技やボブスレー競技のナショナルチームのオフィシャルウェアにも採用されています。加えて、当社がアドバイザリー契約を結んでいる大谷翔平選手の2021年シーズンの活躍を記念した、「MIZUSAWA DOWN FOR SHOHEI OHTANI」を46着限定で生産し、応募販売を実施しましたが、50,000件を超える応募となり大きな反響がありました。韓国では、コロナ禍においてもお客様と継続的につながるイベントの実施に注力しており、『ルコックスポルティフ』にてテニスをテーマにしたオンラインイベントやゴルフの秋冬商品のPRを目的としたSNSでのLive配信を実施、『アリーナ』では、泳いだ距離に応じて商品をプレゼントするオンラインイベントを開催しました。これらの取り組みがEC会員数、売上増加に寄与しました。
SDGsへの取組みとしてマテリアリティ(重要課題)の解決にも取り組んでいます。11月には、社会問題の解決を図ったモノづくりとして、『デサント』の暑熱対策アイテム「CORE COOLER(コアクーラー)」が、「熱中症予防声かけプロジェクト」主催の「ひと涼みアワード 2021」において、「スポーツ部門・優秀賞」を受賞するなど、日常の場面でも活用できる商品を開発しております。また、大谷翔平選手の出身地であり、デサントアパレル株式会社水沢工場がある岩手県奥州市と地方創生を推進するための包括連携協定を締結し、今後地域の子供たちへの教育機会や、市民の皆様へのスポーツ活動機会の提供を行う予定です。他にも、トップアスリートとのスポーツ交流を通じて子供たちに体を動かす楽しさを知ってもらうことを目的に開催している「すこやかキッズスポーツ塾」の活動として、今期はスポーツ教室の実施に加え、東京オフィス近隣にある豊島区の公立小学校へのマスクの寄附を行うなど、子供たちや地域住民の皆様の健全なライフスタイルの創造に貢献する活動を行っております。当社は今後も持続可能な社会の実現に向けての取り組みを推進してまいります。
財政状態の分析につきましては次のとおりであります。
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は113,315百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,327百万円増加致しました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ5,641百万円増加し、71,010百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加5,642百万円、受取手形及び売掛金の増加838百万円、商品及び製品の減少2,196百万円などによるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べ313百万円減少し、42,305百万円となりました。これは主に投資その他の資産に含まれる投資有価証券の増加2,391百万円、有形固定資産の減少2,339百万円、無形固定資産の減少310百万円によるものです。
負債合計は前連結会計年度末に比べ92百万円増加し、30,116百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加1,062百万円、短期借入金の減少1,000百万円などによるものです。
純資産は前連結会計年度末に比べ5,235百万円増加し、83,199百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加4,087百万円、為替換算調整勘定の増加1,173百万円などによるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、1.2%増の73.4%となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は1,112百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新設、休止、大規模改修、除却、売却等により著しい変動があった設備は、次のとおりであります。
(資産の売却)
当社は、大阪本社(大阪市天王寺区)の土地及び建物を譲渡する契約を2021年11月5日に締結し、同年12月22日に引渡が完了いたしました。
当該固定資産の譲渡により、当第3四半期連結累計期間において、固定資産売却益1,819百万円を特別利益に計上しております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間については、前年同四半期比で大幅に売上高が増加し、増収増益となりました。新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響は継続しているものの、国・地域により異なります。特に日本では、10月後半以降新型コロナによる影響は小さくなり、販売店への来店客数が増加するなど比較的良好なビジネス環境の下、売上高は前年から順調に回復しました。韓国では、当第3四半期連結会計期間(7月から9月)においても引き続き新型コロナの感染拡大が続いておりますが、前年同四半期比で増収となりました。中国では、新型コロナ感染再拡大に伴う政府からの規制が出された地域があったものの、当第3四半期連結会計期間(7月から9月)においては前年同四半期比増収となりました。結果として、当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同四半期比15.1%増の76,681百万円となりました。売上高の増加に加え、引き続き日本での販売ロスの抑制をしたことで、売上総利益は前年同四半期比23.1%増の43,424百万円となりました。
販管費は、前年同四半期比3.5%増の39,044百万円となりました。日本において前年度に実施した希望退職およびベンゼネラル株式会社の事業譲渡に伴う人件費の削減や、新型コロナの影響を踏まえた契約や販促活動の見直しによる広告販促費の削減を行った一方で、DTC事業拡大戦略に伴う店舗の新規出店による地代家賃やEC販売の拡大に伴う支払手数料が増加しました。韓国においては、売上回復に伴い、売上に連動する販売手数料と地代家賃、前年より多くのマーケティング活動を実施したことにより広告販促費が増加しました。しかしながら連結では、売上総利益の増加が販管費の増加を上回り、営業利益は4,380百万円(前年同四半期は2,454百万円の営業損失)と前年同四半期比で6,835百万円増加しました。
中国の持分法適用関連会社である、「LE COQ SPORTIF(NINGBO)CO., LTD.」(以下、LCN)および「ARENA(SHANGHAI)INDUSTRIAL CO., LTD.」(以下、ASH)について、当第3四半期連結累計期間ではLCNは前年から業績が回復し、ASHでは新型コロナ感染拡大前である一昨年の水準まで売上高が回復しております。加えて、「Descente China Holding Limited」(以下、DCH)の寄与もあり、営業外収益が増加し、経常利益は5,832百万円(前年同四半期は1,775百万円の経常損失)と前年同四半期比で7,607百万円増加しました。
前年同四半期にはDCHの再編による持分変動利益等7,535百万円の特別利益を計上したのに対し、当第3四半期連結会計期間の特別利益は大阪の本社事務所の売却に伴う売却益1,819百万円となりました。特別利益の減少はあったものの、売上高および営業利益、経常利益の増加が寄与し、法人税等2,687百万円を差し引いた親会社株主に帰属する四半期純利益は4,952百万円(前年同四半期比2.6%増)と前年同四半期比で123百万円増加しました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は76,681百万円(前年同四半期比15.1%増)、営業利益は4,380百万円(前年同四半期は2,454百万円の営業損失)、経常利益は5,832百万円(前年同四半期は1,775百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,952百万円(前年同四半期比2.6%増)となりました。
報告セグメントの業績は次のとおりであります。主要な在外子会社の決算期は12月であり、各セグメントの業績には持分法適用関連会社の数値は含まれておりません。
(日本)
日本において、『デサント』では、12月から気温が低い日が続いたこともありブランドの象徴的アイテムである「水沢ダウン」の売上高が前年から大幅に増加しました。また『マンシングウェア』では、ダウンジャケット「ARTECH SHELL(アーテックシェル)」の販売が、主な流通である百貨店において好調に推移しました。新型コロナによる影響としては、ベトナムでのロックダウンの発令に伴い生産工場が稼働を停止し、9月から10月にかけての商品不足による販売機会の損失が発生しましたが、影響は軽微に留まりました。さらに10月後半以降の大幅なコロナ感染者減少に伴う制限緩和により、消費者の購買行動が活発となり、当セグメント売上高は前年同四半期比12.7%増の37,345百万円となり、棚卸資産は前年同四半期比で約3,716百万円減少しました。
加えて、継続的に取り組んでいる返品や値引きの削減による販売ロスを抑制したことで物販粗利額が前年から大幅に増加しました。広告販促費の削減や前年度に実施した希望退職による人件費の削減などにより販管費が減少した結果、当セグメント利益は前年から大幅に伸長し韓国セグメントの利益を上回る2,699百万円となりました。
これらの結果、日本での売上高は37,345百万円(前年同四半期比12.7%増)、セグメント利益は2,699百万円(前年同四半期は1,807百万円のセグメント損失)となりました。
(韓国)
当第3四半期連結会計期間(7月から9月)において、韓国国内では新型コロナ感染者数が増加し続ける等、依然として新型コロナによる消費者の購買行動への影響がありました。
しかしながら、『デサント』では、当社が商品提供を行っているスイスアルペンスキーナショナルチームのインスパイアモデル商品が好調、秋から春まで着用できる汎用性の高さや、特に多彩なカラー展開は女性のお客様から好評を博し、新規顧客が増加しました。また、ランニングシューズ「ENERZITE(エナザイト)」、ゴルフシューズ「R-90(アールナインティ)」等シューズ商品も好調な売上を維持しており、韓国での売上高増加に寄与しています。『アンブロ』は、10代から20代の若年層ユーザーをターゲットに、韓国国内でのニーズが高い織物素材を活用したアパレル商品や、スニーカー「TOBY(トビー)」やサンダル「BUMPY THONG(バンピートング)」等が好調に推移し、アパレル、シューズ共に引き続き売上が拡大しております。主に『デサント』および『アンブロ』が売上をけん引したこともあり、第3四半期連結累計期間では増収、セグメント利益は1,292百万円(前年同四半期は643百万円の営業損失)となり、収益も回復しました。
これらの結果、韓国での売上高は36,213百万円(前年同四半期比19.1%増)、セグメント利益は1,292百万円(前年同四半期は643百万円のセグメント損失)となりました。
(中国)
セグメント損益に計上される連結子会社の上海デサント商業有限公司は、当第3四半期連結会計期間(7月から9月)において、新型コロナ感染再拡大による規制の影響を受け、セール、イベントの開催が減少したものの、特に『アリーナ』の業績回復が要因となり、増収増益となりました。香港デサント貿易有限公司は、当期から東南アジアへの卸事業を日本に移管したことに伴い、売上高は前年同四半期から減少となりました。しかしながら、香港でのセールやキャンペーン施策による集客力の向上や、政府施策によるクーポンの供給による消費意欲の向上により、計画を上回る水準で売上が推移しました。以上の結果、中国セグメントは増収増益となりました。
なお、セグメント損益には含まれませんが、持分法適用関連会社であるLCN、ASH、DCHはいずれも第3四半期連結累計期間では増収増益となりました。
この結果、中国での売上高は3,122百万円(前年同四半期比9.0%増)、セグメント利益は386百万円(前年同四半期は32百万円のセグメント利益)となりました。
品目別売上高の状況は次のとおりであります。
(アスレチックウェア及びその関連商品)
日本では新型コロナの影響が当第3四半期連結会計期間(10月から12月)では緩和され、『デサント』を中心に売上が回復しました。また、韓国においては新型コロナの影響が継続しているものの、『デサント』および『アンブロ』において前年同四半期比で売上が増加し、結果として、アスレチックウェアカテゴリーの売上高は、47,227百万円(前年同四半期比10.2%増)となりました。
(ゴルフウェア及びその関連商品)
日本における新型コロナの影響低下と、コロナ禍でのゴルフ人気の高まりにより、ゴルフウェアカテゴリーの売上高は24,307百万円(前年同四半期比25.4%増)となりました。特に日本国内の『デサント』(ゴルフ)、および『マンシングウェア』の売上高が前年同四半期比増収、日本におけるゴルフ関連商品売上高は前年同四半期比35.7%増で、グループ全体におけるゴルフ関連商品売上高の構成比増加に寄与しました。
(全社的な取り組み)
当社は、中期経営計画「D-Summit 2023」において、「Ⅰ.日本・韓国・中国 地域別戦略の実行」「Ⅱ.日本事業の収益改善」「Ⅲ.モノづくりの強化」を重点戦略として掲げ、3つの市場で安定的に収益を上げることを目指しております。
日本事業では、引き続きDTC事業の強化を進めており、10月にはアウトレット業態の店舗を3店舗新規出店しました。また、店舗と自社ECの在庫共有化による店頭での売上ロスの低減や、外部ECプラットフォームでの店舗展開および当社契約選手を活用したキャンペーンの実施等オンラインでの売上拡大を図る各種取り組みを進めております。今後も直営店、ECともに強化し、「D-Summit 2023」で掲げているDTC事業国内売上構成比50%の達成を目指します。
モノづくりの面では、『デサント』の「水沢ダウン」が進化した新しいモデルとして、「DESCENTE MIZUSAWA DOWN JACKET “ALPINE”(デサント水沢ダウンジャケット“アルパイン”)」を当社研究開発拠点であるDISC OSAKAにて開発、自社工場の1つであるデサントアパレル株式会社水沢工場にて製造し、数量限定で販売しました。当商品は、『デサント』のブランドアイデンティティである「ハイパフォーマンス&プレミアムクオリティ」にこだわり、海外のアルペンスキー競技やボブスレー競技のナショナルチームのオフィシャルウェアにも採用されています。加えて、当社がアドバイザリー契約を結んでいる大谷翔平選手の2021年シーズンの活躍を記念した、「MIZUSAWA DOWN FOR SHOHEI OHTANI」を46着限定で生産し、応募販売を実施しましたが、50,000件を超える応募となり大きな反響がありました。韓国では、コロナ禍においてもお客様と継続的につながるイベントの実施に注力しており、『ルコックスポルティフ』にてテニスをテーマにしたオンラインイベントやゴルフの秋冬商品のPRを目的としたSNSでのLive配信を実施、『アリーナ』では、泳いだ距離に応じて商品をプレゼントするオンラインイベントを開催しました。これらの取り組みがEC会員数、売上増加に寄与しました。
SDGsへの取組みとしてマテリアリティ(重要課題)の解決にも取り組んでいます。11月には、社会問題の解決を図ったモノづくりとして、『デサント』の暑熱対策アイテム「CORE COOLER(コアクーラー)」が、「熱中症予防声かけプロジェクト」主催の「ひと涼みアワード 2021」において、「スポーツ部門・優秀賞」を受賞するなど、日常の場面でも活用できる商品を開発しております。また、大谷翔平選手の出身地であり、デサントアパレル株式会社水沢工場がある岩手県奥州市と地方創生を推進するための包括連携協定を締結し、今後地域の子供たちへの教育機会や、市民の皆様へのスポーツ活動機会の提供を行う予定です。他にも、トップアスリートとのスポーツ交流を通じて子供たちに体を動かす楽しさを知ってもらうことを目的に開催している「すこやかキッズスポーツ塾」の活動として、今期はスポーツ教室の実施に加え、東京オフィス近隣にある豊島区の公立小学校へのマスクの寄附を行うなど、子供たちや地域住民の皆様の健全なライフスタイルの創造に貢献する活動を行っております。当社は今後も持続可能な社会の実現に向けての取り組みを推進してまいります。
財政状態の分析につきましては次のとおりであります。
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は113,315百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,327百万円増加致しました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ5,641百万円増加し、71,010百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加5,642百万円、受取手形及び売掛金の増加838百万円、商品及び製品の減少2,196百万円などによるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べ313百万円減少し、42,305百万円となりました。これは主に投資その他の資産に含まれる投資有価証券の増加2,391百万円、有形固定資産の減少2,339百万円、無形固定資産の減少310百万円によるものです。
負債合計は前連結会計年度末に比べ92百万円増加し、30,116百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加1,062百万円、短期借入金の減少1,000百万円などによるものです。
純資産は前連結会計年度末に比べ5,235百万円増加し、83,199百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加4,087百万円、為替換算調整勘定の増加1,173百万円などによるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、1.2%増の73.4%となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は1,112百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新設、休止、大規模改修、除却、売却等により著しい変動があった設備は、次のとおりであります。
(資産の売却)
当社は、大阪本社(大阪市天王寺区)の土地及び建物を譲渡する契約を2021年11月5日に締結し、同年12月22日に引渡が完了いたしました。
当該固定資産の譲渡により、当第3四半期連結累計期間において、固定資産売却益1,819百万円を特別利益に計上しております。